公開日 2021年04月01日
(司会)
ただ今から、知事記者発表を始めさせていただきます。冒頭に、知事から発言がございます。
(知事)
本日はお集まりいただきありがとうございます。最初に2点、私の方からご報告があります。
1点目は、新型コロナウイルス感染症の新たな患者の発生の確認です。県内144例目、30歳代高知市在住の男性会社員です。症状は軽症でして、143例目の濃厚接触者の検査の結果、判明したという経緯ですが、これについてはまた後ほど夕方4時半から健康政策部の方から詳細のご説明をさせていただく予定にしています。
これにより直近の1週間で県内で新たな感染の確認が4人ということになり、先日定めた新しい対応の目安の中では、この部分だけ取りますと注意段階に当たるということになりますが、今回濃厚接触者が入って4人ということでして、感染の経路としては2系統に留まるということ。また、いずれも県外由来の感染事例と推定されるというようなことも考えまして、現段階では対応の目安は、いわゆる感染観察という現状の段階に据え置いて、しばし様子を見ようということにしています。詳細につきましては、後ほど健康政策部の方からご説明を申し上げます。
2点目です。高知龍馬マラソンの関連イベントの開催決定についてご報告をさせていただきたいと思います。
先月、高知龍馬マラソン2021、来年2月に予定していたものの開催は中止をせざるを得ないというご発表をさせていただきました。ただ、この龍馬マラソンの中止に関しては、県内外から非常に残念だと。龍馬マラソンを励みにしてランニング・ジョギングに励んできたのに残念だというお声もいただいたわけです。そうした中で、この龍馬マラソンを非常に楽しみにされている、またされてきた方々の思いに応えまして、またこうした方々の思いを翌年度2022大会にもつなげていきたいという思いがあり、もともと龍馬マラソンの開催を予定していた来年の2月21日に高知龍馬リレーマラソンwithよさこいという関連イベント、規模的に代替というほどまではいかないかもしれませんが、関連イベントを開催するという方針を決定しました。
概要ですが、会場は龍馬マラソンのために押さえていました春野総合運動公園を使います。12月には募集を開始をしたいと思います。想定の人数規模としては3,300人、このうち観客として1,500人程度の方を想定していますので、2,000人弱の規模での競技、あるいはよさこいの演舞という形を想定しています。右側にありますように、リレーマラソンとファンランと、そしておもてなしとしてよさこいの演舞を10チーム程度ということを想定しています。
久し振りにこうした形の、比較的大きなイベントを開催させていただくということで、多くの県民の皆さんに元気をお届けできればという思いで、方針を決めたところです。
リレーのコースは主競技場と補助競技場を周回をするコースを利用しようと。距離については今検討中ですが、このコースを大体20周から30周していただくという形式を想定をしています。1周が約1.3キロぐらいのコースになります。また、リレーを行う間に会場の中央部でよさこいのチームに踊っていただくわけですが、そういうことにより、ランナーの皆さん、観客の皆さんによさこいも楽しんでいただければという考えでいます。
この開催にあたっての感染防止対策です。入場の際の対策として、競技中の対策、会場内の対策、それぞれにつきまして国の指針、あるいは日本陸連のガイダンスなどに沿い、感染症対策を徹底して安心安全なイベントになるようにしっかりと準備を進めてまいります。
今後の予定としては、来月11月の中旬ごろに詳細を発表しまして、ランナーの募集につきましては、先ほど申しましたように12月に入ってからお願いをしたいと考えています。今後、大会のホームページですとか、公式のツイッターで告知をしてまいりますので、ぜひ楽しみにお待ちをいただければと考えています。
私からは以上です。
(司会)
それでは、質疑に入ります。まず幹事社の方からお願いします。
(加藤・朝日新聞記者)
1点目は行政のデジタル化についてお伺いします。菅政権が発足して、約1ヵ月半がたちましたが、この間、行政のデジタル化や脱はんこといった政策を政府は掲げてきました。知事は先日の県議会でも、これらの国の方針については前向きに取り組む姿勢を見せていましたが、県庁や県内で今後、どのような内容や規模でこれらの改革を具体的に実行するか教えてください。
(知事)
まず、行政のデジタル化全体についてですが、県庁の方では昨年度のうちから、行政サービスデジタル化推進会議という会議体を設置しまして、本年の3月、昨年度の末ですが、行政サービスデジタル化の推進計画を策定しています。菅内閣ができる前からこういう形で取り組んでおりましたが、この3月に策定した計画の中で、県の業務のうちで年間30件以上の申請件数がある340の業務がありましたが、このうち269の業務を令和5年度までにオンライン化するという目標を掲げまして、数値目標、成果指標のKPIも定めまして、今ちょうど取り組みを進めていたところです。
今回、菅内閣のもとで、もともと骨太の方針の中でこういったデジタル化を加速をさせていくという方針は示されていたわけですが、こういった菅内閣の新たな方針というのも踏まえまして、県の方でも、ただ今申し上げました3月に定めた計画を今年度中に全面的に改定をするという作業をしたいと考えています。そうすることによって、取り組みの拡大、加速化を図っていきたいと考えています。あわせて、推進体制としましても、来年度に入りましたら今の推進会議体制を格上げして、部局長級で構成をします本部会議に昇格をさせるということにより、さらに強力に全庁的に取り組みを進めていきたいと考えています。
一方、今お話がありました押印の見直しについてです。これは県の仕事に関して申しますと、県に対して行われる申請、これは数が小さいものも含めますので数が増えて1,027の業務がありますが、このうち押印を現在求めているものが968業務、大部分について押印を求めているということになっています。これも今まで、いわばデジタル化を進める上での障害にはなっていたということでありまして、さっき申し上げました現計画に基づきまして、来年の1月から一部についてオンライン申請を始めますが、この中ではまずは、今押印を求めていないものを対象にして、オンライン化をするということで進めていたところです。
ただ、政府全体として、いわば、押印は原則廃止で見直しをするという動きが進んでいると承知していますし、我々の方も先ほど申しましたオンライン申請の対象業務を拡大をしていきたいという思いがございますので、今回あらためまして、書面での規制、あるいは対面での接触を義務づけた規制、こういったものの見直しとあわせて、この申請書類などに押印をすることが本当に必要かどうかということについて、あらためて検証をしようということにしておりまして、この点、できるものは今年度中に整理をして、先ほど申し上げました計画の改定の中に盛り込みたいと思いますし、必要な条例改正などは令和3年度には行っていこうというスケジュールもあわせて、県庁内に通知しまして、この方針で今後、これは国の作業なども横目で見ながらということになろうと思います。国の法令で、例えば押印が義務づけられて県が実施しているという業務もかなり多いですので、国の見直しの進行具合というのも把握をしながら、県の業務のオンライン申請への移行を進めていきたいと思いますし、今後も進捗状況は、定期的にフォローアップして見直しを進めていきたいと考えています。
(加藤・朝日新聞記者)
2点目は関西戦略についてです。昨日、第2回のアドバイザー会議が大阪市でありましたが、アドバイザーからの意見も踏まえて、今後どのように戦略を進めていくか、具体的なスケジュールなど進捗状況を教えてください。また11月1日には大阪都構想の住民投開票がありますが、その結果が戦略に及ぼす影響についてお考えがあれば教えてください。
(知事)
お話ございましたように、昨日2回目のアドバイザー会議を開催しました。今、策定を進めています関西と高知の経済連携強化戦略の三つの柱、第一に観光推進プロジェクト、第二に食品等の外商拡大のプロジェクト、第三に万博IR連携プロジェクト、これらにつきまして、昨日の会議では数値目標ですとか、具体的な施策などをあらためてお示しをして議論をいただいたところです。
このうち、観光推進のプロジェクトでは、ウィズコロナ・アフターコロナの時代を見据えました観光地の磨き上げ、そして関西の在住者などを対象とした国内観光の推進、さらには2025年の万博を見据えたインバウンド施策、こうしたものを柱として大阪観光局、あるいは関西エアポートと連携した取り組みを進めていきたいと考えています。特に大阪観光局とは、昨日高知県、そして高知県のコンベンション協会の3者で連携協定を締結をさせていただきました。今後、旅行商品の開発ですとかプロモーション活動など密接に連携をしていきたいと考えています。
また、食品等の外商拡大の分野におきましては、これまで培ってまいりました関西圏とのつながりをさらに強化していくということ。そしてウィズコロナ時代に対応する商品開発、外商活動を推進をしていくということによって、県産品などの外商拡大につなげていきたいと考えています。
アドバイザーの皆さまからは、国が脱炭素社会の実現を菅総理が一昨日の所信表明で宣言をされましたが、こういったことを受けて、高知県の魅力である緑、あるいは自然への注目が高まるということから、万博を見据えた観光客の誘客であったり、県産の木材の活用などにつなげていくべきだというご意見もいただきましたし、輸出の拡大につきましては、高知の企業と海外をつないでいくという観点から、総領事館やジェトロとの連携を強化すべきといったようなご意見もいただいたところです。
昨日の会議を通じて、アドバイザーの皆さまには戦略の策定に関するアドバイスはもちろんですが、それ以外にもそれぞれの分野で既に具体的な後押しであったり、仲介をしていただいたり、具体的な形でご支援をもう始めていただいているところで、非常にありがたい思いです。
今後は、昨日いただいたご意見も踏まえて、それぞれの取り組みの中身をさらに精査をしてまいります。あわせまして、この戦略の初年度となる令和3年度から、当初からしっかりスタートできるように当初予算にも必要な経費を計上した上で、それに先だって、今年度末3月末には戦略として取りまとめていきたいと考えています。
もう1点、大阪都構想の影響についてです。この大阪都構想はあくまで今問われていますのは2025年に大阪府市の統治機構を改革をするという中身ですから、本県が今進めようとしてます関西圏との経済連携の強化に関して、直接的な影響は少なくとも当面ないと考えていいと思います。ただ、長期的に考えた場合どうかということであえて申しますと、これが可決された場合、一般論としまして、司令塔は府市二つであるよりは一つの方が、意思決定が早くなりますからいろんな成長戦略、例えば観光面などにつきましても、大阪府の成長戦略の策定実行がより迅速になるという効果はあるだろうと。ただ既にもう観光面に関しては、大阪は府市がかつて別々に持っていた関係団体を大阪観光局一つにまとめてしまってますから、その意味では、観光に関していうと、そこがまた逆戻りするという見直しがない限りは、そんなに大きな影響はないといっていいと思います。
また、都構想は仮に否決ということになりますと、これはどちらかといいますと、これを推進をされてきた大阪維新の会における政治的なインパクト、そういうことの方が心配をされるということだと思いますが、そうしたことで、間接的に影響があり得るということは否定はできませんが、ただ今申しましたように、当面の話として、知事、市長もこれ今回否決されても、すぐ辞めると言われてるわけではありませんので、松井市長も今の任期は、残り3年くらいはやられると言われていますから、今すぐに大きな影響が生じるという話ではないと受け止めています。
(司会)
次に、各社からの質疑に移ります。質問される方は挙手をして、社名とお名前を発言していただいてから質問をお願いします。
(姫野・テレビ高知記者)
今の大阪都構想の話に関連してなんですが、知事ご自身のお考えというのは、どんな感じなのかなと思ったんですが。
(知事)
本日、高知県知事としてお話をする場ということでしょうから、高知県知事としていえば、他の自治体の話ですので、大阪市民の皆さんが、今回の提案の中身を良くご理解いただいて、適切なご判断をいただきたいということだと思います。
ただ、あえて申し上げますと、私も昨年夏まで大阪の副知事として、この構想に関わっていましたから、そういう意味からいうと構想の意義なりが理解をされれば、当時当たっていた元副知事としては、理解されるという方向で進むことが望ましいという、心情的にはそういう気持ちを持っています。
(姫野・テレビ高知記者)
もう1点、これまた別の話なんですけども、明日大月町で県民座談会の「濵田が参りました」があるかと思います。明日で17ヵ所目、全市町村の中では折り返しにきたところかなと思うんですが、これまでの県民座談会で、まだ途中にはなりますが、新たに感じたような県政課題ですとか、県民との距離感の縮まりですとか、その辺りの感触というのを、今現時点でどういうふうにお考えかお願いします。
(知事)
今までの県民座談会、各地で市町村からご推薦をいただいた産業振興とか地域振興とか教育、防災、いろんな分野の第1線で活躍をいただいている方々から、現状課題をお聞かせいただいて、私自身もこれまで知らなかったこと、たくさん教えていただくという場面もありまして、非常に県政運営の中で参考になっていると思っています。そうした中ですが、やはり現実に中山間地域に足を運びますと、私自身、書き物では知っておりましたけども、例えば高知県内では上水道の施設も十分に整備をされていなくて、いわば井戸水(脚注:正しくは「谷の水」)だったりといったものを使っておられて、これを何とか上水道を引きたいというお話がされていたり、学校の統合の問題があったりとか、そういったことに象徴されますように、本当に中山間地域の厳しい状況と、鳥獣被害対策などもデータ的には減ってきているということではありますけども、やはりまだまだ悩みが大きいというお話をお聞きしますし、やはり中山間地域の振興なくして、高知県の県勢浮揚なしというのが、ほんとに身をもって感じさせられる場ではあるというふうな思いがございます。
(中田・高知民報記者)
核兵器禁止条約について、発効ということになりますが、日本政府は署名しないということをおっしゃっています。高知県にはビキニ被災者の方もたくさんおられますし、知事として、今この状況をどうご覧になっていますでしょうか。
(知事)
お話がございました核兵器の禁止条約の批准数が50ヵ国に達して、発効に向かうということになったということですが、一方でわが国の政府としては、安全保障上の理由から参加をしないという態度を表明をされているということです。ただ、今回の核兵器禁止条約が目指しています核廃絶というゴール自身は、これはわが国も決して否定していない。むしろわが国としても核廃絶を最終的に目指していくという目標は共有しているんだと思いますし、それは高知県としての宣言、こういったものとも一致した立ち場であると考えます。
ただ、問題は政府の方の問題意識として私が承知していますのは、この批准数は50ヵ国には達しましたけれども、核保有国だけからでもなく、非保有国からも必ずしも支持が得られている状況ではないということ。核保有国と非保有国で立場が分かれているという状況にあると、そういう中であり、わが国の政府は核兵器を廃絶するためには保有国の方の同意も必要だと、これがないと実効性がないという判断をされているということだと思います。
そうした中で、政府は最終的に核廃絶を目指していくというために、現状ではこの条約に加わるという枠組みではなくて、保有国と非保有国の橋渡し役になっていく。そのことによって、核兵器のない世界の実現を目指していくという立場を取られていると理解をしていますので、これが容易ならざる道だとは思いますが、まさしく実効性のある取り組みが積み重なっていくように、政府において一層の努力を期待をするという立場でいます。
(中田・高知民報記者)
前知事時代にはICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)の川﨑さんと面談したり、議会答弁でもこの条約は結構意義深いと、それも活用してビキニ被災者の支援にも生かしていきたいと、結構前向きな捉え方をされていたように思いますが、国のいうことをそのままおっしゃっただけだったので、知事としてのお考えとしては、トーンダウンしたということでしょうか。
(知事)
トーンダウンといいますか、今回批准国が一定数を超えて発効に向かうというところに来たというタイミングでの、具体的なお尋ねですので、ただ今申し上げたような、これを具体的に、でもわが国の政府が署名の段階で参加していないということをどう考えるかというふうなところでお答えをしたということです。
もちろん、この理念として核廃絶を目指していくという意味におきますと、今回の核兵器禁止条約の発効に必要な50ヵ国まで達したということそのものは、やはり核廃絶を目指していこうという国際社会の声が、やっぱり広がりを見せるものだということ、そのこと自身はそれは評価すべきだという考え方はあります。
ただ、その方法論として具体的にこの条約に即する形で、核廃絶のところに一直線で持っていけるかというと、政府の方はやはり核保有国がうんと言わないと実効性がないと。ここはここで現実的な判断だと思いますから、橋渡し役を買って出るんだと言われてるわけですので、これは外交は国の方の安全保障も含めまして、主として担っていただくべき分野だと思いますから、国の考え方も、それはそれなりに一理あると私は受け止めますので、そういうご説明をしたということです。
(野間・時事通信記者)
冒頭説明がありましたリレーマラソンのことに関してお伺いしたいんですけれど、9月1日に、2021年の龍馬マラソンの方は選手とかランナーの安全確保が見通せないことなどを理由に中止を発表されたと思うんですけれど、今回この新たにリレーマラソンという形で、新しい大会を行うことを決めた、その背景についてあらためて説明していただきたいのと、なぜこのリレーマラソンという形式にしたのか、その辺りを詳しくお願いします。
(知事)
先月の段階では龍馬マラソン2021は、市民参加マラソン1万人規模の市民マラソンとしては、感染拡大防止対策との両立という点が現実問題として不可能であろうという判断から開催は中止せざるを得ないという判断をしました。
しかし、これを楽しみにしておられたランナーの方々、県民の方々からは、何とかできないのかという、残念だというお声をいただいてたということがありますし、私自身も断念の過程の中では、どういった形でならできる可能性があるのかと随分議論したわけですが、なかなか今の陸連のガイドラインの中では、一万人規模の、市民マラソンというのは不可能だという結論に至っていたということです。
ただ、その後、国内の感染状況も収束が必ずしも見えるという方向ではありませんが、東京もGo To トラベルの対象にもなって、一定程度人の動きも出てきていますし、イベントも段階的に規制が緩和をされる、制限が緩和されてきているという中ですから、何とか先ほどの県民の皆さん、あるいはランナーの皆さんの声にも応えて、何らかの形で感染防止対策と両立できるような、代替までならないにしても関連するイベントを、2月21日にはせっかく会場も押さえてありますから、できないのかという思いは持っておったところです。
そうした中で各地での対応を見た中で、関連イベントとしてこうしたリレーマラソンという取り組みをされるという事例もあるということもお聞きをしたこともありますし、リレーマラソンという、今ご紹介したような形であれば公道は走りませんので、あの運動公園の中で走るということですし、人数も比較的絞られますからいわゆる三密になりすぎないというところの対策も手を打っていけるということがあり、こうした形であれば先行して行われるようなイベントの検証なんかもして、いろんな手法は学ばないといけないとは思いますが、感染防止対策との両立が図れるのでないかという感触に至りましたので、大きな方向としては、これで関連イベントとして開催をしようという準備を始めるにあたってひと区切りの段階ですので、ここで発表させていただこうということにした次第です。
(野間・時事通信記者)
これまでマラソンの方には、県内外からのランナーが参加されてたと思うんですけれど、今回その規模も縮小されてるんですが、念頭にあるのは県民向けということですか。
(知事)
地域としては国内の方、海外はちょっと今回、少なくとも現状で見ますとあまり現実的でないと考えていますので、県内外、国内からの参加者にお声がけをしようという想定で進めています。現状ぐらいの感染状況であれば、そういったところがベースでいいのではないかと思っていますが、場合によっては今後の感染状況を見て、国内の中でも一定地域の制限を検討しなければならないかもしれないということは視野には入れていますが、現状では国内ということで広く参加を呼びかけたいと思っています。
(大山・高知新聞記者)
昨日の大阪戦略のお話にも少し関係するのかもしれないですが、この前の日曜日に設立された「みどりのプロジェクト」で知事も発起人になって日曜日に立ち上がりましたが、この発起人になった理由とその意義について、あらためて教えてください。
(知事)
日本みどりのプロジェクトですが、契機はやはりこの大阪観光局との連携協定の打ち合わせをしている中で、既に長野県さんが昨年この大阪観光局と同じような連携協定を結ばれていると。そうしたの中で長野県さんと大阪観光局を中心に、ただいまお話ありました日本みどりのプロジェクト、これはまさしく自然ということを軸にして、ゼロカーボンの脱炭素社会、そして循環型社会、そして分散型社会、こういった新しい日本の社会をつくっていこうと。
その一つの表れとして、自然型の観光ということも視野に入れ、あるいは林業、木材の活用促進、林業の振興といったことも視野に入れて、産官学でいわば民間の事業者の方々も実際に旅行会社の方が入りまして、こういう一種のプラットホームをつくろうという準備をされていたと。趣旨からしてぜひ高知県も参加をしてもらいたいという呼びかけもいただいた中で、まさしくこれは高知も自然を活かした観光であったり、木材の利用の促進を通じたいわば環境、地球環境対策、温暖化対策といったもの、まさしく高知県の進めている施策と一致をするものであるという考え方で、発起人といいますか最初の設立メンバーに加わろうということで、その日曜日に設立総会が東京でありましたので、私も出かけまして、この設立の会合に参加をさせていただいたという経緯です。
(大山・高知新聞記者)
昨日のお話の中では、溝畑大阪観光局理事長から、今後の展望のお話もありましたし、理念的にはいいことなんだろうなと思うんですが、具体的にこれをどんなふうに例えば産業振興、関西連携などに活かしていく考えでしょうか。
(知事)
この中では想定している具体的なプロジェクトの例として、例えば一つは2025年の万博なんかで、「日本の自然のショーケース」を示していこうというプロジェクトであったり、いわゆる自然を活かした観光につなげていこう。あとは国立公園なんかを使って、いわゆるワーケーションをやっていこう、こういったイメージが提示をされておりましたけども、一番この産官学という面で具体性を持って検討が進んでいますのは、日本旅行という旅行会社がこのプロジェクトにもう設立段階から協賛をされて、先だってのこの直後に行われたシンポジウムでも発言をされておりましたけれども、既に先行して長野県と、自然の資源を活かした観光ルートの開発とか観光プログラムの開発をしていこうという計画を進められておられるというお話もお聞きしまして、まさしくそれは産官学で具体的な商品として設計をして出していこうという取り組みということでしたが、まさしくその堀坂社長さんが今長野県と先行してそういう相談、準備をしているが、一つのノウハウができてくれば、例えばこれは高知県とか、あと堀坂社長さんは熊本の出身で、熊本県さんもメンバーに入っていましたが、同じようなプロジェクトを展開をしていくということも視野に入れているというお話がありましたから、今回のその日本みどりのプロジェクトは、官、役所だけではなくってそういった産業界、そして研究者さん、学会も連携をしてプロジェクトを構成していこうというプラットフォームになっているというのが大きな特色だと思いますから、そういった一種の受け皿がある中で、本県の自然体験型観光に新しい可能性を開いていくというところが一つはポイントだと思いますし、あと万博でのその木材の活用とか森林のアピールをしていくということに関しましても、これも具体的には今からですが、なかなか高知県単独で例えばパビリオンを出すというのは、財政的に考えても荷が重いということであっても、そういった場の中で共同の事業としてプレゼンテーションをしていくということであれば、随分と現実性の高いプログラムが検討できるだろうという思いがありますので、まさしく産学官連携を活かして、その一翼を担うということを視野に活動していければと考えています。
(大山・高知新聞記者)
話は変わりますが、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が年末年始の休暇について、11日まで分散取得するように求めている、その捉え方はいろいろあるかと思いますが、知事の受け止めと、県内、庁内含めてどう対応されるか、今のところ決まっているものがあれば教えてください。
(知事)
先般、西村担当大臣の方から、年末年始の休暇の分散取得の奨励というお話があったと、報道で承知しています。まだ現段階で、文書のような形で正確にその趣旨・目的などを国から示されておりませんので、そういったものが出てくればより具体的な対応ということも検討できるかと思いますが、報道されています限りで言いますと、年末年始に今の来年初のカレンダーを前提にすると、非常に三が日に人の流れが集中しすぎるのではないかと。だとすると、年始、次の月曜日までに人の流れが帰省とか、そのUターンラッシュ、ああいったものを分散をさせるのが望ましいと。感染拡大防止の観点からも望ましい。それ以前にももともと日本全体の観光のあり方として、一時期に集中しすぎるので休日の分散をすべきだという議論があったというのがベースにあると思いますが、いずれにしてもそういった形で休暇の分散取得というのがその趣旨であろうと考えています。
そういう点で県内企業の皆さんにどういう形でお願いするかというのは、もう少し国の方のご審議の情報収集をしてと思っていますが、県庁の方で考えられる対応としましては、年末年始できるだけ職員の皆さんにも有給休暇を合わせて取得をするということで、長期の休暇を取ってもらいたいと呼びかけていくことは考えられると思いますし、そのために具体的にいつも年末に行っています仕事納めとか年始の仕事始め、これは行事、式として行っていますけれども、こういう儀式が今までのとおりやる必要があるのかどうかですね、やるにしてもオンラインというやり方もあるんじゃないかと。
今その式があるので年末にそこまで出勤しなきゃいけない、あるいは1月4日に仕事始めがあるからみんな出てこなきゃいけないと、結果、長期の休みが取れなくなっているということがないとは言えないと思いますので、具体的な検討は今からですけども、例えば年末の仕事納め式とか年始の仕事始め式、そういったものの必要性なりやり方なり、こういったものは見直しを考えていく必要があるのかなという思いを持っています。
(大山・高知新聞記者)
確認ですが、その分散取得については、知事のお考えとしては、これはよいことだ、好意的に受け止めているのかどうか。あと、その今の検討されるという部分は、もう実施に向けて検討するのか、それともあくまで考えられるものとしてはこうだということで挙げられたんでしょうか。そこを確認したいんですが。
(知事)
方向として、私自身は望ましい方向ではないかと思います。これはさっきも申し上げましたけど、かねて日本の観光は、ゴールデンウィークでも年末年始でもそうですけれども特定の時期に非常に集中しすぎて、県内もいろんな旅館、ホテルの方ともよく話しますが、その時期にはもうオーバーフローしてしまって、いわば機会損失というんですかね、キャパ以上のものはお客さんを受け入れられませんから、もう少し分散して来ていただければ、安定的な売り上げとか経営にもつながるというお話もありましたから、観光振興という面から見てもこの休日なり観光の需要の分散化ということは目指すべき方向だと思いますので、その一環の流れにあるという意味で、この年末年始についても休暇の分散取得が望ましい方向だと思いますし、その具体的にどういったものが国の方からより詳細に示されるかにもよりますが、ただいま申し上げましたような形のものは一つのチャンスではあると思いますから、ウィズコロナ、アフターコロナの時代の新しい仕事の仕方として、そういう意味では、もちろん国の方のご要請の中身にもよりますけれども、先ほど申し上げたような仕事納め式とか仕事始め式のあり方というのは、この際この機会に検討したいという思いでいます。
(大髙・NHK記者)
さっきのみどりのプロジェクトに関連してなんですが、昨日濵田知事、そのグリーン社会の実現に高知県として貢献することで存在意義を示したいというお話がありましたが、その貢献の手段としては、今おっしゃられたみどりのプロジェクトを通じての活動っていうのが、具体的な手段になるという理解でよろしいんですか。
(知事)
はい。一番大きな柱は2点で、自然を活かした自然体験型の観光という柱と、2点目が木材の需要拡大を中心とした林業の振興によって森を守っていくというところ、この二つが高知県が一番貢献ができアピールができる、主たる舞台だという理解をしています。
(大髙・NHK記者)
ちょっと見解を伺いたいことがありまして、そのグリーン社会の実現を目指す上で、政府もそのエネルギー基本計画の中で、原発は脱炭素化を目指すための選択肢の一つというふうな位置づけをしていると思います。高知県に直接関係はないかもしれませんが、知事の中で、その安全性への懸念というのがまだ国民の中に3.11以降ある中で、そこに対してはグリーン社会を目指すためには原発は進めていくべきなのかどうかというのは、ご見解があったら教えていただきたいんですが。
(知事)
この点は、エネルギーの安定供給ということと、あと国民の皆さんの安全・安心の確保、ここのバランスをとりながら、しかし、原発に依存しない社会を目指していくという、方向性はそういうことなんだろうと思います。ただ、どの程度のスピードでいけるかというのが、どの程度技術開発が進むかとか、あるいは再生エネルギー等々の代替エネルギーが、どれぐらいのスピード感で確保ができるかというところによるということだと思いますので、現実、確かにそのCO2の排出抑制という観点で言えば原発はベースロード電源として一定の貢献をしているという事実は否定できないと思いますから、だからといって、脱原発の方向を目指していくスピードを遅らせるということではないと思いますが、現状、原発がそのCO2排出抑制に果たしている役割、それはそれで冷静に受け止めて議論をしていくべきじゃないかと思います。
(古谷・読売新聞記者)
新型コロナと南海トラフ対策との関連でお伺いしたいんですが、先日の議会でも避難所で感染対策をとったら、県内全体で8万人分の避難所が1週間後には不足するんではないかという答弁もありましたが、これから例えば現状で知事の頭の中にある程度で結構なんですが、そのコロナと南海トラフ対策との関連性、例えば当然ボランティアの受け入れとか、そのあたりも影響が出てくると思うんですが、漠然とで結構なんですが、今はどんなふうなイメージを描いてらっしゃるか、お伺いできればと思います。
(知事)
新型コロナウイルスあるいは新しい感染症の拡大の局面の中で、南海トラフ地震が発生するという状況を想定をした場合に、やはりまだまだこの南海トラフ地震対策というのは、レベルアップを図れていない部分があるというのはおっしゃるとおりだと思います。そうした中で一番早い局面で必要になってくるのは、避難所の確保ということだと思いますので、これは市町村の方にもあらためて、現状としては今お話がありましたように、特にL2レベルの大きな被害が想定をされるような地震・津波災害が来た場合には、現状の避難所では感染対策が十分にとれないと。さらなる避難所の確保が必要だということになると思いますので、せっかくの避難所確保に向けた議論なり取り組みを進めていただくということを呼びかけていくことが、第一に行うべき仕事かなと考えています。
(古谷・読売新聞記者)
あと現状で、これはやっぱりもうコロナの影響で見直さなければならないという部分は。さっきボランティアという話を出しましたが、そういうふうな見直し、ここの部分については少し再検討が必要ではないかという部分はありますでしょうか。
(知事)
今お話があって頭をよぎったというレベルですが、やはり今回現実に7月の熊本、九州の大規模な災害、浸水災害がありまして、各地から保健師ですとか、日赤なども含めて医療団も含めて応援派遣をするという中で、やはりその感染の応援活動の過程で、感染が疑われる事例があったというご指摘がありましたり、現実に職員の皆さん、スタッフの皆さんが感染の拡大の心配をせずに参加をできる、そうした体制づくり、具体的には検査の体制づくりということがまずは必要かと思いますが、そういったものの必要性が浮き彫りにされたということだと思っていますので、また逆にそうしたことの制約もあって、こうした感染症拡大下であるとボランティアの方々も、従前であればコロナの問題がなければ、日本全国から休日などにはたくさんのボランティアの方々が例えば浸水した家の片付けとか、こういったものに来られたのが、なかなかそういったボランティアの方の募集もままならなかったという話もありましたので、そういった少し時間を経た局面の全国的な応援ということを、感染拡大防止対策との両立をどう図っていくかというところも研究をし、改善を図っていく大事なテーマではないかなという思いを持っています。
(阿部・読売新聞記者)
脱はんこについて伺いたいんですが、今年度中から何が必要なのか精査を始められるということで、現状の1,027業務あるんですかね、感覚的でいいんですけど、どれぐらいはんこを減らせるとお考えでしょうか。例えば半分にできるとか、3割は減らせるとか7割ぐらいとか、そして例えばこういう業務で減らせるんじゃないのかとか、ざくっとしたものでいいのでお聞かせください。
(知事)
私も積み上げのベースでそこまでは事務的に聞いておりませんけども、全くの皮膚感覚で言えば、件数で言えば、かなりの部分の押印は省略できるものが多いのではないかという感触は持っています。逆に言いますと、なかなかできないものとすると、イメージとしては、例えば一生に一回の不動産の取り引き、家を買うというときにいわゆる実印を使って、これは本人との同一性確認のために印鑑証明の制度、これをなくすという話ではないというのは官房長官も言われてますから、やはり実印なり印鑑登録の制度、印鑑証明の制度というのはあって、現にそういったものが必要になっているものについては、これは恐らく残っていく方向での議論がされるんじゃないかと。
逆に言うと、それ以外の認めや三文判で済んでいるような仕事というのは、本人の確認という意味から冷静に考えた場合にどの程度意味があるのかと、むしろ自署で書いた方が、何か後々トラブルあったときにちゃんと証拠になるんじゃないかという議論もできると思いますので、そういう意味では、件数からいうと、そういった認印的な三文判でもいいよというものの方が多いのではないかなという感触を持っていますから、かなりの件数は整理をして、それがまして、もしマイナンバーカードとか使って本人証明ができるのであれば、むしろそっちの方がより確度が高いという言い方もできると思いますから、件数的にはかなりのものが廃止をして、代替が必要であればマイナンバーカードとか、そういったものが使えるという方向に、議論が行くのではないかと想定はしています。
(阿部・読売新聞記者)
マイナンバーに進んでいくというのが望ましいという、そういうお考えでもよろしいでしょうか。
(知事)
はい。方向としては、何千億円も国で投資をしてつくっているシステムですし、皆さん方の日常では当たり前になってしまって、現実あまり恩恵的なものは感じられないかもしれませんが、かなり多くの、福祉関係を中心に、教育関係の事務では、以前住民票の添付が必要だったのが、マイナンバーの提示でこの本人確認とかあるいは所得の要件の確認とかができるようになって、そういった形であまり見えにくいかもしれませんが、利便性の向上というのはされていると思いますので、せっかくつくった基盤をできるだけ使っていく。そのためにカードを取得をしていただくということは、大事な取り組みではないかと考えています。