公開日 2021年04月01日
(司会)
ただ今から、知事記者発表を始めさせていただきます。冒頭に知事から説明があります。
(知事)
それでは本日は、最新の県内の感染状況と、金曜日に開会します5月の臨時県議会に提案をする補正予算案の対応について、ご説明をまず申し上げます。
感染状況の概要です。本日も新たな感染者の確認はありませんでした。これで19日間連続して、県内で新たな感染者の確認なしという状態です。1週間単位で見ましても、非常に発生状況は落ち着いているということです。
医療提供態勢との関係です。確保した病院のベッド、あるいは宿泊施設のベッド数としては、病院77ベッド、それから宿泊施設16部屋ということで確保しております。入院をされております患者さんの数、そのうち重症者の方の数ということでは、特にこの4月の前半から半ばにかけて、当時準備ができていた病床数を一時的に上回って、いわば相部屋で入っていただくというような緊急対応も必要だったということですが、その後、感染の落ち着きとともに入院者の数は減っていきまして、退院をされる等で減っていきましたので、現状では77+16で90余りのベッド・部屋がある中で、入院の方は4人だけということでして、特にかつてと比べますと、ベッドの状況はかなりゆとりがある状況になっているということです。
以上が、感染状況についてです。
続きまして、5月臨時県議会に提案をいたします5月補正予算案の概要について、ご説明を申し上げます。議案の数に関しては、合わせて予算案件が2件、条例が2件、報告案件が5件、合わせて9件を提出をいたします。5月補正予算の概要、ポイントになる点をいくつか申し上げます。
大きな1点目、感染予防・感染拡大防止対策ですが、これは民間医療機関におきます医療従事者の方々の、いわゆる危険手当的な特殊勤務手当を支援していくという中身が入っております。
大きな2点目、経済影響対策に関しては、いわゆる中小企業向けの制度融資に関しまして、実質無利子の融資枠の拡充。そして、大口の資金需要に対応した別途の融資制度を創設をするという中身が1つ目であります。
2つ目が、事態の終息後に国の施策と連動いたしまして、高知県としての観光リカバリーキャンペーンを実施していきます。そして、このキャンペーンも含めまして、高知県の観光リカバリーの戦略を実行してまいりますが、この実行に協力いただきます旅館・ホテル、タクシー事業者、あるいは観光バスの事業者などの方々に一律10万円という形での協力金を支給していくという中身が大きな柱です。
おおきな3点目が、新しい生活様式、感染拡大防止対策と社会経済活動の回復、この両立を図っていく上で、キーとなる新しい生活様式の実践定着を後押しをしていく施策として、事業者の方々が行う感染症の予防対策、あるいはデリバリーといった新しい接触をしない形でのサービスの展開などを後押しをする。こういった中身の予算。あるいはeコマース、ウエブを活用したウエブ上の取り引きなどを利用した地域産品の販売促進などを応援をしていく。こういった中身が主な柱となっております。
これは計数的なものでして、全体で16億円ほどの規模でして、財源は主として国からの財源ということです。経常的な経費がほとんどを占めているということになっています。
今回の財源の主要なものが53億円ほど、これが限度額として示されました、国のいわゆる地方創生の臨時交付金、全国で1兆円という部分です。今回、高知県には県分として53億円余りの交付の限度額が通知されたわけです。この充当の状況を少しご説明しますと、4月の専決まで、今までのところで、例えば飲食店等の休業の協力金として10億円など。そして県単独の制度融資の今年かかる分として16億円ほど使っております。また5月補正の中では、やはり10億円余り使うようにしておりまして、合わせて27億円ほどは充当先が決まっているということです。
みかけからすると、半分ぐらいまだ余っているんじゃないかというふうにお見受けされるかもしれませんが、ここから外に、県が国の統一制度に先立って行いました中小企業向けの制度融資、これが向こう10年以上にわたって補償料の補給をしたり、実質無利子にしたため利子補給をしたりしないといけない。ここの負担が今年度110億円、来年度以降出てまいりますので、この分の財政負担や、今後さらに経済のV字回復に向けて施策をとっていくことも考えますと、残り20数億円という額では、全然足りないという状況でして、この点、国の二次補正でさらなる飛躍的な上積みを求めて、知事会と連携をして求めていきますし、こういったものへしっかりと対応できるような制度的な整理も要望していくというような状況です。
主な事業の概要について、以下ご説明を申し上げます。
1点目の感染予防対策といたしまして、医療従事者の方々の、民間における医療機関の医療従事者の方々の処遇改善です。県の方で財源をお渡ししまして、指定医療機関、あるいは入院協力医療機関、いわゆる接触外来を設けていただくということでご協力をいただいている医療機関に、約6,000万円の予算により、診療等に携わるお医者さん、あるいは看護師さんに勤務の手当を支給していただく。支給基準としては、国の国家公務員について特定されております原則一日当たり3,000円。直接患者さんに接触する場合は一日当たり4,000円といったような基準に準じて、支給をする場合に必要な金額を支援していこうということです。
次に中小企業向けの制度融資です。今までの流れから、もう1回改めて説明いたしますと、元々は県単独の制度として、最大4年間無利子にする利子補給の制度、これで県としては財政負担約120億円という大きな財政負担を伴いますが、こういった制度で、国の統一制度が始まる前の3月の下旬から4月にかけて、中小企業者の方々の資金繰りを支えたということです。
その後、国の方でも都道府県が行う制度融資の枠組みを利用した実質無利子の制度を、全国統一でやろうという意思決定がされました。5月以降は、この制度に切り替えをお願いしてるわけですが、今回の補正予算では5月分については4月の専決予算で手当させていただきましたが、6月以降必要となる部分について、予算措置をさせていただきました。枠として2,000億円の枠を追加をするということです。
もう一つのポイントは、これは県単独ですが、こうした形で国の統一制度3,000万円とか、同じく国の制度の公庫融資では1億円といったような形の融資枠がありますが、県内の企業を見ますと中小企業の中でも比較的大きいところ、いわゆる中堅企業といわれる従業員規模の大きい企業につきましては、これではまだまだ心許ない。大型資金需要があるという事情があります。そういうことを踏まえ、従業員を100人以上抱えるような、非常に雇用吸収力の大きい飲食業、あるいは宿泊業、こういったところの大口の資金需要にこたえていくという意味で、2億5,000万円。合わせて民間の金融機関にも協調していただきまして、約3億円程度の融資を追加をして行えるような枠をつくるということが、今回5月の補正予算に盛り込んだ案です。
次に、観光分野におきます事態終息を睨んだ対策です。こちらは全体像ということになっています。今はフェーズとしては1から1.5辺りのところと見ていますが、フェーズ1というのは、事業活動をとにかく継続して、あるいは雇用を確保していただくということを、とにかく精一杯やっていただくという部分です。だんだんと通常の状態に段階的に向かっていく、回復していくという過程の中で、まずは基盤の維持として、旅館・ホテル、タクシー事業者の方々に、今後の県の戦略に協力していただくための協力金。あるいは感染予防対策、あるいは新しいビジネスモデルを整備していくための補助金50万円といったものを展開しますのと、まず県境をまたぐ往来というのは、もう少し本格化するには時間がかかるということですので、そこにいくまで、県民の皆さまを対象にしたモニターツアーを後押しする取り組みをいたします。そして、環境省の補助金などを活用したワーケーション受入環境整備事業、こういったものをやっていきます。
そして、メインになりますのは、国が全体で2兆円近い規模で実施する「Go Toトラベル」キャンペーン、これは半年ほど行うということですが、旅行客1人当たり1泊2万円の支援をしていくという、かなり大規模なキャンペーンですけれども、これに呼応する形で県としては、1人に5,000円相当の交通費の助成を、県単独で組み合わせていく予算を、今回の5月補正予算でお願いしたいと考えております。
さらには、コンテンツの充実をして本格的な回復が見込まれるような段階で、イベントを打っていくということもありますが、これにつきましては、中身としてはもう少し熟度を高める期間が要るということで、基本的には6月補正以降で、また検討をして議会にご相談しようということにさせていただいていますが、いずれにいたしましても、国のキャンペーンが半年過ぎた後も、県のキャンペーンはしっかりと持続をして、V字回復を後押しをしていきたいと考えております。
具体的な事業の中身ですが、県民の皆さん向けの県内のモニターツアーの整備につきましては900万円です。それから、環境省の予算を利用しました国立・国定公園内で、テレワークなどもできるような環境整備の予算1,500万円。それから自然&体験型キャンペーンの事業補助金としまして、交通費用の助成の費用として約7億円ということです。国のキャンペーンと呼応して、高知県はどうしても大都市圏から距離が離れているということがありますので、それらを勘案しまして、上限5,000円の交通費を助成して、とにかく高知に観光に来ていただこうと、こういった狙いの予算です。
そして、このリカバリーキャンペーンの協力金に関して申しますと、県内の旅行事業者、あるいは宿泊事業者、観光バス、タクシー、レンタカー事業者の方々にV字回復を目指していく、リカバリーの戦略に協力をしていただく。このキャンペーンを展開をしていただくために、当然まず感染拡大防止対策をしっかりやっていただく。そして、観光客のおもてなしの取り組みをやっていただく。一定の経費もかかります。その上で、旅行の企画だとかPRだとか、あるいは旅行者の方々、観光業の方々への情報提供、こういった形で県のキャンペーンにご協力をいただきたいと。ご賛同いただける事業者の方々に1事業者辺り10万円という形で、協力金をお支払いする。予算規模としては、1000社程度の事業者の方々を想定しておりますので1億円程度。手順としては、6月の中旬ぐらいには協力金の申請の受付を始めたいというようなことを想定をしている中身です。
次に、一般的な協力金、一応ベースになる部分に加えまして、いわゆる新しい生活様式に従って、感染予防の対策をとっていただく。あるいは、接触をしない形での新しいビジネスを展開するための基盤整備をしていただく。そのために必要な経費の4分の3以内を支援をするという中身のメニューです。
業種ごとに少し分かれておりますけれども、地域商業は文字通り商店街であったり飲食店など、これはグループなり商工団体等で限度額を組みまして、感染予防の対策、あるいは新しいビジネスを展開、そういったところを応援をしていくということです。そして、旅館あるいは旅行業に関しては、1事業所当たり50万円を想定して、やはり感染防止対策であったり、新しいビジネスの展開を支援していく。そして、同様の趣旨でタクシー、バス等におきましてもそれぞれの限度額の範囲内で支援をしていきます。
こういったメニューを準備しておりますのと、併せて、食品加工の事業者の方々に、いわゆるeコマースの促進、あるいは販売促進の事業ということで新しいビジネス、こちら側の取り組みなどと連携をしていく取り組みを含めた、新しいビジネスモデルを応援をしていくという予算を計上をいたします。
これに関しまして、国の方でもいろんな相談窓口がありましたり、補助金、補助事業なども用意をされているということのご紹介です。
その他、各分野について、予算を計上しているものに関して主なものをご紹介します。
一つは、公共交通機関に対する支援3,000万円弱ですが、具体的にはとさでん交通の路線バスの支援です。3,000万円ほどの支援を行いますのは、とさでん交通のいわゆる国の補助の制度のもとで、国・県・市町村協調して支援をしております路線バスの運行に関して、これも構造的に財源の不足がありまして、そこの部分は大きな仕組みとして、高速バスですとか貸し切りバスの利益をもって当てていただくという整理をしていますが、そうした高速バスとか貸し切りバスが昨今の新型コロナウイルス関係の影響で、赤字が想定される。利益を路線バスの維持に当てる余裕がなくなっているということを踏まえまして、市町村と協調して、県の負担分として3,000万円程度をとさでん交通が維持する路線バスの運行に支援していくという中身です。
農林水産業に関しても、特に高級な和牛について、飲食店の需要が減って大変事業者の方がお困りだという事情もあります。こういった和牛生産に対する支援の予算。それから林業に関しても、今後特に建築関係への影響が及んでくるということを考えますと、手を打っていく必要があるため、雇用維持の観点から、この事業の確保のための予算を計上する。水産関係につきましても、やはり特に高級品を中心に、需要の減退が見られるということですから、水産物の消費の推進にかかる予算を追加するというような中身があります。
続きまして食品加工業に関してですが、衛生管理などについて、新たな設備整備をするもの。そして、県外の商談会などに参加をするための交通費の助成。そういったものを計上しています。
さらに、教育関係ですと、これは国の経済対策にも呼応しまして、特に小中学校につきましては、タブレットを1人1台態勢、これを複数年の計画でもともと進めることにしておりましたが、国の経済対策が今回前倒しということがあります。高校に関しては、1校40台となっていますが、いずれも数年かけてという目標だったものを前倒しで今年度中に整備を進めるという予算を計上するということです。
以上が、今回の補正予算の概要です。私の方からのご説明は以上としまして、感染拡大防止対策、経済影響対策、そして、さらなる県経済のV字回復へ向けた取り組み、こういったものをしっかりと加速をしてまいりたいと考えております。
私の方からは以上です。
(司会)
それでは、質疑に移ります。質問される方は挙手をして社名とお名前を発言してから質問をお願いします。
(新型コロナ関連)県外からの誘客を行う時期の判断について
(加藤・朝日新聞記者)
今回の補正予算案はさらに観光分野に力を入れているように感じますが、知事も常々、第2波の懸念ということをおっしゃっていますが、県内に人をどんどん積極的に誘致するのは、どのような状態に、県外もしくは区内がなったらできるようになるとお考えですか。
(知事)
まずは、大前提は、特に今東京圏、大阪圏がまだ緊急事態宣言が解除されてないという状況ですから、そこが解除されてくるというのが大前提だと思います。そうした中で、全国的な人の移動、今は県境をまたぐ移動が自粛を要請されているという状況ですけれども、そこが少なくてもニュートラルになっていくということ。そして、今回、県のキャンペーンは、国のキャンペーンに呼応してやろうということですから、国の方でもそういった状況を踏まえて、観光へのてこ入れにモードチェンジが行われていくということ。
こういったことがまず前提になってくるということだと思いますが、ただ、県のキャンペーンも協力いただく事業者の方々の選定といった手続も必要ですので、ある程度の準備期間がいるということもありますから、今回、5月の県議会で必要な予算の措置をお願いをしているということです。
(新型コロナ関連)この時期に観光リカバリー戦略を示した理由について
(大髙・NHK記者)
4月末に国会では、この予算が成立する際に、Go Toキャンペーンが、今ではないんじゃないかという、緊急対策として今、喫緊に計上をしなければいけない予算なのかというお話がありましたが、まだ県境をまたいだり等がままならないこのタイミングで、これを打ち出すことについて、知事はどのように理解してらっしゃいますか。
(知事)
ごく実務的な理由としては、先ほど申し上げましたように、これだけの7億円ぐらいの予算で、1人当たり5000円の支援を思い切って打っていくということになりますと、協力いただく事業者の方々の選定とか、諸々の手続を考えますと2ヵ月ぐらいは恐らくかかるだろうと思いますから、その意味で、先ほどお話しがありましたけれども、感染の終息が全国的に見えてきて、さぁ行こうとなったときに、もう予算を計上していつでも行ける状態にしておかないと、そこから2ヵ月の時間差がたってしまうとタイミングよくキャンペーンを打つことができない。事務的に、実務的にこの問題は大変大きな問題だと思います。
もう一つは、やはり県内で観光の事業者の方々や旅館・ホテル、あるいはタクシー、観光バス、こういった事業者の方々にも結果的に高知県の場合は、直接的な休業の要請というのはしてないわけですけれども、県境を越える形での移動の自粛の要請ということを、もうひと月以上やっているという状況が全国的にある中で、非常に経済的な打撃は大きなものを被っておられるというのが、実態だと思います。
そうした中で、本当に悲鳴のようなお声を何とか後押し、支援をしてもらいたいというご要請を、何度も私自身も受けているわけですが、そうした観光に携わる事業者の方々に大変厳しい状況だけども、前を向いて頑張っていこうというふうに思っていただける、頑張ろうと思っていただけるためには、先行きの見通しを県としてもしっかりお示しして、精一杯後押しますということを示さなければいけないということが、この予算を、今回お示したいという背景にあります。
(新型コロナ関連)各業界の要望にすべて応えることができたのかどうかについて
(大髙・NHK記者)
出口の先行きを示されるのは、すごく励みになると思うのですが、知事ご自身は、今までいろんな業界団体の方から要望を受けてこられて、今回は、要望に対して答えきることができているという感触なのか。今、フェーズ1.5の対応になると思いますが、フェーズ1の部分でもうちょっとこういうことができたんじゃないかと思うことがあれば教えてください。
(知事)
ボリューム的な、量的な面では正直、旅館・ホテル、あるいはタクシーといった観光に関わる事業者の方々のご要望に、必ずしも十分にはお答えができてない中身かもしれないと思います。特に、影響が長期化をしてきておりますから、先立っての旅館・ホテル事業者の方々は、とにかく自分たちの事業者の事業の存続に直接役に立つ、自分たちの、端的にいうと懐に入ってくるお金を何とか少しでもと考えておられる。そのためには、ある意味で、休業要請をしてもらってもいいから協力金なりという形でしてほしい。あるいは県版の持続化給付金というような形での支援ができないか、というようなご意見もいただきましたから、そういったご要望に関しては、量的な面では必ずしも十分にお答えできていない面は、正直あるとは思います。
ただ、7億円という大きな規模で、とにかく観光客の方に高知に来ていただかないと回復後は、各市町村の競争になりますので、そうしないと事業の回復の見通しも立たないわけですから、その点は県として精一杯、財政的に限りある中ですけれどもコミットをしていくということは、お示しできたと思っております。
(新型コロナ関連)観光リカバリーキャンペーン協力金の位置づけについて
(八田・高知新聞記者)
県観光リカバリーキャンペーン協力金という、この協力金という名前と、1事業者当たり10万円という金額をみると、この前までやっておられた休業要請に絡む協力金と、印象としてだぶるんですが、今回の協力金の考え方を、改めて教えていただけませんでしょうか。
(知事)
市町村と協調して飲食関係等にお配りしている休業要請等の協力金30万円が、いわゆる休業の要請をする、いわば代償的な意味も含めて、経済的に厳しい中で店を閉めていただく。そのお礼の気持ちを込めての協力金ということであったのに対して、今回の観光リカバリーキャンペーン協力金は、前向きと言ったら語弊があるかもしれませんが、観光の無事回復を目指していくというなかで、幅広く個々のホテル、旅館、あるいはタクシーの事業者の方々にもご協力をいただかないと感染拡大防止とか、あるいはおもてなしとか、ベースのところをやっていただくのに一定の経費もかかると考えておりますので、そういったところについてご協力をいただいて、このキャンペーン、具体的には先ほど申し上げましたようなPRであったり情報提供、あるいは事業の企画であったり、そういったところで協力をいただくこと対する、いわばお礼として手当をすると。非常に基礎的な感染防止対策とか、おもてなしの基礎的な経費もかかるだろうということがありまして、そういう意味で、金額的には、前回30万円ということでしたが、今回は裾野が広いということもあり、1件当たり10万円という数字を設定したということです。
(大山・高知新聞記者)
金額を実費で支給するような形ではなくて、一律になさったのは、お礼という意味がかなり強いということですか。
(知事)
個々の団体、会社、旅館、ホテルごとに、こういうことをしてもらって、いくらと、個々に積み上げていくというような一般的な補助金というよりは、非常に経済状況が厳しい中で頑張っていただいていて、この先もさらに一緒に頑張っていきましょうというような意味も含めて、ある意味、一律に薄く広くという形で支援をするという意味も含めて、今回組み立てたということもあり、こういった設計になりました。
(新型コロナ関連)県民を対象としたモニターツアーについて
(八田・高知新聞記者)
フェーズ1.5という県民を対象にしたモニターツアーの推進は、本来、高知県の観光業の場合には、外貨を稼いでなんぼということがあると思いますが、県民が県内を旅行してお金を回すということを、この時点でやる意義を教えてください。
(知事)
これは、先ほどのご質問にも関連しますが、おっしゃるように外貨を稼ぐという意味で、県外から来ていただくというのが大本命でありますが、そこにはまだ、ある程度時間がかかることは覚悟しないといけないのではないかと。その間、手をこまねいているという必要はないだろうと。ないしは何かできることは手を打っていかないといけない。そうしたときに、県内の県民の皆さんに、県内の観光資源を再発見していただく、そういったことを通じて、県内の県民の皆さんに県内での観光を盛り上げていただくというところが、時間的な前段として打ち得る手であるし、効果もある手段ではないかという判断をしたということです。
(八田・高知新聞記者)
雇用維持とか、事業の継続という意味も含めてという認識でよろしいですか。
(知事)
人が実際に動いていただいて、施設を利用していただくということが、四国も含めて、まずお金が回るということの大前提になりますから、そういった中で金額的には限定されるかもしれませんが、まず県内でできるところからという発想があったということです。
(新型コロナ関連)今回の補正予算の位置づけについて
(野間・時事通信記者)
経済のV字回復に向けてということですが、あらためて、今回の5月補正予算を編成するにあたって、なぜこのような事業を選ばれたのか。どのような位置づけの予算になるのか、ご説明をもう一度お願いします。
(知事)
新型コロナウイルスの感染症の対策に関しては、一つは感染予防、もう一つは経済影響対策、大きく言ってこの2本の柱で2月の議会の当初予算編成後の補正予算から行ってまいりました。まずは、中小企業の資金繰り対策に重点を置いてやってきたわけですが、幸い県民の皆さんのご協力もいただいて、県内に関しては感染状況がかなりの落ち着きを見せてきて、全国的にも一定終息の道筋が見えてきたと、こういうタイミングです。これからいよいよ感染の拡大防止と、社会経済活動の再開を両立をさせていくということが必要な局面にあって、この両方を睨みながら、今必要な対策をしっかりと講じていくということの結果が、今回の予算ということです。
一つは、中小企業向けの制度融資のまだ手当ができていなかった分を手当していくというのが一つの柱になりますし、もう一つは、観光を中心に経済のV字回復を目指す局面への県の後押し、さらに、回復の局面ということでいうと、さらに先の社会構造の変化に向けた対応を後押ししていく取り組みを含めて今回、予算の編成を行ったということです。
(野間・時事通信記者)
特にこだわった部分などがあれば、教えていただきたい。
(知事)
先ほどの観光のV字回復を目指して、県独自で7億円程度のキャンペーンをやっていくということ。そして、県内のホテル・旅館、あるいはタクシーの事業者の方々に参画をいただいて、前を向いて一緒に動いていただきたいという意味で、協力金の予算の計上もしたというところが大きな特色かと考えております。
(新型コロナ関連)今後の県の対応に必要なものについて
(野間・時事通信記者)
今回の予算のボリュームに関して、必ずしも十分ではないというようなお考えもあったと思いますが、今後の県の対応、どのようなことがさらに必要になってくるのか、お考えがあれば教えていただきたい。
(知事)
今後は国の臨時交付金の増額も要望、提案をして、報道などによるとそれなりに前向きの検討はされてくるかなと思いますから、そういったものに期待をするという部分もありますが、県財政との関係でいいますと、先ほど申した県単独で講じた中小企業向けの制度融資の今後の財政負担がありますから、こうしたものも睨みながら、全くそれ以外の新しいことにどの程度の財源が割けるかというやりくりが、財政面で、率直なところ大きな課題だと思います。ただ、できうるならば今後の経済の回復局面に向けて、前向きの投資をしていくという点を、県として、できるだけ検討、工夫し、講じていくということをメインに考えたい。そういう意味で、事業の持続化のために、今何とか雇用を維持し、あるいは事業を継続をしていくというところが、どうしてもボリューム的にかなりの負荷がかかる部分ですから、こういった部分はぜひ国に、例えば持続化給付金の積み増しですとか、拡充ですとか、しっかりと役割を果たしてもらいたいという思いが強くあります。
(新型コロナ関連)観光分野での今後の絵の描き方について
(中田・高知民報記者)
将来の社会構造の変化で、必ずしもポストコロナで、単に観光分野がV字回復するということでは、恐らくなくて、インバウンドにしても関西からの入り込みにしても、今後どうなるか分かりませんが、同じように回復するということではなく、大分違う考え方になると思いますが、その絵の描き方を、知事はどのように今捉えてますか。
(知事)
観光の今後のV字回復の局面では、確かに、海外からのインバウンドということに関しては、まださらに時間が相当かかるというのは、おっしゃるとおりだと思います。ですから、当座はまさしく、県内から始めて、ここは今、基本的に感染対策の面で制約はありませんから、それから次にくるものは、国内で全国的に、特に大都市部から誘客を図るというところ。そして、その次に国際的な人の出入りがある程度自由にできるという状況になったときにインバウンドという手順になると思いますから、V字回復といいながら、数ヵ月前の状態に直ちに戻るということにはならないというのはおっしゃるとおりだと思います。
ただ、それへ向けて、もちろんタイミングだとか仕掛け方、こういったものを考えないといけないと思います。ごく長い目で見ていくと国内の人口はどうしても減少社会、あるいは高齢化ということを考えると、国際観光というところもしっかりと視野において、これはもう少し長いスパンになりますが、手を打っていくということは、やはり引き続き必要だと考えています。
(新型コロナ関連)観光リカバリーキャンペーンの協力金の申し込み時期について
(中田・高知民報記者)
観光業界であるとか旅館用の10万円の分ですが、5月から準備を始めて6月には申し込みという感じですが、その時点で、このキャンペーンができるよう状況になってない可能性はあると思いますが、それは前倒ししてやる、感染が収まったときにはやってねということでしょうか。
(知事)
前倒しというと。
(記者)
6月の段階に申し込み開始という話ですが、そのとき事業者が申し込みができなかったらどうされますか。
(知事)
例えば県内のモニターツアーなどは、もう早速やっていこうということですから、先ほど申しました感染防止対策とかおもてなしのための準備、こういったものには一定時間もかかるということがありますから、6月段階からリカバリーの戦略をつくって、そこに準備をしていくということに関して、一緒にやってくださいという意味があり、協力金については6月の段階から申請をお願いしようという設計を考えています。
(新型コロナ関連)中小企業への貸付金の規模について
(大山・高知新聞記者)
中小企業の制度融資のことについて。今年度の予算は大きいと思います。800億円ぐらいの融資が、実際行われることになっていますが、規模感というのは、想定外の部分もあるかと思いますが、現状ここまで集まったことについての、受け止めをあらためて教えてください。
(知事)
実績を聞きましたら、中小企業向けの制度融資は、もちろん飲食とか運輸とか、あるいは旅館・ホテルとか、場合によっては8割9割と、減収が大きかった事業者の方々はもちろんですが、事業別に聞きますと、小売り業であったり製造業であったり、あるいは建設業であったり、そういった事業者の方々も幅広く活用をいただいたということで、無利子で最大4年間、最大1億円という手元資金を確保でき、かつ高知市内の公庫の支店まで出向かずに、身近な市中の金融機関で融資が得られるということは、経済的な不況に立っていた県内の中小企業の皆さんには、非常に歓迎をされたと、タイムリーな施策であったことは事実だろうと受け止めています。
(新型コロナ関連)融資制度の現状の受け止めについて
(大山・高知新聞記者)
国の方で5月から新しい制度ができて、最後の出口の切り替え方によっては、県の負担はここまで大きくならなかったのではないかと思いますが、知事の受け止めとしてはどうですか。やはりやめるタイミングというのは、もう今回積み上がるタイミングでやむを得なかったとお考えでしょうか。
(知事)
そうですね。いろいろと細かいことを言えば、もう少しその辺の応募の状況、申し込みの状況について、かなり支店段階で処理が溜まっていったということもあるようですから、4月も2回専決予算を打たなければならなかったということもありますので、もう少しそこで風通しよく情報が入っていたら、いろんな手は打てたのではないかという部分も率直にいってないわけではありません。しかし、そこは県単独で中小企業の、とにかく資金繰りをまずは支えようと、思い切ってやろうという判断をした施策ですので、県民の皆さんにお約束をした期限までは、そこは歯を食いしばって、やるべき施策だったと考えております。
(新型コロナ関連)国の支援の見通しについて
(大山・高知新聞記者)
国に対して政策提言もされるということですが、今の段階で、どこまでできるかというのは、なかなか見通せないのかもしれませんが、知事の見立てとしては、これはある程度、国の方に見てもらえる可能性があるのか。あと、例えば借り換えを事業者の方に求めたりとか、そういう対応を取る可能性があるのかという点を教えてください。
(知事)
まずはとにかく経産省が、この国の統一制度を設計して、他の部分については同じように県の予算を通じてやるわけですが、この分は全額国で面倒をみると言ってるわけですので、県で単独でやった分も、この条件に合う部分については、120億円のうちざっと40億円ぐらいは、この条件にはまるものになっていますから、その部分を何とか国で財源の負担をお願いできませんかというのは、今までもお願いはしておりますが、今後さらに粘り強くお願いをしたいと思いますし、先ほどの1兆円の臨時交付金も増額をして、ただ今のところは原則的に今年度中に使い切るものでないと交付金の対象にならないとも言われてますから、そこはせめて充当ができるようにというようなことも、国と掛け合ってまいりたいと思います。
そうした努力をやっていくのが、まず第一だと考えています。
(新型コロナ関連)GW明け二週間で新規感染者がみられない現状の認識について
(大山・高知新聞記者)
もうすぐゴールデンウィークが明けて2週間たつような状況で、その間も感染者がゼロという状況が続いています。今回の予算もそうですが、知事の思いとしては、少しずつ回復の方に目を向けるような状況だと思いますが、現在の県内の状況の認識をあらためて教えてください。
(知事)
県内の感染状況に関して言いますと、県民の皆さんのご協力のお陰で、本当に落ち着いてきている。19日連続で新たな感染者が確認されていない、もうすぐ3週間になるということで、一つには、これだけ蒸し暑い季節になってきて、風邪のような症状で感染を疑って検査に来られるという方自体が、かなり減っている。検査の件数自体がかなり減ってきているという面はあるかと思いますが、いずれにしても、感染は大きく落ち着いてきているということですし、だからといって、感染拡大防止対策を疎かにしていいわけではないので、次なる感染の波に備えていろいろな準備を、事業者の方々や医療に携わる方々のご相談の体制づくりをしっかり、落ち着いているときだからこそやらなければいけないという面はあります。一方で、そういう状況でなければ、経済の回復を目指していくどころではないという状況だったわけですので、感染が落ち着いてきていることで、経済回復の方に軸足を置いていろんな手当を考えていくことができる条件になっているというのは、確かだと思います。
(新型コロナ関連)本日知事がマスクをしていない理由について
(大山・高知新聞記者)
知事、今日会見のときマスクをされてないようですが、理由というのはおありですか。何か変えられた理由というのはあるんでしょうか。
(知事)
部内で議論をした中で、これぐらい距離を空けていればいいのではないかと。西村大臣や総理の会見でもそうですが、距離を取っていればマスクは必ずしもしないでも問題ないという助言もありましたので、本日はそうさせていただいたということです。
(新型コロナ関連)「新しい生活様式」の実践に取り組む事業者への支援について
(松原・毎日新聞記者)
新しい生活様式の実践の件でお尋ねします。先日、バーとかスナック、接待を伴う飲食店への自粛の緩和の際に、知事が、あと1歩、何か手助けがあれば、感染防止策が取れるのにというお店に対しては、もう少し踏み込んだ形でやっていくという趣旨のお話をされてらっしゃいました。今回の補正予算を見ると、地域商業再起支援のところが、それに当たるのかと思いますが、そういう認識でよろしいでしょうか。
(知事)
それで結構です。こちらは、いわゆる商店街、飲食店、そういったお店がご活用いただけるメニューだと考えていますので、まとまった投資が必要だというときには、ぜひ活用を考えていただきたいという予算です。
(新型コロナ関連)地域商業再起支援事業費補助金で補助対象事業者をグループ等とすることについて
(松原・毎日新聞記者)
この補助対象事業者は、グループごとに補助するということですが、これは商店街のレベルで補助をするのと、5社で例えば150万もらうのと、商店街の20社、30事業者で300万もらうのでは、1事業者ごとの割り当て額に不公平感が出てくるケースがあるのではないのかなと思いましたが、そのあたり、何かお考えあるでしょうか。
(知事)
事業者の方々が個々にというよりは、できれば業界全体で飲食店、特に接待を伴うようなお店でも、高知では大丈夫なんですよというメッセージを出していただくのが、結局、お客さんにお店へ戻っていただく上で、近道になるのではないかということもあり、事業者の方々個々ではなくて、グループを組んでいただくという形で考えていただくという設計にさせていただいています。
(新型コロナ関連)モニターツアーでの県内宿泊施設の利用について
(保田井・日経新聞記者)
観光の県内モニターツアーについてお伺いしたいと思います。
今、各地でまさにこの人の往来が戻らないという中で、不況の観光業を地域で支えるという動きが各地で出始めましたが、私は、これはその中の一つとして捉えていまして、これはモニターだけに留まらず、今後の観光地の磨き上げで、県民に観光地の宿泊施設とかそういったところにも泊まってもらうというような、お考えはありますか。
(知事)
宿泊までしてもらうということ、これは十分あり得ると思いますが、今回はまずは県民の皆さんに地元の魅力を再発見していただく。もちろん予算的な制約もあります。観光リカバリーキャンペーンで1人5,000円で、県外からお客さんに来ていただくことを、予算のボリューム的に重点としたこともあり、こちらの方は予算的な規模は小さいですから、まずは再発見を促していくところから始めようという観点での予算です。
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