公開日 2020年06月15日
(司会)
ただ今から、新型コロナウイルス感染症に関する知事記者会見を開催します。最初に知事からご説明をします。
(知事)
それでは私から、県内における新型コロナウイルス感染症の感染者の状況ですとか、本日決定をしました県の緊急事態措置などについて、簡単にご説明申し上げます。
本部会議の傍聴いただいた方には、若干重複する内容もあるかと思いますが、ご容赦いただきたいと思います。
感染者の推移です。本日も新たな感染者の確認はありませんので、これで連続して6日間、感染者の確認がないという状況になっております。また、入院治療を行っております患者さんの状況等も退院を多くの方がされまして、医療機関のキャパシティの関係では、ゆとりがある状況になりつつあります。
1週間単位での患者の発生状況です。直近の1週間をとりましても1名ということでして、前の1週間に比べて0.25倍。さらに、その前の1週間と比べて0.4倍ということでして、1週間ごとに半減を上回るペースで減少してきて、抑制が図られているという状況にあります。
これは従来からの本県における感染拡大の要因に関わるキーワードの分析ですが、大きな姿は変わっておりませんが、職場・家庭というところはある程度、致し方ないという感がありますが、感染経路が分かっている中では、カラオケ、バー、会食、長時間の会話、あるいは他県との往来、こういったところが大きなものを占めているという状況です。
こうした形で、県民の皆さんの大変なご努力、協力、またはご尽力により、県内における新型コロナウイルス感染症の感染拡大というのは、かなり抑制ができてきていると考えております。この席をお借りして、県民の皆さんに改めて御礼申し上げたいと思います。どうもありがとうございます。
続きまして、県として本日決定しました緊急事態宣言の延長後の緊急事態措置、ないしは新たな対応方針について、これも簡単にご説明申し上げます。
昨日、国の緊急事態宣言の期間が今月末まで延長されました。また、これに関する国の基本的対処方針も変更されたということです。
まず、これまでの緊急事態宣言の対象期間だった、5月6日をもちまして終了する措置です。一つは、昼夜を問わない不要不急の外出。これについては、本県の場合4月9日から県民の皆さんに、外出の自粛をお願いしてまいりました。そして、飲食店などに関する休業要請、これは接待を伴う飲食店とかカラオケボックス等です。そして、その他の飲食店等に関する営業時間の短縮の協力要請。これは先月の24日から5月6日までということで、これも、いわゆる一種の休業要請の分類にかかわる、事業者の方々への要請ということで行わせていただきました。これらについては、いずれも5月6日ということを期限に切っておりましたが、この5月6日、明日をもちまして、この要請は解除をさせていただくことにしました。
一方で、解除後の5月7日から国の緊急事態宣言の対象期間の月末まで、引き続き自粛をお願いをするものもあります。
1点は、不要不急の他県との往来自粛です。今回の全国47都道府県を対象とした緊急事態宣言の期間の延長の主たる趣旨の一つには、こうした都道府県を越える人の動き、人の往来を抑制をしていかなければいけないという要請がありました。この趣旨を踏まえて、例えば観光などにおける県外からの来高を含めて、県境を越えるような移動については、引き続き、この往来の自粛をお願いをするということにします。
また、2点目としまして、これは国の基本的対処方針の中で、あえて明記をされた、夜間の繁華街の接待を伴う飲食店、その他、現にこれまでクラスターが発生した場所などについては、これは県民の皆さんに、出入りを自粛をしていただくというお願い。これは緊急事態宣言の関係の、国の対処方針でも明記をされたということもありますので、事業者の方々への休業の要請等は解除しますけれども、県民の皆さまへの外出自粛の一環の場所としては、これらの場所に限り出入りの自粛をお願いするということです。
そして、イベントの開催等についてです。この前提として、全国規模の人の移動を伴うような大規模イベントについては、自粛をお願いするというのは当然の前提ですけれども、それほどの規模にならない、比較的小規模なイベントの開催について、国の基本的対処方針は、50人以下であれば、これは自粛の対象外にしてもいいだろうという方針が出ておりますが、これは吉川先生なんかのご意見も伺いまして、まずは2週間程度、この大型連休までの取り組みの効果が見えてくる、今から2週間程度までの間は、10人以上のイベントは自粛をしていただく。つまり10人程度の比較的小さい集まり、イベントは7日以降、開催をいただいてもいいのではないか。そして、それを経て段階的に、今月の下旬になれば、50人までの規模のイベント、会合等は開催していただいてもいいのではないかと。こうした考え方でイベントの規模を設定しまして、これを超えるようなイベントについて、開催をしたり参加をしたりということは自粛をお願いしたいと考えております。
また、これらの大前提としまして、国の専門家会議で新しい生活様式を実践をしていく。新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための新しい生活スタイルを入れていくということが、こうした形で、緊急事態措置を緩和をしていく上での大前提だというお話が出ております。後ほど、ご紹介を簡単にしますが、こういったことについて県民の皆さんにお知らせをし、これについての実践をお願いをしていくということを、併せて取り組みたいと考えております。
その他の取り組みに関して申しますと、いわゆる働き方の改革に関わる部分です。これは、この5月6日までの取り組みとしましては、国の方で人と人との接触を、特に通勤などを念頭において、最低7割、極力8割を目標に削減していくという数値目標を掲げて取り組みをすると。これを全都道府県で行ってもらいたいという要請がありました。これに対して、今回の対処方針においては、そうした数値目標、7割、8割を掲げてというのは、いわゆる特定警戒都道府県、大都市部の13都道府県に限定する。それ以外の本県のような34県については、こうしたテレワークですとか時差出勤、こういったものを推進して、できるだけ人と人の接触を減らしていく。仕事においてもそういう努力を引き続きしてもらいたい、という中身に留まることになりましたので、その線に沿い、数値目標を掲げるということは外して、テレワーク、あるいは時差通勤等の推進ということを県民の皆さん、事業所の皆さまにお願いしていこうということです。
その他、県立施設については、計画的に数日間の準備期間をいただいた上で、原則5月11日から、文化施設等は開館していくという方針で臨みたいと考えていますし、県立学校については、4月の末に大きな考え方を教育委員会が示されておりますが、その考え方に沿って、なお感染状況の最新のものを確認をするというような手順は残っておりますが、現在のような状況で推移をしていくとすれば、原則として5月25日から完全に再開をしていくと。そして、その前の間は、臨時休校という形ではありますが、時間割などを設定して補習を行っていただくような形で、開校準備をしながら臨時休校という形をとっていただくという形で、対応していただこうと考えております。
そして、今回5月7日以降、特に飲食の事業者の方々については、今まで休業要請、あるいは営業の時間短縮の要請などをしてまいったわけです。この解除を行うに当たり、改めてのお願いをお伝えしたいと思います。これまで大変厳しい経済状況の中で、本県の感染防止対策にご協力をいただきまして休業、あるいは営業時間の短縮にご協力をいただいてまいりました。この場を借りまして、厚く御礼を申し上げます。
そして、今回解除をさせていただきますけれども、これは2月以前の、新型コロナウイルス対策が必要になる以前の状態に、直ちに回復ができるということでは決してありません。まだまだ全国では、緊急事態宣言が延長されているという状況です。引き続き、この社会経済活動を再開をするということと、新型コロナウイルス対策の感染拡大防止、これを両立をしていかなければいけないということが求められている局面にあります。そういう意味で、5月7日以降、営業を行う場合には、(資料にある)全ての感染対策を講じていただくようお願いしたいということを、この機会に申し上げたいと思います。
具体的な中身は、吉川先生からご提案いただいた中身に沿っておりますが、簡単にいいますと、マスクの着用、手洗いまたは消毒、そして距離を1メートル以上保つということ。換気、室内消毒、こういった中身ですし、飲食時にマスクを外すことになる飲食店についても、店内に滞在する時間を短時間にする。家族または小規模のグループでの会食に限定する。大きな声での会話はしない。こういった点に特に注意をお願いをしたいということを、改めて飲食店の事業者の皆さんにお願いしたいと思いますし、このルールは飲食店に限らず、一般的な物販等の店舗などに関しても、同じような形でお願いするということを業界の団体などを通じて、お願いしていく考えです。
以上が、本日決めた県としての対応方針です。
最後に一言、県民の皆さんにお願い申し上げたいことがございます。今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の対策、国の専門家会議におきましても、これは長丁場になるという判断がされております。やはりこれが抜本的に解決されるには、特に国の方でご努力をいただいて、治療薬の開発、あるいはワクチンの開発、こういったものを国のみならず国際的な努力も含めてしっかりと進めていただく。そうしたものが見えてこないと、収束の道筋が明確に見えてくるとは言い難い。また、専門家によっては、1年、2年の単位で覚悟が必要ではないか、こういったお話もいただいています。
本県について顧みても、今まで続いたいわゆる第2波の感染の拡大についても、3月の下旬の3連休において全国的に雰囲気が緩んだ。その中で、県外からの往来もあった。県内でも緩みがあった。そうしたことが2週間たって、第2波の感染拡大につながっている。これは否定することができない事実だと思います。その意味で、今回、こうした形で県民の皆さんの社会経済活動への制約、できるだけこれを少なくしていこうという趣旨で、見直しを行うことにさせていただきましたが、これによって直ちに2月以前の状況に戻っていいということでは、決してないということを改めて申し述べたいと思います。
やはり、ただ今申し上げたような、感染拡大の防止対策をしっかり取っていただくことで、経済活動の再開の要請との間の両立を図っていくことが必要不可欠です。これがなく、いわば一気にコロナ以前の状態に戻るということになりますと、また再び第3波、第4波の感染拡大が高知県内にも発生して、また不本意ながらも県民の皆さまに、いろんな形での制約をお願いせざるを得ない場面が生じる、そういう懸念が大いにあります。ですので、今回、こうした対応を取らせていただきたいと考えておりますが、ただ今お願いしたような新しい生活様式、あるいは感染拡大の防止対策、こういったものにどうかご理解いただき、また今までと違った形での県の対策へのご協力を、心よりお願いをして、私からのご説明とさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
(司会)
それでは、各社からの質疑に移ります。
(高知さんさんテレビ)
いわゆる営業再開の条件について。店内での滞在時間を短時間にすることがありますが、これは吉川先生の提言ですと、ベストは1時間以内ぐらいというお話でしたが、知事は、この会見に先立つ対策本部会議の方で、やはり事業者としては、もう少し長くいてもらわないと困るのではないかという発言もありました。とにかく、県が示すこの短時間の利用というのは、吉川先生の提言の1時間とは違うという認識でしょうか。大体どれぐらいの目安になりますか。
(知事)
この点はですね、率直なところ県からのお願いとして、ある決まった数値をこの時点でお示しをするということは難しいという判断をしたということです。ですから、「短時間の」という形でお願いをしますが、短時間というのは具体的にどういう時間を目安にすればいいんですかというお話があったとすると、専門家である吉川先生からは、最初のスタートとしてはできれば1時間を目安にして、状況を見て少し長い時間にしていくということはあり得るでしょうねというお話をいただきましたが、そういうご説明を一種の解釈としてはさせていただき、今回、県のお願いとしては、短時間でということにいたしました。
(記者)
やはり、利用する県民としても、また事業者としても、時間の明確な基準というのが、利用する方も、営業する方もやりやすいのではないかと。
(知事)
そうお考えの方は、1時間ということで始めていただくというのがベストだと思っています。
(記者)
ベストは1時間ということでしょうか。
(知事)
ただ、これは非常に時間が限られた中ですし、要請レベル、お願いレベルとはいえ、一方的に県から押しつけたという形になっては、これはいかんということもありますし、そこは本来、こういう非常事態でなければ、この種のものを指針として作っていく中では、事業者の方々との対話を通じて、時間をかけてコンセンサスを得た数字をセットしていく。これが通常の行政手法だと思いますが、今回はそういう時間的に許される環境でもありませんので、県としての統一見解としてのお願いは短時間ということにし、考え方の説明として、吉川先生のお考えをご紹介させていただくということで始めていきたいと判断をしました。
(高知新聞)
休業要請についてお伺いします。休業要請、時間短縮も含めて、これを今回、このタイミングで解除するということを踏み切った理由を改めて教えてください。
(知事)
これはもう大きな原則として、かねて申し上げておりますように、県民の皆さまの社会活動、あるいは経済活動への制約は最小限のものにしていきたいというところがベースとしてあったということです。そうした中で、本県の感染状況も事業者の方々や県民の皆さまのご協力のお陰で、このところ安定して抑制をされている。落ち着いてきているということがあります。
こうした中ですし、また、あえて申し上げますと、基本的対処方針の中で、特に接待を伴う飲食店等については、営業自粛ではないけれども、国民の皆さん、県民の皆さんへの外出自粛の一環として、自粛をお願いをすべしという方向が出た。こういうこともありまして、中間的な形として、直接的に事業者の方に営業の自粛をお願いしなくても、県民の皆さまに呼びかけをするという形で、段階的に通常の状態に戻していける、そうした舞台が整っているという状況も踏まえて、事業者の方々に、営業活動をやめてくれというような直接的な制限は避けていくべしという判断をしたというところです。
(記者)
接待を伴う飲食店であったり、カラオケ、ライブハウス、これまで、事業については明示した上で県民に対して要請、協力をお願いする。一方で事業者からしたら、営業の自粛要請としたいのではないかという受け取りをする方もおられると思うんですが。
(知事)
その点は確かに、ご懸念はあるかとは思います。ただ、特に営業の自粛の方に踏み切るといいますと、かなり議論はギリギリしたものになってくるんだろうと思います。例えばカラオケでも、1人カラオケであれば飛沫感染の恐れはそんなにないんじゃないかとか、バーでも、究極的には店内に1人、2人、非常に距離を置いて、マスクもしてということであれば、何の問題があるのかと。こういうご反論は出てくると思います。強い意味での休業の要請とまではいかなくて、お客さんへの自粛の要請という形で、いわば段階的に通常の状態に戻していくという方がベターでないかという考えをしたところです。
(記者)
先ほどは、今回の休業要請をしないというのは、かなり踏み込んだ、思い切った決断だと思うんですが、一方で、先ほどから知事もおっしゃっているように、緩みの懸念というのは、どうしてもつきまとうんだと思います。県民の方に要請、お願いを事業者も含めてされていくということですけど、そこの緩みにつながらないような形は、どういった担保をするかというのは、1番難しいのかもしれないですが、どのようにして呼びかけを強めたり発信をされていきますか。
(知事)
この点は、もう地道に呼びかけをしていくことを続けるしかないと思いますし、最終的には日々の感染状況などもしっかりとフォローをして、危ない兆しが出れば、これは直ちに、そういうアラートを発していくということも考えていきたいと考えております。
(記者)
感染者がまたさらに出た場合は、元の状態に、またお願いすることもあり得るということでしたら、例えば明確に、どうなったらというようなものがイメージとして、あるんでしょうか。どうなったら制約を課していくというようなことはお考えになっているんでしょうか。
(知事)
現時点で明確なものがあるわけではありませんけれども、特に第2波のときに、3週間近く感染者ゼロでしたけども、その後、連日のように感染者が発生し、そして、その発生数も急激に増えてきたというような先例、前例ができておりますので、これももちろん、その時の検証、反省をした上でということになりますが、そういった今までの経験も踏まえて必要な場合には、再び県民の皆さんにお願いすることはあり得るということを申し上げたいと思います。
(記者)
県立施設についてなんですが、11日からということですが県立施設の中で、例えば坂本龍馬記念館も含まれるんだと思うんですけど、これは県外から観光客が来るような施設には該当しないんでしょうか。
(知事)
この点は、程度問題ということなのではないかと思います。大型連休は一応6日まで、あるいは最大限いって10日ぐらいまでで一段落ということだと思いますので、県外客を引っ張ってきてしまうというところの懸念は、期間としては11日以降ということであれば、相対的に少ないだろうということはありますし、これもある意味、全国的な傾向として、文化関係の図書館、博物館、美術館、このたぐいは、できるだけ、いわゆる自粛疲れ対策ということも踏まえて、緩和できるところは緩和していこうと。これは全国的な傾向だということだと思いますので、そういった流れを見ますと、例えば坂本龍馬記念館などについて、そんなに大きな心配を、おっしゃったようなご懸念を抱く必要はないのではないかと考えております。
(記者)
現状のゴールデンウィーク期間中で、県内の街の人出は、かなり少なくなっているんだと思いますが、自粛の効果だとは思うんですが、知事からご覧になって、現状、これまで呼びかけてきた効果というのは、やはり出ているとお考えですか。
(知事)
何の効果でしょうか。
(記者)
街中の人手というのは、かなり少ない状況が続いていると思います。その受け止めというのか、要請の効果なのかどうかということを。
(知事)
その点は、これだけ高知県も、全国的にも緊急事態宣言という中で、自粛をお願いをしてきている。かつ、特に大都市部では、なかなか抑止の歯止めが思ったようにかけられないような状況もある中で、県民の皆さんに非常に危機感を共有いただいて、ご協力をいただいている。その表れだと思います。
ただ、片方でこれが経済活動、あるいは社会活動という面でみると、大きな痛みを伴っているのも事実ですので、感染拡大防止の努力との両立を図っていくべしという、国内で大きく言えばですね。そういう地域の方に分類をされたことも踏まえて、緩和できるところ、負担軽減できるところはできるだけしていくという考え方で、今回対処をしたところです。
(高知民放)
今回の県民へのメッセージは、やはり緩和というか解除というか、緩めるということを、かなり前面に受け止めると県民も思うので、結構、少なくない人が心配して、本当に大丈夫かというような気持ちの方が、かなりいらっしゃるように思いますが、そこはやはり、ここは大丈夫だということで、今回の方針決定でしょうか。
(知事)
先ほどの両立を図っていくために、特に飲食店などを前提に、県内店舗へのお願いを敢えてさせていただき、このメッセージは県民の皆さまにも同時にお聞きいただきたいという意味で、本日もご紹介をしているわけで、特にマスクの着用に関しては、県民の皆さんご自身が、ご持参をしていただいて着用していただくことが最も望ましい。そうした行動が期待できるということだと思いますので、マスクの着用をこうした形でお願いするということは、新型コロナウイルス対策以前の段階では、ほぼなかったと思いますので、いわばマスクを一種象徴的なものとして、県民の皆さんに感染拡大防止の努力をお願いしたい。こういうメッセージをしっかり発していくことによって、一方的に緩んだという、これで以前の状態に戻っていいんだということにならないように、一生懸命お伝えをしていきたいと考えております。
(高知民放)
5月7日から31日までは、要は接待を伴う飲食店、カラオケボックス、ライブハウスには行かないでねということは、今回も、利用者側に求めるのでしょうか。
(知事)
できる限り、足を運ばないでください。
(高知民放)
行かないでくださいということを発しているわけで、やっぱり業者さん側からしたら、それはもう営業するなということとほぼイコールですよね。非常に厳しい状態がまた続くわけですけれども、今の県の協力金というのが、6日までを前提にしたお話でした。こっちは、あと1ヵ月ぐらいまた続くという話なんですけれども、それは営業自粛じゃないから、新たな手は打たないということだと思いますけれども、そういう県の独自策で、ここの業者さんたちに更なる追加支援等をするお考えはないでしょうか。
(知事)
おっしゃったような休業要請と全く1対1の対応というところまで厳密に考えているわけでもありませんで、まさしく4月3日に感染源不明の患者さんが複数出られて、これは何か手を打たないといけないというときに、当時、夜間の外出自粛をお願いしました。夜間の中でも特に3密の場所には外出しないように避けてください。これが事実上、今回の接待を伴う飲食店等への出入りの自粛と、ほぼ意味としては同じような状況だと思います。そうした営業の自粛の1歩手前の段階に、今回は要は戻ったような位置づけと捉えていただければと思います。
そうしたこともありまして、前回協力金のお話をしたときも、直接的にはやはり休業の要請をするということが契機にありましたけども、その以前にも夜間の外出自粛という関係で、結果としては同じような影響があったということも勘案して、協力金という形での支援ということを考えてきた経緯もありますので、その意味で1対1で対応するということでは、必ずしもないという頭の整理をしてきている流れがありますので、今回に関して、正式といいますか、より重い休業要請を解除するということもありますので、今回について協力金というのは、そこを捉えてお出しをするという考え方は取らなくていいだろうという判断をしたということです。
(記者)
協力金の関連なんですけども、先ほどの本部会議の方で、申請が開始された5月1日から4日までで549件の申請があったということですけれども、この件数について、事前に想定されていた通りだったか、ということの説明をお願いしたいと思います。
(知事)
正直、余りスケジュール的なもので、このぐらいはということを思ってたわけではありませんけれども、最大で5000件程度の中でと考えておりましたので、申請から早々で500件を超えるような申し込みがあったというのは、ほんとに事業者の皆さんのご期待は大きかった、ないしは非常に経済的な苦境が、やはり大変深刻だということの現れであると受け止めております。
(記者)
5月7日から31日までに実践していく内容として、要請解除ですとか、同じ自粛とかというのは、それぞれの都道府県が判断することだとは思うんですけれど、全国的に新しい生活様式の実践が求められてくると思うんですが、高知県としてはこの新しい生活様式の実践をどういった形で周知を図っていきたいと考えていますか。
(知事)
特に食事というところ、ここが先ほどの飲食店というところと論点が重なってくると思いますので、こういった点を先ほどの話と合わせて、特に重点的に私としては、県民の皆さんにご理解いただきたいと思います。例えば対面ではなく横並びで座ろうとか、料理に集中、お喋りは控えめに。おしゃく、グラスやおちょこの回し飲みは避ける。これはいわゆる献杯・返杯の世界と全く重なると思いますが、マスクを着用して、できるだけ食事のときは食事に集中をして、会話ないし長時間の長居は自粛をしていただきたいと、こういった流れと、国の専門家会議がお示しになった、例えば食事の生活様式の中身というのは、思想においても現実的な対応策においても、かなり重なっているということがありますので、特にこういった論点を中心に、県民の皆さんにご理解いただくように努力したいと考えております。
(朝日新聞)
先ほど、協力金の支給については考えていないというお話がありましたけども、7日以降も観光面とかで、まだ打撃を受ける業界もあると思うんですが、それも含めて、新たな経済対策として、これから打つことは考えてないでしょうか、県として。
(知事)
特に観光の方に関して申しますと、規模として大きくなりますのは、これは一定程度事態の収束が見えてくるというのが、執行の前提になると思いますけども、国においてもこの間の国会の議論でも、何でそんな先の話を今やるのかという話が、野党の議員の先生方からご指摘があったと思いますが、「Go Toキャンペーン」ですね。1兆7,000億円ぐらいの予算規模で、いわゆるパック旅行に2分の1以内、1人2万円相当の支援をするという措置が、国の補正予算には計上されているということですが、本県でもそれに呼応するような形で、本県独自の上乗せをしていくことで、特に本県への誘客を図っていくという予算は、5月の臨時議会にはご提案したい。今、そのための具体案の詰めの作業を行っているという段階です。
ただ、これについては前提がやはり、全国的な移動もしっかりできるようになって、終息の見通しもついてということになろうかと思いますので、ただ、片方では関連の事業者の皆さんからしますと、先行きが見えないというご不安が非常に大きいということですから、これはこのタイミングで、この規模で手を打つ覚悟があるということは、この5月の臨時会で提案をして、ぜひご審議をいただきたいと考えているところであります。
(高知新聞)
先日出されたパチンコ店への県外客お断りの件についてなんですが、県内外の人の流れを抑えるということの対策だとおっしゃっていたので、その対策というか要請は今後も続けられるんでしょうか。
(知事)
そうですね。これは県外客、県外との県境を越えた人の出入りを抑制をする一形態という位置づけでお願いをしておりますので、もちろん、全体の状況はよく見極めないといけないと思います。背景となっているのは、多くの県で休業要請などが行われて閉店をしているところが多数だと。そうなると愛好家の方々、県境を越えてでも県外のパチンコ店、それが本県でやっているということで、押しかけて、そこでまたいわゆる3密の状況などが生じることになってはいかんと。そういうことが背景にありますから、そういう状況が引き続きあるのかどうかというところが前提になると思いますけれども、引き続きそういう懸念があると。県外からパチンコ客の方が県に押し寄せる、今のところそういう顕著な状況は報告は受けておりませんけれども、少なくてもそうした蓋然性がかなり高いという状況が続いていくということであれば、その要請は引き続き行っていくことになろうかと思います。
(記者)
7日以降も、そのお願いというのは続くものだと理解してよろしいですか。
(知事)
これは他県でパチンコ屋さんへの休業要請ですとか、あるいは自粛要請、こういったものが続くかどうかというところにも前提がかかってくると思いますし、現実にパチンコ屋さんが、結構それに反して営業を強行されるというような話も聞いておりますけれども、そういった状況がどうなるかによって、パチンコファンの方が本県に来ようという動機がある。今まで同様に高いのかどうなのかということが関係してくると思いますから、そこの判断を見極めた上で、必要な場合は続けていくという考えでおります。
(記者)
今日の一部の要請の緩和に絡んでは、そこは判断はされていないということなんですか。
(知事)
少なくても、大きな議論をしてこっちでいこうという方向を今決めていることではありません。
(記者)
それに関連してお聞きしたいんですけれども、今非常に特殊な状況で、知事がおっしゃったように県外との兼ね合い等もあると思うんですけれども、一つの愛好とか、趣味の方々を、ある意味、名指しで県内県外を動きやすい、流動しやすい方々だと、明確な根拠を示されずに、行政が示されるというのは、非常に特殊なことだと思うんですが、そこについてのお考えをお聞かせください。
(知事)
この点は、ただ、やはり県民の皆さんの不安にしっかり寄り添っていくというところが判断要素としては大きいと思いました。本来的には、先ほども申し上げたように、本県で現実にクラスター的な事象が起こっているというところからしますと、カラオケであったりバーであったり、そういったところを営業自粛の対象に絞っていったということもありますから、一般的な心配、懸念としてはもちろん3密の心配、パチンコ屋でまさに、お客さんが集中するということがあるんだと思いますが、現実に恐らく全国的にみても、パチンコ屋がクラスターの原因になったというような状況は、あまり報告されてないのではないかと思いますから、そういった意味では、慎重であるべきというのは、私の基本的な立場ではありますが、ただ、全国的にパチンコ屋さんの休業要請というのがいわば大きなイシューになって、連日テレビで、休業要請から指示にいく、いかないというのが、特に大都市部中心に非常に大きなニュースになり、また近隣の府県にパチンコファンの流入があると。またテレビの画像でも、そういった長蛇の列が続いているということが流されて、県民の皆さんからは、私自身へのメールも含めて、高知は大丈夫かと、そういうご心配を非常にたくさんいただいた。そういうこともありますので、県民の皆さんの不安感に寄り添っていくという観点からは、これは打てる手は打たなきゃいけないのではないかと。
それは特に、県外との往来の自粛ということが、この緊急事態宣言の大きな眼目の一つでもありますから、その文脈の中で、県として取れる対策を取っていこうということで判断したところです。
(共同通信)
段階的にということですが、5月に1回終了する3点の要請解除というのは、これでいわゆる要請というか、事実上の要請というのは全て解除という認識でいいのかというのと、5月7日から31日までに4点挙げられていますけど、これは、要請というか、県民に対するお願いという認識でよろしいでしょうか。
(知事)
いずれも、基本的にはお願いベースの話でありますし、外出自粛も要請といえば要請ではありますけども、これを特に、2番、3番については、県民の方一般ではなくて、お客さんではなくて、事業をやっておられる方への要請ということですから、これは明確に解除をすると。この点は、5月6日前後で大きな違いということですし、これらもいずれも協力のお願いベースであるというのは確かですが、ただ、特措法も含めまして、お願いベースでないというのは罰則がないまでも、事業者の方々に指示だとか、そういったかなり限定的な場面だと考えておりますので、特措法も、極力国民の皆さんの自主的なご協力をお願いをしていくんだということを基本に組み立てておられる法律だと、私は理解しております。
(記者)
改めて、5月7日から31日までという期間を、県としてはどのように位置づけられているかというのを、もう一度お願いします。
(知事)
これは国の方もそうだと思いますが、特に社会経済活動と感染拡大防止の両立を図っていく。そして、できるだけ、早い段階で正常な社会経済活動の状況に戻していく上での、1番最初のステップということではないかと考えています。
(時事通信)
先ほど、県民へのメッセージがあったと思うんですけれど、今日の発表で、県民の不要不急の外出自粛であったり、休業要請であったり、営業の時間短縮の要請というのが解除されたと思うんですが、一方で、新しい生活様式ということで、2月以前の状態に戻れるわけではないということで、ある一定、これまでの生活と比べたら少し制限がかかるようなところもあると思うんですけれど、今回、外出自粛等要請が解除されましたが、県民の方が生活していく中で、例えば外出することに対して、ためらいとかもまだまだ残るとは思うんですが、どのような心構えで日常を送るべきなのか、改めて県民へのメッセージをお願いしたいです。
(知事)
ここは、感染拡大防止と社会経済活動の再開の両立を図っていうという話なので、なかなか単純に白黒をつけにくい話で、ちょっと分かりにくい部分は出てくるかもしれませんが、やはり、最終的に本格的に以前の状態に戻るためには、繰り返しになりますけれども、治療薬の開発、あるいはワクチンの開発というようなことが全国的、あるいは国際的に行われていくと、こういうことがやはり前提条件になっていくと考えた方がいいんだと思います。
だとすると、これは私の口から確定的なことは申しませんが、全国的な報道などによりますと、専門家の方々は1年、2年という単位でおっしゃっていると。それだけ時間がかかるということを前提に、その意味では、新型コロナウイルス、非常に手強い相手と言われていますが、ある意味、言葉は不適切かもしれませんが、上手に付き合っていかなければならない期間というのが続いていくと考えなきゃいけないというようなご指摘があるのは、非常に示唆的だと思います。
その意味で、かつてのように特に制約もなく、飲食を共にして長時間話をして、というような状態に、すぐには戻れない。特に、先ほど、吉川先生のご意見も聞いて、私もそこは意を強くしたところがありますが、特に高知県の場合は、お酒の場というのを通じてコミュニケーションを図れるというのは、いいことなんですけれども、それが結果、長時間の会話、大きな声で喋るということにつながっていく中で、飛沫感染の拡大が、多分全国的にみても大きな要因として、考えなきゃいけないような状況になっているということだと思いますので、そうした高知県の特性、いいところでもあるんですけれども、新型コロナウイルスとの戦いにおいては、逆に弱点になってくるというところがあるということだと思いますので、その点をよく県民の皆さまにも、ぜひご理解をいただいて、営業の自粛まではご要請しませんけれども、営業していただく、あるいは食事を楽しんでいただくにしても、その点の飛沫感染防止という点について、特に意を払っていただきたいということを改めてお願いできればという気持ちでおります。
(記者)
県職員の在宅勤務は、当初の今までの目標から変化はありますか。
(知事)
今回の連休に入る前の段階で、全国に緊急事態宣言の対象が拡大されたという時点で、国の対処方針が、いわゆる7割、8割という、仕事も特に意識した人と人との接触防止の削減目標は全国でこれをやるんだということになりましたので、これはお手本を示すべき県庁も、事業所としてしっかりやろうということで、部署によって可能なところは7割まで削減。全体としては半分程度に通勤をする人を削減するということで努力をしてまいりましたけども、今回、その7割、8割という数値目標は外れるということになりましたので、血眼になって、とにかく数字を出すという状況ではなくなったと考えております。
連休前との連続性がありますので、今週中は今までの既定方針でやりますけれども、来週に入りましたら、7割、8割いうことにこだわるのではなくて、テレワークですとか、時差出勤でできるところはやって、できるだけ職場での接触は少なくしていくという観点に立って、1回見直しはして、できる協力はしていくというスタンスで組み直しをしたいと考えております。
(記者)
来週に1回リセットというか、考え方を変えるのでしょうか。
(知事)
そうです。
(産経新聞)
不要不急の他県との往来自粛のところなんですけれども、他県では県外ナンバーのカウントをしたり、そういった取り組みというか、事例がありますが、高知県として、呼びかけ以外にすることを何か考えられてますか。
(知事)
現時点では、ただ先ほどのパチンコ店の話で、担当の部では、そういったお願いをしていく以上は、実態把握をしなきゃいけないだろうということで、県外ナンバーが必ずしも県外居住者とは一致はしないということはありますけども、一つの外形的な指標にはなるかということで、そういったものを調査をして、調査といっても目視で調べると、数を調べる程度ですが、ということはしておりますが、それ以上のことは、今具体的に何か考えているわけではありません。
(産経新聞)
実際に既に取り組んでいる、目視で確認をするということはしているわけですね。
(知事)
はい。
(産経新聞)
接待を伴う飲食店などの休業解除のところで、度々質問が出ているところなんですが、先ほど、濵田知事、休業要請の段階から外れたからということをおっしゃったと思います。休業要請が解除したので、そこをとらえたところのお金を出すという考えはとらないということをおっしゃったと思います。ただ、実際、出入りを自粛するということになると、開店休業状態で、かなり経営は逼迫すると思います。事実上の休業状態になると思うんですが、そこでそういった経営が逼迫するというところに対しては、どうお考えでしょうか。
(知事)
一つは、今回の協力金も休業要請のところだけを捉えてということではなくて、元々それに先行していた、夜間の外出自粛の要請に伴う影響ということも考えて設定をしたということがありますから、その状況に事実上戻るような状況になったということでありまして、元々休業要請と表裏一体ということに、必ずしもなってなかったというところが一つありますし、実際問題として対象の事業所以外の方々に、運輸関係とか大変大きな減収で苦しんでおられる方がおられますので、こういった方に関しては、今の対策で最も有力なものとしては、国の持続化給付金が国の予算を通り、やっと新聞広告、全面広告なども出て、事業者の方々には、これは確かに使えるんだなという思いで、接していただけるようになってきたと思いますので、そちらのPRを我々もしっかり手伝うと。
最大で、中小企業は200万円、個人事業者は100万円の支援が期待できるということでもありますし、またその使い勝手がよくないというようなご意見も既にいただいておりますので、そこを改善していく。あるいはさらに、今後の状況にもよりますけれども、複数回の受給ができるように考えていくべきじゃないか。こういった点については、国に対して必要な意見を申し述べたり、また提言はしていきたいと考えております。
(司会)
それでは、以上で記者会見を終了させていただきます。
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