令和3年1月13日  知事の記者会見

公開日 2021年03月31日

 (新型コロナウイルス感染症関連)ワクチン接種について

 

 

(司会)
 ただ今から、知事記者会見を始めさせていただきます。まず、幹事社からの質問をお願いします。

(新型コロナウイルス感染症関連)ワクチン接種について
(林・NHK記者)
 まず1点目なんですけども、新型コロナウイルスのワクチン接種について伺いたいと思います。医療従事者向けに行われる優先接種は、都道府県が調整の主体になっていると思いますが、接種体制の構築に向けた準備の進捗状況や今後のスケジュールを教えていただきたいと思います。また、県民については、ワクチン接種は希望者が対象になると思いますが、接種に対する知事の見解、そして、県民への呼びかけがあれば教えていただきたいと思います。

(知事)
 ワクチンの接種に関してです。県内で行われる接種の手順としては、まずは、時期はやや流動的なところはありますが、目途としては、3月中旬ごろに医療従事者への優先接種を手始めに開始したいと考えております。そこから順次ワクチン接種が円滑に行われますように、市町村ですとか医師会、あるいは卸売りの販売事業者の方々などと調整して、準備を進めております。
 このうち、先行します医療従事者の方々への優先接種に関しては、例えば感染症の指定医療機関ですとか、入院に協力をいただいている医療機関、こういったコロナウイルスの関係の患者さんと接触の機会が多いと思われるような医療機関の方々を対象として、従事者数の調査を今お願いしているというところです。
 そして、このワクチンにつきましては何種類かあるようでして、これも確定的なことは現段階で言い難いところはありますが、初期に、早い時点で配備をされることが有力視されるワクチンの場合は、超低温の管理が必要だと聞いております。そのために、現時点の県で持っておりますイメージとしては、国から本県には5つのディープフリーザーという冷凍の保管庫が配備されるとされていますので、これを県内の圏域ごとに、ご協力いただける医療機関5箇所に設置させていただいて、その圏域内の医療従事者の方々には、そちらで接種を受けていただくということにできればと考えており、関係の医療機関の方に意向を打診をしながら、今調整を進めているという段階です。
 そして、医療従事者の方々以外の県民の皆さまにつきましては、高齢者あるいは持病をお持ちの方、基礎疾患をお持ちの方などへの優先接種が、先ほどの医療従事者に続きまして、目途としては3月下旬ぐらいから開始したいということで、実施主体になる市町村に対して、説明会を開催するなどして、情報共有も含めて、事前の準備を進めております。
ワクチンは3社あるようですから、国からどのワクチンが配備されるかによって対応が変わってくる場合がありますが、超低温の管理が必要なワクチンになりますと、おそらくいわゆる集合接種の形で、1ヵ所に住民の方に集まっていただいて接種するという方法が必要になろうかと思いますし、そこまでは必要ない、通常の冷蔵保管でいいワクチンの場合ですと、常日頃行っておられるインフルエンザの予防接種のように、通常の医療機関で受けていただけるという可能性も出てくると思います。
 その意味で、配備されるワクチンの種類を早く決定して知らせてもらいたいと国に対しても要望していますが、どちらの方法を取るにしても、地元の医療機関の方々のご協力というのは必要不可欠ですので、医師会などを通じて協力のお願いをさせていただいているところです。
 そして、ワクチン接種についての基本的な考え方ということですけれども、新型コロナウイルスに関しては、現在、残念ながらまだ治療法、治療薬などが確立をしているわけではないということですから、感染拡大を防ぐという意味では、ワクチンの接種というのは、一つの決め手になる重要な要素だと思っています。ただ、一方で全世界的に開発間もないものですし、まだ国内では承認に至ってないということですから、いわゆる副反応の問題などに関しまして、県民の皆さんには不安感があるということも事実だと思います。
 我々としては、国の方で薬事承認がされた際には、併せて副反応などに関する情報も国から提示がされると思いますので、こういった正しい情報を県民の皆さまに提供して、正しく理解していただきたい。そして、対象となる方に迅速かつ適切に接種ができるように、関係者との協議を進めていきたいと考えております。
 まずは優先接種の対象となる方々、感染あるいは重症化のリスクが高い方々がまず優先接種になるわけですけれども、薬事承認された場合には、正しい情報をお知らせして、十分ご理解をいただいた上で接種をいただけるようにと考えているところです。私自身も、このワクチンが薬事承認をされ、順番が決まってご案内をいただければ、ぜひ接種はしたいと考えているところです。

(〃)生活困窮者への支援について
(林・NHK記者)
 2点目です。新型コロナウイルスの影響による生活困窮者への支援についてです。国は緊急的に支援策を打ち出していますけども、支援を受けてもなお厳しい状況にいるという方がいらっしゃいます。これまで知事は、生活福祉資金の貸し付けについて据え置き期間や償還期間の延長などを国に要望してこられていますけども、一定条件の人の返済額を補助するにあたって、県が支援策を打ち出す考えはありますでしょうか。また、お考えがあるのであれば、どのような形で支援していくかを教えていただきたいと思います。

(知事)
 今回のコロナの関係の経済対策として特例貸付が、今お話がありました生活福祉資金の制度の中で行われておりますが、これは通常の制度とは少し切り離した別枠の制度として、国が財源を拠出する。全額国費で、いわゆるセーフティネットの仕組みとしてしつらえられたものですし、契約の形態としては、都道府県の社会福祉協議会と、お受けになる個人の方の契約による、貸し付けですから、基本線としてはまず償還が前提となっているということです。
 ただ、制度設計される中で、生活がお困りの方への緊急貸付という性格もありますから、償還がもともと困難と考えられる世帯に対しては、償還を免除する仕組みも制度の中に取り入れるということが、もともと予定されているということでして、現在、その具体的な範囲を国で検討されていると承知しております。住民税の非課税世帯を軸に検討されると承知しておりますけども、ただ我々県として、住民税の非課税世帯が一般的に低所得の方々の定義になるわけですが、必ずしもそこに限定をされることなく、例えば、若干非課税の水準よりは上回っているけれども、前年に比べて収入が大きく減った方とか、そういった方々も必要な場合には償還免除の対象にできるような、そうした柔軟な制度設計を行ってもらいたいという意見を、知事会などとも一緒に国に対して申し上げてきたところです。
 いずれにしても、これは全国統一の制度として仕組まれるということですから、これを県で独自で何かの支援をしようということを考えているということでは、現時点ではございません。やはり国統一制度ということですから、知事会などとも連携をして、制度設計の詳細を詰める中で、国の方に柔軟な制度設計を求めていくことが基本になると思いますし、もちろん、県としては生活困窮者の方々の自立支援というのは非常に大事だと思っておりますから、例えばハローワークなどとも連携して、就労の手助けをさせていただくとか、そういった形で貢献をしていきたいと考えております。

(〃)四国他県と比べた本県の感染状況について
(小林・共同通信記者)
 四国内における高知県の新型コロナウイルスの感染状況についてお伺いします。
 ここ数日は若干落ち着きが見られるものの、先月は特に四国内で高知県が突出して感染者数が多い状況でしたが、それについて知事としてどのように受け止めていたか、お願いいたします。

(知事)
 お話にありましたように、本県におきましては、累計でいいますと昨日までで740人といったところで、四国の中で人口比を考えますと、確かに突出して多いという評価を受ける数の感染者が確認をされておりますし、とくに12月に入りまして、拡大したということは事実だと思います。また、亡くなられた方も合わせまして12名の方がおられるということでありまして、心より哀悼の意を表したいと思います。
 特に昨年の12月の全国の第3波に対応する県内での感染拡大の経緯を大きく振り返りますと、始まった時期には、県外との往来に由来する感染者がある程度確認をされたということがございました。そして、いちいちの検証はできておりませんが、一般的な心証として申し上げますと、そうした形で、県外からウイルスが県内に持ち込まれたということが、きっかけとしてあるんだろうと思います。
 ただ、その後の感染のエンジン役になったのが、やはり飲酒を伴う会食がエンジン役になっているということは、先日来、度々申し上げていることだと思っておりまして、居酒屋ですとか、二次会におけるスナック、バー、こういったところで会食された感染者から広がって、その感染者の方々がご家庭とか職場、そういったところに感染を持ち込むという形で、感染が全体として拡大していったというルートを辿ったのではないかと、一般的には推測されると思います。
 あわせて、これも個々のルートが必ずしも解明できているわけではありませんが、家庭とか職場というところに持ち込まれたという、ある意味同じような形で、生活の場と実際、本来としてなっています病院の中でも精神科とか療養病床ですとか、そういった長期間利用される方々の方でクラスターの発生ということにもつながって、感染者の増ということになっているということだと思います。
 そうした状況を考えますと、片方では、10月、11月の時点では四国の中でも高知県の感染状況は比較的落ち着いていた方だということもありますし、また、必ずしも検査をされてる数が人口に必ずしも比例していないということがありますから、なかなか確定的なことは言い難いですけれども、やはり本県の感染の拡大の大きな要因になっている飲食に関していいますと、本県における飲食の機会の多さであったり、高知家というPRでは、みんな家族やきと言っているわけですけれども、県民の皆さんの間で人と人とのつながりの濃さ、そういったものが一つの要因としては、関わっていることは否定しがたいのではないかなとは受け止めております。

(司会)
 次に、各社からの質問に移ります。質問される方は挙手をして、社名とお名前を発言していただいてから質問をお願いします。

(〃)ソフトボール日本代表の合宿中止について
(甲斐田・時事通信記者)
 昨日、日本ソフトボール協会が、今月から高知市内で行う予定だった合宿の中止を発表されたんですけれども、こちらについての知事の受け止めを教えてください。

(知事)
 本県はソフトボールの振興という点で考えましても、日本の各県の中でも非常にソフトボールの盛んな土地柄でもありますし、岡本さんというソフトボール協会の専務理事を輩出するということもあり、いろんなご縁もありましたので、また私もご本をいただいたりしたこともございます。そんな意味で楽しみにしておりましたけれども、コロナウイルスの感染拡大を踏まえたご判断ということでありまして、残念ですけども、やむを得ないものと受け止めております。
 ただ、今からもたくさんこの機会があると思いますので、ぜひ引き続き本県との密な関係はキープをしていただいて、また別の機会には合宿なり、いろんな大会の開催を含めていろんなイベント行事などの開催も含めて、本県との関わりをぜひ深めていただきたいなと希望をしております。

(〃)緊急事態宣言について①
(加藤・朝日新聞記者)
 緊急事態宣言についてお伺いしたいと思います。首都圏の首長が緊急事態宣言の要請を政府の方にして、その後、地域の首長が政府に緊急事態宣言を求めるという流れが今できてると思います。
 高知県では今必ずしも必要ではないかと思いますが、知事のご認識と緊急事態宣言を発するように要請することが必要になる状況というのは、どのような状況だと考えてらっしゃるのかを教えてください。

(知事)
 今現在、緊急事態宣言を県の方から国にお願いをすべき状況にあるかといいますと、今の時点ではそういう状況にはないと考えています。
この間から申し上げていますように、今感染のステージとしては特別警戒という、国の分科会の報告書でいえば、ステージ3相当に位置する。これは新規の感染者数ではさらに下だと思っておりますけれども、やはり病床の埋まり具合などからしますと、あるいは全国的な状況、リスクを考えると特別警戒と考えておりますけれども、その段階であって、さらにその上の県独自で緊急事態宣言をするような段階までは至ってないということですから、現時点で県からお願いをするということは考えておりません。
 また逆に言いますと、どういう事態になったら検討されるのかということになりますと、感染者数ですとか病床の埋まり具合、その他、6つの指標から判断するということにしておりますが、そういったものが近い将来、仮に一つ上の、県の区分でいう非常事態、国の分科会でいうステージの4に相当するような状況になって、またいろんな経済対策の面なども含めて必要であると判断した場合には、そういった可能性はあり得るとは考えております。

(〃)緊急事態宣言について②
(加藤・朝日新聞記者)
 もう1点、緊急事態宣言の解除条件についてなんですけれども、政府の方はステージ3の段階まで下がったらということで進めていると思います。一方で、ステージ2の段階まで下げないと、その段階の前で解除するということになると、まだ感染拡大を食い止められないのではないかという意見もあると思います。県の方でも感染拡大地域には移動を最小限にすると方針を示されておりますし、解除条件については、知事はどのようにお考えなのか教えてください。

(知事)
 これは本当に難しい問題だと思います。高知県の状況の中で判断を迫られてきたということからしましても、大変難しい問題だと思いますが、私自身の受け止めとしては、西村大臣が先般、国会で東京都の場合500人という数字をお出しになったと思います。これはステージの3と4の境目ぐらいの数字だと思いますが、少なくてもそのぐらいにならないと議論ができないという意味では、そういうことかなと思いますし、しかし、いろんな専門家の方々は、それでは志が低いので、やはりステージ2ぐらいの状況に持ってこないと安心はできないという意味で、さらに努力をすべきだと言われていると思います。
 その意味で、そういったレンジの中での総合的な判断になるのではないかと思っています。先のことは何とも分かりませんけれども、緊急事態宣言が想定以上に長期化してくるということになると、これはある意味、国民の皆さんのいわば、コロナと戦う士気の問題にも関わってくるのではないかという気もしますし、その意味では今解除の基準を厳密に定め過ぎて、現実にコロナと戦っていくなかでの柔軟性を損なってしまうということになってしまうと、これもまた本末転倒ではないかなという思いもありまして、ただ今申し上げた範囲の中で、全体的な状況を、それまでの流れ、その後の見通しも含めて、総合判断をすべき問題ではないかなと考えております。

(〃)他県との往来について①
(古谷・読売新聞記者)
 先日、東京などへの緊急事態宣言の際には、東京などへの移動に関しては慎重な判断をというお話があって、決して自粛ではないというお話がありました。関西・大阪などにあらためて緊急事態宣言が出たことを受けて、そういった大阪、京都などへの移動、県境を越えた移動について、今後どういう反応をされるかということと、新たに関西の3府県への緊急事態宣言の受け止め方、これを受けて何か新たに考えてらっしゃることがありましたら、お聞かせいただきたいと思います。

(知事)
 書き物としては、前回、首都圏に緊急事態宣言が発せられたときの考え方から、大きな変更は必要ないと思っています。その際も緊急事態宣言が発令された当時で1都3県はもとよりですけれども、それ以外に感染拡大した地域の都道府県含めて、移動は必要最小限にしてくださいというお願いをいたしました。ちょうど受験期でもありますから、受験のためにこれはやむなく移動をするという場合もあり得ると思いますし、あまり必要以上にネガティブな、控えておく、やめておくというメッセージを出すのもいかがかなと思った部分がございましたので、そういったお話の仕方をさせていただいて、今回も合わせて7府県に拡大するということに関しても、同じように私としては県民の皆さんには呼びかけたいと考えております。

(記者)
 それは慎重に、要するに移動そのものは悪いものではないけれども、移動先で食事をするような場合は避けてほしいという、この前のお考えと変わらないと。

(知事)
 その点も(そのとおりです)。

(〃)関西3府県での緊急事態宣言発令について①
(古谷・読売新聞記者)
 東京とか首都圏と違って、今回の場合、大阪、兵庫という比較的高知からも近いところなんですけれども、今回の宣言を受けてのあらためて受け止め方を聞かせていただければと思います。

(知事)
 その点は、前回の首都圏の場合と同じようなことでして、必要な移動を最小限で行っていただくということはお止めはしませんが、感染防止対策をしっかりとっていただきたいし、その移動先で多人数で長時間の会食をされるということは控えていただきたい。それができないような用向きの往来であれば、これは控えていただきたいという思いは同じです。
また、おっしゃいましたように、今回は首都圏のみならず関西圏、そして中部圏、そして福岡県もとお聞きをしておりますので、我が国の大都市圏、北海道はちょっと別かもしれませんけれども総じてこういった形で緊急事態宣言になったというのは、今まで以上に厳しい状況になったと受け止めております。
 それぞれの各県の知事が状況を踏まえて国に要請をされた結果であると、大きな流れはそういうことだと思いますから、その意味では政府においては、各県の知事の判断を尊重して妥当な判断をされたということだと思いますけれども、できるだけこれは国と関係の地域、そして我々も含めてですが、全国の知事、また全国の国民が心を一つにして、この厳しい難局をともに乗り越えていかなければいけない。菅総理も言われましたように、ひと月でこの克服の道筋をつけていくということが、何としても必要な状況にあるという思いを強くしたところです。

(〃)関西3府県での緊急事態宣言発令について②
(古谷・読売新聞記者)
 大阪、兵庫は高知とは比較的近いところだし、交流も盛んに行われている地域なんですけれども、その地域に緊急事態宣言が出たということは、東京とか関東とはちょっとまた意味合いが違うと思うんですけれども、高知としての受け止め方を聞かせていただければと思うんですが。

(知事)
 まさしく大阪、兵庫というところは、先ほど申し上げたように受験の時期ということから考えて、まさしく2月の上旬というのは大学受験の関係で行き来する機会が多いと思いますから、先ほどの県民の皆さんへのお願い、必要最小限にしていただきたいというところは、より切実な問題としてしっかりとご判断をいただきたいという思いはございます。

(〃)特措法の改正について①
(松原・毎日新聞記者)
 特措法の改正についてお伺いします。昨日、政府が特措法改正案の骨格を示しまして、その中に予防的措置という言葉が表れました。飲食店等に対する時短要請で、正当な理由なく拒否した場合に、罰則でしたり過料など行政罰が加えられるという話が出てますけれども、こちらについての受け止め、知事は以前から特措法の改正について肯定的な立場だったと認識してますが、あらためてこういう概要が出たことをどういうふうに受け止めてらっしゃるのか、お願いします。

(知事)
 当初政府の方も、事態収束後に特措法の改正を考えるというスタンスでしたけれども、もう昨年末からの感染の急拡大ということも踏まえてということだと思いますが、通常国会の早々にも法改正をはかるという方向に転換されて、今回こういった形で概要が出てきた、その大きな判断の方向性については歓迎したいと思いますし、評価させていただきたいと思います。
 私がかねて申し上げていた趣旨は、現実に各県の知事の立場でコロナウイルスと闘っていく上で、闘うための武器の選択肢は、できるだけ幅広く法制的に準備をしておいていただきたいということでした。そこだけから言えば、もう少し幅広い措置が法律に盛り込まれることの議論もされてほしいという気持ちがないわけではありませんけれども、現状のこのいわゆる強制力がない、お願いベースから一歩進んだ形で、一種の執行罰という形ではありますが、過料という報道をされておりますが、実効性を担保する措置を法律上明示するという方向で議論が行われていることは、望ましいことだと思いますし、できるだけ早期に結論を得て、早く法改正を成立させ施行をしていただきたいという思いです。

(〃)他県との往来について②
(中田・高知民放記者)
 ネガティブな表現を避けたいという知事のそのお考えですけれども、危機管理の要諦はあえてネガティブなことを明確に伝えるということではないかと思うんですが、そこの意図がいかがなものかと思うんですが、再度お教え願えますか。

(知事)
 いわゆる県境をまたぐ県外との往来に関してという文脈でですけれども、同じことを言うにしても、ポジティブな物言い、「必要最小限にしてください」ということ、それと裏返しの言い方は「必要な外出以外はしないでください」ということ、それは二つの日本語の使い方があって、それはもう言い方の表現だけの違いと言うことはできますけれども、やはり私自身もこの1年間コロナの対応、危機管理をしてきた中で、どうしても県民の皆さんもお忙しいわけですから、新聞等でも見出しのひと言で、とにかく行くなと受け止められてしまう方が、かなりの数の方がおられるのではないかという思いもございまして。
 しかし、時期としては受験の時期などもあり、どうしても行かざるを得ないというお話もあると思いますから、そういった方々にまで無理をして、本来受験をしたいと考えているのが、コロナがあるからやめておこうということになるのは、これは片方で広い意味で社会経済活動との両立を図っていくという命題はいつの世も考えなきゃいけない問題だと思いますから、それはある意味行き過ぎのアナウンスになってしまう恐れがあるのではないか。その意味でネガティブな表現は避けたいという判断をしたという、そんな心持ちです。

(〃)営業時間短縮要請協力金について
(中田・高知民報記者)
 もう1個、支援金ですけども、休業の飲食の、結構それが今遅れてるっていうことが問題になってるんじゃないかと思いますが、その状況をご存じですか。

(知事)
 はい、私も毎日の報告を受けてるわけではありませんけれども、申請は数日前現在で全体の5,000件ぐらいの店舗を想定した中で3,000件ぐらい、重複はありますけれどもいただいていると、その中で数百件のお支払いの決定まではできていると報告を受けております。
 今回執行するにあたっては、もともと定休日の予定だった日はどうかということの確認ですとか、事実確認も必要な部分があろうかと思いますから、一定の日数を要してる部分があるのかもしれませんけれども、いずれにしてもできるだけ迅速な処理をすべきものと考えておりますので、担当の部局にはそういった観点から事務の督励をしたいと思っております。

(記者)
 委託がスムーズにいっていないということではないんですか。

(知事)
 今回は外注して、できるだけ迅速な振り込みができるようにしたいという方針で対応しておりますから、その委託先の状況も含めて確認して、できるだけ迅速な処理という観点からの督励をしたいと考えております。

(〃)緊急事態宣言について③
(大山・高知新聞記者)
 特措法の関係で何点か確認をしたいんですが、緊急事態宣言で全国一律の発令をしたらという指摘もあるかと思います。全国的には高知のように比較的数が減少してきたところもあれば、今まさに増えているところもあると思いますが、ご自身のお考えとして、全国一律的に緊急事態宣言を出すということについてはどんなふうにお考えでしょうか。

(知事)
 高知県知事としての考えということになりますから、どうしても県内の現状の感染状況なり、病床のひっ迫状況を前提に、現時点での判断ということになりますけれども、現時点では全国に一気に広げるということが必要な状況ではないと考えております。ただ、一般論として、さらに全国的に感染拡大してきて、もうここまでになるのであれば、国の判断として、もう全国一斉にやった方が、より効果が高いという判断がされるような局面がないとは言えないと思いますから、その可能性を今から否定するべきではないと思いますが、現状直ちに全国に広げるという必要まではないんじゃないかと思います。
 ただ、むしろ心配しておりますのは、昨日、経産省の梶山大臣の方から発表されました飲食業の取引業者の方々への経済支援、これは緊急事態宣言の対象の地域にかかわりがあるところに絞るんだというお話をされましたので、その話をされますと本末転倒で、そういう支援を受けるために、協力金も6万円になるから、全国の各県知事が競って手を挙げるというのは、これは本末転倒、健全でないと思いますから、そこは経済支援の方はむしろ実態に即して、休業要請をした県は対象にするといった形で、緊急事態宣言の有無にかかわらず支援の対象にすることを考えていただくということを、国にはお願いしたいと思います。

(〃)今後ステージを判断するうえで重視する点について
(大山・高知新聞記者)
 緊急事態宣言とも関係するんですが、県の対応として、現在特別警戒を維持されていると思います。重症者数、中等症者数が一定減ってきてますし、今後どうなるか分かりませんが、病床占有率も20%というラインに近づいては来ています。ただ、一方で全国的には緊急事態宣言の対象地域が増えている中で、今後対応レベルについて何を重視されるのか、また、緊急事態宣言がされているうちはなかなか解除しづらいという判断があり得るのか、今後の見通しについてお答えできる範囲で教えてください。

(知事)
 これも最後は総合判断ですが、現状一番注目しておりますのは病床の占有率ですね。ここが明らかに分科会が示した基準の6つの指標が、一つでもいわゆるステージ3レベルになっている。これは厳然たる事実ですので、ここをまずは第一に考えたいと思っております。
 病床占有率が20%を切って、特別警戒から仮に警戒レベルに数字上はできるという段階になったときに、県民の皆さんに具体的にいろいろお願いをしている行動の部分に関して、どういうメッセージを発するべきなのかも合わせて検討して、判断すべきかなとは思っております。

(〃)特措法の改正について②
(大山・高知新聞記者)
 もう1点。先ほどの質問で、特措法改正の予防的措置についてのお答えがあったかと思いますが、その中でもう少し幅広い措置をすべきという思いがないわけでもないというお答えだったかと思います。これは過料を科すことだけではなかなか、一歩目としてはいいけれど実効性としてはどういう思いを持たれているということになるんでしょうか。

(知事)
 より正確に言いますと、予防的措置よりはもう少し後の緊急事態宣言後には、もう少し重い措置も想定すべきではないかという議論はあり得るのではないかという意味で申し上げまして、その趣旨はただいまご質問あったようなことであり、できるだけ選択肢は広く、使う使わないは非常に慎重にあるべきだと思いますけれども、最後はもっと厳しい措置もとり得る、法律上は準備されているというのが、より望ましい姿ではないかという議論はあり得るんじゃないかと。ただ、現実の政治過程の中で、法律が成立しなければいかんともしがたいところはありますから、これは時間との勝負という面もありますので、議論は議論としてしていただいて、国会で結論が早く出て、一歩でも二歩でも進んでいただくことが優先だとは考えております。

(〃)特措法の改正について③
(大髙・NHK記者)
 特措法について、関連して最後に1個だけお願いします。今、過料を加えるというか、その罰則という観点で議論がどんどん進んでいってしまっていると思うんですけれども、感染源として飲食店が矢面に立っていて、でも一方で、ちゃんと感染対策をとっているお店もあると思うんですね。経済活動との両立という長期的な観点で見たときに、そもそもしっかり感染対策をとっているお店は時短要請から外すだとか、そういうアメとムチを使い分けたようなやり方があってもいいんじゃないかと思うんですけれども、知事のお考えはいかがでしょうか。

(知事)
 アメとムチというお話がありました。北風と太陽、両方の手段をとり得るということが、一番実効性を高める方法だと思います。ちなみに、おっしゃったように罰則、ペナルティではなくて、今は協力金という形で制度設計がされておりますけれども、協力をいただいた場合のお礼であったり補償的な措置、そちらの方を充実すべきではないかというのも、これも大事な論点だとは思います。
 ただ、実務をやる立場からいうと、難しいと考えるのがスピードが求められるということ。協力金にしても補償的な支援にしても、ということもあると思いますので、例えば規模が大きい事業体にはより手厚い協力金なり支援をということは、筋としてはおっしゃることはごもっともではあるんですけれども、それがどんどん精緻になっていくと、協力金のお支払い、あるいは支援金のお支払いに非常に時間がかかるということになりますから、その兼ね合いである意味で簡便に、かつ、どちらかというと弱い立場にある小規模な事業者の方々には相対的に手厚くなることを意識して、今のような協力金という、いわば非常にシンプルな支援措置がとられているということだと思いますので、そこをどの程度、より複雑化する方向で制度設計ができるかというのは、なかなか難題ではないかという問題意識も持っております。 

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