公開日 2021年04月01日
(司会)
ただ今から、知事定例記者会見を始めさせていただきます。冒頭、知事から発言がございます。
(知事)
冒頭に、高知観光リカバリーキャンペーンの交通費用助成事業のスタートについて、私の方からお知らせをさせていただきたいと思います。高知に泊まって5,000円キャッシュバック、交通費助成の事業を5月の補正予算で計上したものですが、この22日から実施をするということを予定しております。
国の方でも、ちょうど旅行費用の半額宿泊代などを補助するGo Toトラベルキャンペーンの中で、特に宿泊割引については来週の22日から、4連休を前にして22日から先行的に開始をするという発表がありました。もともと、この高知観光リカバリーキャンペーンの方も、国のGo Toキャンペーンと連動する形で計画をしておったということもありまして、22日からこのキャンペーンを、高知県の方でも上乗せの形でスタートをするというものです。
これにあたりましては当然、感染の拡大防止対策を徹底していくということが大変大事であると考えております。そのために、これまでも観光関連の事業者の皆さま方には、感染防止対策の徹底ということをお願いをしてまいりました。例えば宿泊、航空、鉄道、バス、こういった各業界団体ごとに対応のガイドラインが示されており、ガイドラインに沿って、各事業者の皆さまで感染防止の取り組みをしてきていただいていると理解しております。
また、県独自としても、観光リカバリーキャンペーンへの協力金という制度を設けまして、1事業者当たり10万円一律という金額ではありますが、県内の観光関連の事業者の方々に、感染症の防止対策をしっかり取っていただく。このリカバリーキャンペーンにご協力いただくに際して、感染防止対策をしっかりやるお約束をいただくという形でバックアップをしているというところです。
実際、こうした事業者の方々に取り組んでいただくに際しては、具体的には消毒薬、消毒液の購入といった消耗品的な物が必要になるということもありますし、また、場合によっては部屋の間仕切りなんかも変えたりしなければいけないと。何百万円単位のお金がかかることもあると思いますが、こういったいわゆる消耗品的な物、あるいは設備的な物を含めて、県としても、これも国の予算も活用しながら補助制度も準備をさせていただいて、提供させていただいております。
一昨日ご報告しましたように、県内で新しい75例目の感染者が確認された折です。幸い濃厚接触者の方々の検査の結果は、いずれも陰性であるということですので、その意味で一区切りは付いたということだと思いますが、依然として余談を許さない、油断はならない状況が続くと考えておりますので、こうした形で感染拡大防止対策をしっかりと講じた上で、社会経済活動の回復を図っていく、両立を図っていくという線で臨んでまいりたいと考えております。
キャンペーンの概要は、県内外の旅行者の方で県内で宿泊をしていただくと、登録した宿泊機関に宿泊をしていただくことが条件になりますが、県内でお泊まりいただいた方、これは県民の方も含めて、県外から来られる方も交通機関の利用の料金、あるいは高速道路の利用料、こういった交通の移動にかかる費用について5000円を上限に、キャッシュバックのような形で助成をさせていただくという中身です。来年の2月の末までを期間として、先着で11万2000組を対象にするということです。国のキャンペーンと併用してご利用いただけるということですので、ぜひ高知の観光需要の回復に、一役をかってもらえればと考えている次第です。
これに関係して、特に感染拡大防止ということで、県外からお越しになる方に関してのご心配が、県民の皆さんの間にもあるのではないかと思います。その意味で、今後このリカバリーキャンペーンをさまざま広報していく中で、県外からお越しの方には、お住まいの都道府県が示されている県境をまたぐ移動に関する方針、これをよくご確認いただいて、それに沿った行動を取っていただくようにご理解、ご協力をお願いしたいと思います。
例えば東京都などでは、今特に新型コロナウイルスが疑われる症状がある方は、県境をまたいだ移動は自粛をしてください、というお願いがされていると理解をしております。例えば東京都にお住まいの方は、そうした東京都からの呼びかけをしっかりと踏まえてご判断をいただいて、例えば熱が出ているなど感染が疑われる症状がある場合には、この参加は差し控えていただくようにお願いしたいと思います。
また、県のキャンペーンは県内にお住まいの方も対象になるとは言いましても、自家用車で回られる分には、もちろん日帰りは対象になりませんし、宿泊をされても交通費用というのは、現実あまりかからないということかもしれませんが、仮に鉄道などの公共交通機関を使って県内で宿泊をされるとか、あるいはレンタカーを使って、県内を回られる、宿泊旅行をされるという際には、その交通費用の分は助成の対象となりますので活用いただいて、県内の観光需要の回復を盛り立てていただければありがたいなと考えております。
私からは以上です。
(司会)
それでは、質疑に入ります。まず、幹事社からの質問をお願いいたします。
(大山・高知新聞記者)
幹事社から、まず有効求人倍率の件についてお伺いします。コロナの影響もあり、5月の有効求人倍率が先月0.12ポイント下回って0.95倍となって、4年8ヵ月ぶりに1倍を切った状況ですが、県内の経済状況も踏まえて、有効求人倍率が1倍を切ったことへの受け止め、今後の課題や対応策についてどうお考えになるか教えてください。
(知事)
県内の有効求人倍率は、これまで約4年半、1倍を超えて求職者を超える求人があるという状況が続いてきました。これは、国の経済政策もありますし、本県の県民挙げて取り組んできた産業振興計画の成果というところもあったと思います。そうした形で、この4年半ほど推移をしてきたという状況でしたので、今回、感染症の影響があったとはいえ、この1倍を切る0.95、仕事が求職者ほどないという状況になったということは、率直に残念だというしかないと思います。
これに関しては、感染症対策のための休業をされるというようなことが、いろんな事業、産業であったということから、経済活動が停滞をして先行きが不明という中で、求人を取り消すとか、あるいは新たな求人を差し控えたとか、こういったことにより、有効求人数の大幅な減少があったことによるものだと分析をしております。
これを改善をしていくためには、コロナウイルス感染症の影響で、大きな打撃を受けた県内の経済活動の回復を図っていくということが必要だと思います。当面このコロナウイルス感染症の影響は避けられないということがありますので、やはり感染拡大防止の対策と、社会経済活動の回復に向けた取り組みをいかに両立をさせていくかというのが、大きなポイントになっていくと思います。具体的には、事業の存続、雇用の維持、こういった局面がまだ引き続き必要な部分が当然ありますので、国の雇用調整助成金、持続化給付金、県の制度融資、あるいは市町村も含めましてさまざまな支援措置、こういったものを使いまして、事業者の皆さまに、まずは事業の継続、雇用の維持に努めていただくということが大前提となりますが、その上で社会経済活動の回復をしっかり図っていくということであろうかと思います。
具体的には、県としても取り組んでおります、まずは地産地消から始めようというところ、県内の消費拡大、そして、ただ今申し上げた観光の面でも、身近な県内の観光から隣県へ、そして全国的にと、段階的にこの経済活動の回復というところを図っていくという取り組みをしっかりと進めていく。感染拡大防止対策はしっかり講じながら、こういった経済回復対策も両立をさせていくということが、大きな取り組みの目標になっていくと考えています。
(大山・高知新聞記者)
今回の下落を一時的なものと捉えられているのか、それとも今後さらに悪化、長期化するとみているのかについてと、もう1点、来春の新卒者の就職活動への影響について、どうお考えになるかを教えてください。
(知事)
今後の先行きというのは、現時点で確たるものを申し上げることは難しいとは思いますが、当座、このコロナウイルス対策が求められていくということには、恐らく変わりはないと思います。これは、ワクチンの開発・普及なり、治療薬の開発といったことを考えますと、恐らくこれは年単位での時間を要すると考えなければいけないということからすると、基調としては、大変厳しい中で、どうこの回復を図っていくのかが求められる局面だと考えます。
ただ、これは日本銀行高知支店の奥野支店長さんも言われましたが、10年ほど前のリーマンショックの直後と比べますと、県の経済構造、あるいは産業面での体力といったものは確実に上がっていると考えていいのだと思います。そうした経済的には、いわば基礎体力をしっかり蓄えている中で、感染症という経済以外の要因で、打撃を受けているということだと考えますので、県の培ってきている経済面、産業面での強みの部分をしっかりと生かして、そして、新しい生活様式の対応というところを、ピンチを迎える部分を逆にチャンスに変えていくという姿勢で、しっかりと取り組んでいくことが、ポイントになると受け止めております。
(姫野・テレビ高知記者)
先ほど説明にもありました観光関連に関してなんですが、JR四国の観光列車「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」の運行が始まったんですが、この期待感というのを教えていただきたい。それと関連して、Go Toキャンペーンの関連で、一昨日の会見でも、知事から、共存を図りながら経済活動を図る折り合いどころ、というようなご発言があったかと思いますが、改めての質問で恐縮なんですが、今他県の知事ですとか、首長の方々から懸念を示すような声も挙がっている中で、22日というタイミングの是非について、改めてお伺いしたいと思います。
(知事)
1点目の新しい観光列車「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」に関してです。この出発式は4日に執り行われまして、私もお招きいただき出席をしました。もともと4月に予定されていた出発のタイミングが感染症の影響で繰り延べられたということでして、私自身も心待ちにしておりましたし、この間、JR四国の皆さまには、新しい生活様式への対応として、感染防止対策を列車の中でも、ハードの面でもソフトの面でも、新たに講じていくということで大変ご努力をいただいたということに感謝をいたしている次第です。
車輌のデザインも幕末のイメージを模した1両目。2両目は新しい時代の夜明けのイメージを示したデザインということでして、非常にネーミングとぴったり合った車輌であると思いますし、何よりも車窓から高知の山、川、海、そういった自然を楽しんでいただける。また、沿道も含めて土佐流のおもてなしを満喫していただける、そういった、高知の魅力をしっかりと楽しんでいただける観光列車になっているというふうに信じております。
お聞きしますと、8月の10日までの予約率が93%というようなことでして、非常に、プロジェクトとして順調な滑り出しになっていると思います。ただ今、冒頭申し上げた県としても、国のGo Toキャンペーンに呼応した形で県観光のリカバリーキャンペーンを実施してまいりますので、そうした中で、何を見ていただくか、何を楽しんでいただくか。これは県内の人も、外の人も含めてですが、そういうときに、この新しい観光列車というのは、非常に大きなコンテンツの一つになると、観光の目的にもなるような非常に素晴らしい、素材をいただいたと思いますし、観光客を呼び込んでいく上でも大きなアピールポイントになるのが、この新観光列車だと思っています。
こうした観点に立ち、県では、今自然&体験キャンペーンをもともとベースとしている上に、今回リカバリーキャンペーンを打つということになりますが、こういったキャンペーンを通じて、県内、そして全国に向けたプロモーションをしっかりと行っていきたいと考えております。
それから、Go Toキャンペーンとの関係です。国のGo Toキャンペーンが繰り上げの形で、宿泊分を先行で来週22日から開始をされるということでして、本県でもこれに呼応したリカバリーキャンペーンも含めて、さまざまな取り組みを行っているというところです。ただ、このときに本県の場合は、先ほどから申し上げておりますように、まず県内で身近なところの観光から、そして隣県へ、そして全国へ、そういう段階的に広げていくという取り組みを行ってきておりますし、そのために県独自の宿泊助成も行っています。
そうした中で、特に感染者が増加をしている他県との往来に関しての心配はないのかということだと思います。この点、ややまだ流動的な要素があるなと考えておりますのは、国のGo Toキャンペーンそのものが、かなり国民の皆さんからのご心配の声もあって、具体的にどういったやり方をするのかというのは、明後日に発表すると。それに先だって、例えば明日、国の専門家会議改め感染症の分科会の中でも意見を聞いていくんだと、今日西村大臣が国会でも表明されているようですので、そういったものを踏まえて、国の方でGo Toキャンペーンの実施の細目的なものが、どうなっていくのか、一つ注目はしていかないといけないと思っています。
全国知事会としては、一つの提言として、やはり国のGo Toキャンペーンも段階的に進めていくと。隣の県辺りから、ということを考えるとか、あるいは地域の実情に即した形でやっていくということを、考えてもらいたいという提言もしているところではありますので、そういったものを踏まえて国のGo Toキャンペーンが、どういう詳細で実施をされていくことになるのかを注目したいと思います。
もう一つは、特に感染が拡大をしている都道府県において、その地域の住民の皆さんに、その地域の知事からどういうメッセージが発せられているか、我々もしっかりとアンテナを張って、それに沿った形の呼びかけを他県の方々に対してしていきたいと思っています。
具体的には、一昨日の会見の中でも申し上げましたけども、例えば首都圏ですとか関西圏、感染者数が増加をしてきているところにお住まいの方で、発熱などの症状がある、感染が疑われる方々については、残念ですが、この機会に本県においでいただくことは差し控えていただきたいと思いますし、また逆に、本県にお住まいの県民の皆さん、東京・大阪に行くなとは申しません。別に政府として制限を掛けているわけではありませんから。でも仮に行かれるにしても、特に夜の繁華街と言われるようなところを中心に、感染対策が十分でない、徹底してないお店とか施設、場所には立ち入らないように、その点はぜひ注意をいただきたい。
そういったことを県民の皆さんには改めてお願いをしたいと考えております。
(姫野・テレビ高知記者)
知事会としては段階的に進めていくですとか、地域の実情でというお話が、今ありましたが、濵田知事ご自身もこれに近い考え方という理解でよろしいでしょうか。
(知事)
知事会と、ということですか。最終的に国のGo Toキャンペーンは、国の方で全国的な感染状況を専門家の判断も含めて、判断をされていくということだと思いますけれども、現実に我々、多くの各県の感染者が比較的少ない県の知事さん方は、本県もそうですけど、比較的身近なところから段階的に広げていくという考え方で、対応されているということだと思いますから、そういう意味で、知事会で提言された中身というのは、私自身の気持ちは同じだということです。
(司会)
次に各社からの質問に移ります。質問される方は挙手をして、社名とお名前を発言していただいてから質問をお願いします。
(國元・さんさんテレビ記者)
先ほどのGo Toキャンペーンと一緒にやるリカバリーキャンペーンなんですけれども、空港とか移動手段に使われそうなところの水際対策というのは、特に考えてらっしゃいますでしょうか。
(知事)
ガイドライン等でも基本的には送り出し側で、旅行会社ですとかあるいは航空会社等送り出す側でしっかりと、発熱はしてないか、感染が疑われる症状はないかというのは、チェックをしていただいて、そういう場合には、ストップをかけていただくというのが基本になっていると考えます。
空港も特に、大都市圏の大規模な空港については、搭乗の前に検温などをされるということが、ガイドライン上も示されていると聞いておりますので、そのことによって、担保をされるのが筋ではないかと考えております。
(西浦・NHK記者)
東京都が都内の感染状況について、感染拡大傾向と思われるということで、4段階ある警戒レベルのうちの最も深刻な表現に引き上げることになりました。この点のまず受け止めと、あと県としての対応や、東京都と往来する県民に対する呼びかけなどで、今後もし変わることがあれば教えてください。
(知事)
都の専門家会議での分析を受けて、東京都として都民の皆さんに、どういう具体的な呼びかけをされるのか、あるいは休業要請なども含めて、いろいろ検討を、国も含めてされているというお話も報道でお聞きしておりますが、まず注目をして、それに即応する、整合が取れるような形で、私どもも県民の皆さんに働きかけを、呼びかけをしたいと考えています。
感染の拡大そのものは確かに数として200人台、ここ数日は100人台半ばぐらいだと思いますが、水準として確かに4月ごろを思わせる、かなり大きな数字になっていると。かつ内容的にも当初は夜の街関連、あるいは濃厚接触者が、かなりを占めている。若い人が大半だと言われていたのが、ここ数日のいろんな報道を見る限りでは、そういったものの比重がむしろ下がってきて、家族、職場、あるいは感染経路不明という方々の比重が上がってきているという報道もされていますので、感染拡大の一般的な方向性としては、比較的市中にウイルスが広まってきている状況にあるんではないかという印象は、私自身、報道から察知する限りでは持っておりましたので、専門家の方々も恐らくそういった流れの中で、局面としては、最もシビアな方面に入ったんだと思います。
ただ、その中で具体的に、じゃあ都民の皆さんに、あるいは首都圏の皆さんに、どういった呼びかけがされるのかというところは、まず私どもとして、行政として県民の皆さんへの対応をお願いする際の判断のポイントだと思っていますので、その点をまず待ちたいと思います。
(野間・時事通信記者)
先ほどからお話が出てるんですけど、Go Toキャンペーンの是非に関するご認識について、もう一度確認させていただきたいんですけれど、今後の国の動きっていうものに注目して、県のキャンペーンを国のGo Toキャンペーンに呼応していきたいというお話もあったと思うんですけれど、一方でその知事会の意見というものが濵田知事の意向に沿うものだということのお話もありましたが、他県の知事の中では、例えば今からでも修正をして見直すべきだというような意見も出てるんですが、このGo Toキャンペーン22日から始まるということに関しては、段階的にすべきだという知事会の意見を踏まえて、見直すべきだというようなお考えになるんでしょうか、そうではないんですか。
(知事)
見直すべきだと言うかどうかは、そういう表現がいいのかどうかというのはあると思いますが、大きな方針として、昨日国土交通大臣が、もちろん感染拡大防止対策はしっかりやる、そういった対策ができてない宿泊施設に泊まった場合は対象にしないということも言われてますので、そういった流れの中で、じゃあ具体的にどういった条件を課していくのかというのは、あと2、3日待ってくれということになっている状態だと思っています。
また、先ほど申しましたが、国の専門家も入った感染症対策の分科会と有識者の場において意見も出てくるだろうと思っていますので、このGo Toキャンペーンの中身が、詳細の部分でかなり姿が変わってくる可能性はあるのではないかと思っておりますので、その点はしっかり注目したいという趣旨であります。
私自身のそもそもの気持ちとして申しますと、もともと予算が計上された頃は、まさしく大都市部から地方へ観光客を送り込むということが意図されて始まったプロジェクトだと思いますが、時間を経るにつれて、県内の近場の旅行でも、宿泊でもこのGo Toキャンペーンの対象にしてもいいという枠組みで事業がスタートしようとしていますので、一方的にその遠距離の県境を越える移動だけを推し進めるというものとは、当初私自身がイメージしたものとは違ってきて、割合近場の宿泊旅行もカバーをしていくものだという形で中身がある意味進化してきているといいますか、そういう目を持って見ている部分がありますので、そういった方向がさらに進んで、知事会の提言も踏まえてまた中身が変わってくるということであれば、それはそれで望ましいことじゃないかと思っています。
(中田・高知民報記者)
引き続きGo Toキャンペーンについてですが、先ほどの知事の認識で、段階的に進めていくのが望ましいんではないかとお考えということですけれども、これを22日から始めるということとの整合性があまりないというかですね、ここは段階的ではないんですね、この県の目標は。
(知事)
県もいろんな手を打ってまして、宿泊費助成をこれと先行してやってきております。これは宿泊の割引、例えば3,000円ぐらいから始まって、まず県内から。これは早々にもう申し込みが枠いっぱいになりました。次に中四国からというのをやってまして、これはまだ枠が4分の1ぐらい残っているようですけれども、そして今月入って全国的な宿泊割引、これも大体最大2万円で半分前後の宿泊料を助成する。これらはいずれもいわゆるOTA(Online Travel Agent)、楽天トラベルとかオンライン上の申し込みに限定にはなっておりますが、これを段階的な宿泊費助成ということでまさしく進めてきている。
その3段階目で全国的な移動も既に展開をしつつあるところですので、そういった流れの延長線上で全国を対象にした、対象が宿泊費ではなく交通、移動費用、高速料金とかJRの切符代とかをターゲットにした助成制度を今回始めるということですから、段階の最後の全国的な交通費用の助成ということでパッと出た形になってますが、県の旅行促進観光事業全体の促進策を見ていただき、今まで宿泊費助成という形で段階的に進めてきてた、その延長線にあるとご理解をいただければと思います。
(中田・高知民報記者)
これは最終段階なので、その意味ではステップとしては上がってると伺えますね、7月22日。
(知事)
ただ、別に県外の人だけ対象ということではなくて、県内の方が県内にお泊まりいただければ、交通費用がかかった場合、さっき申し上げたレンタカーを使ったとかJRに乗ったとか、その部分を5,000円まで助成をさせていただけるということですから、むしろ比重としてはそっちの方が当初思ったよりは大きくなるのではないか、と私自身は思ってますが。
(中田・高知民報記者)
国が仮に7月22日を延期するとか、そういう可能性はもなきにしもあらずとは思いますが、そういうことがあれば、これ(県の観光リカバリーキャンペーン)は変えますか。
(知事)
県外の移動の部分について、一旦これでアナウンスをしているというということを考えなきゃいけないと思いますが、国が劇的な転換をされるということであれば、これはもちろん国のキャンペーンと連動ということですから、県の対応ももう一度考える余地はあるかとは思います。ただ、さっき申し上げたように一度告知していますので、申し込んでいただいた方に今さらだめだというのは、今後の信用問題もありますから、そこはよく慎重に考えなきゃいけないと思います。
(松原・毎日新聞記者)
ほとんど先ほどの質問に呼応する形になるんですけれども、今段階的にその旅行のキャンペーンを進めてきて、県内、近場、そして全国へという形で3段階目でリカバリーの交通費助成を始めるというお話がありました。そういう段階的なことはもちろん理解してるんですが、一方でそれが果たして本当にこのタイミングで良いのかというのを、また畳みかけるように伺う形で恐縮なんですけれども、東京などでレベルが4段階目に引き上げられている状況でやることが、本当に知事としては適切とお考えなんでしょうか。
(知事)
感染拡大防止だけを考えれば、おっしゃるようにここで慎重に考えなきゃいけないという考え方はもちろんあると思いますし、方向性として、より感染拡大防止の方にもしっかりとウエイトも置いて考えなきゃいけないとは思います。ただ、経済の回復、それから社会経済活動の回復を図っていくという要請も同時にやはりあるわけで、ここの部分をゼロにしてしまうということは、また極端な話だろうと。
やっぱり両立を図っていく中でどういうところで折り合いをつけていくかという問題だと思いますので、その中で一つのポイントは国としてのスタンス、国のGo Toキャンペーンがどうなるかという流動的な要素はありますし、二つ目は感染拡大している地域、東京とか大阪の知事がどういう判断をしているか、ここと整合性をとっていくことが一番合理的な方法だろうということでして、現時点では東京都も今日そういう判断が専門家からされたということですから、状況が日々刻々動いているという側面は確かにあると思いますけれども、今申し上げた考え方の中でこれはこれで突っ走るということでは必ずしもなくて、よく国とか感染拡大の都府県の状況を注視して、必要な軌道修正は考えなきゃいけないと思っております。
(松原・毎日新聞記者)
先ほど水際対策の話の中で、送り出す側がチェックしていただくのが基本だというお話がありました。Go Toキャンペーンが始まれば、もちろん高知県から県外の方に出るケースもあると思うんですけれども、今感染者がほとんど出ていないような状況の中で、高知県としては送り出す際にどういった水際対策といいますか、何かチェックとかを行うご予定なんでしょうか。
(知事)
今おっしゃったようにまさしく高知県内では基本的には感染が落ち着いている状況だと思いますので、送り出し側で何かしないといけないということは、いろんなガイドラインのひな形上も想定は余りされてないことなんじゃないかと思いますので、我々としてはむしろ県内での感染の端緒を、できるだけ検査の体制をしっかりと充実して早くキャッチをして、できるだけ早く濃厚接触者も把握として網をかけていくということを一生懸命やるということが、我々の求められている対応ではないかなと思います。
(大髙・NHK記者)
「高知でお泊まりキャンペーン」についてですけれども、先ほどおっしゃったそのOTA宿泊割引ということで、委員会の中でも議論はあったんですが、楽天等に登録している事業者しか対象にならないとなったときに、3割にとどまっているという話がありました。県内観光の需要回復と、事業者への支援につなげたいという目的があると思いますが、後者についてはは余りにも対象事業者が少ないんじゃないかという議論がありますが、知事のご見解を伺えますか。
(知事)
最後のところをちょっと。
(大髙・NHK記者)
事業者支援を目的として置いたときに、OTAに提携している事業者が3割にとどまっているというのは、どこかで線引きしないといけないとは思うんですけれど、3割というのは数として少ないんじゃないかという議論がありますが、知事のご見解をお願いします。
(知事)
確かに事業者支援ということを考えますと、できるだけ幅広く対象にできる方法が望ましいというのはおっしゃるとおりだと思います。ただ現実には、段階的にスピード感を持って進めなきゃいけないという要請もあったということがありますし、また限られた予算の中でどう効果を出していくかという課題もあります。そういった背景の中で総合的に判断をして、このオンラインのエージェントを今回の宿泊助成では活用をしていくと、そういうルートを活用していくという判断をしたということです。
事業者の方々の支援に関しては、これは国のGo Toキャンペーンもありますし、いろんな持続化給付金、また県や自治体でさせていただくような経営の支援に関する手立てもいろいろ打っておりますので、そういったトータルでぜひ見ていただきたいと思います。
(大髙・NHK記者)
国のGo Toトラベルキャンペーンが始まる前までの段階的な施策としてのお泊まりキャンペーンだと思うんですが、やっぱり県としては全国編ということで特に対象地域を絞るとか、今後そのGo Toトラベルキャンペーンの形が変わってきたときに、県のこの施策自体も形を変える可能性というのはありますか。
(知事)
形を変える、全く根っこから変わってしまうというのは余りないと思いますが、国の方がもしタイミングはもう少し考えるとかいうことになった場合には、それに呼応して調整するとかですね、そういう可能性はあり得るのではないかと。これは私自身の今持っているイメージだけの話ですが。
(大髙・NHK記者)
6月、7月を地産地消月間と位置づけていたと思いますが、県民の気運の高まり等を知事がどう感じているのかというのと、引き続き今後の地産地消の推進に関して、知事の思いや考えがあったら教えてください。
(知事)
いろいろな機会で県民の皆さんにはご協力をいただいてきていると思いますし、事業者の皆さんもいろいろな形で呼応して動いていただける環境になってきているのは、大変ありがたいと思います。特に先般は県内の報道機関の皆さま方と地元の金融機関の皆さまが、この高知家の応援プロジェクトをプレスの立場からも発信をしていくことに協力をしていこうということで、地元のプレスの幹部の方々と地元の金融機関の幹部の方々が集まって、いわば気勢を上げる形で高知を元気にしようということでやっていただくというのは、私自身もかつて経験のなかった、異例な形で盛り上げの体制をとっていただいたこともありますから、その意味で県や市町村だけではなく、県民の皆さんあるいは事業者の皆さんのサイドからも、これに呼応して盛り上げていこうという気運が高まってきていることはありがたいことだと思っています。
(姫野・テレビ高知記者)
話が少し変わってしまうんですが、昨日、中谷元防衛大臣が河野大臣のところに、佐賀が拒否をした場合ということなんですけれども、オスプレイの受け入れを含めた宿毛市への自衛隊の誘致を直談判したということなんですが、これについての知事の受け止めと誘致に関するお考えがありましたら、お願いします。
(知事)
宿毛市への自衛隊の拠点の配置といったことのご要望というのは、聞いてみますと、県庁として組織的にかかわってきたという話ではあまりないようですけれども、私自身も昨年の選挙のとき以来、宿毛方面を訪れましたときには、地元でこういう運動をずっとやってきてるんですとお話を聞きました。私自身は宿毛という良好な港湾がありますから、それを生かして海上自衛隊の拠点を誘致をすると、そういうことが恐らく県の例えば南海トラフ地震の対応とか防災の対応などを考えても、また人口減少に悩む地域経済へのインパクトというような点から見ても、やはり地元としてはそういった誘致をしたいという思いで、ずっと運動されてきているということだと私は受け止めておりました。
今回、私も中谷議員からそういったお話があったという報道に接しましたが、私自身の受け止めとしては、自衛隊の基地なり拠点を誘致をしたいという熱心さの表れとして、オスプレイの配備というのが佐賀でも長年懸案になっておりますけれども、なかなか進展が見えないということだと思いますから、防衛省、国のサイドでも困っているであろうオスプレイの配置の問題というようなこともちゃんと考えるつもりはありますと、用意はありますという熱意の表れとして、そういったお話をされたんではないかと受け止めた次第です。
ただ一方で、オスプレイに関しては、最近でこそいろんな事故とかトラブルが減ってきているように思いますけれども、一時期は多くの報道もされ、そういったことに関して県民の皆さん、不安なお気持ちというのも恐らくあるであろうというふうに私自身は受け止めておりますから、直ちにじゃあ一緒にそういうお話をというところまで、話は熟していないのではないかと私自身は思っており、まずは今回宿毛市ですとか、地元の経済界も含めて行かれていると思いますけれども、要望された方々に、今回そういうお話を提案をされた経緯なりお考えなりをまずはよく伺ってみてからかなと思っております。
(大山・高知新聞記者)
今のオスプレイの関係の確認なんですが、尾﨑前知事は、宿毛市が防衛省に要望に行ったときに同行されたことが、3年ぐらい前あったかと思うんです。オスプレイについては今慎重なご姿勢と受け取れましたが、宿毛への誘致についてはどんなふうにお考えになっていますか。
(知事)
その点も先ほど申し上げましたように、行政組織としての県庁として、例えば南海トラフ地震のときにどう体制が組めるかとか、そういった点について事務的な詰めをするにまだ至ってない段階だとお聞きしましたので、そういった点について事務的な詰めも必要じゃないかと思っています。その点を別にして、今お話申し上げたような宿毛という立地条件とか、あるいは人口減少地域の中での経済的なインパクトとか、そういった点に関していうと、それはそれで一理ある取り組みだろうと思いますけれども、今までこの誘致の活動自身は市の方で、県は今回立ち会いということで部長が立ち会ったと報告を受けておりますけれども、今までそういった形での関与も余りなかったと聞いておりますから(脚注:【訂正】前知事の際は、要望活動に同行した実績あり(直近H30年11月) )、行政面でどういったメリットあるいは課題があるかというところを詰めてみたいというのが正直なところです。
(大山・高知新聞記者)
Go Toキャンペーンの話に戻るんですが、先ほど知事、前半の質問の中でGo Toキャンペーンについてその中身が、近隣県も対象にして中身が進化しているであったり、その中身が変わっていくなら望ましいというご意見をおっしゃられていたと思いますが、これは現状では東京からの移動ではなくて、近隣県からの移動が望ましいとお考えになっていると受け取ってよろしいんでしょうか。
(知事)
そこまで一般論で東京は外した方がいいとまでは、今この時点では私は決心はついていません。そこは先ほど申し上げたように、東京都が今日の専門家会議の意見を受けて、都民の皆さんに具体的にどういうメッセージを発するかというところを注目した上で考えたいと思いますし、今時点では東京あるいは大阪なども含めて、特に感染が疑われる発熱等の症状があるような方は来ることは差し控えてもらいたい。ここのところで線を引くのではないかと、今の時点はこう思っております。
(大山・高知新聞記者)
東京の小池知事ですけれど、7月の前半に都民に対して、不要不急の往来というのを自粛するように呼びかけてると思います。それでいくと、東京都民というのは高知に来るべきではないということになるのかと思いますが。
(知事)
その点についてはもう一回精査する必要があると思いますが、その直後に恐らくこれは国の西村大臣等とのやりとりもあった中で、少なくとも一度は小池知事も発熱された方というふうな特定をされ、よりピンポイントな発言をされたんじゃないかと思います。その後、私も新聞などの何度かの報道では承知はしてますが、新聞などのコメントは数行に要約をされる場合もあると思いますので、役所的に見て、具体的にどういう言葉の使い方、言い方をされているのか、細部をチェックはできていないので、その西村大臣とのすり合わせ後に言われた発言というのが、私は東京都の、少なくとも都庁の行政としてのスタンスではないかという前提に立って判断をしているところです。
(大山・高知新聞記者)
これまでの質疑を含めてお伺いしたいんですが、知事ご自身は、Go Toキャンペーンについて国の方針を見守るであったり、他県の知事がどんな発言をされるかということを注視されるとおっしゃられてますが、知事ご自身としてはGo Toキャンペーンというのは賛成の立場なのか、東京など感染拡大している地域からはどうすればいいという立場なんでしょうか。
(知事)
観光需要の回復を図りたいと、感染拡大防止と両立をちゃんと図った上で観光需要の拡大を図ると、この目的自身には大いに賛成です。そこに国の財政的なてこ入れもなければ大きな効果は期待できないと思いますから、そのこと自身はいいと思っています。ただ、タイミングなり進め方、あるいは中身ということだと思っていまして、それが本県も進めているような、比較的感染が落ち着いている地域で身近なところから段階的に広げていくというところ、あるいは各県でいろんな感染拡大防止対策を地域の実情に合わせてやっているところ、そういったところと整合がとれるような形で、足並みを揃えていく配慮を前提でやっていただくことが望ましいので、その点をすっ飛ばして、とにかく前へ進めていくということは、最近の大都市部での感染状況に対して国民の皆さん、県民の皆さんにも不安がある中で、ちゃんと説明ができない状況で強行していくというのは、いかがなものかという考えを持っているということです。