令和3年4月1日 新規採用者辞令交付式における知事挨拶

公開日 2021年04月01日

(令和3年4月1日 (木曜日) 正庁ホール)

 

本日152名の新規採用職員の皆様の辞令の交付に際しまして、一言ご挨拶申し上げたいと思います。

 

皆さん高知県への入庁、誠におめでとうございます。高知県の長として、皆さんを心より歓迎申し上げたいと思います。

今回採用された152名の方の中には、社会人での採用、UIJターンの採用の方が沢山含まれております。昨今、雇用の体制も財政も変わっておりまして、多様な考え方、発想が求められる社会になってまいりました。

もちろん新卒のフレッシュな方々をお迎えして戦力アップしていくことと合わせまして、社会人として経験豊富な方々にも入っていただきまして、いわゆる民間の発想をしっかり取り入れた県庁として、さらに県民の皆さんのお役に立ちたい、その意味で本日皆さんに県庁に加わってもらったこと、職員の一員に加わっていただきましたこと、本当に嬉しく思います。

どうかよろしくお願い申し上げます。

 

まず第一に、先ほど宣誓をしていただきました全体の奉仕者として、誠実且つ公正に職務を執行すること、この初心を忘れずに職務を執行していただきたいと思います。

知事部局として3300人以上の職員が働かれています。そうした我々の給料はもちろんのこと、県の行政活動に関わる経費・費用は県民の皆さんの税金の負担によって賄われているということは、申し上げるまでありません。また、我々が行う様々な行政の活動、許認可等を含めまして、こうしたものは、私自身は県民の皆さんからお預かりして仕事をさせていただいている、そういうものだと思っています。

私は県政運営に関しまして、県民の皆さんに共感をいただける県政を実現していただきたい、これを県政運営の最大の目標としております。そういう意味で皆さん自身も、本日していただいた宣誓の趣旨を決して忘れることなく、県民の皆さんに寄り添って、想像力を働かせて、県民の皆さんの気持ちを尊重して仕事を行っていただく、その姿勢を貫いていただきたいと思います。

仕事を行う上では、不祥事やトラブルにあう事がありますけれども、そうした際もしっかりと責任を果たしていくという透明な県政を実現していく、私としてはそうした県政が最も大事な基本姿勢と思っておりますから、そうした中で皆さんにも一役を担っていただきたいという思いでございます。

また一方で、皆様の中には社会での経験がある方もおられますけれども、多くの方々は新卒で、社会人としてのイロハをまず学んでいただくということが当面の目標だと思います。また、社会人としての経験がある方の中でも、やはり公務、地方自治の世界ということになりますと、やはり国の法令や県の条例、その他様々な制度の中で仕事をしていくという側面が多くございます。

その意味では、皆さん早く職場に溶け込んでいただいて、上司、先輩、あるいは同僚の皆さんと意見交換をしながら、しっかりと仕事のイロハを身につけていただく。そして、職場におきまして一人一人の戦力として期待をされる。そうした能力、スキルを早く磨いていただくことを心掛けていただきたいと思います。

 

ただ一方で、公務の職場というのは、どうしても前例重視、前例踏襲型になってしまうという問題点、課題が指摘されております。これは県民の皆さんに公平・平等に行政サービスをしていくという考え方に立ちますと、やはり前例というものはどうなっているのかと、公平に県民の皆さんお一人お一人をお取り扱いしていかなければならない、そういう要請を受けているものでありますが、これも度が過ぎますと、前例踏襲で社会の変化についていけないというお叱りを部外からお受けすることもしばしばあると思います。

そうしたことに陥らないために、私自身皆さんにお願いしたいことは、まず皆さんお一人お一人に様々な仕事を分担していただきますけれども、自分の仕事が一体何のためにやっているのか、県民の皆さんにどう役立っているのか、そういったことを絶えず心の中で問いただしながら、仕事を進めていただきたいと思います。自分のミッションは何か、使命は何かということを常に意識をしていただきたいと思います。

まずは仕事の仕方を県庁のルールの中で覚えていただくということが優先になりますけれども、ある程度その仕方が見えてきた日には、自分のミッションのために今の仕事の進め方が最善なのかどうか問い直していただきたい。もっと良いやり方があるのではないか、もっと効率的なやり方があるのではないか、常に進歩していく、進化をしていくという姿勢で仕事にあたっていただく。そうしていただくと県の行政もレベルアップいたしますし、県民の皆様への行政サービスの質も上がってくると思います。

是非そうした問題意識を持ちながら、時代の変化に合わせて進化をしていく県行政、それに向けて挑戦をしていく、現状に安住せず挑戦をしていく、そうした県行政でありたいと私自身絶えず県の職員に対しては申し上げています。

まずは皆さんに仕事を覚えていただいて、その上で県の行政をそうした形で課題解決に向けて前進させていくお手伝いをしていただきたいと思う次第でございます。

 

さて、行政はこの一年間、全国的な傾向ではありますけれども、新型コロナウイルスへの対応に翻弄された一年間という風に言うことができると思います。

本県の現在の感染状況は比較的落ち着いていると言って良いと思いますけれども、まだまだ予断を許さない状況が続くと思います。今後もなお感染の拡大防止と経済影響対策、社会経済活動の回復に向けての対応、そういったことの両立をしていかなければならないと思います。

 

未来を担う皆さんに、是非お願いしたいことがあります。コロナも5年、10年は続かないと思います。その先の世界を見据えて、今何をしなければならないのかというところを、県庁は目指そうとしています。具体的には「デジタル化」であったり、「グリーン化」であったり、あるいは「グローバル化」であったりということになります。

非対面、非接触の時代になりますので、デジタルへの対応は大変重要になってきます。高知県が人口減少の中で、経済の活性化を図っていく、そのためにも「デジタル化」の対応は必要不可欠な要素となってきます。

そしてコロナの時代、都会から自然豊かな地方を志向する人の流れが増えつつあります。その流れを上手く使って、自然豊かな高知県、その強みを活かして、「グリーン化」という国の大きな波に乗っていきたい。その波を活かして、高知県の県勢浮揚を図りたいと思っています。

更には、人口減少が今後中長期で見た場合は避けられないということを考えますと、世界に打って出る「グローバル化」の備えということも欠かせないと思います。今こうした観点に立って、高知県では、経済の活性化をはじめといたします5つの基本政策、中山間地域振興をはじめとする3つの横断的な政策、これらにつきまして各部局一丸となり高知県の県勢浮揚に向けて取り組んでいるところであります。

 

皆さんにも早く県庁の仕事に慣れていただいて、県民の皆様のための県政、県勢の浮揚に向けた取り組みに一緒に加わっていただいて、更に県政を前に進めていくことができればと思っております。皆さんの健闘を心より祈念いたしまして、私の入庁式にあたりましてのご挨拶とさせていただきます。

皆さんどうかよろしくお願いいたします。一緒に頑張りましょう。

 

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