令和4年5月27日 知事の記者会見

公開日 2022年05月31日

1 政府のマスク着用に関する新方針について
2 公共交通のあり方について
3 JR四国について①
4 JR四国について②
5 モデルナワクチンの廃棄について
6 4回目接種について
7 参議院議員選挙について①
8 参議院議員選挙について②
9 参議院議員選挙について③
10 マイナンバーカードと健康保険証の統合について①
11 マイナンバーカードと健康保険証の統合について②

冒頭説明資料一式[PDF:500KB]

(司会)
 ただ今から、知事記者会見を始めさせていただきます。冒頭に知事から新型コロナウイルス感染症の現状等について説明があります。

  (知事)
 最近の県内における新型コロナウイルス感染症の状況につきまして、私から報告と県民の皆さんへのお願いをさせていただきたいと考えます。
 まず、5月の連休の終わりからの3週間を1週間単位で見ますと、横ばいから、ここ1週間は前週に比べまして3割近く減少ということになってきておりますので、一言で申しますと、5月の連休の人出の増を受けまして 感染者がかなり増えておりましたけれども、ここ1週間は減少に転じてきている。連休の人出が連休明けに落ち着いたことを反映して、感染者数も落ち着いてきていると言えると思います。
 また、医療のひっ迫度合いを示すための指標として重視しております、病床の占有率ですが、これも、最近の数字は今日の速報値で16.6%という水準になっております。
 連休中の人出の増に伴います感染者増に伴って、この率も今月18日には23%まで上がっておりましたけれども、ここのところ落ち着いた動きになって低下傾向で来ているということですので、全体を通じまして連休後の人 出の減少を反映した形で、感染状況も落ち着いてきていると言えると思います。
 ただ、細かく中身を見てみますと、感染者の中でも中等症の方の数はやや増えてきているということ。そして、感染者の中で70代以上の高齢者の方の減り方が全体の減り方よりはやや少ない。相対的に見まして、70代以上 の高齢の方の感染の比率が、むしろ若干高くなってきている点など心配な材料がないわけではありませんので、県の対応ステージは、警戒にしたいと思いますので、引き続き十分な警戒を県民の皆さんにはお願いしたいとい うことです。
 警戒の判断の根拠となります各種の指標、最も重視しておりますベッドの占有率は、16.6%。特別警戒ラインが25%で、一時期、先週これが23%ぐらいまで上がり、25%にかなり近づいたわけですが、ここ1週間は、むし ろ低下傾向にあります。
 その他、直近2週間の感染者数も3割ぐらいの低下傾向になっています。
 ただ、3割減というほどには、70歳以上の高齢者の感染者数の減り方が大きくないところが要注意ということではないかと考えております。
 クラスターの状況は、2週間単位で見た時に、前の2週間よりも件数は48件と増えてきております。中身を見ますと、医療機関や高齢者施設は、数からいうと横ばいですけれども、特に増えておりますのは乳幼児の施設。 そして、学校での感染人数が増えています。
 特に乳幼児の施設に関しては、今回、県民の皆さんにメッセージを申し上げますけれども、特にお願いしたい点について、改めて確認的にお知らせをし、お願いしたいと考えております。
 これは人出のデータです。夜間の繁華街、高知市のはりまや橋付近の人出を示したものでして、皮膚感覚的に人出が多かったというところが、この5月の連休、山で示されていると思います。いろいろお聞きをする範囲で 言いますと、特に県外から若い方が来られて、夜間も人出が増えたことは、大体想像にかたくないところでして、そういった流れがこの1週間、2週間後に感染者の増につながっているのであろうと。
 連休後は、大分下がってきて基準値よりは若干上になりますけれども、連休の時のピークに比べれば落ち着いてきていると。
 このことが、今週の感染者数の減につながってきているのではないかと推測しているところです。
 これらを踏まえまして、県民の皆様へのお願いにつきまして、今回、1ヵ月更新しまして6月末まで、対応ステージの警戒は変わりませんし、基本的な感染防止対策をしっかりお願いしますというメッセージについては、 考え方において特に変わる部分はございません。
 マスク着用の考え方については、国の考え方が新たに示されましたので、これを踏まえて県として整理したものを後ほど申し上げますとともに、トピックスとしては、今月末から、県内においてワクチンの4回目接種が始 まります。
 3回目から5ヵ月以上経過した方に対しまして、特に60歳以上の方には努力義務があり、それ以外にも基礎疾患をお持ちの方については、推奨されることですので、接種券がまいりましたら、速やかに接種をお願いするこ とを、今回付け加えさせていただいたということです。
 マスクの着用の考え方につきまして、今週動きがありました。
 先週から国の事務連絡なども来ていたわけですが、今週頭に専門家の検討の動きを踏まえまして、国の基本的な対処方針も改定されたということがあります。
 これに沿って、県としても今後の対応を説明していくことになると考えておりますので、これは、国の対処方針を簡単にまとめ直したものですが、説明させていただきたいと思います。
 まず、大前提として基本的な感染対策としまして、マスク・手洗い・三密回避と言いますように、マスクの着用の位置づけは引き続き変わらず重要だということはあります。
 今回、国の新しい基本的対処方針の特色は、今まで明示的には言及されたことがありませんでした、マスクの着用が必要のない局面について、いくつか典型的な場面を取り上げて明示されたことが最大の特色だと考えてい ます。
 屋内でも距離が十分2m以上確保されて、会話をほとんど行うことが無い場合には、マスクの着用は必要ありません。
 また、屋外におきまして2m以上の距離が確保できる場合は必要はないと。
 そして、距離が確保できない、すれ違うようなことがあっても、会話をほとんど行わないような屋外の場合については、マスクの着用は必要ない。この大きな三つのケースについて場合分けをして、マスクの着用の必要な い場合を明らかにされているということです。
 ただ、これについては、全く新しいことを国が打ち出されたというよりは、今まで黙示的にといいますか、こういった中身については、ある意味、示されていたといいますか、談義がされていたところを明確に文言をもっ て、必要がないケースということで明確化された側面が大きいのではないかと考えています。
 もともと、新型コロナウイルスは、会話などの時の飛沫感染だと言われていますから、やはり会話の時にマスクを着用する必要があるということですとか、三密回避、密閉・密着・密接、こういったところでは感染が起こ りやすい。これはいわゆるエアロゾル感染などもあることだと思います。
 そういった意味で、三密の局面ではマスク着用が推奨されるということは、逆に言いますと、三密の環境にない時には、マスクの着用の必要性が低いことは、ある意味、理屈の問題としては、皆さんに意識はされていたこ とだと思います。
 今まで、比較的マスクの着用の必要性が低い場合について、今回、明確な定義付けをして、こういったケースでは着用の必要がないということを国として明らかにされたということだと思います。
 このタイミングでということについては、いろいろな議論があるかもしれませんが、一つは、熱中症などが心配される夏の時期だということもあろうと思いますし、そういう時にマスクの着用を無理強いするのは、無理が あるのではないかという話もあろうかと思いますし、もう一つ、あえて申し上げれば、社会全体として社会経済活動の回復を進めていこうという局面にあることも踏まえて、この際、諸外国の動向なども睨んで、マスクの着 用が必要ないと考えられる場合を明確に国民の皆さんにお示ししていこうという国の意思が表れたのではないかと、私としては受け止めているところです。
 今回、特に確認的に新たに掲げさせていただいたのが、乳幼児施設についてのお願いです。これについて、できるだけ少人数のグループに分割するとか、大人数での行事はできるだけ控えるという点、あるいは発熱の症状 があるお子さん、あるいは職員については、登園しないといった中身について、これは今まで国の基本的対処方針でも明記されていた中身でありますけれども、改めて、特にここ2週間単位で見ました時に、乳幼児施設にお きますクラスターの件数が急増していることもありますので確認的に、県民の皆さまへのお願いの中でも、明示した方が良かろうということで、今回、書き込みさせていただいた中身です。
 私からは、以上です。よろしくお願い申し上げます。

 (司会)
 それでは、幹事社質問をよろしくお願いいたします。

 政府のマスク着用に関する新方針について
(伊藤・NHK記者)
 政府から示されたマスク着用についての方針について、知事のご所感をもう少しお伺いしたいと思います。

 (知事)
 今回、国の新しい方針が示されましたけれども、基本的な部分として感染防止の基本対策として、マスクの重要性は続いていると思います。
 ただ、今までどういった場面でマスクを外して良いのかというところについては、あまり国として明示がなかったわけです。
 むしろ、この表裏で言いますと、裏側から話をしていたと言いますか、特に飛沫感染防止という点から、会話の時はマスクをとか、三密の環境の時は、リスクが高いからマスクをという言われ方をしておりましたけれど も、逆の言い方をすれば、会話をしない時や距離が取れる時は、マスクはいらない、比較的マスクの必要性は低いのではないかということは、ある意味、我々も暗黙の前提としていろいろな話をしてきていたわけです。
 その点、ただ国が明確に語っていなかったところを、今回2mという数字も示した上で、着用が必要ない場合を明示されたところが新しい部分だと思います。
 その点の意義は、これは国の意図ですから推測になりますが、一つは今から暑くなって熱中症の時期でもある中で、どこまでマスクの着用が必要かということに、改めて国民の皆さんの関心が強まっている時期でもあろう かと思います。
 私自身の受け止めとして大きいのは、諸外国の状況も含めて、感染状況が落ち着きを見せつつあると言えるかどうかは別ですが、感染者数で見れば、全国的に見ても減少基調で、ある意味、楽観的かもしれませんけれど も、ウイズコロナという状況で軟着陸できる方向に向かいつつある状況を背景にして、社会経済活動を回していく必要からしても、マスクの着用が必要ない場合、逆に言えば、引き続き、マスクの着用が推奨される場合はこ ういう場合ということを明確にすることです。
 そういった点を今まではある意味、大事を取って、あまり着用の必要のない場合について、国が自ら言及することは避けていたのではないかと思いますけれども、大事を取って、いつでもマスクをしていた方が念のために は安全だというスタンスから一歩踏み込んで、より冷静に、客観的に相対的にリスクが低い場合は、着用の必要がないと。
 そういう意味では、社会経済活動もそういった考え方に沿って行っていただければ、足りるということを示す意図だと考えます。
 その考え方自身は、我々としてもよく理解できますので、我々もいろいろな機会に国の考え方に沿った説明を県民の皆さんにしていきたいと考えております。

 公共交通のあり方について
(小林・毎日新聞社記者)
 公共交通のあり方について質問します。JR四国は、先日、2017年度と2020年度の路線別の収支状況を公表しました。コロナ禍の影響もあってほとんどの路線が軒並み赤字。
 特に予土線については、非常に営業係数が悪いという数字が示されていました。
 県内では、JR以外でも、土佐くろしお鉄道、とさでん交通がやはり人口減少とコロナ禍によって経営が非常に苦境に陥っている状況にあります。
 改めて、この公共交通網を維持していくために、自治体としてどのような支援を考えていらっしゃるか、ベースになるお考えと具体策について教えていただければと思います。

  (知事)
 今回JR四国が路線別の収支の状況を示されました。
 ただこれは、お聞きしているところでは、路線の存廃という議論と直接結びつけようというものでは必ずしもなく、路線別に見た時に、利用促進の取り組みを進めていく必要がどの地域で多いのか、あるべき交通体系がど ういったものかを、よりきめ細かな議論をするための情報開示という位置付けだとお聞きしているところです。
 こういう主旨も理解いたしまして、これまででも県は沿線の市町村と共に、公共鉄道ネットワークのあり方の懇談会ですとか、特に予土線に関しましては、具体的に予土線の利用促進の対策協議会などを組織して、JR四 国、あるいは自治体などの関係者と、利用の促進、活性化に向けた取り組みを行ってまいりました。
 例えば、バスと鉄道との接続を改善して、乗り換えをしやすくするダイヤにしていくようなことや、観光列車の運行といった取り組みも行ってまいりました。
 こうした取り組みをさらに進めていく観点から、今、検討の対象としていますのは、コロナ後の自然体験型観光を、特に予土線の沿線の中でどう取り込んでいくか。
 そして、国でも方針が示されました、インバウンド観光の回復を、沿線でどう取り込んでいけるのかというところからの検討を鋭意進めていきたいと思っております。
 JR牟岐線では、JRの切符で同じ区間のバスにも乗れるといった取り組みもされていると聞いておりますから、こういったものを予土線のエリアでも実施できないかといった検討。これは関係者の皆さんと今から相談し ていくということですが、具体的にはこういった取り組みなどを念頭に置きながら、関係者間で議論を進めていきたいと思っています。
 また、JR四国と同様に地域の公共交通という意味では、これは県内完結型にはなりますが、土佐くろしお鉄道であったり、とさでん交通、これまた、人口減少なども元々ある上に、コロナが追い打ちをかけている状況で 厳しい経営状況にあることは、我々も認識をしております。
 また、土佐くろしお鉄道、とさでん交通、いずれも経営につきましては、中期の経営計画を策定することを通じて、さらに利用促進なども含めて経営改善の努力をしていくことを意図されておりますから、県としまして も、そういった事業主体の取り組みを踏まえまして、公共交通の維持という観点から、これは今までも沿線の市町村と共同で、財政的な支援ということでやっておりますけれども、今後の具体的な方策は、また、市町村とも 相談をしなければいけませんが、必要な公共交通機能の維持という点については、大きな総論で、市町村との間でも特に異論はないと考えておりますから、そうした観点で、県として何をしていくべきかということについ て、引き続き議論をし、実行していきたいと考えております。

(司会)
 それでは、各社からの質疑に移ります。質問される方は、社名とお名前の発言をしていただいてから、よろしくお願いいたします。

JR四国について①
(古谷・読売新聞社記者)
 予土線、JR四国の関係でお伺いしたいのですけれど、例えば、予土線の場合、営業係数が1,401という数字が出てますけれど、これは元々JR四国が発足した当時の数字と比べても、かなり悪くなっていると思います。
 この数字に対する知事の受け止め方、それをまずお伺いしたいのと、存廃に結びつけるようなものではないというお話がありましたけれども、実際、JR西日本では営業係数の数字が、当然、存廃に向けての協議の前段と して出ている実情もあるのですけれど、この予土線を含めた路線の廃止への危機感は、全くお持ちではないという理解で良いのでしょうか。
 あと、今の状況を踏まえて、今後、JR四国にどういうことを直接呼びかけていきたいというお考えなのか教えてください。

  (知事)
 予土線の営業係数、非常に悪い点は、これはもう事実として、そういう数字が出てるのは確かです。
 ただ、いわゆる赤字の絶対額で言いますと、むしろ土讃線の区間の方が赤字が出ていることもありますので、いわゆる係数で見た時の突出した赤字の印象ということと、経営上のインパクトというところは、もう少し冷静 に切り分けて考える必要もあるのではないかという考えも持っております。
 ただ、やはり基本としては、鉄道というのは路線ごとに切り刻んでというよりは、全体としてのネットワークを形成しているところに大きな価値があることだと思っておりますから、予土線をパーツとして見た時に、かな り収支の係数が悪いのは事実ですけれど、予土線があって四国全体のJRはつながっているということですから、そういったネットワーク形成の中での予土線の重要性は、しっかりと加味して議論していただく必要があるの ではないかと考えております。
 そうは言いましても、全体的に、国交省がいろいろな鉄道の、いわば地方路線の存廃ということも念頭においた検討会を立ち上げて議論を進めていることも踏まえて、JR四国は以前からこういった形で収支係数を出して おりますけれども、最近、JR西日本や東日本各社が、特に利用度が低い地方路線の収支状況のデータを開示してくる動きがあります。
 そうしたことに、ある意味、特に危機感を覚えられた、数としてはJR西日本の管内の知事が中心となって呼びかけられて、特にこういった地方のローカル路線の存廃という議論が進められようとしている中で、一言で言 いますと、国としてしっかり責任を果たしていくべしということについての緊急提言もされておりまして、私もそれは全く同感で名を連ねさせていただいております。
 特に、JRということで申しますと、発足以来30年以上の月日が経過しておりますが、元々は国鉄改革をやった時点で必要な路線といいますか、基本、営業している路線については維持していけるというスキームの中で、 特に経営環境が悪い四国については、一定の基金を持たせて、その運用益で収支をつぐなうような形でもっていく設計の下に、分割民営化の改革が行われたということです。
 その後の低金利のような状況もあって、当時、描いた絵図面のとおりに必ずしもなっていないことは、事実ですが、その恩恵はいろんな形で、これに加えての、JR四国へのかなり手厚い支援というものも年次を区切って されていることだと思います。
 当面はその支援の効果を見極めていくというのでしょうか、そういったところが当然の対応になろうかと思います。
 さらに国で、そこを一歩進めて路線別に存廃といった議論を詰めていく局面に入ってくるとしたら、今回の緊急提言でもされましたように、そもそも、国鉄の分割民営化の時の設計がどうであったかという検証の部分と、 特に都道府県境をまたがる交通の確保は、国のいわば基本的な責任領域だと私は思っておりますから、そういったものについての国としてのしっかりとした責任を果たしていくというところをセットで、地方に向いてどのよ うな支援策を講じていくのか、あるいは、国の財源措置はどうあるべきかというところの議論がされていくべきだと思っております。
 そういった観点から、この議論についてはよく注視し、また関係の知事とも連携して、国に対して、個々に予土線がどうこうということの前段として、そういった議論が先行していくという気配もある状況ですから、知事 会の場など通じてよく議論をして、国に働きかけを行っていきたいと思っております。

 JR四国について②
(古谷・読売新聞社記者)
 JR四国という会社に対してというよりも、国として地方の鉄道を守るような支援をしっかりして欲しいと訴えていくということですか。

  (知事)
 もちろん、県として汗をかかないというわけでは決してなく、いろいろな利用促進策については、ダイヤの改善や観光振興といったところで、できる限りの対策は取ってきたし、今後もそういった努力はしていきたいと思 っております。
 もっと構造的な問題が恐らくベースとしてはあると思いますし、国も恐らく全国的なそういった動きをにらんで、いろんな仕掛けを考えてこられることだろうと思いますから、そういったものはしっかりと捉えて、ベース の議論の土台になる部分として、各県と連携して対応を考えたいと思っております。

 モデルナワクチンの廃棄について
(玉井・高知さんさんテレビ記者)
 モデルナワクチンの使用期限を迎えたものが県内で6万回、廃棄されることになりました。仕方がないとは思うのですが、その受け止めと、これから4回目接種が本格的に始まります。
 ためらっている県民に、モデルナワクチン接種推進に向けた声掛けをよろしくお願いします。

  (知事)
 ワクチンの接種に関して言いますと、モデルナワクチンが3回目接種に向けては、国の供給のワクチン種類別で見た場合は、むしろ主流になってきていたわけですけれども、1回目、2回目の際にはファイザーが中心で、 3回目接種においてもファイザーになじみのある方は、どちらかといいますとファイザーを嗜好する傾向が多かったということ。
 さらにはモデルナ製は、特に若い方にかなり強い副反応があるという状況も言われたことがあって、両方が選べる環境の中では、端的に言えば、モデルナの方があまり人気がなかったという状況がありました。
 今回、かなりの量を処分することになった背景には、そういったことがあると考えています。
 この点は、我々も精一杯努力をしましたし、国に対しても3回目の交差接種の有効性であったり、安全性であったりのPRをいろいろな手を尽くして行ってきたつもりですけれども、その点が必ずしも、この大量廃棄を防 ぐまでには至らなかったことだと思います。
 今後4回目に際しましても、引き続き会社別でいえば、モデルナ製を活用していかないと4回目の接種を進めていくところが、スムーズに進まないと思いますから、ある意味、これまで以上に国にも働き掛けをして、モデ ルナ製を用いた接種の有効性、安全性についてのPRをしっかりしていかなければいけないと考えております。

 4回目接種について
 (玉井・高知さんさんテレビ記者)
 4回目接種にあたって、モデルナ製に対する知事の理解を含めて、4回目の接種推進が多分、今後の課題だと思うので、県民に向けた4回目の接種を呼びかけるメッセージとしていただけないでしょうか。

  (知事)
 連休後の新型コロナウイルスの県内の感染状況、あるいは全国的な状況、一定落ち着く方向性は見えてきておりますけれども、今後に関して言うと、さらなる変異株の登場の可能性等々も心配されている中でもあります。
 また、専門家の見方によりますと、やはり、ファイザー、モデルナ社製のワクチンは、接種後一定期間を経過しますと、だんだん効果が減ってきてしまう中で、特に60歳以上の方、あるいは基礎疾患をお持ちの方に関して は、ワクチンの4回目の接種の有効性が認められるということで、特に60歳以上の方には努力義務も課して推進していこうというのが国の考え方として整理されているわけです。
 私どもとしては、そういった国の考え方をしっかりとお伝えして、県民の皆さんに今後のさらなる感染拡大防止という点を視野に入れて、接種券が到着しましたら対象になる方は、ぜひ積極的に、早めに接種をお願いした いと思っております。

 参議院議員選挙について①
(大山・高知新聞社記者)
  参院選についてお伺いします。
 現時点で3人の候補者が名乗りをあげているようですけれど、知事が応援される候補者はいるのか、あと選挙期間中に政務として応援することも含めて考えられているのか教えてください。

 (知事)
 国政選挙の場ということですから、こうした公の会見の場で、あまり踏み込んだ形で申し上げるのは差し控えるのが正しいと思います。
 と言いましても、私も選挙で選ばれた政治家の一人としまして、当然のことながら私自身の選挙を戦った際に、政権を訴えた時に共感いただいて、ご支援いただいた方々、そして常日頃、県行政を運営をする中で、県の施  策実現のために国においていろいろな形でお力添えいただいている方々、そうした方々についてはしっかり応援したいという立場ではございます。
 具体的に、何党がとか、どの方がということは申し上げることは差し控えるべきだと思いますが、今申し上げましたような基本的な政治的なスタンス、それと知事として行政トップという立場でもありますから、あまり踏 み込んだ発言は、一般的な原則としては差し控えるという中でこの選挙については対応していきたいと考えております。

 参議院議員選挙について②
(大山・高知新聞社記者)
 参院選に関係するのですが、今回の参院選も引き続き、合区で行われることになります。これまでも合区について知事は言及はされているかと思いますが、合区の固定化であったり、投票率の低さというのが懸念されると 思うのですが、その合区に対する認識、あと改めて合区の弊害を教えてください。

 (知事)
 合区の選挙は今回3回目になりますが、この参議院の選挙区の選挙というのは、長年にわたって都道府県単位が定着してきたにも関わらず、投票価値の平等という憲法上の要請という関係から合区という選択肢が取られて 現在に至っているということです。
 ただ、国会が二院政を取っている立場からしましても、衆議院について、より人口比例原則を徹底すべきということはあるかもしれませんけれども、参議院、第二院は、私としましては、本来、地方の良識の府であるとと もに、地方の府として、いわゆる団体自治としての都道府県の単位での意見の反映というところが強く求められる院ではないかという思いを持っております。
 そうした観点から憲法上の投票価値の平等との衝突で合区がやむを得ない選択肢だということであれば、これは、むしろ憲法の改正議論をしっかり進めていただいて、衆議院、参議院、二院制を取っているわけですから、 参議院については、地域代表的な都道府県の合区でない各県を単位とする選挙区制度を取るということを、正面から議論して詰めていただくというのはぜひとも進めていただきたいと思います。
 それはそうですが、現実の政治過程の中で、各党・各会派いろんな考え方がある中で、一直線にそういった方向に進んでいないのが実情だと思いますけれども、ただ、参議院の改革協議会などでの議論をお聞きしますと、 これは各会派の出口について必ずしも一致しているわけではないのですけれども、合区の在り方は必ずしも望ましくないという点では比較的、コンセンサスはあることだと思っております。
 一説では、憲法論にいく前の法律改正のレベルでも合区を解消というコンセンサスを経て、成案を経て、いわば最高裁に再度判断を問うていくという選択肢もあるのではないかという議論もされているようなこともお聞し ております。
 そういった可能性も含めて、特に今回の夏の参議院選には物理的に間に合わないことだと思いますが、3年後、さらに投票価値の平等から合区の対象が今までの手法でいくと、さらに増えていかざるを得ない時になってく ると、これは合区の問題が、今の4県の問題と皆さんに捉えられていることが、多くの県の方々から、わが事という問題になってくることでより切実な問題になってくるであろうという見通しもお聞きしております。
 そういった機運も含めて、できるだけ早期に、合区解消の方向に向けてコンセンサスが得られて、前に進んでいくことを願っております。
 今の選挙区は、とにかく実態としても高知県一つでも東西非常に広いのが、それが徳島県と一緒になって、超広大な選挙区の中で、過酷な選挙戦を強いられることもありますし、一県一代表ということに、馴染みが深いだ  けに、候補者が不在の県では非常に投票率が低くなることが、過去2回も続けて現れておるわけですので、こういったことを考えると、ぜひ次の機会には、合区解消に向けて前に進んでいくように、引き続き粘り強く訴えか  けてまいりたいと思っております。

 参議院議員選挙について③
(大山・高知新聞社記者)
 参院選の関係で、現状で内閣支持率が高水準で推移してますが、与野党にはどんな議論を期待をされますか。

  (知事)
 現状におきましては、新型コロナウイルス関係の感染状況が一定落ち着きを見せつつありますけれども、そういった中での特に社会経済活動の正常化といいますか、コロナ前に戻していくところについて、どういった青写 真を描いて議論を進めていくのかということ。
 そして、国政ですから、そういった意味で言いますと、現在のウクライナ情勢の対応を踏まえた中での国際的な安全保障の動向等といったものについて議論を行っていただきたいと思います。
 特に県政との関係で申しますと、例えば夫婦の別姓問題ですとか、国でないと本来、制度設計ができない、国政の場で議論すべき問題などについて、この機会に、しっかり議論をいただいて方向性を出していただくのが望 ましいのではないかと考えております。

 マイナンバーカードと健康保険証の統合について①
 (中田・高知民報記者)
 マイナンバーカードと健康保険証のことをお聞きします。
 政府が本年度中の方針案で、マイナンバーカードの取得を進めるために、健康保険証を廃止してはどうかという議論になっておりますけれども、ちょっと違うような気がしますが、そこはいかがお考えでしょうか。

  (知事)
 ここは大きな制度設計の議論としては、私は、一つはマイナンバーカードという制度が、もともと税と社会保障を効率的に事務処理をしていくということからスタートしていることから考えて、社会保障のサービスを受け るときの証明書として、マイナンバーカードを活用していこうということ自身は、自然な発想ではないかと考えています。
 そうした中で、今、全体の44%ぐらいですか、マイナンバーカードの普及が進んできたということですから、かなりの程度マイナンバーカードが普及してきたということであれば、わざわざマイナンバーカードと健康保険 証を別々に作るということではなくて、これは健康保険証に限らず運転免許証なども統合化していこうと流れがありますから、そういった中で、行政事務の効率化という観点から、一種の統合していく考え方自身は、私は十 分ありうる考え方ではないかと思います。
 ただ、現状、健康保険証を全く廃止して、マイナンバーカードに切り替えていくことについて、どういった問題があるのかということについては、当事者の意見などもよくお聞きして、この点をよく検証しながら、どうい った形で、この問題を解決していくのが望ましいのかというのを国において、しっかり議論していただきたいと考えております。

 マイナンバーカードと健康保険証の統合について②
(中田・高知民報記者)
 高知県もこれから保険者としても当事者にも関わりが出てくるわけですけれども、マイナンバーカードの取得は強制ではない、任意であるという大前提があると思うのですけれども、健康保険証の代用をするとなれば、事 実上、強制になるのではないかと。そういうところはおかしいのではないでしょうか。

  (知事)
 この点については、私もあまり突っ込んで調べているわけではありませんけれども、報道で接する範囲では、今、強制というお話がありましたけれども、そこの意味合いの問題という気もいたしております。
 一つ原則として、もうマイナンバーカードを持っている方はそれで代用することにしながら、どうしてもマイナンバーカード持ちたくない方について、健康保険証の機能を持つものを別に保持するという設計も視野に入れ た議論がされているのではないかと考えます。
 立法論とすれば、そこまで言うのであれば、一種の強制制度にするべきではないかという議論も、片方ではあり得るかもしれませんから、その点については国でよく議論していただくべき問題じゃないかと思います。

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FAX:088-872-5494

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