公開日 2022年04月01日
(令和4年4月1日 (金曜日) 正庁ホール)
令和4年度の新規採用職員への辞令交付式にあたりまして一言ご挨拶を申し上げます。
皆さま方には本日付での高知県へのご奉職おめでとうございます。奉職という少し聞き慣れない古めかしい言葉を使いましたが、奉職の奉はただ今宣誓いただいた全体の奉仕者としての奉仕の奉であります。ただ今宣誓いただいたように一部の方々のためではなく、県民の皆さま全体への奉仕者として誠実かつ公正に職務を遂行し、本日宣誓した初心を忘れることなく、県政推進のために尽力いただきたいと思います。
本日付けで新たに採用されました職員の皆さまは148名になります。試験の区分でいいますと30の区分にわたっており、いろいろな専門分野や経験をお持ちの方々が県庁の職員の新たな仲間として本日加わっていただいたことを大変うれしく思います。一方、皆さまの中には学生から今回初めて社会人として本格的に仕事をされる方も多いと思います。社会人としての基本となる挨拶や時間厳守といった基本的なルールやマナーを始めとして、皆さまは組織人として仕事をすることになりますので、皆さまの判断や言動が県民の皆さまお一人お一人にとっては、県としての判断であり、県としての方針であるというように受け止められることになります。このため、是非、上司の方あるいは同僚の方とのいわゆる報連相、報告・連絡・相談はまめにしていただいて、組織として仕事をしていくということを意識をしていただきたいと思います。また仕事をしていく上での基礎知識やベースとなる例えば地方自治や会計事務などの制度についての最低限の知識は早く身につけていただきたいと思います。それを含めまして仕事の仕方といったものを、早く身につけていただければありがたいと思います。
また、その上で私が県政運営の基本姿勢としている点についてお話をさせていただきます。
私は令和元年12月に就任以来、「共感」と「前進」という二つの言葉をキーワードとしてこれを県政運営の基本姿勢としたいと申し上げているところです。その意味しますところは、県政が県民の皆さまのために行われるものでありますから、県政推進にあたりましては、県民の皆さまとの対話を通じて県民の皆さまの共感がいただけるような県政運営を目指したいということと、そして施策の実行を通じまして高知県の様々な課題の解決に向けて一歩でも二歩でも前進していけるそんな県政でありたいとそういう願いを込めたものであります。
そのために常日頃の仕事において心がけてもらいたいことを、5つのキーワードでいつも申し上げておりますのでこちらも簡単に説明したいと思います。
県民の皆さまの共感を得られる県政運営のために何が必要かと考えますと、5つのキーワードのうち1つ目は「透明性」ということだと思います。説明責任と言い換えることができるかもしれません。県庁が全体として何を考えているかということについて県民の皆さまにわかっていただくためにしっかりと説明していくことが必要だと考えています。特に、いわゆる不祥事が生じた時など、県としての考え方をしっかり説明し、県民の皆さまにわかっていただくということが県民の皆さまの信頼を得ていくために是非とも必要な第一の条件であると思っています。
2つ目のキーワードとしては、「想像力」ということを申し上げています。県民の皆さまが県政に対して今何を求めているかについて想像力を働かせ、それにお答えをしていくように先手を打って施策を行っていくということ、これは県民の皆さまに限らずいろいろな仕事のカウンターパートと交渉をしていく際にも相手方が何を考えているかということをよく想像し、それに先手を打っていくことは成果を得ていくために大変大事なことだと思っています。そうしたことで県民の皆さまの共感を得る県政を実現していきたいということであります。
そして前進をしていく県政のために何が必要かということが3つ目のキーワードになりますが「使命・ミッション」ということを申し上げています。前進をしていくためにはどちらの方向に向いていけばいいかという座標軸が必要です。その一番基本となるのが自分の仕事は何のために行っているのかということを、絶えず問い直していただくということだと思います。その上で、自分の仕事の使命・ミッションを実現するために、今の自分の仕事のやり方が最善かということを、絶えず見直しをしていくという過程をもっていただきたいと思います。
そして、4つ目のキーワードが「進化」になります。時代は絶えず激しく動いております。行政は前例踏襲主義と言われますけれども、前例と同じことをやっていくだけでは時代の変化についていけません。行政も時代の変化に応じて進化をしていくということが4つ目のキーワードとして心がけていただきたいと思います。
そしてそのためには5つ目のキーワードとして「挑戦」ということを申し上げています。
こうした進化を遂げて新しい課題に対応していくためには前例踏襲だけではできません。前例踏襲した方がある意味楽ではありますけれども、リスクをとって新しいことに挑戦していくことが進化のために必要なことと考えています。こうしたことを常日頃頭に置きながら行政を行っていただきたいと思います。これは幹部職員の皆さん中心に常日頃から言っております。
また政策の中身についても少しお話をできればと思います。
ここ二年間は新型コロナウイルス感染症の対応で全世界が翻弄されているといっても過言ではないと思います。県の行政も感染防止対策や経済面への影響対策といったところに幾度となく訪れる波に対応する形で追われてきたといったところが正直なところであります。現在も第6波の感染が必ずしも収束が見通せてはいないという状況でありますけれども、現在の基本的なスタンスとして申し上げておりますのは、感染防止対策はしっかりと講じていくとしても、あまり日々の新たな感染者の数に一喜一憂するのではなく、ある程度の感染の発生は盛り込んだ上で社会経済活動もしっかり回していく、この両立を図っていくことをやっていこうという立場で対応していこうということで取り組んでおります。そしてコロナとの共生、いわゆるウィズコロナの時代に入っていると言っていいと思いますが、さらにアフターコロナの時代も展望いたしますと、この新しい時代に対応する時代の流れを的確に捉え先取りをして県政の進化を図っていかないといけないということに今一所懸命取り組んでいるところです。
この時代の流れとして3つあります。1つはデジタル化、2つはグリーン化、3つはグローバル化と私は申し上げておりまして、こうした時代の流れを先取りして、是非この一年は次の時代への新しい扉を開く、そうした節目の一年にしたいという思いで新年度スタートしております。冒頭申し上げましたように、皆さまにはまずは県庁の仕事の仕方を見つけていただくということが第一だと思いますけれども、できるだけ早く一人前の戦力となって、県民の皆さまのために、そして豊かな元気な高知県の実現のために新しい取り組みへ挑戦していく高知県庁の一翼を、是非早く担っていただくように心より期待をしております。皆さまどうかよろしくお願いします。