公開日 2021年08月06日
1 東京五輪開催について①
2 緊急事態宣言延長について①
3 今後の県内の新型コロナ感染症について
4 緊急事態宣言を全国に拡大することについて
5 ワクチン接種について①
6 高知県高校体育大会選手への簡易検査ついて①
7 高知県高校体育大会選手への簡易検査ついて②
8 東京五輪開催について②
9 ワクチン接種について②
10 東京五輪開催について③
11 東京五輪開催について④
12 ワクチン接種について③
13 高知県高校体育大会選手への簡易検査ついて③
14 コロナ感染拡大に関し、他県からの協力要請について
(司会)
ただ今から、知事定例記者会見を始めさせていただきます。早速ですが、幹事社からの質問をお願いします。
東京五輪開催について①
(小林・毎日新聞記者)
全国的にコロナ感染が拡大しまして、緊急事態宣言は延長、もしくは新規に発令されるところも出てくるという状況、非常に良くなっているとは言い難い状況の中で、東京五輪について、予定どおり開催すべきかどうかというような声が強まっているように思われます。開催するのであれば、アスリートの方へのワクチン接種、もしくはオリンピック向けの医療体制の拡充ですね、これは必須と思うんですが、一方でオリンピックあるいはアスリートを優先するということについて、国民から不満の声も出ていると思いますが、知事はオリンピックについて現段階でどのようなお考えをお持ちでしょうか。
(知事)
お話がありましたように、今緊急事態宣言、3回目の宣言が行われている中で、全国的に感染拡大になかなか歯止めがかかっていないという状況であります。そういった中で、オリンピックについてこのまま開催ができるのかという疑問の声、あるいは否定的な声が国民の皆さんの間に出てきているということは、私も承知をしております。
しかし、私といたしましては、かねて申し上げているとおりですけれども、感染防止、非常に大事なテーマでありますけれども、片方で社会活動、経済活動をできる限り両立させていかなければいけないと。オリンピックもその大きな命題の一つだと受け止めておりますので、その意味で、できる限り感染拡大防止対策というものをしっかり取って、それとの両立を図ることで安全安心のオリンピックの開催ということにこぎ着けていただくということが、期待されるという状況であるという点は変わってないのではないかと思います。
組織委員会の方でも、そうした観点から大会関係者が日本に滞在中に遵守すべきルールにつきまして、ルールブックというようなものも最近改訂をされ、さらに来月にはバージョンアップをされるという努力もされているということだと考えておりますので、こうした関係者のご努力によりまして、何とか安全安心な大会の開催につなげていっていただきたいと期待も含めて見ております。
今、ワクチンなどについて、アスリートファーストとすることがどうかというお話がありましたが、この点も今組織委員会でいろんな検討をされている途中だと思いますが、私自身の今の受け止めとして敢えて申し上げますと、特にワクチンの接種に関していいますと、選手の皆さんは大会となりましたら外国から来られた選手の方々と接触をする機会もあろうかと思いますし、ご自身の感染、あるいは外国から来られた選手に感染をさせるという意味でのリスクを含めて、一般の方よりかなり高いリスクにさらされるというような位置におられるということだと思います。そういう意味では、ワクチンの接種の順番にあたって優先的に扱うというのは、それなりに私は合理性があるんではないかと考えておりますので、この点は、アスリートの方々の中には、後ろめたいというようなお気持ちをお持ちの方もあるようには、報道で拝見しますけども、そこは合理的な判断として許容される範囲なのではないかと思いますし、医療の提供体制も、その時点でどういうふうになっているのかということはなかなか余談を許さないところではありますが、何とか両立を図っていくということで、クリアをしていけないのかなという思いを持って拝見をしているところです。
緊急事態宣言延長について ①
(大髙・NHK記者)
緊急事態宣言の延長についてお伺いします。大型連休の短期集中計画として講じられた緊急事態宣言が延長されることになりました。宣言延長についての知事の受け止めを教えていただきたいです。また、去年と同じ対策が繰り返されている政府の手法は、国民の理解得ながら感染対策は実行されているとお思いでしょうか。併せてお願いします。
(知事)
緊急事態宣言の延長についての受け止めということであります。今回の緊急事態宣言は大型連休前に、特に連休の間を想定をして短期集中的にという考え方で発せられたということは、ご指摘のとおりです。結果を見ますと、いわゆる人流の抑制といいますか、人出を抑えていくという点では、いろいろなデータを見たときにそれなりに成果を上げていたということだと思いますけれども、新規感染者の防止ですとか、あるいはそれがストックとして現れてくる重症者の方々の数ですとか、こういった直接的な感染拡大にかかわるデータの部分でいいますと、必ずしも十分な期待をされていた効果が、少なくてもまだ発現をする状況にはなかったというのが、この連休明けの状況ではなかったかと思います。
むしろ地域的に見ますと、既に発せられておりました東京とか関西圏に加えて福岡とか愛知県、こういったところでも急拡大が見られたということもありましたので、その意味で地域も拡大をして、かつ緊急事態宣言の時期も今月一杯ということで延長されたと。これは感染状況というところの客観的に見た場合には、残念なことではありますけどもやむを得ない判断であったと受け止めています。
これで昨年の春以来3度目の緊急事態宣言ということになりますので、特に対象となっている首都圏ですとか関西圏のお住まいの方々からすると、率直なところで、またかと、3度目かという思いもあり、世に言われるような、いわゆる宣言慣れとか自粛疲れ、さらに言いますと、これは高知県の県民の皆さんもそうだと思いますが、いろんな形で心身ともにストレスが溜まっているという状況の中でありますから、その意味で、素直に「はい、分かりました」と言って、これに応じるという気持ちになかなかなれないというお気持ちも、少なからずあるんではないかというところは、私もそういう推測はいたしておりますけれども、変異株という新しい形態、新しい課題を抱えた中で、この勢いを何とか止めていくということについて、具体的に取れる手段としては、やはり最終的には人と人との接触をできるだけ減らしていくということを、いろんな手段でやっていくしかないということだと思いますから、私自身の気持ちとしては、できるだけ個々の対策の効果を実証的に検証をして、効果が得られる、効果が高いと見込まれるものを優先をしてやっていくべきだという気持ちは、一般論として持っておりますけれども、片方で、しかしそうした対策を取りながらもなかなか歯止めがかからないという大都市部の地域において、イベントの制限なども含めて、かなり広範囲にいろんな形で制約をお願いするということをせざるを得ないという判断をされながら、お願いをしているというのが現状ではないかと思います。
ただ、いずれにしましても、現状この局面で見ますと、これは高知県での対応も含めて、今医療従事者から始まって高齢者の方々へのワクチン接種が始まっておりますので、これが国民の皆さんに、県民の皆さんに行き渡っていくまでの数ヵ月の間を何とか凌いで、ここまでに爆発的な感染を起こさないような努力をして、ワクチンが行き渡ったところの効果も相まって終息を見通していけるように持っていくと。そこのつなぎをしていく今大事な時期だというふうな思いでおりますので、そうした点を県民の皆さんも、もちろんそうでありますけども、広く国民の皆さん全体が何とか共有をして、対処をしていって辛抱していく時期ではないかと考えているところであります。
今後の県内の新型コロナ感染症について
(大髙・NHK記者)
もう1点なんですけども、大型連休中の東京からの県内への移動者が、226%となるなど、去年の連休時と比べて県外から高知県への移動が増えたという推計があります。国に対して知事の今後の県内の感染拡大への危機感を簡単に教えていただけたらと思います。
(知事)
ただ今申し上げました全国的な状況もあります中で、県内の感染状況は、比較の問題でありますけれども、比較的落ち着いているということは言えると思います。ただ、そうは言いましても、4月から見ますと県内でもグループホームでありますとか、高校の運動部の部活動、あるいは市中のスポーツ教室でクラスターの発生が相次いだということがございますし、そうした意味でみましても、県内でも特に今までの第3波までと比べますと、若年層も決して例外ではないということが実感をされたということも含めて、変異株が感染の主流となるという中で、感染の警戒が引き続き必要な、気が抜けない状況だということは確かだと考えております。
そういった中でも全国的に見れば落ち着いた状況にあるというのは、ひとえに県民の皆さんのご理解ご協力のおかげであると思いますし、その点は私もこの場をお借りして御礼を申し上げたいと思いますけれども、ただ、ここ1、2週間の新たな感染者を見ましても、やはり一定数は県外との行き来で、あるいは県民の方が県外に行かれて、あるいは県外から帰省などをされてというような機会にウイルスが持ち込まれているというようなケースが、やはり日々散見されているということでありますので、そうした意味で、何かきっかけがありましたら四国の各県、あるいは四国に限らず九州もそうですし、西日本の各県が、少なからぬ県が過去最高の毎日の新たな 感染者の記録を塗り替えるような状況になっているということでありますから、そうした西日本の各県の状況を見ますと、高知県もいつそうした状況になっても何らおかしくないという危機感は、引き続き持っておりますし、そうした意味で、特に感染が拡大している他の地域との往来は、兼ねてよりこれもお願いをしているところでございますが、必要最小限にしていただきたいというお願いについては、引き続き声を大きくして申し上げたいと思っております。
(司会)
次に各社からの質疑に移らせていただきます。質問をされる方は挙手の上、社名とお名前を発言をしていただいてから質問をお願いいたします。
緊急事態宣言を全国に拡大することについて
(林 高知放送記者)
緊急事態宣言のことについて、全国知事会の動きと絡めて質問させていただきます。先日10日のWeb
会議と、昨日ですかね、知事会から全国への緊急事態宣言への適用をすべきだという声が出ました。ただ、高知県では幸い1桁の感染者が続いている状況で、こういう中で全国に緊急事態宣言の対象を広げるべきかどうかという、知事の見解をお伺いしたいです。
(知事)
お話にありましたように10日の全国知事会議、Web会議で行われた本部会議でございますが、この議論を踏まえた中で政府に対しまして、全国規模での緊急事態宣言発令の可能性も考慮をされたい、というような宣言文の取りまとめが行われたというのはおっしゃるとおりです。
ただ、私は一連のその会議の流れを見て感じましたのは、これは先ほど申し上げましたように、今、関西のみならず西日本の各県が、九州、本県を除く四国の各県が、ほぼ先月から今月にかけまして、毎日のように1日の新規の感染者が過去最多を更新するというような現象が、多くの県で起こっていると。そうした中で、そうした県の知事たちが緊急事態宣言と一足飛びにはいかないまでも、特措法の改正で設けられた、いわゆるまん延防止等重点措置ですね、こちらを国の方に申請をして、まずそちらの方で取り組みたいと申請したのに対して、これはなかなかすんなりそういう方向にならなくて、審査に時間がかかっているというような状況もある中で、それだけ待たされるということであれば、しかし、待たされるのに県内の感染はどんどん拡大していくという、何か手を打たなければいけないということであれば、ある意味いっそのこと、これだけ全国的に広がってきているのであれば、全国の宣言とした方が、むしろ国のレスポンスとしては早いものが期待できるんではないかという思いが、ああした文言になって出てきているということではないかと思っています。
そうした意味で、本県のおかれた立場で考えますと、幸い本県の場合、そこまでの感染拡大のスピードが上がっているわけでは現時点ではありませんから、その意味では私自身、今どうかというふうに聞かれますと、今この時点で緊急事態宣言といわれるような昼夜を問わないで、外出も不要不急のものは自粛してくださいというような、かなり強い制限を、今の段階で県民の皆さんにお願いするようなことにつながるような、全国的な規模での宣言というのは、その必要性は私としてはあまり感じてないというか、そこまでの必要は今ないのではないかと思っておりますけれども、これはただ今の危機感のところの話にもかかわりますが、そうは言っても、かつてないような感染の急拡大の状況にある西日本の各県と、ある意味、紙一重の状況にあるのが本県の状況ではないかというように思いますので、その意味で、本県におきます今後の感染状況次第では、そういった知事会の中で出ていた議論についても、真剣に考える必要が生じる場面は、あり得るのではないかというような思いを持っているところであります。
ワクチン接種について①
(姫野・テレビ高知記者)
ワクチン接種についてお伺いいたします。7月末までに高齢者ワクチンの完了という目標があったかと思いますけれども、国の方から5月の24日ですが、31日の新たな供給分も含めて、県内の市町村の高齢者、場所によっては100%まで確保としては達したところもあるかと思うんですが、7月中の高齢者接種の完了に向けての、現在の進捗状況と今後、何か課題がありましたら教えてください。
(知事)
これは、先般国の方でも7月中の高齢者のワクチン接種完了ということを念頭に置いて、最大限の努力をしていくという方針も示されまして、国サイドからも、我々も含めて各県、そして各市町村に極力その方針に協力をして、早期の接種の完了をという要請をいただいているということは、おっしゃるとおりであります。
昨日も発表されましたように、県内の市町村でも9割の市町村では、何とか7月中に希望される高齢者の方々への接種を完了する見通しであるという回答もいただいておりますけれども、そうした市町村も含めて、あるいはなかなか7月中は難しいと回答された市町村も含めて、共通してやはり課題になっているのは、医療従事者の確保ということだと思います。とりわけ、市町村の中にあまり大きな医療機関がないような所で、なかなか接種の、いわゆる打ち手となるようなお医者さんですとか、看護師さんの確保に協力を得られる見通しが立ってないというところが、どうしても7月中といわれても見通しが立たないということになっていると思いますので、こうしたところを中心に県としては、県立病院なども含めて、あるいは今後の話になりますが、国とも掛け合いまして、大学の附属病院、あるいは国の各省庁に関連いたしますような病院等々からも、何とか応援をお願いできないかというようなことを調整をしていくということが必要ではないかと考えている次第です。
その他、比較的大きな市町村になりますと、集団接種の会場の確保といった課題もあるんだろうと思いますけれども、主はやはり医療従事者の確保というところが、1丁目1番地の課題ということではないかと考えます。
高知県高校体育大会選手への簡易検査ついて①
(浜崎・高知新聞記者)
県体の関係者の検査なんですけれども、改めて検査をする目的をお聞かせください。
(知事)
今回、4月の高校の女子バレーボールの県大会で、非常に残念なことですけれども、クラスターの事例が発生をしたということでございますし、私も報告を受けておりますところでは、コートに入った時点ではマスクを外すんだけれども、コート以外ではマスクを着用して臨むといったガイドライン、感染防止策は規定に従って取っておったにもかかわらず、30人以上というようなクラスターが発生するということがございましたので、その意味では、従来のガイドラインとか、感染防止対策をそのまま踏襲するだけでは、これは感染防止策として不十分なのではないかというところが、教育委員会から相談がありましたときに、私自身も持った問題意識であります。
その意味で一つは、決まっているガイドラインと感染防止のルールが十分徹底できていたかどうか。その点は改めて検証してほしいというのは、県教育委員会には申し上げましたし、そうした中で今までよりも観客のあり方とかですね、そういったことも含めて強化できるところはしていくということはお願いをいたしました。
また、もう一つは変異株が感染の主流になっているということがありますので、従来、あまり心配の要らなかった若年層も、感染拡大が広がってきているということがありますから、これはただ国レベルでしっかりやっていただかないと仕方がないので、先般の知事会議のWeb会議の場でしたけども、私自身も変異株が主流になっているという中で、スポーツの場面における感染防止のガイドラインが、今までのままでいいのかどうかということは、国レベルでも全国各地からの治験を蓄積をして、ガイドラインの強化が必要な部分、見直しが必要な部分は、しっかりと見直しをして、それを我々にフィードバックをしてもらいたいというお願いをしたということであります。
ただ、それはちょっと時間がかかるということもありますので、そうした中で、教育委員会の方からも相談がありましたのが、感染をした方がご自身気づかずに、この県体の競技会の場に入ってきて、感染を広げてしまうということを防ぐという意味では、そこの事前のスクリーニングを、今までですと本人の申告で体調が悪い、熱が出たとか、喉の違和感があるとか、そういったところで、そこのチェックをより強化をするということはもちろんですけども、それ以外にできることは何かないかということを考えた中で、一つ、その簡易版のキットになりますけれども、抗原検査が、PCR検査よりは比較的費用の面でも抑えた形で可能だという話もございましたんで、これを最初のスクリーニングの検査として活用していくと。これは、ただ、健康政策部なんかの専門家から言わせますと、必ずしも推奨される方法ではないという意見もあったんですけれども、そうは言いましても、第一段階のスクリーニングとして使っていくということであればそれなりに意味はあるだろうということで、そこでやはり陽性が出れば本来的なPCR検査の方に移っていただくという、一種の網かけといいますかね、最初のスクリーニングに使うという意味で、ある程度経費必要になることにはなりますけれども、これは今回そうした手立てを使って、選手の皆さんあるいは保護者の皆さんにも安心をしていただいて、この県体に参加をしていただけるように。高校生たちにとってはこの3年間、特に3年生にとりましてはこの集大成の場ということにもなりますし、今後の全国大会にもつながっていくという大事な大会になりますので、ここは何とかして大会を安全なうちに開催をして、次へつなげていきたいという思いの中で、ただいま申し上げましたような感染防止策も、新しい対策を講じた上で対応しようという判断をしたというところでございます。
高知県高校体育大会選手への簡易検査ついて②
(浜崎・高知新聞記者)
いかに感染防止策を、対策をとりながら安全に大会を運営していくかというところだと思うんですけれども、抗原検査をする上で、あくまでその子どもたち含め関係者には、その検査を要請するという形だと思います。やるならばちゃんとPCR検査をして、陰性だったら大会の出場を認めるとか、かちっとした対策をするというやり方もあったとこなんですけども、この抗原検査をする中で、あくまで検査を要請するというのは中途半端ではないかという指摘もあるかと思うんですけれども、そのあたりはいかがでしょう。
(知事)
いろいろなやり方、手法としてはあり得たのかもしれませんけれども、事の性格上、強制というのはなかなか難しいというような教育委員会から意見がありました。確かに本人、理由にもよりますと思いますけれども、嫌だというのをいきなり羽交い締めにして、唾液を無理やり採取してというわけにこれはいかないだろうと。
ただ、そこは強力に説得をする、説明をしてお願いをするということだと私は思ってまして、それは嫌だという人がいれば、どういう理由かということもしっかり聞いて、対応していくということも大事だと思いますが、ただ、それで万が一にも感染が拡大をしていくということになりますと、私自身、教育委員会とのやりとりの中で申し上げたのは、先月は大会でクラスターが起こって、今度また起こるということになると、なかなか当分こういった大会がほんとにできるのかどうかというような状況に陥ってしまうので、今回は何としても安全なうちに実施をしたいというそういう思いを持っておりますので、そうした思いを関係者の皆さまには共有をいただいて、そこは強力に説得をして、ご協力をいただくようにお願いをすると。
最後はある意味、個々の選手の皆さん、あるいは保護者の皆さんがどれだけ真剣に向き合っていただいて、ご協力をいただけるかというところにかかってくると思いますので、いろんな手法はあり得たかもしれませんけれども、今回こうしたことでいろんな経費の面とかも含めて検討した中で、まぁやってみようという判断をしたというところであります。
東京五輪開催について②
(大高・NHK記者)
一番最初の質問のオリンピックの話にちょっと戻らせていただきます。感染防止対策等は、貴重な社会活動の両立という位置づけで、オリンピックの開催が望ましいというご意見だとは思うんですけれども、知事の中に、感染状況によっては延期または中止という選択肢もあるとお考えなのか、もう開催することが望ましいという方に寄っているのか、その辺の温度感を教えていただけますか。
(知事)
これは私も報道を通じてしか状況が分かってない部分がありますので、あまり固まった意見ということではありませんけれども、昨年来の経過からしますと、なかなか再度の延期というのはいろんな意味で難しいのではないかということを、関係者は判断としてお持ちじゃないかと思います。
そういう意味では、そこが仮に道がまだ開けるということであれば、再度の延期というのが国民の皆さんからすれば最大公約数的には意見が集約をされやすい選択肢ということだと思いますけれども、恐らく組織委員会もそうでありますけれども、直接準備にかかわっておられる当事者の方々からすると、なかなか現実問題、再度の延期という選択肢は難しいという中で、何とか7月に設定をしている今の予定の日程の中で、感染防止策をとりながらできないかということを最大限追求されているし、もし仮にこれ一般論でありますけれども、そこで環境がいろんな面で整わないということであれば、そこはもう中止ということしかないという、いわば背水の陣というふうなことで、組織委員会の方々を中心とした関係者は準備に臨まれているのではないかというような受け止めを、私自身としては報道等を通じて、見守っている状況だとお受け止めいただきたいと思います。
ワクチン接種について②
(大高・NHK記者)
分かりました。あと1点、簡潔に伺いたいんですが、ワクチンについてなんですけれども、先ほど場合によっては、国立病院などにも医療従事者の確保を打診するというお話ありましたが、他県で見られているような歯科医師会への打診だとかというのはお考えでしょうか。あと、その接種会場についてなんですけれども、県営の接種会場の設置なども考えているのかどうか教えてください。
(知事)
まず後者については、特に大都市圏などでは、そういった県レベルでもいわゆる大規模の集団接種の場を設けるというのは一つの選択肢だと思いますが、県内に関していいますと、34市町村のうち、30市町村までは一応7月中の接種が現段階で見通しが立っているということでありますから、県として必要なサポート、補完的な役割を果たすとすると、なかなか今見通しが立ってない4市町村もそうですし、今ある程度見通し立っているといわれているところも含めて、医療従事者の確保を市町村で行う際に、そこに医療従事者の紹介をしたり派遣をしたりというようなところでサポートをしていくということが、県として求められている役割ではないかなと。県自身が別途医療従事者を確保して別の場所をつくる、会場をつくるというよりは、市町村が行うところに足りないといわれている医療従事者を紹介をしていく、派遣をしていくというところを優先をして対応したいと考えています。
それから歯科医師等については、まだ具体的に担当部の方から、相談を受けている状況ではありませんけれども、いろんな今からのその医療従事者の確保の検討の中で、フィジビリティがある選択肢ということになってくれば、当然県としてもそういった対応も含めて、検討したいと考えています。
東京五輪開催について③
(中田・高知民報記者)
東京五輪ですが、国会の審議で行われてたんですけど、要は47都道府県知事がその感染状況によらずともやりますか、どうしますというアンケートか何か、意向調査みたいなものがあって、それには高知県知事も含めてお答えしてると思うんですけども、そこのお答えはどういうものだったか。
(知事)
これは毎日新聞さんから確かアンケートがありまして、選択肢がかなり限定的だったということがありまして、1番の選択肢が「感染状況次第で中止、延期にすべきだ」と考えるか、それか2番目の選択肢で「感染状況にかかわらず開催すべきだ」、その他の選択肢が「すぐに中止、延期にすべきだ」、第4が「分からない」、この4つ選択肢がありまして、そのうちから一つ選べというような選択肢でありましたんで、答えから言いますと、この4つの中には私自身の気持ちにぴったり合うものがなかったので、その他ということで回答したと。
ただいま申し上げましたように、できる限りの感染防止対策を講じて開催ができるということを期待してるし、そういう努力をしてもらいたいというところと、ぴったり来る選択肢がなかったというのが、このアンケートに対しての私の答えであります。
東京五輪開催について④
(中田・高知民報記者)
ただ、その知事のおっしゃってるのも、感染状況がいかなる感染状況であってもやるべきだというお考えではないというお話ですよね。
(知事)
もうこれは感覚的な話になります。確かに今、特に関西圏では医療の状況大変ひっ迫をしていて、ご自宅で残念ながら亡くなられるような方も出ているということではありますけれども、そうは言いましても、多分これは国民の皆さんの皮膚感覚もそうじゃないかと思いますけど、プロ野球とか、ある程度多くの観衆を集めて行われるようなスポーツのイベント等についても、場合によっては無観客であったり、あるいは人数限定であったりというようなことで開催はなんとかされている、あるいはできているというような状況でもあるわけでありますので、そうした環境の中で言えば、もう皮膚感覚として工夫の仕方次第ではオリンピックの大会も、それは決して望ましいと言ってるわけではないですが、無観客というような選択肢も含めて考えれば、全くできないというわけではないんじゃないかなというようなのが、今現在の感覚じゃないかなと思っておりまして、それすらもう一般的なスポーツのイベントとか、もう開催の余地がないというほどに深刻な状況になっているというようなことになれば、それはもう恐らくオリンピックの開催自身、あるいはこれ相手の話もありますから、諸外国がもう日本には選手を派遣できないと、要は揃わないと、国際的な大会の場として成立しないというようなことがもう確実ということになれば、これはもう少なくてもこの7月の予定された期日の開催というのはできないという状況に至るというのは一つのシナリオ、あり得るシナリオではないかと思っております。
(中田・高知民報記者)
そのプロ野球とかと違って、外国から大量の方が来るということについての不安ということだと思いますけれども、国民の方の感覚、そこは違うと思いますが、分かりました、ありがとうございました。
ワクチン接種について③
(清野・朝日新聞記者)
ワクチンの接種についてなんですけど、今全国的に何か自治体の長だとか有名な企業の人が、本来は接種対象じゃないのに先に接種したりとか接種してもらおうとかという、圧力かけたりみたいな報道がポツポツ出てますけれども、こういった動きについて、知事としてどうお考えですか。
(知事)
ワクチンの接種については、一般的なルールが、国の方から優先順位についてルールが示されておって、医療従事者の方々から始まって、高齢者の方、今そこの段階ということだと思いますが、続いて持病のある方、一般の方という形で順次優先度に従って進めていくというのが大原則ということだと思います。
ただ一方で、例えば離島のように配られたワクチンを無駄にしないというような観点から、これは別の切り口から高齢者の方々に接種した残りのワクチンを活用して、一部例外的に一般の住民の方々にも先行的に接種をする場合はあり得ると、今のところ大きな流れだと思いますので、その大きな流れに沿って対応されるべきということだと思っています。
ご質問ありましたのは、一部の市でいわゆる有力者といいますか、市政に貢献がある方、いわゆる高齢の方だったというようなことだったと思いますが、特にその予約の順番について便宜を図ってほしいというようなご要請があって、それに応じたというようなことだと思いますけれども、ただ、それ自身、その市の方でもこれは適切ではなかったということで陳謝をされたと伺っておりますので、、ワクチンの本来的な予防接種の優先順位だとか、ワクチンの接種そのものの中での先ほど申しました例外的な離島でのルールとか、そういったルールからも説明ができないような形で、一部の方に便宜を図っていくということは行われるべきではないと思っております。
高知県高校体育大会選手への簡易検査ついて③
(大山・高知新聞記者記者)
先ほど質問のあった県体の検査の件について、ちょっと1点補足でお伺いしたいんですが、なるべく受けてもらうように強力に協力を要請するということだったと思いますが、とはいえ、抗体検査の場合PCRより誤差も大きいですし、スクリーニングということなので、この後PCR検査を行ってという形になるんだと思うんですが、そのPCR検査をどうやって受けるのかとか、誰の費用で受けるのかとか、そういう細かい点というのはもう決まってるんでしょうか。そこがはっきりすれば、比較的協力しやすい面もあるかと思いますし、PCRについては公費でやるのかとか、どんな形でやるのかというのは今の段階で決まってるんでしょうか。
(知事)
私が報告受けておりますのは、簡易キットで陽性が出た場合には、市中のいわゆる検査協力医療機関を受診をしていただいて、それはいわゆる衛生研の検査ではなくて、民間委託の形にはなりますけれども、ただ、検査協力医療機関の方でやっていく以上は、一種の行政検査、費用は行政持ちという形になってきますので、そうした形で個人の方でご負担をかけるという形ではなくて、さしていただくという方向で、医師会にもご協力をお願いをしているというふうに報告を受けております。
コロナ感染拡大に関し、他県からの協力要請について
(大山・高知新聞記者)
細かいことで恐縮なんですけど、一応医師の判断、症状を見て医師が必要だと判断すればもちろん行政検査になると思いますが、抗体検査の場合、無症状で陽性の場合もあるかと思います。ただ、この場合は、公費でPCR検査を受けれるような形にされるということですか。
(知事)
ちょっと細部について私も今自信が必ずしもありませんけれども、ただ、医師の判断といったときに、その症状といったものがあれば典型的だと思いますが、それ以外にいわば外形的に感染を疑わせるいろいろな兆候なり要因があれば、そこは医師の判断のもとで検査が必要という判断がされるということはあるということだと思いますので、そうしたようなケースの一つとして扱っていただきたいということを医師会の方にご相談をして、ご協力をいただけるような方向だというふうに私は理解しております。
(大山・高知新聞記者)
あと1点、全国的に、先ほどから知事もおっしゃられているように感染が拡大しています。一方で、高知県内というのは一定落ち着いている状況で、他県を見ると感染が比較的落ち着いている状況にある県に対して、感染が拡大している隣県から例えば協力要請、病床の提供であったり、例えば人材の提供であったりといういろんな形があるかと思いますが、高知県からも西宮市に派遣をされているかと思います。それ以外で例えば要請があるのか、今後実際に決まっている予定があるのかというのを教えてください。
(知事)
具体的に患者さんの受け入れという案件については、少なくとも私報告を受けてませんので、具体的に要請があったかどうかは私も把握はしておりませんけれども、仮に具体的な要請があれば、その時点で検討をさせていただくということだと思いますし、現状では、どちらかというと看護師さんとか保健師さんの派遣要請があり、これは看護師さんなり、特に保健師さんの方のある意味スキルアップという点からして、本県の方の立場から見てもメリットといいますか、そういったものも考えられるという形になりますので、それについては県内の体制が許す限りはできるだけ応じていこうと。一般論としていろんな協力要請ですね、本県もその南海トラフ地震対策なども考えましたときに、ひと言で言うと「情けは人のためならず」ということだと思いますから、県内の事情が許す限りはできる限り前向きに検討して、対応を考えるようにと指示をいたしているところであります。
緊急事態宣言延長について②
(大山・高知新聞記者)
あと1点、すみません。最後に、ざっくりした質問というか、緊急事態宣言が出された中で延長されるような形で、知事も先ほどからおっしゃっているように、思ったような効果が出てないというのが現実的にあると思います。この要因というのは、もちろん変異株が出てきたというのあるかと思いますけれども、例えば政府の発信の仕方、施策に問題があるとお考えでしょうか。
(知事)
やはり一つは、変異株という未知の要素があるというのは現実にあると思いますけれども、それ以外にはいわば心理的なものというんですかね、先ほど申し上げました俗にいわれる言葉でいいますと、宣言慣れであったり自粛疲れであったり、そうしたところがあるんではないかというふうに考えております。
具体的な例として申し上げると、例えば劇場とか映画館に休業なんかの要請が報道されておりますけれども、ある意味この1年間で、国民の皆さんもいろんなことを学習をされた中で、クラスターが起こったりとか、現実に感染のリスクが高いところならそれはそれで納得できるけれども、そうでなくて単にいわゆる人流をとどめるだけの手段として、2、3歩手前のところで網を張るというようなことであれば、そこはそれほど、感染防止というところから見たときに、効果が限定的ではないかというようなかなりシビアな見方をされる方も、かなり以前に比べれば出てきてるんではないかというような雰囲気といいますか、空気といいますか、そういうものは私自身若干感じてはいるところであります。
(大山・高知新聞記者)
それは出し方に問題があるんでしょうか、それとも国民の行動に、認識に問題があるんでしょうか。
(知事)
それは行動、国民の行動ということでは必ずしもないと思いますけれども、これは今までの経験の積み重ねの中で、そうした見方がある程度広がりを見せているということ、そういう問題なんではないかというふうに思っています。