公開日 2021年04月01日
(司会)
ただ今から、知事定例記者発表を始めさせていただきます。冒頭、知事から発言がございます。
(知事)
本日はまず、新型コロナウイルス感染症患者の新たな確認について、概要をご報告します。
県内で106例目となる方の新たな感染が確認されました。詳細はまたいつものように、夕方4時半から健康政策部及び高知市の方から事務的にご説明をさせていただきます。概略のみ私からご報告します。
106例目の感染例でございまして、高知市にお住まいの20歳代の男性の会社員の方です。症状は軽いということです。確認に至ります経緯の概略ですが、今月の12日から16日まで、いわゆるお盆休みの間に、岡山県の友人の家に遊びに行かれたということのようです。こちらへ戻って来られてから、8月18日に発熱を確認し、翌日医療機関を受診し、PCR検査を実施するという中で、陽性が本日確認をされ、入院協力医療機関に入院をされたというような経緯を辿っています。
感染経路は、現時点では不明ということです。岡山から帰ってきているということがありますから、岡山での感染の可能性はあると思いますが、いずれにしても現時点では感染経路は不明です。県としての受け止めなり、「感染症対応の目安」上のステージをどう判断するかということですが、結論的には、この対応の目安は現状の注意報の段階を維持するという形で、判断をしております。地域の感染者が散発的に続いているという状況でして、ここのところ1週間の感染者で見ても、福祉施設関係のクラスターの関係を除きますと、1週間に数件程度の新規の感染者が散発的に確認をされていると。本日は感染経路不明の方、新たな感染系統ではあるということです。それもお一人ということですので、現状の注意報段階という判断を変更する必要はないと判断をしているところです。
私からは以上です。
(司会)
それでは質疑に入ります。
新型コロナウイルス感染症県内第一波、第二波以降の県内の人の往来や街のにぎわいについて
(野間・時事通信記者)
お盆の長期休みも終わり、7月中には4連休もありましたが、今回のお盆休みも踏まえて新型コロナウイルスの県内第1波、第2波以降に、県内での人の往来であったり、街の賑わいについて知事はどのような印象をお持ちでしょうか。また、今後そういった人の往来であったり、賑わいというものを活発にしていくにあたって、何か新たな施策であったり、そういったご所見があればお伺いしたいと思います。
(知事)
県内の人の流れという点で見ますと、いわゆる携帯電話のキャリアから提供していただけるような情報から判断をしますと、まず緊急事態宣言が出された4月、5月の連休のころの高知市の中心部の人出は、最大で63%の減というような形で大きく落ち込んでいたということがあります。緊急事態宣言解除後は、徐々に人の流れは戻ってきたと思いますが、7月の4連休、あるいは今月のお盆の期間中は、感染拡大前と比べてやはり減少基調ではあります。減少の幅は約6%といったところから多いところで30%減という状況ですので、やはり完全には戻っていないし、そういう意味では本格的な回復には至っていない。減少基調が続いているということであると考えています。
また、観光面では7月の4連休中は、Go Toトラベルキャンペーンが始まったこともあり、県内の観光施設はまずまずの人出であったということだと思います。ただこれも、お盆の期間中は帰省や旅行の手控えがあったり、よさこい祭りも中止されたこともあり、公共交通機関、あるいは高速道路の利用を見ますと、例年に比べると大幅な減少となったという状況であると考えています。主要な観光施設でも利用客が大幅に減少しているという状況です。
ただ、中身をもう少し見ますと、公共交通機関の方の落ち込みがかなり大きいと。それに比べると、高速道路などを利用した自家用車での県境を越えた移動も、減ってはいますが、減り方は少ないという形になっていると。そういう意味では、戻り方というふうに言い換えますと、公共交通機関の方は引き続き低迷をしているけれども、自家用車を使った移動については、比較的戻り方はより多い。それでも、例年の水準までには戻っていないという状況だと言ってよいかと思います。
宿泊の状況を見ても、お盆の時期においては、昨年の半分程度までしか回復していないと聞いており、これもそれぞれ個別の旅館・ホテルで状況は違うと思いますが、7月の4連休はかなりお客さんが戻ったという話もあちこちで聞きましたが、お盆はまた再び、落ち込みの方向へ推移しているという状況ではないかと思います。
このような状況ですので、引き続き感染拡大防止対策と経済の回復の両立を図っていくという観点に立ち、特に観光需要の創出にはしっかりと取り組んでまいりたいと考えます。Go Toトラベルキャンペーンに連動する形で、県独自で交通費助成を展開をしており、特に、中四国ですとか近畿地方、こういったところからの旅行者を中心にご利用いただいている感触を持っています。
今後、地域の感染状況、あるいは水害関係の被災状況なども踏まえながら、県独自の取り組みを引き続きアピールをしていきたいと思います。具体的には旅行会社とのタイアップですとか、メディアを活用した情報発信などにより、かなりの事業費の予算は確保しておりますので、これを機動的にかつ的確に執行していくことで事業効果を高めていきたいと思います。
また、改めてお盆までの期間を振り返りますと、回復のフェーズとして第3段階のフェーズ、社会構造の変化への対応というときに、アフターコロナ、あるいはウィズコロナと言われたわけですが、アフターコロナと言えるような状況になるには、かなり長い時間が必要なんじゃないかという思いを強くしております。ウィズコロナの時代、どうコロナウイルスと上手に共存をしていくかということを考えていかないといけないという状況ではないかと思います。
その意味で、社会構造の変化への対応ということを中心として、9月議会には補正予算を編成して提案したいと考えており、具体的な事業について、今検討を指示しているところでありますが、こういったものを特に中心にして、感染防止の対策と経済の回復の両立に向けた取り組みをしっかりと進めていきたいと考えております。
県内で新型コロナウイルス感染が初確認されてからの半年間を振り返って
(野間・時事通信記者)
今月29日で、新型コロナウイルスの感染が県内で初めて確認されて半年になります。以来、知事をはじめ県の職員の方、県民、あるいは各企業の方たちも対応に追われてきたと思うんですけれど、この半年間を振り返って、濵田知事にどのようなものであったのかを改めて振り返っていただきたいと思います。
それと、この半年の中で、例えばあのときこうしておけばよかったであったり、県民の方からのひと言でコロナ対策がよりよいものになったなど、もし具体的なエピソードがあれば、ご紹介いただけるでしょうか。
(知事)
この半年間は、お話もありましたように、全庁的に新型コロナウイルス対策に追われた、感染拡大防止の面もそうですし、経済影響への対策面もそうですけれども、両面で非常に対応に追われた半年間だと思います。
前半・後半に分けて考えますと、4月の末までの感染の波の間には、県内で74人の感染が確認され、この間、残念ながらこのうち3人の方が亡くなられるという事態となりました。この4月、5月は連休までの状況におきましては、特に医療提供体制が、医療崩壊と言われる状態に陥ることを何としても防がなければいけない。そして、そのためにも感染拡大の防止をしっかりやらなくてはいけない。これが重点的な課題であると思います。
そのための具体的な取り組みとして、宿泊療養施設を4月に開設しまして、軽症者の方に入っていただける体制を整えたことですとか、県民の皆さんには外出の自粛をお願いしたり、休業、あるいは営業時間の短縮をお願いしたりということで、県民の皆さんの生活に負担を強いる形にはなりましたが、さまざまなご協力をお願いをした局面でした。
こうした中で、私自身としては、県民の皆さんの社会経済活動への制約は、できるだけ最小限に留めたいという考え方で対応に当たってきたつもりでありますが、片方でやはり県民の皆さんの安心を求めるお気持ちに、しっかり寄り添わなくてはいけないという部分もあり、できるだけ制約は最小限にしたいが、県民の皆さんの安心感に寄り添うとすれば一定の制約をお願いせざるを得ない。このバランスをどう取ったらいいのか、というところに日々悩んでいたというふうに思い出されます。
ただ、こうした県からの要請にお応えいただき、県民の皆さまが真摯に感染拡大防止対策に取り組んでいただいたお陰により、4月の末以降約2ヵ月半にわたって、新たな感染者の発生が確認されなかったという落ち着いた状況が続きました。
後半戦は7月以降ということになります。7月中旬以降、合わせて31名の、本日を入れますと32名、新たな感染の確認がされております。このうち、17名が社会福祉施設での、いわゆるクラスターの発生によるものということもありますし、現在の病床占有率、使用率は10%程度ですので、その意味で医療提供体制が直ちにひっ迫する状況には至っていない。一定のゆとりを持った対応ができているという状況にあると考えます。
一方、こうした形で感染拡大防止対策を取ってきたということの影響もあり、経済面では人や物の流れが止まり、県経済も特に緊急事態宣言下には、大きなダメージを受けたと言えると思います。この経済影響への対策につきましては、5回補正予算を編成することにより、総額で500億円以上の対策を講じてまいりましたが、特に県単独の融資制度は3月に国に先駆けて導入をしました。結果、かなりの財政負担を伴うことになり、財源確保、あるいは今後の県の財政運営を考えたときにヒヤヒヤしながら進めたわけですが、結果的には国の地方創生の臨時交付金の確保もできたということもあり、この取り組み自身は、県民の皆さんに評価をいただいたのではないかと考えています。
ただ、いずれにしても、その後の、例えば協力金のお支払いですとか、雇用維持のための給付金の制度を新たに作ったということも含めて、何分、国も我々地方公共団体も経験したことがない事態でしたので、全てにわたって試行錯誤してきた半年間だったというふうに考えております。
お話があった具体的な、特に反省点があるかということで申しますと、県民の皆さんに折に触れ、いろんなメッセージを発してきたつもりでありますが、県民の皆さんとのコミュニケーションの難しさをいろんな場面で感じたことがあります。
思い出すのは緊急事態宣言が明けるタイミングで、いわゆる接待を伴う飲食店、といってもバーとかスナック等を念頭に置いてでしたけれども、そうした事業者の皆さんに「緊急事態宣言も終わりますので、休業の要請はいたしません。ただ、国からの要請もあるので、県民の皆さんに対しては、そういう接待を伴う飲食店に足を踏み入れることは自粛をしてください。」という、分かりにくいというお叱りをいただきましたが、たしかに両面相反するかのように聞こえる要請をしたことがありました。この点は、分かりにくいというお話もいただき、やはり感染拡大防止対策ができていないお店に入ることは自粛してくださいという形で、軌道修正をさせていただいたことがありましたし、ごく最近も、いわゆる会食の人数を、私としては最初の段階では、できるだけ少人数で、会食そのものはやめずにやっていただきたい。社会経済活動と両立してもらいたいというつもりで申し上げたところが、現実には、会食のキャンセルを、後押しするような結果になってしまったと。これは私自身の意図と違うことになりましたので、可能な範囲で規模の縮小をと、表現も軌道修正して発信させていただいたというようなことがあり、なかなか自分自身の発する真意というもの、メッセージを県民の皆さま、どう受け止めていただけるかというところ、その想像力をよく働かせて、注意深く、そして丁寧に発信をしていかないといけないということを、改めて感じたというのが主な反省点といいますか、振り返ってみて印象に残っている点です。
(大山・高知新聞記者)
まずPCR検査についてお伺いしたいんですが、知事は8月の上旬に、検査協力医療機関を8月中旬には公表して、かかりつけ医で検査できる態勢をつくると、方針としておっしゃっていたと思います。もう8月下旬になりますが、その進捗状況、また医療機関の数を含めて状況を教えてください。
(知事)
県内の医療機関に呼びかけ、募集をして、協力をいただいている医療機関、これは昨日現在で、県内で50ヵ所の医療機関に検査協力医療機関としての参加を表明していただいております。
この公表については、時間を要しておりますが、これについては地域ごとに医師会とご相談をしていく中で、地域単位であまりに協力していただける医療機関が少ない体制でスタートしますと、その医療機関に集中をし過ぎることが懸念されるので、地域の医師会に間に立っていただいて、もう少しある程度広がりを持った形で、医療機関を増やして、その上で公表をしてもらいたいというご注文を地域の医師会からいただいているということが同時にあります。
その意味で、もう少しホームページへの公表についてはお時間をいただきたいと思いますが、今の目標としては、概ね9月の上旬ぐらいには、県の医師会の方でも、それぞれの地域での体制が整うという見通しをお聞きしております。ただ、私自身は健康政策部にはできるだけ、県内一斉ということではなくても、地域ごとに体制が整えば、五月雨式にでもできるだけ早く公表をしてもらいたいという注文は出しています。因みに、今日報告を受けたところですと、本日報告した106例目の高知市の20歳代の男性の方も、経緯としては、この協力機関として手を挙げていただいたところに今回たまたま受診されて、PCRの検査ができますということで、民間の検査機関に依頼をしていただいて、陽性が判明したという報告を受けていますので、まだ公表はしてないんですけれども、たまたま罹っていただいたかかりつけ医で、既に手を挙げていただいている、契約をしていただいているという所であれば、いわゆる民間を活用したPCR検査ができると、現実に動いているということですので、地域単位である程度まとまった数を確保した上で、できるだけ早く公表をしていきたいと考えております。
(大山・高知新聞記者)
当初、100施設ぐらいはという見通しもおっしゃっていましたが、それと比べると50というと半分ぐらいで、今後増えていくのかもしれないですが、少なくても現状思ったより進んでないのかなと思うんですが、その要因について、どこにあるとお考えでしょうか。
(知事)
私もあまり網羅的には確認しておりませんが、聞いてみますと地域単位で保健所、保健福祉所単位で見たときに、少ないところでは2軒とかぐらいしか手を挙げていただいてないというようなことですので、地域によってはお互い、様子見をしているといいますか、医療機関同士が遠慮し合って進んでないという面もあるのではないかなと考えています。
その意味で、地域の医師会で、さっき申し上げたように、保健所の管内で二つしかないとなると、そこに皆さん集中してしまうということになっては、弊害もあるということを心配をしていただき、地域の医師会単位で、もう少し輪を広げていくことについて、ご協力をいただくべくご相談に応じていただいていますので、そういった動きも期待したいと考えております。
(大山・高知新聞記者)
確認ですが、今50箇所ですが、さらに増やすように取り組みも進めるし、公表はまだできていないけれど、仕組みとしては、もうスタートしているということでよろしいでしょうか。
(知事)
はい。最初の公表は今申し上げたように、リストとして公表するのはできるだけ早くと思っておりますが、もしその後、時間が経過した中で、さらに手を挙げていただけるということがあれば、それは大歓迎だと思っておりますので、そうしたときの公表の仕方はまた検討いたしますが、できるだけ、県民の皆さんの利便性ということを考えますと、今までの接触者外来も20ヵ所程度、県内であったわけですから、何とか桁が一つ上に上がるぐらいの医療機関は目指して、引き続き声掛けをさせていただきますし、発熱などを感じたときに、必要だと思えば、その場で検査ができるということは、県民の皆さんにとって非常に利便性が高いと思いますから、そういうところもご理解いただいて、ぜひ医療機関の皆さんには、検査協力機関に手を挙げていただきたいというお願いは、引き続きしていきたいと考えています。
(大山・高知新聞)
高レベル放射性廃棄物の最終処分場について、改めて知事にお伺いしたいんですが、先日北海道の寿都町で現地調査を置く検討の表明もありましたが、改めて知事ご自身として、処分場を高知県に受け入れる余地があるのかないのか。どんなふうにお考えなのか教えてください。
(知事)
この点は、尾﨑前知事の時代から申し上げている大きな基本的な考え方は、私は変更するつもりはございません。高知県の場合は、今南海トラフ地震対策が、向こう30年間の間に7割から8割の確率で発生すると言われております、この南海トラフ地震対策に全力を尽くしているという中でありますから、そういった中において、この高レベルの放射性廃棄物処分場を受ける余地はないという考え方は、前の知事の時代から申し上げてると思いますが、私もその考えに変わりはございません。
(大山・高知新聞記者)
2007年に東洋町が文献調査に応募したことがありましたが、市町村が文献調査に応募することは、県としては容認されないということでよろしいでしょうか。
(知事)
県としては、受け入れる余地はないという考え方ですので、その考え方を市町村に対しては、仮にそういうご相談があった場合には、説明をして、考え直してもらいたいという意見を申し上げたいと考えています。
(大山・高知新聞記者)
国が科学的特性マップを示して、高知県も大半の場所が(処分場に)適するとされています。マップを公表することの是非と、寿都町のように、ここで手を挙げると反対の声が周りから起こるということが現実としてあると思います。処分場自体は必要かと思いますが、今後どんなふうに進めていくべきだとお考えでしょうか。
(知事)
確かにセンシティブな問題だと思います。国は国として、エネルギー政策を進めていく立場で、いわゆる核燃料のリサイクルというのが、なかなか思うように進んでないという前提があるとしますと、やはり廃棄物の処理体制、処分場の確保は進めていかざるを得ない立場にある。そのこと自身は理解できるわけですが、今申し上げたように、本県の中でそういうことを受け入れる、容認をする考えはないということですが、国としては全国ああいった形で、適地の可能性はあるとことを公表されて、手を挙げてくれるのを待っているということだと思いますので、そういった取り組みの中で、今回報道されている北海道の町村以外でも、いくつか関心を示されているところはないわけではないということのようですので、そういったところを包含する県がどういうお考えかという要素はありますが、まずは話し合いをしていただき進めていくというのが現実的な対応なのではないかと考えます。
(中田・高知民報)
PCR検査ですけれども、今回クラスターが高知市内でも発生して、ああいう施設になると感染者が大量になるということもあって、全国的にも、いわば前向きの攻めの検査というか、定期的にそういう業務にかかわる職員は検査するとか、そういうような自治体も少しづつ出てきておりますが、知事のお考えをお伺いします。
(知事)
やはりこれは地域性の問題というよりは全国的な問題だと思いますので、ぜひ国の方でいろんな体制をもっと前向きに考えてもらいたいという思いを持っております。先般、全国知事会でもそういった趣旨の申し入れをしていると思いますし、例えば世田谷区は、エッセンシャルワーカーとか、検査がより必要だと思われる方々に、定期的に検査をしていくということもご検討されて、そういう方向で取り組みをされているというのは承知しております。
一番の問題は費用だと思いますので、現状、私どもの方は今回のクラスターのようなケースも含めて、何らかの予兆があれば、幅広に、いわゆる行政検査を迅速にやって、早期に感染の拡大状況を把握をして対応を打っていくということで対応したいということですけれども、さらにより望ましいということでいえば、おっしゃったように、費用をどう担保していくかというスキームの検討は必ず必要だと思いますが、それを前提にして、ある程度定期的に、検査を行える体制をつくっていくのは、望ましい姿ではあると思います。
もちろん、技術的にどういった範囲でやればいいのかとか、いろいろ詰めなければいけない問題はあると思いますが、ぜひそういったところについては、全体的な科学的な知見も含めて、あるいは財源のスキームも含めて、体制がより整っている国で、大きな枠組みを考えていただけないかという思いを持っております。
(中田・高知民報)
県の中小企業対象の感染予防対策の補助金がありますが、下限50万円、最小50万円以上にならないと出ませんという制度になっているんですけれども、小さいところは50万円は大き過ぎて使えないと。もっと使い勝手がいいように10万円とか20万円とか、いろんなレベルの需要があるので、対応してくれないかという声を結構聞くんですけども、それは把握されているんですか。
(知事)
それは多分、包括支援交付金が財源の事業ということになるんじゃないかと思いますが、県独自の事業であれば、おっしゃるご趣旨は分かりますので、どういう対応できるかというのは、考えさせたいと思いますけれども、もし包括支援交付金が財源として、充当されるということを前提に組んでいる予算であれば、厚労省の方にオーケーをもらわないと県単独の、県独自財源でやり替えて執行していかなくてはいけないということになってしまいますので、そこは確認をさせていただきたいと思いますけれども、もし国の縛りとの関係で、50万円というところでないといけないということであれば、どうしてそういうことになっているのか、そしてそれは緩和できないのかというところについて、厚労省の方に確認をしてみたいと思っております。
(※記者の質問に関連して「ものづくり補助金及び持続化補助金」、「新型コロナウイルス感染症対策事業費補助金」、また「地域商業再起支援事業」について担当課から記者に別途ご説明をしています。)
(姫野・テレビ高知記者)
ちょうど今日が、東京のまるごと高知がオープンしてから10周年と思います。これまでの10年間の評価と、この新型コロナの中で、強制的ではないにしろ、外商活動はいろいろな制限を強いられるかと思うんですけれども、これからのあり方についてお考えがあれば教えてください。
(知事)
おっしゃいますように、まるごと高知がちょうど10年の節目を迎えることになります。この間、地産外商公社で非常に積極的な取り組みをしてこられたお陰で、外商の実績は金額、件数で見ても大きく上がってきていますし、まるごと高知も2階の外食の部門も含めて、全国いろんな県がアンテナショップを出しておりますが、その中でもかなり上位の方に位置づけられる実績を上げてきていると考えております。その意味で、県産品の首都圏における需要の拡大、そして県の食文化の発信ということも含めて、大きな役割を果たしてくれていることに敬意を表したいと思っております。
おっしゃったように、今コロナウイルスの関係もあり、特に4月、5月、店舗を閉めざるを得ないという状態も続いておりましたが、今徐々に活動再開、回復という方向に向かっていると思いますし、アフターコロナ、ウィズコロナという時代を睨んで、オンラインによる販売といったことも大幅に充実して、打って出ようという取り組みを進めてもらっておりますので、そうした取り組みも含めて、今後さらに県産品の需要拡大、あるいは県の食文化の発信について、さらに前へ進んでもらいたいという思いを持って期待をしています。
(田中・高知放送記者)
ここ最近ですけれども、国と東京都の間で、新型コロナウイルスの重症者についての基準度が違うという話が出ていて、高知県は国の基準とはちょっと違う、独自のところがあるということですが、その意図と、今後どうするかというところをお聞きしたいんですが。
(知事)
この点は、健康政策部の方に確認をしました。今まで本県では、この国の定義が示される前にしか重症者が出ていなかったということもあって、この国の定義、ICUに入っているとどうするかという扱いがどちらであっても、県の今まで報告した数字については影響はないということですから、今後の問題としてどうかということになるかと思います。
聞きますと、国の定義もややあいまいのようで、文章で書いてあるのを読みますと、集中治療室、ICU等での管理が必要な患者が重症者ということですので、実務をやっております健康政策部としては、ここの趣旨は、主治医がICUでの管理が必要だと判断をしたという患者さんだと。そういう意味では、患者さんの症状に着目をして、形式的にICUに入ってるかどうかということではなく、この読み方としては、主治医の判断によるという解釈をしているということです。
現実には定義の問題ですし、今お話がありましたように、東京と大阪では定義が違って、同じベースで、物差しで計れていないということになると、これはこれで、国の立場からすると問題だと思いますので、一義的には国がはっきりと、これはこう書いてあるけれども、とにかくICUに現に入っている患者さんは重症者とカウントするんだということを明言していただければ、そういう形に従わなければいけないと思っていますし、もし、今後県内でそういった事例が、ICUに入ったという事例が発生をしてまいりましたら、改めて厚労省には考え方を確認して、その考え方に沿って、厚労省の定義に沿って対応していく指示をしたいと考えております。
(田中・高知放送記者)
今お話のあった、国の定義が出る前に事例が出たということでしょうか。その国の定義が出る前というのは、いつのことでしょうか。
(知事)
聞いてますのは、国の定義は4月の26日に発表された、連絡が来たと聞いておりますので、それ以前の段階では、まだそういった形での定義ではなかったと聞いています。
(田中・高知放送記者)
今後は、重症者の方が主治医の判断で出た場合は、国の定義に従って報告をしていくということでしょうか。
(知事)
いずれにしても、今も読み方の問題と申し上げたように、別に厚労省の通知に反対してやっていくつもりはありませんので、管理が必要な患者といったら、これは主治医が判断するものだろうという解釈だと思っていましたという話ですから、そこは国の見解をちゃんと確認した上で、もしそういうケースが発生すれば、国の見解に従って、処理をしよう考えております。
(澤・さんさんテレビ記者)
ちょうど明日で国のGo Toトラベルキャンペーンが始まって1ヵ月になりますが、岩手の知事はちょっと早過ぎたんじゃないか、コロナの感染が落ち着かないと効果が出ないのではないかという、失敗だという批判をしているんですけれども、高知県としては、このGo Toトラベルキャンペーンに対してどのような評価をお持ちでしょうか。
(知事)
このGo To トラベルキャンペーンを始めようという直前の時期から、全国的に、特に大都市部を中心に感染が再拡大をしてきたということがあり、Go To トラベルキャンペーンは、いわば逆風の中でスタートしたという形ではあると思います。ただ高知県の感染状況は比較的、4月末から2ヵ月間落ち着いてきたということがありますし、そうした状況を背景に高知県としては、県独自の取り組みでGo Toキャンペーンよりはるかに小さい規模ですけれども、まず県内から、そして四国、そして全国という形で独自の宿泊割引を展開をしてきたということがありますから、その意味で、高知県に関する限りは時期尚早という思いは特にないということです。国の方も若干の前倒しでやっていただいて、それは良かったと思います。
ただ一方で、東京都の感染拡大が特に大きかったということもありますので、国の方で、国民全体の不安感と折り合いを付けるという意味で、東京都は発着除外するという形で手当がされたということは、これはこれでやむを得なかったと思います。
いずれにしても、感染拡大防止だけを追うということではなくて、社会活動、経済活動との両立を図っていくという局面だと思いますので、その中で特に国の方として、大きな規模感を持ってやる大きなキャンペーンということですから、引き続きその効果には期待をしておりますし、何とか感染拡大防止と両立を図っていく形で、引き続き今まで以上にうまく効果を上げてもらいたいという思いで見守っていますし、県の方もこれに呼応してリカバリーキャンペーンを打っておりますので、いろんな感染状況とか、あるいは被災状況を見ながら、より効果的に、機動的な対応を図っていきたいと考えています。
(大山・高知新聞記者)
今の質問に関連ですが、Go Toキャンペーン自体は、今も対応されていくということでしたが、時期的なもの、あと東京を除外せざるを得なかったことを踏まえて、これは現状で十分な効果を発揮されていると思われますか。
(知事)
効果はあったかなかったかという点で言えば、それはあったと思っています。やはり宿泊料の半分相当を助成して、Go To トラベル対象のツアーの募集などもかなり始まって、これぐらいリーズナブルに行けるのであれば行ってみようと、観光客の方々の背中を押す効果は必ずあったと思いますので。
ただ、今回のお盆に関していいますと、東京都の方からは帰省を自粛をしてくださいという呼びかけをされる中で、人の流れについて、ブレーキをかけざるを得ないという流れが片方で併存している中ですから、フル稼働するというところまではいっていないとは思いますけれども、現実に稼働しているという点に関していえば、例えば県境を越えなくても、県内の旅行であっても、県内にお泊まりの方であれば、Go To トラベルキャンペーンを使えるという形になっているわけですから、その意味では、確かにインパクトのある施策ではあるとは思っています。
(大山・高知新聞記者)
経済効果を考えたときに、どうしても自粛基調の中で、こういうキャンペーンをやって旅行で人を動かしても、あまり消費につながらない面もあるか思います。そういう意味では、もっと時間を空けて9月ごろであったり、もっと回復した中でやった方が良かったのではないかという意見もあると思いますが、4連休前にキャンペーンを始めたことについて、改めて今振り返ってどんなふうにお考えでしょうか。
(知事)
ここは、予算の枠全体をどう考えるかという問題もあると思います。国全体としては、9兆円近い予備費の枠も準備して、必要とあれば経済対策も含めて追加をする準備があるというスタンスを取っておられますから、今回確かに1兆数千億円のうちのかなりの部分を先行して予算を使うという形で通したわけですけれども、その結果、もっとてこ入れが必要となれば、私自身としては予備費なんかの充当も含めて、さらに打っていただく手はあるので、この1兆数千億円の枠内で何とか収めようとして、じっと待って、使わずに留めておくという対応をする必要はなかったんじゃないかと思っています。
(阿部・読売新聞記者)
黒潮町長がお辞めになりました。今お昼のワイドショーでも取り上げられて、結構世間の注目が集まっていますが、知事として受け止めを。
(知事)
現職の町長さんがああいった形で、任期途中で辞職をされるということは、大変残念なことであると思います。大西町長、政治家として自らの行動についてけじめを付けられたものだと受け止めておりますし、理解をしています。
一方で、よくこれは報道もされておりますけれども、大西町長は南海トラフ地震対策ですとか移住促進対策、最近では新型コロナウイルス対策、私自身の目から見ても非常にフットワークよく、いろんな施策を、いわば先取り先取りするような形で、県内のいろんな市町村の取り組みをリードするような形で進められてきたということがありますので、そういう積極的な地域行政を展開してこられたリーダーが、今回辞職をされるということは、非常に残念な思いをいたしております。
こうした大西町長が進めてこられた黒潮町の取り組みは、いいところはぜひ生かしていただきながら、新しい体制のもとでしっかりと継承されて、またさらに発展をされることを期待しております。