令和2年7月13日  知事の記者会見

公開日 2020年07月29日

7月13日資料[PDF:206KB]

 

(司会)

 ただ今から、知事記者会見を始めさせていただきます。まず、知事から現在の感染者の状況等について説明をさせていただきます。

 

(知事)

 県内において、約2ヵ月半振りに新型コロナウイルスの新たな感染者が確認されました。その概要について、また今後の県としての対応についてご説明申し上げたいと思います。

 県内では4月29日に確認されて以降、約2ヵ月半新たな感染者は確認されておりませんでしたが、本日、1人の方が第75例目ということになりますが、新たに感染が確認されました。午前中に概略は皆さんにご報告していると思いますが、佐川町在住の20代の男性、高知ファイティングドッグスの選手の方です。感染の経緯につきましては、7月5日に親族のお見舞いのために大阪に自家用車で行かれたということでして、大阪滞在中に知人らと会食をし、また、この同じ店舗で他にも陽性者が確認されているということですので、この大阪の飲食店で感染をしたということが推定をされるものと考えております。

 今後についてですが、濃厚接触者としてチームの同僚の選手の方々、監督、コーチ、またチームのバスの運転手の方、合わせて34名を濃厚接触者として、順次PCRの検査実施させていただく予定にしております。

 今後の県の対応について申し述べます。こちらが(脚注:資料P.2参照)5月末に全国的に緊急事態宣言が解除をされたときに、今後の高知県における「新型コロナウイルス感染症対応の目安」とお示しした資料です。概略で感染者の数、あるいは病床の稼働率、こういったものを指標として、どの程度に達した場合、どういった対応を検討するか、実施をするかというところの目安としてお示ししたものです。

 本日、新たに1名の方が感染確認されましたので、「0・緑」になっている状態から「注意・黄」という状態にステージを引き上げる判断をするかどうかというところが問題になるところですが、結論的には今回については、「0・緑」の状態、これを維持をするということで、現時点では対応をしたいと考えております。

 その理由としては、一つは、今回の感染者の方、新たな感染者、75例目の感染者の方は、感染経路の推定ができる状態です。先ほど申し上げたとおり、大阪を訪れた際の飲食店での感染が疑われるということです。また、濃厚接触者の範囲もチームの関係者の方々、ただ今申し上げた34名の方に限られている。不特定多数の方と接触をしたというような事実はないということですので、今後、感染の封じ込めが十分に可能であるという状態であると考えております。そのため、この時点で約2ヵ月半きました「0・緑」という状態から、ステージを引き上げる必要はないという判断をしているところです。

 したがいまして、例えばここにあるようなイベント等の人数制限ですとか、他県への移動の制限とか、こういったところを、この時点で県民の皆さんにお願いをすることは考えておりません。もちろん、今後の感染の拡大の状況次第ではステージを切り替えて、対応する可能性はもちろんあります。現時点では、ステージは据え置きという考え方にしております。

 また、今回ちょっと議論を庁内でした際に論点として出ましたのが、1名以上の感染者が出た場合、注意をいただくというところの実際的な対応として、イベントとして100人超のイベントの参加の自粛要請という形で、出ておりますけれども、これはもともとの出所が、5月の中旬に国の専門家会議で提示をされた目安をそのまま引用しているということですが、現状、全国的な状況を見ますと、かなり感染が拡大する中でもイベントの制限・制約に関しましては、段階的に緩和をされております。現状では定員の50%以内、かつ5000人という水準で、例えば東京、大阪といった感染者が増加をしている地域でも運用されているということですので、現時点で、改めてレビューをしますと、100人という線引きは、やや厳格過ぎるのではないかというふうに考えておりますので、今後、仮に黄色の段階、注意の段階にステージを引き上げなければいけないという判断をするにしても、イベントの具体的な制限・制約の水準に関しては、改めて見直しが必要ではないかと考えているところです。

 ただ現状、2ヵ月半ぶりに新たな感染者が確認されたということですので、他県との往来に関して、県民の皆さまに対して、感染者の確認が増えている地域に訪れる際には、感染防止策が徹底をされていない店舗、施設、こういったところへの立ち入りは避けていただきたいというお願いをしたいと思いますし、特に昨今の東京、大阪等での状況を見ますと、夜の繁華街、そうした感染が拡大している地域の夜の繁華街への出入りには、厳重に注意をいただいて、感染防止策が徹底されていないようなお店、こういったところには立ち入らないようにしていただきたいということをお願いしたいと思います。

 また、もとより平常時からお願いをしている手洗いの励行ですとか、マスクの着用、こういったものについては、感染が拡大している地域を訪れる場合には、ぜひこの点も徹底をしていただきたいということは、併せてお願いしたいと思います。

 また、感染者が増加をしている地域の方々に対してですが、今高知県では観光の需要回復を目指して、さまざまな取り組みをしております。一般論として言えば高知県にも訪れていただきたいと言いたいところはやまやまですが、特に発熱などの新型コロナウイルスと疑われる症状がある他県の方々、特に感染が拡大している地域にお住まいの方々に関しては、高知県への来県は控えていただくようにお願いをしたいということを、この場をお借りして申し上げたいと思います。

 ただ、いずれにしましても昨今の状況を見ますと、県内における感染者の発生をゼロにするということは、少なくても当面は現実的には困難、無理な話だろうということは確かだと思います。その意味では、新型コロナウイルスの存在を前提として、新型コロナウイルスとの共存を前提として、感染防止対策をしっかり取りながら、社会経済活動の回復との両立を図っていくことが求められている局面であると考えています。

 その意味で県民の皆さん、あるいは県内の事業者の皆さまには、かねてお願いしておりますように、新しい生活様式の実践ですとか、業種ごとに作成されたガイドラインによります感染防止策の徹底、こういった取り組みを一層進めていただくように、徹底いただくように、改めてお願いしたいと思います。

 私からは以上です。

 

(司会)

 次に、佐川町の堀見町長から発言をお願いいたします。

 

(佐川町長)

 佐川町長の堀見でございます。先ほど、濵田知事からもご説明がありましたが、県内75例目となる新型コロナウイルス感染症患者として発表されました、高知ファイティングドッグスの選手につきましては、佐川町在住の方です。高知ファイティングドッグス球団設立以来、佐川町はホームタウンとして応援をしてきており、今も多くの選手が佐川町に住んでいただいております。

 先週の金曜日は雨で中止になりましたが、観客を入れての試合を予定しておりました。ファンの皆さまは、大変試合を観戦することを楽しみにされていましたが、今回、高知ファイティングドッグスの選手の中からコロナウイルス感染者が出たということにつきましては、大変残念に思っております。

 佐川町の住民の皆さまの中には心配をされている方もいらっしゃいますが、先ほど濵田知事からも説明がありましたとおり、感染経路がはっきりとしております。また、濃厚接触者の範囲も限定をされております。住民の皆さまには、ぜひ冷静に、落ち着いて、これまで同様に、感染症の予防対策をしっかり取っていただきたいと考えております。

 新しい生活様式に基づく行動を取っていただき、手洗い、手指消毒、またマスクの着用を徹底していただき、感染予防に努めていただきたいと考えておりますので、改めて、私から住民の皆さまにはお願いをさせていただきたいと考えております。

 私からは以上となります。ありがとうございました。

 

(司会)

 それでは、各社からの質問に移ります。

 

(加藤・朝日新聞記者)

 先ほどの発言の中で、イベントの開催の基準について、5月中の国の目安を基準に目安を決めたというお話があったと思いますが、今後、この目安自体を変えていくようなお考えはありますか。

 

(知事)

 必要に応じて、そういったことは考えたいと思います。といいますか、近い将来、ここの注意というステージに入るというような判断をせざるを得ない場合には、ここの今の現状の目安の規模というのは、全国的な扱いとの整合が明らかに取れないと思いますので、そういった局面に立ち入れば、この50名というようなところも含めて、全体の見直しが必要ではあろうと考えています。

 

(加藤・朝日新聞記者)

 判断指標についてはいかがでしょうか。

 

(知事)

 こちらについては、大きな変更は今の時点では必要ないのではないかというふうに思っています。もちろん、対策との相関関係において判断をされることではあると考えておりますが、おおまかに申し上げて、毎日1人以上が出ているような、1週間で何人以上というようなことになった場合には、注意の中でもよりステージが上がって警戒。毎日2人以上のペースになった場合には厳重警戒という形で、これは前回の県内の第1波、第2波のときの経験を踏まえて区分けをしていますので、現時点では、この区分けの判断指標の切り方自身を見直ししなきゃいけない事象が、現時点で生じているわけではないと考えております。

 

(西浦・NHK記者)

 判断指標について、今回感染経路がある程度出てきてるところがあって、ステージは引き上げないという話なんですけども、今後、どういう状況になれば次のステージになるか、もうちょっとそこら辺のイメージを教えてください。

 

(知事)

 先ほどのご質問に対する答えの補足ですが、この判断指標一つの大きな柱は、新規の感染者数の確認された数だということですが、(資料の)脚注にありますように、直近7日間の新規の感染者数、これがベースにはなりますけれども、そうした中で、別途感染経路不明の新規感染者がいくらいるのかという点も考慮する。あるいは、いわゆるクラスターが発生をしたような場合に関しては、この判断指標とは別口で判断をしていくというような注意書きを入れていますので、今回は1名ですけれども、数字だけではなくて、その感染者の方が今回のように感染経路が追えている方なのかどうか。そうでない場合の方が、より市中感染が広がっていくリスクが高いということですから、今のご質問に関して申しますと、今回、早速濃厚接触者の方々にはPCR検査をお願いしようと思っております。

 そういったお願いをした方々の中で、感染の方がまた何人か確認をされるということであれば、今の範囲の、一連の追えている範囲の中ですから、そこは大きな局面の変化と考えなくてもいいということだと思いますが、特に新たに感染経路が不明な方が、別に発熱とかされてPCR検査を受けられて、新たに感染が確認をされたというようなことが起こってまいりますと、県内にも、今は感染者の方が確認されたわけですから、その限りではウイルスが入ってきているというのは、その部分では事実でありますが、それ以外にも、市中でウイルスがある程度、拡大をしているということを想定をせざるを得ないという判断をしたら、この黄色の段階、あるいはそれ以上への、ステージの切り替えを判断をしなければいけないのではないかと考えております。

 

(西浦・NHK記者)

 も他県の往来の考え方をおっしゃいましたけれども、22日から国のGO TOキャンペーンが始まります。都市部では、東京などでは100人、200人と現実に感染が出ていますが、このタイミングで都市部との往来を後押しするようなことになりますが、この点、受け止めといいますか、タイミングの是非についても含めて、どのようにお考えか教えてください。

 

(知事)

 その点は、先ほど申し上げたことの繰り返しになりますけれども、やはり現状は、感染拡大防止対策と経済活動の回復、この両立を図っていくという局面にも入っているんだと思います。それは全国的に国の方の方針も、東京都あるいは関西圏などで、新たな感染者の確認が相当されているということではありますが、ひと言で言いますと重症者はそれほど多くない。あるいは医療崩壊に至っているというところではない。そういう意味では、4月の段階と数は似ていても、感染者の中身が違うという判断をされ、こうした中でも、国の方も7月の下旬から先行的にGO TOキャンペーン、今お話があった形でやっていこうという判断をしているということですので、先ほども申しましたが、新型コロナウイルスとの共存を図りながら経済活動も回復を図っていく。感染拡大の防止をしっかりしながらも経済活動の回復を図っていくというところの折り合いどころが、そうは言いましても例えば首都圏などで、発熱がある、疑われる症状があるという方々は、高知県においでになることは差し控えていただきたいいうお願いもしますし、首都圏とか関西圏、感染者が増加している地域に伺う県内の方々に関しても、特に夜の街と言われるような夜の繁華街を中心に、感染防止対策が徹底できていないようなお店には、立ち入りを差し控えていただきたいというようなお願いをさせていただいたということです。

 

(大山・高知新聞記者)

 県民、あと県外から来られる方への呼び掛けについて、改めて確認したいんですが、先ほど県外の方、県外から来られる方に、発熱がある場合等の来県というのは避けてほしいと知事はおっしゃられてましたが、例えばどんなふうに発信していくのか。あと、実際来ないことを例えばどこかで計測をしたりとかまで踏み込んでやられるのか。全体的に緩和の方向に向いていく中で、なかなか高知には例えば一定控えてほしいという言い方は難しいのかなと思うんですが、そこら辺具体的にはどんなふうにお考えでしょうか。

 

(知事)

 この点は、先ほど申し上げたように、感染防止と経済活動の回復の両立を図っていくという局面にあるということですから、一般的に全ての方を対象にして一律に自粛を求めるという手法はとらないというのが、国もそういう考え方であると思いますし、東京都あるいは大阪なども含めて、感染者が増えている他の県を拝見しましても、対象をできるだけ絞ってピンポイントで要請をしていくと。それで効果的な方法を考えるという大きな方針のもとで、いろんな対応を決められていると理解しています。

 その意味で、今回あくまで自主的な、いわば自重することのお願いですから、それ以上の強制力があるわけではありませんが、ご自身が発熱がされているということであれば、それは感染の疑い、他の方に移してしまう可能性が、蓋然性が一定高いところにあるということですから、そういう方々へのお願いとして、来県はお控えいただきたいということを、本日も含めて県の広報媒体を通じて呼び掛けをしたいと考えております。

 

(大山・高知新聞記者)

 県民に向けてですが、県外の往来自粛とかということはもちろん呼び掛けないということをおっしゃられてますが、基本的には夜の街には行かないように、夜の街の危険な、対処等してない店には特に行かないようにという呼び掛けをされるという理解でよろしいでしょうか。

 

(知事)

 大きな流れとしては、かつての言い方であれば不要不急と言われたであろう観光という局面に関しても、身近なところから中四国、そして全国的にということで人の動きを促していこうという大きな流れがある中ですから、バッシング的なことになるというのは全く本意でない。むしろ観光客として健康でお越しいただく方については、しっかり高知としておもてなしをしたいという運動はしているわけですから、バッシングと言われるようなことにはならないようにという気持ちではあります。

 

(大山・高知新聞記者)

 先ほど、今回「黄・注意」に引き上げない理由について、これは感染経路が分かっているからというのが一番大きいということだと思います。例えばその感染経路が分かっていても、例えばその中で数が増えていくとリスクが高まることもあり得ると思います。その中でこの黄色に引き上げる判断というのは、その判断基準はその感染経路が分かっているかどうかという点しかないということでしょうか。

 

(知事)

 もちろん程度問題というのは当然あると思います。ただ、一般的な判断基準として、感染経路が追えているというのは封じ込めができるということと同義であると考えていますので、もちろん非常にこれが桁違いに大きな数になっていくとか、そういったことになれば、ある程度の時間差も生じてくるということからすると、注意ぐらいはしていただいた方がいいという判断はあり得るかもしれませんが、大きな考え方としては、感染経路が追えている、そして先ほど申しましたように濃厚接触者の方も特定できて、そう不特定多数の方と濃厚接触をしている方でない、などの条件が整っていればステージを引き上げるところまで、今の時点で判断をしなくてもいいのではないかと思います。

 

(大山・高知新聞記者)

 知事のご認識としては、今の状況、一人出た状況というのは、これまで、昨日までの状況と全く変わってないという受け止めされているということでしょうか。

 

(知事)

 全く変わってないとまでは申しませんが、現にこうして県民の皆さんに、佐川町長も言われたように、私としては冷静に県民の皆さんに地道な感染拡大防止対策と、先ほど申し上げたような他県との移動における折り合いをつけていただきたいということをお願いしたということはありますが、全く変わってないということはありませんが、例えて言えば、先般成田の検疫で、その後移動中に陽性が判明をして、県内へ入ったところで高知医療センターに入院をされて間もなく退院された方がおりましたが、外形的に見れば、ウイルスを保持されている方が県外からお一人で入ってこられたという意味では、似たようなケースではあったと思いますが、その点は県民の皆さんにも比較的冷静な判断いただいたとと思いますので、むしろそういったところ、先般のその検疫で判明をした方と、現時点では同じような延長線で考えても、そう大きな間違いはないという判断をしたとお受け取りいただければと思います。

 

(大山・高知新聞記者)

 知事、今日東京に出張に行かれて、午後の政策提言の予定をキャンセルされて、今会見に臨まれていると思います。これは外形的に見ると、何か状況が変わったのではないかという受け止めを県民としてはすると思うんですが、政策提言を最後まで予定どおりするという方法もあったかと思います。こうやって帰ってこられて会見をされている理由、意図というのを改めて教えてください。

 

(知事)

 これはもうまさしく感染拡大防止と社会活動の再開の両立を図るという局面ですから、中途半端と言われれば、お叱りを甘んじて受けないといけませんが、両方の立場でこの感染拡大防止のための県民の皆さんへの呼び掛けを、私自身、時間を置かずにしたいという部分と、そうは言っても東京で来年度の予算に向けていろんな提言活動を始めておりますから、その点はできる限りは実施したいというところとの折り合いをつける形で、本日こうした形で県民の皆さんに直接呼び掛けをさせていただいたということですが、2カ月半の空白期間がありましたので、県民の皆さまから、これまた大変なことになってるのではないかというようなご心配があり得るだろうという思いもありまして、その点は冷静な対応をお願いしますということを、私自身からお願いをするのがいいだろうと判断した次第です。

 

(大山・高知新聞記者)

 堀見町長にお伺いしたいんですが、県の方からの発表では、午前中、中央西福祉保健所管内の方が感染されたというような発表をされていたと思います。これまで保健所が違う高知市以外で感染されたときに、首長の方が会見を、わざわざ出てこられて呼び掛けをされたことはなかったように思うんですが、堀見町長が今ここでこうやって説明をされている理由、意図について教えてください。

 

(佐川町長)

 高知ファイティングドッグスの選手の大半が佐川町に住んでおります。佐川町の住民の皆さんの中には、きっと佐川町在住の選手じゃないかということを思われる方が多いだろうと思っています。私としましては、佐川町民への説明責任を果たすという意味で、住民の皆さんには佐川町在住の選手だということを伝えなければいけないと思いまして、今日記者会見をされるとお聞きしておりましたので、できれば同席をさせていただいて、私の口から佐川町在住の方であるということをお伝えさせていただきたいということを私からお願いをしました。これはもう住民の皆さんへのやはり説明責任をしっかりと果たしたいという、私の思いからの今回の発表になります。

 

(阿部・読売新聞記者)

 現段階で県内での感染状況を見る限り、多分県外から来られる方から、今回のケースと同じで感染が広がっていくことは考えられると思うんですが、その県外の方もしくは、知事東京へ行かれましたが、県外と往来する方に何か例えば対策をとる、もしくは呼び掛けたり、例えば帰ってきた人の熱を測ったりする、何かそういう県外からの流入を防ぐために考えられてること、呼び掛けられたいことはありますか。

 

(知事)

 中心的なことは、県民の方々については、感染拡大した地域を訪れる場合にはいわば自衛措置をとっていただきたいということですね。具体的には夜の繁華街で感染防止対策がとれてるお店ならいいのですが、そうでないお店に足を踏み入れるということは控えていただきたいという、この点はぜひメッセージとして強く発したいと思いますし、また逆に、感染拡大地域におられる方で、体調が悪い、感染が疑われる、発熱がある、そういう方については、一般の方々であれば、むしろ今からの数カ月は観光のために来ていただきたいと言いたいところですけれども、そういう体調が悪いという方々に関して、感染が疑われる方に関しては高知県への来訪は、感染拡大を県境を越えて広げてしまう可能性がある行為は、慎んでいただけませんかというメッセージをしっかり伝えたいと考えます。

 

(記者)

 感染拡大地域、今日の段階では首都圏と関西圏ということでよろしいでしょうか、現段階では。

 

(知事)

 主としては、現時点ではそういったことではないかと思っておりますが、連日報道の方々から県別の感染者の動向は発表はされておりますので、そういったものにぜひ移動をお考えになってる県民の皆さんは注目をしていただいて、その状況なり、あるいはある程度感染拡大してきますと、地元の各県の知事さんがいろんな形でその県民の方々に呼び掛けをされてますから、そういったものについてもよく情報収集をして、注意をしていただくということが有効ではないかなと考えております。

 

(中田・高知民報記者)

 今日の知事の発言の最も中心的な部分は、要はこの1名出たんだけれども、注意という段階じゃなくて落ち着いていきましょうということだと思いますが、70何日ぶりに出て、東京ですごい出て、四国にも徐々に入ってきて、注意しましょうねというのが普通の感覚といいますか、注意じゃなくてもいいですよというのはちょっと県民の感覚と合わないというか、恐らく不安に感じるのではないかと思うんですが、どうして注意ではいけないんですか、注意しましょうというのはもう普通のことだと思うんですけども、なぜ。

 

(知事)

 段階分けをする用語として、警戒の手前の段階として注意と言っております。一般的な注意は、常日頃でも、ここに書いてある共通事項は守っていただく、実行していただくように注意をお願いしているという、そういう通常のレベルの注意という点では、これは今でもお願いをしています。

 ただ、本日こうした形にしたのは、一つは先ほど申しましたが、2カ月半ずっと感染者ゼロという状態が続いておりましたので、そういう中でお一人、またその中でも特にファイティングドッグスの選手の方という、県民の皆さんからしても関心が非常に高い、話題性があるような形で感染者が確認をされたということでもありますので、そういった意味では、県民の皆さん、ご不安に思われる方もかなりおられるんじゃないかと。

 ちまたで聞きますと、やはり県民の皆さん、特に高齢の方はそうだと思いますが、ここ2カ月余り感染者が県内で出ていない中で、次、自分がもし県内で75例目になっては嫌だと、それが怖いということで随分とそこは注意をして、心配をいただいてた方もたくさんおられるという話も、私自身いろんなルートから耳にしましたので、冷静な対応をお願いをするということを、私自身の口からお願いをするということがベターではないかなと。

 おっしゃるように難しい点はあるとは思います。知事が出てきて、よっぽど活が入れられるのかなと思ったら、そうでもなかったということなのかもしれませんが、ただ一定の数の県民の方々は、これは本当に大丈夫なのかなと、やっぱり警戒レベルをぐっと上げなきゃいけないんじゃないかなというご心配もあったかと思いますので、今回濃厚接触者も把握されてるし、経路もつかめているということですから、冷静な対応をしてくださいというメッセージを、私自身から出すのがよいのではないかという判断をしたということに尽きます。

 

(中田・高知民報記者)

 その県民の不安ということはさっき私も申し上げましたけども、どんどん患者さんが出てるのに行政がブレーキを踏まないことへの恐怖感を持ってる方もかなり今いらっしゃるわけですよ。そういうことでいくと、無いことにしようとしてるんじゃないかみたいな、そういうふうにも感じなくもないので、なるべく今アクセル踏んでるときだからブレーキっぽいことはしないということで、政治の判断があって、いろいろ操作してるんじゃないかみたいなことではいけないと思いますので、そういうことではないということをもう1回ご説明願います。

 

(知事)

 ご心配がいろんな形であるというのは、当然そうだと思います。私自身も感じております。ただ、大きな、国全体としての流れは、感染拡大防止一本ではなく社会経済活動の回復との両立を図っていかないと、社会の動きあるいは経済の流れがほんとにだめになってしまうという中で、何とか両立を図っていこうということに今の状況がありますから、そういった趣旨の中で、過剰に心配をなさらないでくださいというメッセージを、私としては本日お伝えをしたかったというのが本意です。

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