公開日 2021年04月06日
令和2年2月定例県議会での追加提案の概要
追加提案の意義について
予備費の使途について
経済対策について①
経済対策について②
県独自の融資制度について
新型コロナウイルス感染症の拡大終息の要因について
マスクの配布先について①
改正特別措置法について
マスクの配布先について②
融資制度の対象について
マスクと消毒液の購入数の想定について
緊急事態宣言について
緊急対応策の規模感について
配付資料:令和2年度予算の概要(追加分)[PDF:799KB]
令和2年2月定例県議会での追加提案の概要
(知事)
本日は臨時でお集まりいただきましてありがとうございます。16日に、現在開会中の定例県議会に追加提出を予定する議案が固まりましたので、説明をさせていただきます。議案は令和2年度の一般会計補正予算と令和元年度の一般会計補正予算、合わせて2件です。
具体的に見ていただきますと、今回の補正予算、議案は2本になります。今年度、今進行中の元年度の分と令和2年度、4月以降の分になりますが、トータルの考え方としては、新型コロナウイルス感染症対策いうことでして、県民の皆さまの健康・生活を守るということを第一に考え、かつ経済のダメージを最小限に食い止めるという観点から、所要の対策を迅速かつ的確にやりたいということがありまして、予算の全体の規模、翌年以降に歳出に変わる債務負担行為を含めて、全体で約40億という規模になっています。
まず、元年度の一般会計補正予算につきましては、元年度中に現実に支出をされる、キャッシュとして出ていくのは1億7,000万円ほど。これに債務負担行為、令和2年度以降歳出化をされるのが3億6,300万余りとなっています。この元年度の補正予算で申しますと大きな対策の3本柱でいいます感染予防、感染症拡大防止ということに関しまして5,700万。具体的には介護施設などに配布しますマスク、消毒液を一括購入して配布をする経費。あるいは小中学校等の臨時休校に伴いまして、放課後子ども教室、あるいは放課後等デイサービスの開所時間の延長などをすることに関する費用を補助するもの。こうした中身になっています。
それから、経済影響対策に関しましては、一つは売上が落ち込む中小などの事業者向けに保証料ないし利子の補給を行う新規の融資メニューを創設します。令和2年度の方と共通をしますが、債務負担行為として出ています。また、生活福祉資金貸付制度、いわゆる低所得者向けの生活資金の貸し付け制度につきまして、貸付原資等の上積みをする経費として1億1,000万円余りという中身になっています。
それから、令和2年度ですが、歳出規模全体として5億3,000万、令和3年度以降歳出化を予定する債務負担行為が29億余りということです。一つの柱、感染症予防・感染拡大防止に関しましては、一つは協力いただきます医療機関に対しまして、院内感染防止に必要な医療器材を整備していただくための資金面での支援。それから、入院された患者さんの医療にかかります費用を公費負担をする。いわゆる自己負担分を公費負担をする。それから、現在も行っていますPCR検査に必要な検査試薬の追加購入。こういった中身になっています。これが5,300万円ほどです。経済影響対策は、先ほど申し上げました事業者向けの融資対策です。
それから3点目。危機事象への備えとして、予備費の追加計上をお願いをすることにいたしています。予備費に関しましては、既に提出しています当初予算案の中で、1億4,000万円の計上をしていますが、これに今後、機動的な対応が必要になった場合に備えまして、5億円の枠取りをさせていただきたいという中身です。これを含めまして5億5,300万という中身になっています。数字的なもので、字が小さくて恐縮ですが、元年度の方は先ほども申しました1億7,000万弱の規模でして、主な財源は国庫支出金などになっています。そして、2年度の方は5億5,300万弱の規模。主として基金の取り崩しで賄うといった中身になっています。歳出の性質的な中身としては、いずれも経常的経費でありまして、投資的経費等は入ってないということです。
それから、この緊急対策の中身について、より具体的にご説明申し上げます。これは元年度、2年度通してのご説明ということで聞いていただければと思います。
まず、感染予防・感染拡大防止対策に関しましては、県民の皆さまの安全安心が第一だということでして、このための対策を迅速かつ的確に実施していくという考え方に立っています。一つは、検査・医療体制の強化、感染拡大防止対策の実施ということでして、一つ目にあります、先ほど申しました医療機関の医療器材の整備に関しましては、簡易ベッド、個人防護具などの医療器材の整備を補助金を交付して支援するという中身です。それから、入院医療費の公費負担。感染された患者さんが入院をされたときの医療費、自己負担が生じますので、それを公費で負担をするということで、肩代わりをするということです。
それから、検査体制の確保として、医療機関におきます検査、あるいはPCR検査に必要な試薬の追加購入などを今年度から来年度にわたって追加をするもの。それから、介護施設等への保健衛生用品の配布として、介護施設などに対して、マスク、消毒液を一括購入して配布をするという中身になっています。それから、社会福祉法人において、テレワークを実施する際のシステムの導入経費が補助メニューとして出てきているということがありまして、希望される機関に対して補助金を交付するというものです。
その他の予算では、直接お金が出てくるわけではありませんが、国からかなりのマスクが県の方にも配分されます。また、寄付を民間の方から受けた物などのマスクもありますので、こうしたものに関して、医療機関などに対して優先的に供給をしていくという対応を取ることにしています。
なお、この際にちょっとご紹介させていただきますと、特に大口のマスクの寄付をいただきましたのは、自民党の二階幹事長のご紹介といいますか、ご好意によりまして、中国のネット通販最大手アリババグループの創業者の方が、日本全体にマスクを提供したいという話がありまして、その一部として本県にも1万枚を寄付提供いただくということになっていますし、また各方面からも、これ以外にもマスクの寄付をいただいたところで、この場をお借りしまして厚く御礼を申し上げたいと思います。
次に感染拡大防止策。例えば、小中学校の休校などについてですが、この影響を受ける方々への支援です。児童生徒の居場所の確保に関連して、特に予算に直接関係するのは放課後子ども教室、文科省の予算で開設時間の延長などに対しての補助金が手当されますので、国の支援範囲の分は補助制度によって、また時間ではみ出る分につきまして、県独自の支援策として市町村へ補助するという中身になっています。因みに放課後児童クラブの方は、数的にはもちろん多いですが、厚生労働省の所管になり、市町村の方に予算が直接入るという枠組みになっていますので、県の予算は通らないということになります。
その他の2点目です。障害児の受け皿の確保として、特別支援学校などに関連し、放課後等デイサービスの利用児童が増加したことについての費用を補助するものが入っています。
それから、これは予算に直接関係ありませんが、一連の対策の一つということで改めてご紹介をします。今回、施策としての2本目の柱として情報発信、相談体制の整備。現在四つの相談窓口を開設しています。一般的な健康相談にかかるもの、特にメンタルでの患者さんなどへの相談窓口、中小企業者向けの融資の相談、それから、それ以外の新型コロナウイルスに対する相談窓口、こういった4本立ての体制を整備しています。また、下にありますようにホームページ内の特設ページで最新の情報を随時更新をして、県民の皆さんにお知らせをしているところです。
次に、経済影響対策です。これが金額的には、先ほど申しました債務負担行為の分が32億余りありまして、大変大きくなっています。債務負担行為を含めまして総額は33億です。この分につきまして、基本的な考え方は本県の経済への影響緩和に向けて、国の緊急対応策などを最大限活用しますが、一方で県独自の対策も行って、スピード感を持って実行していくという考え方に立って対応をしています。
まず、休業者への支援。学校の休校などに伴いまして、所得が減ってしまうというような方々に対する支援ということです。今回の県の予算では、これは国の制度になりますが、生活福祉資金の貸し付け、国の方からの財源がありまして1億1,300万円。具体的には市町村の社会福祉協議会が窓口になり、所得の低い方々に対して、常日頃から貸付の制度を持っているわけですが、今回、国の方が全額資金を提供して、特に今回の学校の休校等の理由で資金が必要な方々へ、緊急小口資金の特例貸付等を市町村を通じて行っていただくようにということで、これを高知県社会福祉協議会に交付をしていくという経費です。
この下にあるように、国の方では、いわゆる休業取得が必要になった保護者の一種の所得補償的な意味で、新たな助成金制度をつくるといったようなこと。その他、雇用調整助成金の特例措置を拡大。これも国の予算から直接行われますので、県の今回の予算では数字は出てこないということになります。
それから、1番大きいのが事業所の支援ということです。これは便宜的に国の方を先に申しますと、国の方は先般前例のない支援ということで小規模事業者、あるいは農林漁業者に対しまして、日本政策金融公庫によりまして、実質的に無利子・無担保となるような融資を、新たに実施をするという方針を表明をされています。県においては、これを受けて、趣旨としては同じように売上高の減少などによります資金繰りの悪化に対応するためとして、新たな融資制度を創設をするということで、事業者の方々の保証料、あるいは金利の負担を軽減するという対策を講じたいと考えています。これは金額も大きいですので、別途、次の資料で詳細をご説明します。
さらに、事態収束を見据えた施策です。今回の補正予算では、歳出予算の計上、あるいは債務負担行為の計上にまでは至っておりませんが、報道されているところでは、4月にも国の方も新たな経済対策を策定しようという動きもあると報じられています。そうした国の動向も注視しながら、例えば県産品のプロモーションの強化ですとか、観光事業の回復を目指した宿泊割引、こういったものが事態収束の見通しが立った時点で、速やかに実施できるように検討、あるいは関係機関への相談、こういったものも既に進めているところです。
そのために、これらにつきましては、まずは事態の収束の目途がたっていくということが前提になりますが、もし議会の閉会中に予算上の措置が必要になるということに至りましたら、必要に応じて、臨時議会の開催をお願いをする。あるいは、予算の専決処分をお許しいただく。こういったことも視野に入れて、迅速にかつ的確に対応していきたいと考えています。
先ほど申し上げました、新たな融資制度の創設について詳細を説明したいと思います。
資料に載っていない部分で恐縮ですが、先ほど申し上げました国の緊急対応策においては、日本政策金融公庫において借り入れから3ヵ年、最初の3ヵ年を実質無利子とするという資金繰りの支援が講じられるということになりました。ただ、ご案内のように、日本政策金融公庫、県内では高知市内に支店が一つあるだけということです。こちらに事業者の方々が殺到するということになりますと、速やかに事業者の方の借り入れができないというようなケースも、場合によってはあるかもしれないということもあります。また、県内各地からそういった手続き、アクセスをするというのも大変だということもあるということです。そこで、本県独自に、県の、既にいわゆる制度融資といわれる仕組みがありまして、市中の銀行や信用金庫といった金融機関と連携をして、また信用保証協会にも協力をいただいて、県の方でこれ全体をオーガナイズしていくような融資制度の仕組みを今現状持っています。この中に、新しいメニューを作っていくことで、この特性は、こうした市中の金融機関が事業者の皆さんの身近にあります支店が窓口になって行える融資ですので、こうしたところで必要な資金繰りのための緊急融資を受けていただけるような、そういうメニューを作ろうということで、今回検討して、こうしたものをつくりたいということです。
そのときに、先ほど申しましたように、国の公庫の資金では、場合によっては迅速な支援、あるいは間口の広い支援というのは、十分に及ばない可能性もあるということで、こちらを県の方でカバーをしていこうという考え方にしました。
資料のポイントですが、一つは保証料の補給制度、これは元々ある制度ですが、今回はセーフティーネット保証4号、5号とか、危機関連保証認定、要は色々な地域とか業種とかで条件がありますが、一定以上、売上が落ちている方に関しまして、この要件に該当するところの事業者に関しては、お支払いいただく保証料をゼロで融資を受けていただけるようにしようということです。
もう一つが、利子補給の方で、これも国の無利子貸付というところに遜色ない形での条件を付していこうということで、県からの利子補給の率を据え置き期間、これは4年間ですが、これを実質無利子で借りていただけるという制度として設計をしようと。事業者の金利負担を最大4年間、実質ゼロにする。4年以内で返されるという方には、その期間までということにはなりますが、4年間は利子補給することで、金利負担をゼロにできるという形の制度を設計するということにしました。
この県の制度融資を使いますと、一般的な既存の条件は、金融機関から事業者に貸す金利は2.27%以内ということになっておりまして、ここを最大4年間はゼロにするまで利子補給をするということですが、特にそれ以降、ここに書いていますように、12年以内での貸付ができるという制度として設計していますので、4年が過ぎた後について金融機関に対して、2.27%これは実際は貸付の事業者の方々の信用力によって、信用力が高いところはより低い水準で貸していただけるというような仕掛けの中で、上限を決めてるという性格のものですから、各金融機関には4年目以降の、特に貸付金利の軽減を。もちろん4年目までの分も、金融機関を儲けさせるのが目的ではありませんので、事業者の信用力に応じた適正な低い利率で貸していただくことをお願いするのはもちろんですが、特に4年目以降に関して、事業者の方々の負担ができるだけ増えないように、この貸付金利を軽減していただくようにお願いをしていく考えです。
また、これ以外の既存の制度融資に関します融資メニューにつきましても、下にありますように、要件の緩和をして、事業者の方々を支援をしようということです。
次の資料が4枚あるのは、コロナウイルス感染症対策一覧というのを、先般の対策本部の中でまとめたわけですが、1週間を経て、今回の補正予算(案)を含め、本日時点で更新をした中身ということですので、7ページから10ページにかけましては、また後ほどご覧いただければと思います。
それから、この点は本日せっかくの機会なので、ご紹介ということで新しい情報ですが、このコロナウイルス感染症の発生に伴う行政手続や公共調達、この期限を延ばすというものについて、全庁的にどうした対応が取られるかということをまとめたものです。警察本部にある運転免許証は、県議会の議論の中では国全体としての統一的な対応なので、県独自のものは難しいですというような答弁もされておりましたが、3ヵ月延長と、この月内限りで延長の手当がされるということです。
以上が私からの資料に基づく説明の概略ですが、改めまして、この機会に県民の皆さまへのお願いをいくつか申し上げたいと思います。
県内での新型コロナウイルス感染症の患者数は合わせまして12人の方の発生が確認をされています。ただ、今週に入って月曜日以降は、新たな感染者の確認はありませんし、また、この12人のうち6名の方は、既に経過が良好で退院されているという状況にあります。その意味で、新たな感染拡大という観点から見ますと、本県の状況、だんだん落ち着いてきているというふうに考えます。そういった意味もございまして、県民の皆さまには、必要以上に新しい感染症を恐れるということなく、冷静に行動いただくということ。
そして、一方で引き続き油断することなく、地道な感染予防の行動を取っていただくようにお願いいたしたいと思います。具体的には、政府の専門家会議の方で三つの感染がされやすい状況、あるいは避けるべき状況として条件を示されています。1点は、換気の悪い密閉空間。2点目は、多くの人が密集している場所。3点目が、互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる場所、声を出すということですね。こういう三つの条件が同時に重なるような場所、これは避けていただきたいということが、政府の専門家会議でも示されていますので、この点、ぜひ県民の皆さまにもご留意いただいて、そうした場所に赴くことは避けていただくようにお願いしたいと思っています。
またもう一点ですが、大変これは残念なことですが、我々の方に患者の関係者の方々の方からお話がありまして、周辺の方々の心ない言動で大変苦しんでいると、悲痛な声をお聞きするところです。先般もお願い申し上げましたが、この新型コロナウイルス感染症に関連しまして、不当な差別、偏見、いじめ、こういったことがあっては決してならないと考えています。県民の皆さまにおかれましては、患者さんやご家族の皆さま、あるいは医療機関や学校といった関係機関の方々に対しまして、仮にも誹謗中傷といわれるような、人権侵害に当たるような事象が決して起こらないように、ぜひ冷静に、また抑制的な対応をお願いいたしたいと思います。
なお、報道機関の皆さまに対しましても、先般、同趣旨のご協力のお願いをいたしました。そういった冷静な対応ということで、報道機関の皆さまには、最近のところ、ご対応をいただいているというふうに思いますが、どうか引き続き、報道機関の皆さまにも患者さんの皆さまのプライバシー保護ということに関しまして、お心配りをいただければというふうに思います。よろしくお願いします。
追加提案の意義について
(林・RKC記者)
先ほどの追加提案の説明のポイントというのを冒頭でおっしゃいましたが、この追加提案の意義というのを改めておっしゃっていただけますか。
(知事)
今回はコロナウイルスの感染症がこうした形で、県内でも12人の患者さんの発生が見られるということになり、県民の皆さんに非常にいろんな意味での不安が高まっている。特に、昨今では経済面でも観光、宿泊、そういった事業者の方々を中心にご心配の声が高まっている。また全国的にも、また世界的にも経済動向が大変厳しい状況、局面に陥っているということが報じられているということがございますので、何としてもこれをスピーディに県民の皆さんの不安の解消を図りたいということが第一義で、その意味で感染予防対策といった柱と、特に緊急的な経済面での支援策、こういったものを軸に補正予算の編成をして、異例なことですが、2月議会にこうした形で追加提案をさせていただいて、ご審議をお願いするという判断をしたところです。
予備費の使途について
(大野・高知新聞記者)
予備費5億円のこの使い道の想定といいましょうか、これは先ほど知事がおっしゃった事態収束を見据えた施策とリンクするものですか。
(知事)
それは一定入っていますが、予備費ですので、それにも限らない。今後、ある意味ではあらゆる事象に対して対応できるということですので、一つ規模感の設定ということに関しまして、今おっしゃったような事態収束後の例えば観光振興ですとか、そういったことにどの程度の経費がかかりそうかというようなイメージは踏まえながら設定したということはありますが、それには限らず、もともと先ほど申しましたように当初予算では1億4,000万円、ありとあらゆることに備える金額として1億4,000万円ですから、かなり大きな額になりますが、必要な対策を打てるように。さらに大きな規模となると、当然さらなる予算の補正が必要になるということになりますから、先ほど申し上げましたように臨時議会とか予算の専決、こういったものも視野に入れる必要が場合によってはあり得るわけですが、そこに至らないところで柔軟な対応ができるような規模として、5億円という規模をお願いしたということです。
(大野・高知新聞記者)
もう1点、再度のことになるのかもしれないですが、この後、当然今から議案にかけるわけですが、その状況の変化に応じて対策をスピーディに打っていくということでいうと、その辺の姿勢を言ってもらいたいんですが、追加のさらなる臨時議会もということもおっしゃってたと思うんですが、国の対策に応じて打っていくようなイメージですか。
(知事)
大きく言って二つ要素がありまして、一つはやっぱり事態の収束が見えませんと、ある意味端的に言うと、アクセルを踏むのとブレーキを踏むのを同時というようなわけにいかないと思いますから、一つは事態の収束に向けてそれなりの兆しが見える、兆候が見えるということが大事じゃないかということですし、もう一つ、現実問題お金が絡みますから、国の方も先ほど申しましたように、新年度早々にも経済対策あるいは補正予算、そういうような報道もされていますから、そういったところの動向も見極めた上でというところがあると思っています。
経済対策について①
(大野・高知新聞記者)
経済対策でいうと、利子の補給であるとかいうようなところから、既におっしゃってるように観光であるとか宿泊というところには直接的なダメージがもう出ていますが、ダメージが日を追うごとに波及していくと思います。県として、今回打ち出したもの以上に踏み込んだ経済対策というものをする用意とか心構えというのはありますか。
(知事)
はい。その意味では今申し上げたように、例えば県産品のプロモーションとか、おっしゃったような観光の需要の刺激といいますか、インセンティブといいますか、そういったものも視野に入れて手当てを打っていく、ある意味国内の移動が、政府全体としても少なくともニュートラルというようなところまで行くという時点を見据えて、当然準備はその少し前にはしておかなければいけませんので、そういう時期に予算上の措置が必要ということであれば、先ほど申し上げましたあらゆる手立てを考えていく。その一つには予備費もありますがというところです。
(大野・高知新聞記者)
もう1点。例えば事業者の売上減とかあるいは休業者の所得減というものに対して、何らかの給付のような形、お金を貸し付けるところに対するサポートというよりは、直接的に給付をするというようなことというのは、何か念頭にあるんでしょうか。
(知事)
私自身は、今のところそこまでは難しいんじゃないかと思っています。休校措置に関する所得の一種の補償的なものも国の方でいろいろ手をお考えいただいていて、もちろん制度的に自治体でできないということではないとは思いますが、ただ、いわゆる所得補償的なものとかあるいは定額給付金的なものも既に報道が挙がっていますが、一般論ですが、こうしたものになるとやはり一自治体の手に負える範囲を超えるのではないかという気持ちは現時点では持っています。
経済対策について②
(大山・高知新聞記者)
今の話も少し関連するんですが、県産品のプロモーションであったり観光需要の刺激というと、もう少し先になると思うんですが、一方でその消費喚起策のようなものを求める声というのも大きいと思います。その部分の今の現状のご認識をお伺いしたいです。
(知事)
これも繰り返しになるかもしれませんが、まず収束が見通せる期間として、国の施策もそういったものに対して、ニュートラルになるのがいつ頃行けるのかという見極めがあると思います。そこからある意味、その時点で施策が打てるようにいろいろ関係者とも調整をして、予算上の裏づけもある程度前の時点でとらないと、現実にタイミングよく、タイムリーにその施策を打てないということになりますから、そういったことを展望してできる準備、関係者との相談ですとか色々な企画の案づくりですとか、こういうことはしておいて、いざそれが行けそうだという見通しが立った時点で、予算措置が必要だというときに、先ほど申し上げました予備費も含めて、あらゆる手を打って予算上の措置をしていくということかと思っています。
県独自の融資制度について
(大山・高知新聞記者)
融資制度の話ですが、国の方でも有利な融資制度があると思います。その中で県として独自でやられる部分、先ほど市中銀行というお話もありましたが、そのやられる意味というのと違いというんでしょうか、その利用者側からして明確なメリットがあるようでしたら、教えてください。
(知事)
ひと言で言うと、やはり迅速かつ機動的な対応ができるということだと思います。国の制度も非常に前例にないような思い切った手当てだと思いますが、実際には政策金融公庫の支店に県内各地から、私も詳細は分かりませんが、支店は1店しかないということですから、そういった意味では、事業者の皆さまのアクセスという点ではかなり限定がある。それに対して、県の制度融資ですと、市中にあります色々なメジャーな金融機関は対象になっていますので、常日頃お取り引きがあるような銀行にご相談をいただいて、特に最初の3年間4年間というところで見ていただくと、国の公庫の制度と遜色がない形の支援が講じられる。結果的に迅速に、また間口広い形で支援が行えるというのが、大きなメリットではないかと思っています。
(大山・高知新聞記者)
国と有利さでいうと、遜色ないということであれば、場合によっては国の方でもいいのではないか。かなり大きな額になりますので、それを県として投じることとの、どちらのメリットが大きいかというところだと。やはりスピード感であったり、その使いやすさというところが一番大きいということですか。
(知事)
そうですね、スピード感というところが大きいと思いますし、また、その使い勝手的な部分といいますか、そういった部分で今おっしゃったような話も、確かに財源的に見ると厳しいという面もありますが、ただ、あえて言いますと、国の公庫の制度はもとは政策金融ですから、ベースになる金利も低くて、長期で借りられますが、制度融資の方はベースになるのが市中の金融機関になりますから、ベースになる金利は高めでかつ期間は短めでということです。そういう意味で、ハンディはある程度制度融資の方が政策金融に比べますとあるということはありますから、そういった中で、ただ条件によって、個々の事業者の方々が、公庫だったらこの金利で借りられるが、市中金融機関だったら4年目5年目以降これぐらいの金利になるなど、そういう条件を見て比較をしていただいて、有利な方を選択していただくという形で、それほどどちらかに偏るということなくいけるような水準を考えたつもりです。
(大山・高知新聞記者)
その制度融資というのはこれまでもちろん既存の融資としてありますが、この制度では、その対象を売り上げが減っている方ということでは拡大されていると思いますが、その対象としてはそれ以外に幅を広げたりとかいうところはありますか。
(知事)
少なくとも現状では、いろいろ検討した中で売り上げが一定以上下がったところという条件でまずはスタートしたいと思っています。
(大山・高知新聞記者)
今後、状況を見ながら、例えば対象を拡大するということもあり得るんでしょうか。
(知事)
国の方の政策金融の動向などにもよると思いますが、当面は、国の方も出したばかりですからこれで行くのではないかと思いますので、これでいきたいと思っています。
新型コロナウイルス感染症の拡大終息の要因について
(大山・高知新聞記者)
全体の話になりますが、コロナウイルスの感染の状況ですが、先ほど知事がおっしゃったように、県内の状況の拡大というのは落ち着いてきているという状況だと思います。ただ、一方で他県、世界的に見ても(感染が)広がっている中で、高知県で拡大が収束してきている要因というのは、どこにあると思われていますか。
(知事)
これは何とも言えないですね。今日までのところは、特に人の移動をできるだけ抑制をしてという方向になってはいますが、人の移動は全くないわけではありませんから、また新たに明日、明後日以降も含めて発生する可能性がないかといえば、ないことはないということだと思いますので、落ち着いてきていること自身は嬉しいことではありますが、要因を分析をしてみても、今はしょうがないかなという気もしています。
(大山・高知新聞記者)
県内でPCR検査も含めて幅を広げて足どりを追ってきた面があると思います。その部分というのは、把握も含めて大きいんでしょうか。
(知事)
確かにその部分は、先般も申しましたとおり、最初の感染者の方が確認された時点で、濃厚接触の方々を、症状が出ている出ていないにかかわらず、ご同意がいただける限り全て検査をしていただいて、封じ込めに向けてできるだけ手を打っていこうというスタンスをとりましたので、結果、それは悪い方には出ていないという気持ちはあります。
(大山・高知新聞記者)
知事ご自身が拡大を抑えるためであったり、心掛けてこられたこと、意を用いられてこられたことがあるようでしたら、教えてください。
(知事)
このコロナウイルス対策全般ということですか。
(大山・高知新聞記者)
はい。対策、拡大であったり、先ほど誹謗中傷というお話もありましたが。
(知事)
これはひと言で言いますと、県民の皆さんの目線に立って、県民の皆さんのご不安をできるだけ拡大させないように、安心いただけるようにという方向で、今県として何ができるかということを常に考えておりました。
マスクの配布先について①
(加藤・朝日新聞記者)
マスクに関してですが、マスク不足もありまして、県民の皆さんもマスクの配布先に関心があると思いますが、今書かれている介護施設や障害者福祉施設などというのは、どういったあたりを想定しているのかということと、これに絞った理由を教えてください。
(知事)
一般論としては、マスクについてはまず医療機関だと思っています。指定医療機関のように現実に患者さんが発生したら入院していただくところとか、いわゆる帰国者・接触者外来など、そこへ行くまでの検査をしていただくところとか、いわば最前線で闘っていただいているところですから、そういったところを優先をしていく。それから、また今回、重症化しやすい、リスクが高いと言われてるような高齢者の方とか、こういった方が入っておられる施設はやはり優先されるべきだろうといったような点があると思いますが、今のところでは、まだそうしたところに優先的に配付をしていきましょうという計画を立てて、今から実行していこうという段階ですので、そこから先はまた今からの議論になると思っています。
(加藤・朝日新聞記者)
国から配付されるマスクというのが、先ほどおっしゃられた中国からの1万枚。
(知事)
国から全体では21万枚が今の最新の数字です。最初に買取分として4万枚、配付分として13万枚、それから国で備蓄していたものの放出分が4万枚で、合わせて21万枚の国からの配付があるというお約束はいただいてるということだと思いますが、まだ現物が入ってきてるかどうかということは、それ担当の方から。
(加藤・朝日新聞記者)
お伺いしたいのが、県が一括購入する購入先が先ほどおっしゃられていた中国からの放出なのか、それとも別の企業からなのかということは。
(知事)
それはちょっと私の方では分かりませんので、どこで聞いてもらったらいいですか。
(事務局)
基本的に健康政策部なんですが、この中国からのアリババの関係は寄附いただいているものなので、県が買うものではないです。県が買うのはまた別途メーカーから買いますが、国の方で優先的に卸業者の方から医療機関向けのマスクを優先供給できるような仕組みをつくると言っているので、そういう部分で県が買っている。
(加藤・朝日新聞記者)
今スーパーやコンビニなどでもマスクがないという現状があるので、一括購入というのが現実的なのかというところがありますが。
(知事)
時間差の問題かもしれないと思いますが、県としてまずは予算を組ませていただいて、それを買えるお金の裏づけをいただいたということですから、現実に今のような状況の中で発注をして、いつ入荷ができるかというのは、まだ今からの部分もあると思いますので、そういう意味で少し時間差が生じる可能性は、視野に入れておかないといけないのではないかという思いはあります。
改正特別措置法について
(加藤・朝日新聞記者)
コロナウイルスに関する改正特別措置法が先ほど成立したと聞いたのですが、都道府県知事が外出の自粛ということを指示できたりという内容になっているかと思います。現状、この改正法についてのお考え方、今後行使するかどうかというあたりも含めて、お考えをお聞かせください。
(知事)
これは総理の方のリーダーシップで万一のときといいますか、最悪の事態も想定して、そのときにとり得る手立てを法律上きちんととられたということだと思います。そういう意味で、あくまで国の方におけるいわゆる緊急事態の認定ですかね、こういったものが前提にある。そういったときに都道府県の知事に一種の私権制限にあたるような権限も付与されて、この感染拡大防止、まん延防止にあたることが求められるということだと思いますので、そういったことにならないのが一番ありがたい事態ではありますが、万一そういった事態になれば法令(または法制)をしっかり踏まえて、またかつ国とも連絡協調して、必要な対策はとっていきたいと思います。
(加藤・朝日新聞記者)
先ほどおっしゃられた私権の問題というところがあると思うのですが、事態によっては、そこも踏まえた上でも行使しなければいけない可能性というのはお考えですか。
(知事)
これは今の時点で具体的に想定してるということはないんですが、想定されていますのは、医療用の施設・設備の確保のために、収用的なものも想定、規定されてるということだと承知していますので、それはかなり究極の場面かということかと思いますが、そういった制度として、いわば入れ物が準備をされたということだという認識をしています。
マスクの配布先について②
(中田・高知民報記者)
マスクですが、帰国者、指定医療機関と介護施設というところへの支援ということをおっしゃられましたが、一般の医療機関、お医者さん、町医者など、一番最初に来るのはそういうところが多いわけですが、そこにも(マスクが)ないということで非常に悲鳴のような声を聞きますが、そちらの支援は考えられていないですか。
(知事)
そこは県としてどれぐらいの枚数を確保できて、またどれぐらい需要があってということだと思いますが、おっしゃるような話はもちろん分かりますので、まず最優先は指定感染症医療機関なり接触者外来といったとこでスタートですが、次なるプライオリティというところでは、おっしゃったような部分も含めて検討していくことになると思います。
融資制度の対象について
(五十嵐・高知新聞記者)
融資制度に話を戻しまして、この利用を想定される事業者なんですが、これは宿泊事業者であったりとか飲食業の事業者とか、そういうところが中心になっていると聞きましたが。
(知事)
そこが一番報道などされているところでも、お声を聞いている中でも大きいところだと思いますが、それに限らずだとは思います。
(五十嵐・高知新聞記者)
そうしますと、予算措置として32億円の金額でいいますと、ある程度売上が減少している事業者はおおむねカバーできる範囲と考えていますか。
(知事)
そうだと思っています。今回の危機関連でも15%減とか、5号だったら5%、その程度の減少で対象になってくるということですので、半分にならなくても十分この対象要件はクリアするということですから、世間で言われています大変厳しい状況にあるという方は大体クリアできる要件ではないかと思います。
(五十嵐・高知新聞記者)
そうしますと、今後その融資制度については、さらに予算で追加するというようなことは今のところは。
(知事)
今のところは、どの程度の融資の実需があるかというのは、やってみないとわからないところがありますが、リーマンショックのときの例などから想定して予算を組んでいますので、まずはこれでやってみるということだと思っています。
マスクと消毒液の購入数の想定について
(阿部・読売新聞記者)
マスクと消毒液について具体的に教えてほしいのですが、マスクと消毒液はそれぞれ何枚、何個ずつ買う予定ですか。
(知事)
これは数字の話なので、お時間をいただいて、財政課の窓口でお願いします。
(阿部・読売新聞記者)
21万枚というのは、国からもう配付されることは決まっていますか。高知県にやってくるんですか。
(知事)
県の分として(きます)。
緊急事態宣言について
(大野・高知新聞記者)
緊急事態宣言について、今は発動される時期にはないというお考えですか。
(知事)
はい。そこは官房長官もそういうふうにおっしゃっていると理解をしています。
緊急対応策の規模感について
(大野・高知新聞記者)
今回の政府の経済対策への評価というのをお聞かせください。緊急対応策のタイムリーさとか規模感に対して。
(知事)
それはこの時点でということでは、最大限の手当てを打たれたと思います。ただ、そういった中で全国的に、また全世界的に株安など非常に厳しい状況が出ている中で、いわばマーケット側がさらなる対策を催促してるという感じになっているのではないかという認識を持っています。
(大野・高知新聞記者)
当然また次があるだろうから、それに応じて。
(知事)
それを市場の側が期待をしている状況になってるのかなという感想を持っています。
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