令和2年4月15日  知事の記者発表

公開日 2021年04月01日

(新型コロナウイルス感染症関連)現状認識と課題について
(新型コロナウイルス感染症関連)緊急事態宣言、国への提言について
(新型コロナウイルス感染症関連)宿毛市の非常事態宣言への受け止めについて
(新型コロナウイルス感染症関連)外出自粛要請の延期の可能性について
(新型コロナウイルス感染症関連)国の経済対策について
(新型コロナウイルス感染症関連)緊急事態宣言の位置づけについて
(新型コロナウイルス感染症関連)国の経済対策と、県の当初予算の執行について
(新型コロナウイルス感染症関連)死者が発生したことへの受け止めと県民へのメッセージについて
(新型コロナウイルス感染症関連)高知市の家庭保育の協力要請について
(新型コロナウイルス感染症関連)臨時交付金での支援について
(新型コロナウイルス感染症関連)臨時交付金についての補正予算への対応について
(新型コロナウイルス感染症関連)テナント料等への補助について

4月15日記者発表資料①[PDF:218KB]
4月15日記者発表資料②[PDF:118KB]

(司会)
 ただ今から、知事定例記者会見を始めさせていただきます。冒頭に知事から発言がございます。

(知事)
 まず、本日確認をされた新型コロナウイルス感染症の患者さんの状況について、最新の状況をご報告したいと思います。本日、新たにお二人の方の県内での患者さんが確認されました。概略を申し上げますと、お一人は高知市内に在住の20歳代の女性でして、今のところ感染経路が明らかではない、新たな形での感染確認者でございます。
 もう一人の方は、幡多福祉保健所管内の70歳代の女性でして、こちらの方は県内で第34例目の方が経営をするバーを利用されていたということですので、そういう意味では感染経路の推定ができる方ということで、本日は新たに2名の方の感染が確認されております。
 そして、今、入院をされている方のうち、3名の方が退院の基準を満たし、退院をされる運びとなっております。
 併せて、本日は大変残念なお知らせもしなければなりません。本日まで重症の状態でおられた感染患者の方のうちのお一人が本日、午前中お亡くなりになりました。県内では初めての死亡例ということになります。ご高齢の方でございまして、今まで重症の状態が続いていたということですが、ご遺族の方のご意向で、それ以上の属性の情報についての公開はやめてほしいということですので、ぜひご理解をいただきたいと思います。お亡くなりになりました患者さんに心から哀悼の意を表しますとともに、残されたご家族の皆さまに心よりお悔やみを申し上げたいと思います。
 また、これを機としまして、新型コロナウイルス対策に関して、一層力を入れて取り組んでまいらなければならないという思いを強くしているところです。
 なお、ただ今申し上げました、速報的に申し上げた情報の詳細につきましては、4時半から定例的なレクチャーという形で報道機関の皆さまに詳細のご説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 また、今回この感染の最新の状況を踏まえて、あらためて県民の皆さまに申し上げたいと思います。今月3日には、感染状況の急増、感染状況の加速を踏まえて、夜間の外出を自粛いただきたいというお願いをいたしました。また、先週9日には、昼夜を問わない形での外出の自粛を要請してまいりました。こうした流れの中で、最新の感染状況を図表にしたものがこちらです。ただ今申し上げたように、本日感染が確認されたお二人の方のうち、お一人は感染経路不明ということです。
 昨日、一昨日と感染確認がゼロと、久しぶりに2日続けてゼロになったということで、図表の上を見ますと、この4月9日の10人という数字をピークにして、方向性としてはいい方向に向かっているというふうには見えますが、やはり高知県は小さな県ですので、毎日の数字はかなりの振幅がございます。1週間単位でこれを評価すべきだというのが国の専門家会議のご見解でもありますので、直近の1週間ということを見ますと、23名の方が感染を確認をされている。その前の1週間と比べますと、やはりまだ1.2倍、ペースが加速をする形で新たな感染者が確認をされてきているという状況に、大きな構図に変わりはないということです。
 この前の週末も高知市内の繁華街の人通りは大幅に減少したと報道もされております。また、そうしたご協力を今までいただいた中で、足元の状況としては落ち着いてきている、いい方向になっているということはあると思いますが、先ほど申し上げたように、大きな構図として1週間単位で見たところでは、相変わらず20名前後の新たな感染者が毎週確認されているという状況ですので、県民の皆さまには引き続き、気を緩めることなく、この感染防止の取り組みにご協力をお願いしたいと思います。
 特に、先週末などにご指摘を受けているのは、生活必需品の買い出しに地元の商店街ですとか、スーパーなどへのお買物に家族で連れ立って行かれる例が見られたということです。そして、程度問題ではありますが、家族の方々で揃って大勢で買い物に出掛けるということになると、買い物に出掛けた先で、いわゆる3密、密閉・密集・密接、こういう状況が起こりかねないというご指摘もあります。
 そうした形で、また別の形で3密をつくってしまうということになると、せっかくの感染防止のための取り組みが台無しになりかねません。また、外出の際に人との接触が想定をされるような場合は、できるだけマスクの着用をお願いをするということは、これは一種のエチケットということになろうかと思います。人と人との接触を減らすということが、この感染防止を図る最大のポイントですので、県民の皆さまに引き続きの、なお一層のご協力をお願いをいたしまして、私からの冒頭のご説明とさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。


(司会)
それでは、質疑応答に移ります。

 

(新型コロナウイルス感染症関連)現状認識と課題について
(大山・高知新聞)
 新型コロナウイルスについてお伺いします。
 今、知事からご説明があったところですが、県内における新型コロナウイルス感染症の現状についてどう捉えられているのか。これまで感染拡大警戒区域に該当して、緊急事態宣言の対象の一歩手前というご認識だったと思いますが、その認識にお変わりがないのか。併せて、その現状を踏まえての課題と考えられている点を教えてください。

(知事)
 現状につきましては、先ほど申し上げましたように、1日1日の単位での感染者の状況ということから見ますと、方向性としては、ここ数日間いい方向に向かっているということは確かではあると思います。
 ただ、これでもう警戒は緩めていいよという状況かというと、それには程遠いというのは、先ほど申し上げましたように、1週間単位で見た場合に週に20人前後のペースで、新たな感染が拡大しているということですので、県民の皆さまにはまだまだ予断を許さない状況だという前提に立ち、引き続きの感染防止のためのご協力をお願いしたいと考えています。
そして、先般申し上げました緊急事態宣言の一歩手前という状況は基本的には変わっておりません。基本的にはという意味は、出てくる数字は確かに方向性としては悪くない方向になっていますけれども、それよりは一歩手前で何とか踏ん張っているというような状況であって、決して全体として、もう心配はないという方向に向かっているところでは決してないという認識です。その意味で、一歩手前で踏ん張っているという状況だとに考えています。
 課題ということに関して申しますと、一つは、やはり医療の提供体制の整備ということです。これだけ感染者数が増えてまいりますと、いかに重症の方を出さないか。しかし、そうはいってもご高齢の方、中心に重症の方がどうしても出ておりますので、こうした重症の方の医療をいかにしっかりと全体の数が増えていく中で、重症者の方も増えていくということを想定して、その体制を整備をしていくということが1番の大きな課題であると思います。
 その意味では、医療機関の間での役割分担をより徹底していくということが大事だと思っております。その意味で、重症患者の救命をしていくというために、医療機関の一種の機能の集約化であったり、スタッフそして医療機器、そういったものをコロナウイルス関係の重症者の方々を対象とするところに集約をして、その機能に重点化をしていく。そして、役割分担でその他の病院は一般の救急機能であったり、その他、求められる医療機能を分担をしていくということを医療機関の間でしっかり行っていくということ。そういった体制へ移行していくということが大きな課題だと思いますし、さらに申し上げますと、先般、宿泊施設の整備をし、初めて入所するケースが出てまいりましたけども、軽症の方などについては、病院・医療機関ではなくて、一般的な宿泊施設の中で療養していただくと。こういった体制を今後の感染者の拡大も見据えて、さらに努力を続けていくということが必要である大きな課題だと思っています。
 もう一点につきまして、図表をご覧ください。
 4月コロナウイルス対策に対します経済影響に関する手当、これをしっかりと検討をしてまとめていくというのが当面、今月末を目指しての大きな課題だと思っています。特にこの今月上旬に出ました国の経済対策を中心に、かなりの今までにない形の支援策が取られています。
生活支援としては、生活資金の貸し付け。そして、新たな生活支援臨時給付金、1世帯30万円というような給付金の制度。そして、事業者の方々に対しては、貸付融資制度、これが県単の制度、県単独の制度も国とほぼ同等な貸付制度、かなりの思い切ったものをつくってきていますし、給付制度としまして雇用調整助成金といった事業主の方々への助成に併せまして、今回、持続化給付金ということで、右側にありますように、最大200万円のお金を融資ということではなくて、給付という形で行うと。
 この条件としては、50パーセント以上、月単位で見て、収入が減少した、売り上げが減少した事業者ということになっていますが、こういった制度が準備をされていると。そして、その要件も着々と明示をされて、準備が進んできているということです。
 もちろん国の補正予算が成立しないと執行できないということですが、私どもとしましては、こうした国の対策というのをまず出発点と、前提に置きまして、こうした中で今、様々な県内の事業者の方々あるいは生活者の方々からのお声をいただいていますが、そういった方々への対策、どこまでこの対策で充足をされるのか。そして、何が足りないのか。足りないとした場合に、県としてどこまでの取り組みを県独自で何とか取り組んでいくことが必要なのか。また、ここの部分は県の手には余るので、国に対してさらなる経済対策を要請をしていかないといけないのか。そういったことの仕分けの作業をしっかりして、月末に県独自の支援策というものをまとめていかないといけないと考えています。
県議会の方でも、特別委員会で調査・審議が続いておりまして、これからいろいろ大詰めの議論になっていくということですが、県民の皆さんの声を踏まえまして、こうした県としての独自策のとりまとめ、そして現実に例えばこの2番目の生活支援の臨時給付金などにつきましては、本日、報道ベースになりますが、国政レベルで与党の幹部からも、これはこれとしてさらに追加の対策が必要ではないかというようなお声が出ているということもあります。そういった流れも踏まえながら、県としてもこれでまだ足りないという分につきまして、県としてしっかり対応していく分、そして国にさらなる対策を求める分、こういったことの整理をし、また国に対しての要望も含めて行っていかなきゃいけないとに考えています。こういったことが課題としてあると思います。

 

(新型コロナウイルス感染症関連)緊急事態宣言、国への提言について
(大山・高知新聞)
 もう一点。前段の質問にも関係しますが、全国の自治体では独自の緊急事態宣言を出すような自治体も出てきています。高知県が同様の対応を取られるのか。あと、もう一点、国に宣言を要請したりする可能性の有無について、改めて教えてください。

(知事)
 県といたしましては、先ほど申し上げましたように、緊急事態宣言の一歩手前で踏みとどまっているという状況だと思っていますが、県独自でこの緊急事態宣言的な宣言を行うという考えは今のところございません。
 予断を許さないというのが目下の状況ではありますけれども、仮にそうした状況になるとすれば、この一歩手前を通り抜けて、もう東京、大阪あるいは福岡といった緊急事態宣言が出された県と、同じレベルまでもう感染が拡大をし、医療の提供体制も危機を迎えているというような状況に仮になるとすれば、それはもう国に対して緊急事態宣言を要請をしなければならないということと表裏の関係で県独自の宣言をするという選択肢が全くないとは考えておりませんけれども、現時点ではその手前でぎりぎり持ちこたえている状況だと考えていますので、繰り返しになりますが、現時点でそういったものを検討して出す考えはありません。

 

(新型コロナウイルス感染症関連)宿毛市の非常事態宣言への受け止めについて
(遠藤・高知さんさんTV)
 まず1点目が、今のいわゆる緊急事態宣言に関係してなんですが、今日午後に宿毛市の方が市町村としては単独で独自の宣言を発表されました。この件について、受け止めをどういうふうにされているかということと、今、宿毛地域、今日の新たな感染者の方も宿毛のバーでの感染者ということで、宿毛の地域、非常に感染者が多く、愛媛からも宿毛には往来を自粛するような愛媛県知事からも要請が出ています。どういうふうに受け止められていますか。

(知事)
 本日の宿毛市長の非常事態宣言に関しましては、県内の中でも市町村単位で見ますと、高知市と宿毛市が突出して感染者が多いという状況があります。
 そうした中で、宿毛市長さんの方で、こうした感染状況に対する危機感を非常に強く持たれて、市民の方に今まで以上に協力を強く求めたいというメッセージが発されたものだと考えています。私ども、今までもそうですが、今まで以上に、特に中心になりますのは幡多福祉保健所ということになると思いますが、県でも関係の部局を中心に宿毛市と緊密な連絡を取り、また必要な情報共有もしてまいりたいと思いますし、特に技術的な面などについて必要なアドバイス・助言は惜しまずにしっかりとするというような形で、宿毛市とはしっかりと連携を取ってまいりたいと考えています。
 宿毛市の境界を挟む所の往来の自粛を求めるかどうかということに関しましては、、同じ県内で市町村単位ということになりますと、隣接市町村単位、かなり同じ生活圏にあって、人の出入りがいわば日常生活の維持のためにも必要不可欠という側面が非常に高いと思います。そういう意味で、県境を越えるということの自粛というのはかなり実効性があると思うんですが、市町村単位で隣の市町村に行くなという話は、あくまで不要不急の外出自粛ということをあまり強く言っても意味がないことではないかなと思っていますので、そこまでメッセージとして発する必要はないのではないかというように私は受け取めています。

 

(新型コロナウイルス感染症関連)外出自粛要請の延期の可能性について
(遠藤・高知さんさんTV)
 もう一点。外出の自粛要請についてお伺いしたいんですが、現在出されている外出自粛要請が今月の26日までとなっています。いわゆるゴールデンウイークの前で1回切れることになります。知事も先日の会見でもおっしゃられたとおり、いわゆる3月の3連休がきっかけでいわゆる第2波が来たというような受け止めだったと思うんですが、この26日までの外出自粛要請を今後、延期する可能性というのは高いんでしょうか。

(知事)
 現時点では、何とも申し上げられない状況だと思います。私自身もこうした外出の自粛要請という形で県民の皆さんにご負担をお願いするのは、決して本意ではありませんから、そうした要請を延長しなくて済むというのが最も望ましい状況であるという認識には変わりありません。
 しかし、この感染症は、潜伏期間が1週間から2週間、非常に長い、いろんな取り組みから効果が出てくるのは時間差があるということです。最近、数日単位で見たときに、いい方向には向かっているというのは、恐らく1週間、2週間前に相当、県民の皆さんが、危機感を持っていただいて、協力をしていただいたというのが結果として表れていると思いますので、その意味ではあくまで最終的には26日という期限の、恐らく数日前の時点での感染状況を踏まえての判断ということになりますけれども、大変難しい判断だと思いますが、それにしても感染の拡大防止というのを、やはり第一義に置かざるを得ないということだと思いますので、その時点で状況を踏まえまして、かつ県民の皆さんの負担ということにも思いをいたしまして、しっかり検討して、またメッセージを発したいと考えています。

 

(新型コロナウイルス感染症関連)国の経済対策について
(松原・毎日新聞)
 経済政策についてお尋ねします。
 先ほども国の資料等がありましたが、改めて知事として、こういった国の対策、どういったところが十分で、どういったところが不十分とお考えでしょうか。
また、先ほど県内事業者からも声が上がっているということですが、改めて濵田知事として国に対して今後どういった要望を行っていきたいとお考えでしょうか。

(知事)
 まさしく、その点は精査が必要でありますので、この月末までのお時間をいただいて、県庁を挙げて検討をして、整理をしてまた発信をしたいと思っています。また、現時点で報道ですとか、県議会での事業者の方々への訴えなどを聞きました中で、生活支援などに関しましては、特に一種の目玉的になっています、この30万円の給付というのが、趣旨は本当に困っている方に重点化をしてということで対象者を絞る形になったわけですが、全体の2割くらいの世帯しか対象にならないというのが、また逆に、これでは対象にならない人が、困っているのに対象にならない方が多すぎるんじゃないかという声が出ていると。その中で与党の幹部からも、プラスアルファの対策を、新たに検討が必要なんじゃないかという声が挙がっているという状況だと認識をしています。
 県の行政としては、この事業支援について、特に融資の方はある意味精一杯国の制度と遜色ないような支援をやって、これは大変申し込みも多くてですね、予算が足りるかどうかというような議論になってるという状況だと思いますから、こちらについては県としてはもう十二分に力を尽くしていると思いますが、給付の部分について、特に持続化給付金という、これはこの分野での給付金の制度を国は今までつくったことがないわけですが、そこは大きく一歩を踏み出す形で、最大で200万円、個人事業主で100万円というような、但し、収入が半減した、より状況が悪い方を対象にした制度をつくられたということです。
 やはりこの制度のもとで、どれだけ困っている事業者の方々が助けられて対応ができるという状況になっているのか。逆に言いますと、ある意味200万円ということで頭打ちということになりますと、比較的零細な、小規模な事業者の方々には行き届くのかもしれませんが、中小でも規模が比較的大きなところは、頭打ちが200万円のラインでは全然足りないというようなお声も出ているとに聞いていますが、例えばそういったような問題意識の中でそれを県としてどこまでできるのか、またやるべきか、しかし片方で、申し上げてますように、こうした大きな経済対策は県の独力ではできる範囲に限りはありますので、財源的に見ましても、国にさらなるものを、どうしたものを求めていかないといけないのか。
 国のこの制度も、ある意味走りながら制度設計をされているという面もありまして、ここ数日になってやっと詳細が分かってきてた部分もありますから、そういった部分の事務的な詰めもやりながら、4月の末に県の対策をまとめる時点では、一定の整理をしたいと考えています。

 

(新型コロナウイルス感染症関連)緊急事態宣言の位置づけについて
(大髙・NHK)
 緊急事態宣言と経済対策、二つについてお尋ねしたいんですけれど、ちょっとさっきの質問と被るんですが、法律に基づかない県独自の緊急事態宣言というもの自体を、知事はどういうふうに認識してらっしゃるのか。あと、それをどういうふうに位置づけているのか。例えば最後の切り札として持っておきたいものなのかとか、そこら辺教えていただけますか。

(知事)
 宣言を、県独自でやるということについては、先ほど申し上げましたように、今から先そういう可能性があるとすれば、私自身は特措法に基づく緊急事態宣言が国からも行われてしかるべき、感染が拡大をし医療も危機的な状況に至ったときに、しかし、国の指定の手続き時間もかかりますから、そういったものに少しでも先行して、もう国の緊急事態宣言の対象と等しい状態だということを県民の皆さまに訴えをして、現状よりもさらに強い対策をお願いをするというときに残された、本当に非常時の政策手段ということだと思っています。
 そういう意味で、それを発するということは、単にアピールをするというだけではなくって、今以上に事業者の方々のサイドへの休業の要請とか施設の使用制限とか、そういったところまでも踏み込む必要があるという判断と、いわば表裏一体のものであるのではないかというような認識を持っておりまして、これももちろん独自に宣言されている各県の知事の判断はまた別にあると思いますけれども、私自身はそういう思いでこの独自の宣言というものの位置づけを考えているところであります。

 

(新型コロナウイルス感染症関連)国の経済対策と、県の当初予算の執行について
(大髙・NHK)
 分かりました。ありがとうございます。あと、さっきの経済対策についてなんですけれど、知事これまでの会見の中でも、知事会としてもし休業要請をすることになったら休業補償をするようにというのは、知事会として国に対して求めていくとおっしゃっていましたが、西村大臣は補償の方はする考えはないっていうことを示されていると思います。いろんな形で給付だとかっていうのはあるとは思うんですけど、まず大臣のご発言への受け止めっていうのを教えてください。

(知事)
 これはお察しをしますと、もうこれ先ほども申し上げてますが、補償という法律上の権利・義務関係ということになると非常に議論が精緻になりますし、時間もかかっていくということになりますから、そういった議論をするよりは、中小企業者の皆さんが一般に協力をいただくところへの支援という位置づけでお金を流していく。それを国としても、交付金で支援をしていくという方法論としてそちらを取りたいということだと思いますので、補償そのものではなくて、いわば補償的な性格を持つ支援、事業支援という位置づけで対応することにしたいということだと思います。それはそれで一つのお考えで、ある意味その補償という緻密な権利・義務というところまではいかないけれども、大雑把な形で対象も捉えて、ある程度もう要件の問題なども補償の議論のように細かな議論ではなくて、もうある程度大雑把に切り分けて、しかし、スピーディにそれなりの支援をしていくということを重視するという意味では、補償という言葉にこだわらずに、事業支援という形でお金を流していくというのは現実的な対応ではないかと、私自身は受け止めています。

(大髙・NHK)
 濵田知事がその事業者さんに対して休業の要請というのをされてませんけれども、地方に対して配分される臨時交付金の使い道っていうのは、どのような使い方が望ましいとお考えですか。

(知事)
 これはもうできる限り地方交付税に近いような使途の限定が少ない、又はない交付金にしてもらいたいというのが希望です。そうは言いましても、先程来お話あるような形で担当大臣が補償には使っちゃだめだというような話があるわけでして、これはこれで担当大臣のご判断ということであれば、それはそれを前提として、我々もどう動くかということを考えなきゃいかんということはあると思いますが、要望としてはできるだけ自由度の高いものにしてもらいたいという気持ちはあります。

(大髙・NHK)
 すいません。あとちょっと憶測で申し訳ないんですけど、成立した当初予算の中で、新型コロナウイルスの影響で執行できないものもあるのではないかと思うんですけれど、予算の組み替えとか、執行できない分を感染症対策に充てるっていうお考えがあるのかどうか、教えてください。

(知事)
 それは結果的にそういうことになる可能性はあり得ると思いますし、全く否定をするものではありません。例えばイベントなんかにつきまして中止をする、というような形で出てきた財源について、それを新たな対策に充てていく。それは一種の延期のようなものも含めてかもしれませんが、そうした形でいわば執行が必要なくなった予算を財源に充てて、新たな感染症対策、あるいは経済対策に充てていくということはあり得る話だと思っています。

 

(新型コロナウイルス感染症関連)死者が発生したことへの受け止めと県民へのメッセージについて
(阿部・読売新聞記者)
 県内初の亡くなられた方が出たということで、改めて県民の方にも、不安だと思うんですが、メッセージを伺いたいんですが。

(知事)
 県内で初めての死亡される方が出たということは、私自身としても非常に痛恨の極みですし、県民の皆さまも非常に驚き、またショックを受けておられるんではないかと思います。私どもとしましては、この感染症、8割の方は軽症であったり無症状で2割の方が重症になる。特に高齢の方あるいは持病をお持ちの方などがリスクが高いということでして、何とかこの重症者を増やさない。そして、出てきた重症者の方々を命を守るということを究極の目的にして医療体制の整備等を図ってきたわけですが、今回こうした形で県内からも初めて死亡者が出て、本当に残念なことだと思っています。本当に心からの哀悼の意を表しますとともに、残されたご家族の方々にお悔やみを申し上げたいと思います。
 そして、亡くなられた方の思いも胸にいたしまして、決してこれ以上の感染の拡大、急速な拡大ということにならないように、今まで以上にこの感染防止対策に力を注いでまいりたいと考えています。

 

(新型コロナウイルス感染症関連)高知市の家庭保育の協力要請について
(姫野・テレビ高知)
 保育の関連でちょっと聞きたいんですけれども、昨日高知市の方がご家庭の保護者に対して、可能な範囲での家庭での保育をというような要請を出されました。保育所に関連すると、小学校と中学校のように今、休園というような具体的な措置というのはとられてないかとは思います。保育所の、市町村それぞれの管轄にはなるとは思うんですけれども、県としてこのあたりどういうふうに捉えているかと、もし今後何かしらの呼びかけをするようなお考えがありましたら、教えていただきたいですが。

(知事)
 保育所の問題に関しましては、先程来の議論で申しますと、まさしく緊急事態宣言をしなきゃいけないような対象になるような地域になりますと、かなりもう切羽詰まって判断を迫られる場面だと思います。保育所の方もできるだけ人と人の接触を少なくしていくということ、感染防止ということから言えば、幼児の方々も密でない状態にしていくということが望ましいということだと思いますので、そうした意味で高知市におかれましてもいわば一種の先行的な取り組みとして、ご家庭でお仕事を休んでお子さんを見られるご家庭は、登園の自粛をお願いしますというようなお話をされていると受け止めています。
 ただ、保育所となりますと、例えば医療従事者の方々のお子さんですとか、あるいはもうどうしても仕事の都合上、休んで子どもの面倒を見られないという方のお子さん、こうした方々をお預かりをして、保育をしていくという大事な役割も担っているわけですので、なかなか一律にその休園、休業ということをお願いするというのは難しい性格が、ある意味学校以上に強い施設ではないかとに思っておりまして、そうしたところと感染の拡大の状況から来る、いわゆる3密対策の徹底というところとの両方の相反する要請を、どうバランスをとっていくかというところで判断が求められるケースではないかと考えています。

 

(新型コロナウイルス感染症関連)臨時交付金での支援について
(加藤・朝日新聞)
 先ほど臨時交付金について、できれば自由に使いたいというお話がありましたけれども、そうなった場合は、支援という形での事業者への給付ということをお考えでしょうか。

(知事)
 一義的には先ほど申しましたように、補償ということになりますとやはり法律上の議論に耐えるような議論をしっかり構築をして、個々のケースでもそういう条件満たすか満たさないかということをきっちり整理をしてという方向になると思いますから、それよりはお願いベースでの協力要請に対して、いわば気は心ということではないですけども、そういったことの中でお願いをする。快くご協力をいただいた。それに対する感謝というような気持ちで支援という形で、ある意味余り細かいこと言わずに大雑把に大くくりに、しかし、スピーディに支援という形で出していくということがより望ましい形だと思います。
ただ、もちろんものによっては、例えば特措法の中でも医療施設を整備するために、土地を収用して医療施設を整備する。これがまさしく法律上の補償の世界だと思いますから、こういったものはしっかりと細かいとこまで精査をして、きっちり法律論に耐えるような議論をして、額も決めて補償していくことは当然だと思いますが、今の例えば飲食ですとか一般的な中小の事業者の方々への自粛の要請の世界であれば、私はいわゆる支援の枠組みの世界の中で最善の方法を探る方が現実的だし、またスピーディにできるという意味で効果も大きいのではないかと思っています。

(記者加藤・朝日新聞)
 支援というのは、それはこれまであるような貸付ではなくて、給付という形を臨時交付金ではとられるようなお考えですか。

(知事)
 それは支援と言ったときには、給付も貸付も両方入ると思いますし、今はどちらかと言うと、貸付の方はかなり浸透もし、それなりに活用もされてきていますから、むしろ給付の方での議論をどこまでどうできるかという議論だと思っています。

(加藤・朝日新聞)
 給付に関して言いますと、県内では特にどういった、例えば飲食であったり宿泊であったりとか、どういう業種に今一番支援していかなきゃいけないと考えてますか。

(知事)
 一番はお訴えとして深刻だと思いますのは、観光に絡みますところ、あるいは宿泊、飲食、運輸、こういったところの減少幅ですね、売り上げの減少というのが少し前、数週間前で6割7割と言っておりましたけども、昨今の今回の5月の連休の予約状況の報道など見ますと、もう9割減というような報道も出てきてますから、そういった収入が大きく減っているという業種的に言えばですね、業種が最も深刻な影響を受けているという認識は持っています。

 

(新型コロナウイルス感染症関連)臨時交付金についての補正予算への対応について
(大山・高知新聞記者)
 今の質問に関連するんですが、交付金の件ですが、協力金ということであれば、例えば夜の街の外出自粛というような形でされた飲食とかというのが当てはまりやすいかと思う。一方で、先ほど影響が大きいとおっしゃった飲食、宿泊であったり運輸であったりというのは、要請をされているわけではないと思いますが、そこへのその協力金というのか給付のような形の支援というのも、今後補正予算では視野に入れて考えていかれる、取り組まれるという理解でよろしいですか。

(知事)
 本県の場合は、まず休業要請という、事業者の方に商売自身をやめてくださいというお話までは、お願いベースでも少なくとも直接的にはしてないということですから、その意味ではもう緊急宣言が出てですね、そのレベルまで行ってるところとはちょっと状況が違うということはあると思います。そういう意味で、その要請をしたからそれに対しての補償的な支援という、そこまでは行かなくて、それは協力をいただいてる、いただいてないは別にして、もう他律的に影響でとにかく収入が減っていると、この辺のところを何とかしてほしいという話も含めての話が、本県においての問題状況だと思いますので、その意味では幅広く、最初からここでの範囲だと狭めるのではなくて、要は県民の皆さん、事業者の皆さんのお声を踏まえて、先ほど申しましたように県でできること、やるべきこと、国に言っていかなければ実現できないこと、そういったことの仕分けをしっかりやっていきたいと考えています。

(大山・高知新聞記者)
 その状況を把握する意味でも事業者への聞き取り等はされた方がいいのかと思いますが、県議会の方ではこの前、特別委員会でヒアリングをされました。執行部の方で同じような情報収集というのをされるようなお考えというのは。

(知事)
 各事業者の方々もまさしく先ほど申し上げましたような業種の方々も、直接私自身のもとにも状況のお訴えいただいていますし、これは事務レベルでもいろんな形で状況はお聞かせいただいていますので、それも前提としつつ、私も先日来、県庁の中では、ただいま申しましたように県議会でのご議論を含めて、県民の皆さんのご意見を含めて何が必要か、県がそのうち何ができる、やるべきか、国に何を求めていくべきか、ここを月末までにしっかり整理していくべしという指示をいたしてますので、その意味でその整理していく作業の中で、事務レベルでもしっかりとそういった状況をお聞きさせていただくというような形で進めていきたいと思います。

 

(新型コロナウイルス感染症関連)テナント料等への補助について
(中田・高知民報)
 今日のお話では、補償、支援の話ですけれども、貸付、融資よりも給付にかなり重点を置かれてるように、知事のお話も大分トーンが変わってきたなと思いながら聞きましたけれども、福岡市でしたっけ、飲食への家賃補助を独自にやられたという話があります。県内業者さんに、その全国の話を聞くと、やっぱり固定費を何とか援助してもらえないかという話がものすごくありますけれども、先ほどの給付も県としてやれることは考えないかんというお話でしたので、例えば家賃補助などは検討されるお考えはありませんでしょうか。

(知事)
 具体的に家賃補助というお話ですのであえて申し上げますけど、これはこれでおっしゃるように固定費の負担が大変というのはよく理解はできるところですが、片方でテナントでなくってご自身でお店を持たれてる方に関しては、そうすると家賃補助という形で設計した場合は同じように大変で、固定費がかかってないからと言えばそれまでですけれども、支援が届かないということにもなりますから、その意味での不公平感的なものが残り得るというような課題は片方であると思います。
 ただ、おっしゃるように福岡市なんかで取り組み始められたという例は把握をしていますので、そこはそういった事例も踏まえて、しかし今の時点でそれでいくということでは全くありませんけれども、そういった事例も踏まえていろんな事例も研究をし、また県民の皆さん、事業者の皆さんの声も参考にしてですね、もう一つ、我々が可能な財源の範囲はどれだけになるかというのが、1兆円の交付金というのもいろいろ配分の考え方が示されつつありますが、そういった中でやはり今回は緊急事態宣言を受けた大都市部が、かなり交付の対象として重点化をされるんではないかという話もありますから、その交付金がどの程度確保できるかということが県の財政の体力の中で、また自由度がどんなものかというところでこれでかなり変わってくる、我々県としてやりたくてもできる範囲、できない範囲、これは変わってくることはありますから、そこはその部分の国への要望、提案というところも含めて、そちらをにらみながら県としてできる範囲、やるべき範囲をしっかりと判断をしてまいりたいと考えています。

お問い合わせ

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TEL:088-823-9046
FAX:088-872-5494

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