公開日 2022年09月30日
1 9月補正予算の狙いについて
2 新型コロナへの対応について
3 大阪万博について①
4 阪神タイガースとの連携について
5 大阪万博について②
6 大阪のアンテナショップについて①
7 大阪のアンテナショップについて②
8 物価の高騰について
9 安倍元首相の国葬について
10 龍馬マラソン開催について
(司会)
ただ今から、知事記者発表をさせていただきます。冒頭、知事から説明があります。
(知事)
本日は、私から2点、報告させていただきます。
1点目がいわゆる関西戦略におきます、さらなる外商強化策について。
もう一つは、9月定例県議会に提案いたします、令和4年度9月予算(案)についてです。
まず、いわゆる関西戦略におきます、さらなる外商強化策についてです。
この点につきましては、2月定例県議会におきまして議論が行われまして、私から8月末をめどに、関西戦略におきます外商強化策について検討して取りまとめをするという方針をお示ししてまいりました。
今回、9月補正予算に向けて具体的に検討して取りまとめにいたりましたので、そのポイントをご報告します。
まず、全体像についてです。
これまでの取り組みにありますように、関西戦略の3本の柱の一つとして、外商戦略を進めてまいりましたけれども、さらに強化しようということで、高知県内の関係の事業者の皆さんにお集まりいただきまして、関西圏の外商強化対策協議会を組織いたしまして検討を進めてまいりました。
課題の中では、外商にチャレンジするための拠点が関西圏に無いということ、そして、プロモーションや外商活動の抜本的な強化が必要ではないかという点が指摘をされました。
これを踏まえまして、ハード面、ソフト面を連携して強化していく。
特に、県内の市町村や事業者と連携して、オール高知の体制を強化していくために、ハード面で、新たに関西圏にアンテナショップを設置しようということ。
そして、これを盛り上げていくために、ソフト面でプロモーションですとか、外商活動について一段の強化を図ろうという中身で、高知県の認知度向上も含め、高知ファンの獲得へつなげる施策を段階的に、そして、継続的に実施していこうという骨格で今回、強化策を策定しました。
時系列のイメージは、本年度、特に9月補正で、プロモーション外商活動の強化を直ちに措置して、来年度、これに基づきました活動を活発化させる。
令和6年度には、アンテナショップを設置して、当面の目標年度といいますか、目安となる年度として、令和7年度の大阪関西万博をターゲットに盛り上げを図っていこうという流れを想定しております。
関西圏のアンテナショップの概要です。
高知の食文化、観光などのPRも含めまして、情報発信の拠点にしようというコンセプト。そして、高知の強みであります食、自然、歴史、人を売り込む拠点としようということ。加えて、交流促進、県産品の販売拡大、こういったものの拠点にしようといった狙いを持って設置します。
場所は、今、再開発が進んでおります大阪の都心部、大阪梅田3丁目に建設中の商業施設の中に入居するという形です。
他の自治体のアンテナショップや地域物産の販売店が同一のフロアに展開する予定となっておりますので、その一角で拠点として機能することを目指していきます。
機能としては、県産品の販売だけではなくて、観光や移住の情報発信の拠点にもしていくということ。
そして、2点目が一般の物販、商談、ショールームの機能を備えるということ。
そして、アンテナショップということで、特に、商品の磨き上げの機能、テストマーケティングをしたり、消費者ニーズのフィードバックを図っていったりすることについての拠点としての機能を持ったものにしていきたいということです。
東京に設けております「まるごと高知」のケースを参考にして、詳細の検討を今後進めていくことになろうと思います。
これによって期待される効果ですが、東京の「まるごと高知」の実績などによる試算では、売り上げで1億6,000万円程度が見込めるのではないかと。
そして、認知度向上によります観光客の誘客にもプラスの効果、そして県産品の販売拡大が見込めるのではないかということをもくろんでおります。
運営は、東京の「まるごと高知」と同じように、県の関係団体であります地産外商公社に担っていただくことを想定して準備を進めようとしております。
想定のスケジュールです。
基本計画の策定を当面急ぎ、9月県議会の閉会直後には、テナント出店の正式な意思表示をさせていただきます。
そして、設計などを経まして、来年度工事を行い、令和6年春には、オープンさせていくというスケジュールで進めたいと考えております。
そして、もう一つのソフト面の対策強化としてプロモーション及び外商活動の強化です。
特にタイミングとしては、今、コロナ禍からの反転攻勢をいよいよやっていこうという時期です。
関西におきます本県の知名度は、我々が思っていたほどには高くないことがありますから、まずは本県の認知度を大幅に向上させていくということ。
そのためのプロモーションや外商活動の強化をいろんな手を使って展開し、本県の認知度の向上、そして、関西におきます高知ファン層の獲得を目指していきたいと考えています。
プロモーションにつきましては、関西メディアへのセールス強化、これは例えば、今年度の高知家プロモーションは大阪で記者発表させていただきましたけれども、そういったものをベースとして、今後さらにメディアとのネットワークを強化していくこと。
一般の方々向けには、いわゆる著名人を活用いたしましたPRの強化。
そして、観光プロモーション、これは「らんまん」のプロモーションということでありますが、これも特に、関西に力を入れて展開していこうということでして、昨日は、私自身、関西での来年春を目指した観光説明会に行ってまいりまして、観光事業者の方々に協力をお願いしてまいりました。
その他、来年度、キッチンカーなども活用したイベントも考えたいと思います。
外商活動の強化ですが、実際にこの活動にご協力をいただく関西のバイヤーへのセールス強化と合わせまして、特に木材関係ではイベントの強化、新たなイベントの開催、あるいは高知にお招きして、産地の実態を見ていだくような取り組みも進めてまいりたいと思います。
一般の方々向けに関しては、今までやっておりますフェアを拡充していくことと併せまして、新年度になりますが、e-コマースを活用した物産品販売の促進を考えてまいりたいと思っております。
そして、これを進める上で、県内の市町村、民間の事業者の方々と一緒になって、取り組みを展開していくことに、特に意を払ってまいりたいと思いますし、関西メディアへのセールスを意識して、情報発信を強化していくことにも力を入れてまいりたいと考えております。
以上が、関西戦略におきます外商強化策の概要です。
続きまして、大きな2点目、9月補正予算に関して説明します。
令和4年度の9月補正予算(案)ですが、これにつきましては、まず9月定例県議会を9月21日に召集させていただきます。
今回、提案します議案は、令和4年度の一般会計補正予算などの予算議案が3件、条例その他議案が19件、報告議案が23件の合わせて45件です。
この内、補正予算議案について概略をご説明したいと思います。
一般会計の総額の規模が187億円余りということでして、大きな柱としては、6月補正予算の大きな流れを踏襲した形になりますけれども、原油価格、物価高騰の影響の対策、そして引き続きコロナ関係の対策の予算を計上しております。
併せまして、本県独自の経済活性化策として、6月補正予算に引き続きになりますけれども、「らんまん」を契機とした観光振興、併せて、関西圏での外商の拡大の取り組みの強化をポイントとして盛り込んでいます。
原油価格、物価の高騰対策に関しては、各種の事業者支援と併せまして、今回、特にいわゆる、公定価格の値上げができずに物価高の転嫁が難しい医療施設や社会福祉施設といったところに関して、電気料金等の高騰を一定緩和するための給付金を新たに計上する中身となっております。
金額的には、147億円ほど多いのはコロナ関係です。
コロナの感染予防、あるいは感染拡大防止対策につきまして、例えば、入院のベットの空床補償の予算など、特に、本年度の後半の部分につきまして、まだ予算措置がされていなかった部分を今回、措置させていただき、 11月以降に備えていくという中身です。
それから、経済の活性化の一つは、関西におきます外商強化の取り組み関連、一つは来春からのNHKの朝の連続ドラマ「らんまん」に関します県内一帯を会場とした観光博覧会の展開に必要な予算などを計上しております。
この他、公共事業の追加分などの予算も合わせまして、全体で187億円という規模になっています。
187億円のうち歳入予算の大半は国庫支出金が占めます。
これはコロナ対策、あるいは地方創生関係の交付金を始めとした国庫支出金が主な財源になっているということです。
歳出面で見ますと、コロナ対策などのソフト面の経費が166億円ほどあり、比率的には多うございますが、国の補助事業などの公共事業に関しまして、採択の見込みが当初予算を上回った部分。これは、投資的経費にかかる部分も20億円ほど予算計上させていただいております。
併せまして、例年、9月補正予算の計上、編成と合わせまして、今後の中期的な財政見通しの試算を行っております。
その結果の概略をお示ししたいと思います。
今年度は84億円ほどの財源不足の規模になっておりますが、これを今後、国の様々なデータなどを元に推計しますと、令和5年度は、ほぼ同程度の財政調整基金の取り崩しを余儀なくされますが、その後、税収の伸びなどがある一方で、歳出面は、抑制基調が想定されることを反映して、財源不足、財政調整的基金の取り崩しは徐々に縮減して、向こう数年度のうちには、収支均衡が見通せる状況になっております。
財源不足を補える基金の残高は、当面、減ってはまいりますけれども、必要な残高は維持できる推計になっております。
一方で借金の残高です。
これは過去、長い目で見ますと、公共投資の抑制の流れがあり、地方債、県債残高も縮小してまいりましたけれども、ここ数年、特にいわゆる、国土強靭化対策の予算が別枠で国でも計上されることを反映して増加の傾向に転じております。
今後につきましても、国土強靭化の別枠予算分に対応する財源として県債の増発が必要になってまいりますので、この部分で県債の残高が一定程度、当面増えていく。
ただ、先々は、これがピークアウトする見通しが立っておりますことと、国土強靭化の特別対策を除きますと、程なく現在の水準とほぼ近いところで推移しているということですから、いわゆる県債残高の借金の負担についてもコントロールが出来ていると言えると思います。
そういう意味で、全体として、安定的な財政運営に対して一定の見通しが立てられ、県債残高についてもコントロール可能な状況だということです。
もちろん、本県の財政構造、地方交付税や国庫支出金といった国の財政に依存するところが大変多いことから、国の財政運営の動向に注視をする必要はありますけれども、事務事業のスクラップ・アンド・ビルド、デジタル化の推進による行政の効率化を進めて、健全財政を維持していきたいと考えております。
それでは、今回の9月補正予算の主な事業について簡単に説明します。
まず、原油・物価高の対策についてです。
特に、農林水産業の皆さまへの支援に関しては、1次産業の皆さまは自然が相手ということもあります。
また、コストの上昇分を価格に転嫁するのが構造的に難しい状況もございまして、各種の対策を講じてきた訳ですが、その後、国の対策が拡充された分、あるいは市町村レベルでの対策などの動向といった新しい要因も踏まえまして、6月補正で講じました措置を補充していくという意味で、いくつかの措置を講じることにしております。
農業者への支援として、特に新しいのは、肥料の高騰対策です。
肥料に着目したものについては、6月補正では計上がございませんでしたので、新たに9月補正でカバーをしていくと。
国の対策に呼応して県独自でも支援していく中身です。
それから、いわゆるIoPによりますデータ駆動型の農業をさらに進めていくこと。
インターネット接続を農家の皆さんに促していくために、必要な機器をいわば、お試し的に使っていただくという補助事業も今回、計上しております。
また、畜産事業者の方々に対しては、飼料の高騰対策、そして、土佐和牛の繁殖農家の経営安定対策についても新たに計上しております。
そして、この原油・物価高騰の対策のうちの公共交通事業者への支援策です。
特に、中山間地域の物流の支援は、事業者の車両更新費に着目して、ここを支援していくことによって、てこ入れをしていくということ。
そして、観光博覧会「らんまん」を契機とし県内全域とした来年度の観光博覧会の広報にご協力いただくことのお礼、報酬という意味合いでの委託料として、1億円あまりを計上して、結果的にトラック事業者の方々の経営をサポートをする効果を狙っております。
その他、バスの運行事業者の方々への支援、第3セクターの維持にかかります支援も行いたいと考えております。
そして、特に今回新しい要素として、医療施設、あるいは社会福祉施設に対して、光熱費などの高騰部分につきましては、本来的には、例えば医療の診療報酬、あるいは介護報酬等々によりまして、最終的には、特に来年度以降は、国によって制度的に手当てがされるという筋合いのものではありますけれども、相当程度、急激な価格の上昇が起きまして、経営上の大きな負担になっていることがございますから、考え方としては、その影響の 半分程度を緩和できるような予算を今回、医療施設、そして社会福祉施設に給付させていただくことで、当面の経営の支援を図ろうというものです。
そして、中小企業向けには、既に計上しております予算を活用して融資枠を拡充する手当てを講じていこうということにしております。
それから、コロナ対策です。
一つには入院ベットの確保をするための予算。
これは昨今の感染拡大を踏まえ、特に、後方支援病院の病床確保などにつきまして、新たにお願いをしてベット数を増やしてきているということもございます。
こういったものに対応できるような予算を確保して、これがかなりの規模を占めております。
その他、宿泊療養、自宅療養、それから検査の協力医療機関の年末年始の活動、こういったものの支援策。
ワクチンにつきましては、間もなくオミクロン株対応のワクチンの接種を開始しますが、これを精力的に行っていただいた医療機関に対して給付する補助金、さらには介護事業所におきまして、特にコロナ対策で様々な感染予防対策などで、かかり増しの経費がかかってるということがございます。
こういった部分を基金を活用して、支援するような新たな予算を計上いたします。
当面の検査・診療体制の確保として、既に動いておりますけれども、特に発熱外来の混雑が激化していることを緩和するために、オンラインで比較的軽症の方、あるいは無症状の方々が自ら検査していただいた結果を提示いただいて、オンラインの診療、場合によっては診療も省略をして、検査キットの写真の画像で判定していただいて、最終的に陽性の判断を確定診断していただくためのセンターを運営する予算につきまして、改めて計上させていただくこと。
そして、開始は今月26日からになりますけれども、いわゆる全数把握の見直しに伴い、感染届の対象外になっていく方々の療養を支援していくためのフォローアップセンター。
登録していただいて、容態が急変したような場合の相談の対応、受診先の紹介などをしていくような機能の中心となるフォローアップセンターを設けていくための予算も今回、計上させていただいております。
そして、経済の活性化の柱です。
これは関西圏における外商強化。全体像は先ほどお話したとおりですが、特に、当面のプロモーションとしては、今年度中に、観光あるいは外商拡大などにつきましてのプロモーションの強化を著名人を起用して行っていこうと準備しております。
そして、農業・水産業分野につきましての今までの取り組みを量的に拡充していこうというもの。
林業分野につきまして、イベントの開催でしたり、大阪・関西万博に県産材を活用いただく際に、昨日も万博協会に行って相談をしてまいりましたら、会場のメインになりますリングという遊歩道の建設資材に木材を使う予定になっておりますが、相当大量な木材を使い、かつ強度が必要だということで、いわゆる集成材の形、CLTのようなものを使っていくことになるという見通しをお聞きしております。
県内に残念ながら、集成材を製造できる会社がございませんので、例えば、県産材を岡山県などに送り、そちらで集成材に加工して万博会場に運んでいくルートが想定されます。
ここの部分の輸送費の一部について、県として支援していく予算も計上しております。
さらに、見本市の出展などもさらに追加していく予算も計上させていただきました。
もう一つが「らんまん」を契機とした県内全域を舞台といたします博覧会です。
これも大きく申しましてプロモーションでして、博覧会の推進、このプロモーションをさらに、特に年明け以降に予定をしておる分の予算を今回、追加で計上していくということ。
そして、観光振興の事業として、こうち旅広場の改修ですとか、牧野植物園と桂浜などを結ぶ周遊バスについても増便していくために必要な経費を計上しております。
さらに、牧野植物園におきます受入体制を強化していくための園内の整備のための予算なども計上をさせていただきました。
その他の事業です。
公立大学法人の高知工科大学の新学群の設置に伴い必要となる施設整備のための設計費です。
それから、牧野植物園に隣接する五台山公園の整備、ヤ・シィパークの整備、それから、台湾で高知龍馬空港に国際チャーター便を運航する動きが準備されておりまして、地上支援業務を支援していくというための経費、そして、これにセットになりました観光振興のための経費、さらには、CLTの関連の委託料、県有施設の電気料高騰の補充的な予算、そして、公共事業の国の採択が、当初の見通しを上回った部分についての増額の予算計上、その他、災害復旧関係、そして、これはちょっと毛色が違いますけれども、グリーン化関連で、海洋温度差発電の可能性調査を企業局で行ってもらうというための予算を計上させていただいいます。
以上が、9月補正予算案の概要です。
(司会)
それでは、各社からの質疑に移ります。質問される方は挙手をして、社名とお名前を発言していただいてからお願いをいたします。
9月補正予算の狙いについて
(大山・高知新聞社記者)
予算案の狙いについてお伺いしたいのですが、金額的にはコロナ対応や物価高騰対策が大半を占めていると思いますが、知事も今後の反転攻勢というのか、経済の活性化に向けた意欲も口にされてました。
今後の活性化について、予算に反映した部分や意図して盛り込んだものがあれば教えてください。
(知事)
特にタイミングとしては、コロナ禍も2年半以上過ぎまして、ある意味、出口も見えつつある状況といっても過言ではない状況になっていると思います。
いよいよ、コロナ後をにらんでの反転攻勢を講じるべきタイミングだという中で、特に県独自の経済の活性化策を緊急に強化したいということです。
大きく二つでして、一つは関西戦略の強化、もう一つは来春の「らんまん」を契機とした県内の観光博覧会です。
ここのところ盛り返しておりますが、特に落ち込んでおりました観光の動きを確かなものにして、いよいよ反転攻勢に打って出るための、要はのろしとなるようなものが、来春からの「らんまん」を契機とした県内の観光博覧会だと思います。
この中心となりますのは、もちろん牧野植物園や博士の出身地の佐川町、あるいは越知町といった所ですが、ここだけが盛り上がるのではなくて、ここを目掛けて来られた県内外のお客さまを県内各地に。
県内の草花、自然をたどっていただいて、県内各地に周遊していただく。
さらには、県内の自然以外にも歴史や食を楽しんでいただくことで、まさしく観光の起爆剤となって欲しいということから、今回必要な予算を計上したというのが1点です。
もう一つは、さらに数年先の大阪・関西万博、2年後をにらんだ場合に、特に外商面におきます関西戦略の強化が必要だという判断に至りました。
その中で、特に新しい要因としては、いわゆるアンテナショップを今、再開発が進んでおります大阪の都心部の梅田の高層ビルの低層階(アンテナショップの出店が想定されているエリア)に、いわば参画していくことで、情報発信も含めた拠点機能を、この際、しっかりと整備をして、再来年の春からですけれども、万博に呼応した関西の経済の活力を高知に呼び込むための拠点にもしていきたいという思いで、今回盛り込んでおります。
新型コロナへの対応について
(大山・高知新聞社記者)
少し予算案から離れますが、コロナについてお伺いしたいのですけれど、県内の新規感染者数もピーク時から比べると減少していて、明日がBA.5対策強化宣言の期限になっていると思います。
宣言についてどうされるお考えなのか、今後の県内のステージの対応をどうお考えなのか教えてください。
(知事)
BA.5の対策宣言は、一応、明日までです。
今月半ばまでを期限に発出させていただいております。
延長した先月末の時点では、まだまだ収束の見通しが立ちにくかった訳ですけれど、ここ一、二週間の状況を見ますと、全国的にも、かなり今回の第7波に関しては、感染者が減少のトレンドに明らかに転じているということがございまして、全国的にもBA.5の宣言の終結や対応ステージの引き下げといった動きが相次いでるという状況にあります。
また、県内の状況も一時期2,000人前後という水準から比べますと、まだまだ多いとは言えますけれども、3分の1程度ですかね、7、800人ぐらいの数字にここのところは落ち着いてきつつあるということですから、方向性としては、BA.5の宣言をここで一区切りにでき得る方向に向かっている、あるいは対応ステージについても、引き下げを検討できる方向に向かっていると捉えております。
いずれにいたしましても、今日ぎりぎりまで数字、データを見極め、また関係者の色々なご意見もお伺いしまして、明日の午前中には対策本部の会議を開催して、この宣言の扱い、あるいはステージの扱いを判断することにしたいと考えております。
大阪万博について①
阪神タイガースとの連携について
(古谷・読売新聞社記者)
先ほど、お話にありました予算にも入っているのですけれども、大阪・関西万博との関係ですけれど、昨日博覧会協会に行かれて、先ほど遊歩道に県木材の話がありましたけれども、具体的に遊歩道だけなのか、あるいは他のパビリオンなども考えていらっしゃるのか。
どういう話を昨日、博覧会協会に要望して、どういうお答えがあったのかというところをもう少しお聞かせをいただきたいのと、知事の大阪・関西万博に対する思い、この辺りを一定お聞かせいただきたい。
また、おととい阪神タイガース球団に行かれて、協定の話をされたと思うのですけれど、特に、阪神タイガースは、来年の春からは、沖縄キャンプに一本化されるというこの時期に、あえて協定を結ばれる狙いについてお聞かせください。
(知事)
まず、万博関係の思いのところからお話しますと、これは私自身、大阪府の副知事として勤務しておりました時に、万博の誘致にも携わった経験があります。
その時の経験からも、これは、わが国全体にとっても経済の活性化に向けての大きなチャンスだと思いますし、当然、大阪・関西エリアにとっては、絶好の機会です。
これを地理的に近接をしております高知においても好機として、万博を契機に、特に大阪・関西エリアに集まってくる経済の活力をぜひ高知にも引っ張ってきたいという思いがございまして、関西戦略を打ち立て、万博の 時期を一つの目標として、施策を展開しようとしてきたということです。
そうした中で、具体的な万博についての県としての関わり合いになりますけれども、これは昨日、博覧会協会に行く以前の段階から、まず、施設の整備は設計などの作業が始まっている状況にあります。
そういった施設の整備の中で、会場の本体として、リングという木製の巨大な遊歩道ができます。
パビリオンも色々な国、企業が出されるということですから、こういった施設整備に関して、例えば、県産の木材を使っていただくですとか、高知県で誕生した技術を使って防災工事をしていただくところの売り込みをしていきたいということ。
これは、もう既に色々な形で動いているところです。
昨日、特にご相談に参りましたのは、催事とかイベントについてです。
全国知事会としても、どういった形で組織的にやっていくかということを平行して検討されておりますけれども、例えば、よさこい鳴子踊りなどを期間を区切って会場で展開していくというようなことですとか、まんが甲子園が30年以上の歴史を誇っておりますが、いわば関連したイベントとしてタイアップができないかとかいったこと。
それから高知の食を会場で楽しんでいただくようなもの。
キッチンカーのようなアイディアも含めて、今の時点で考えられる選択肢を例として挙げまして、我々としては、こんなことも考えているので、ぜひ受け入れなどについて具体的に検討をお願いしたいというような相談をしてまいりました。
先方は、時間もある意味限られた中で、国、自治体、民間企業の方々が集まった組織で、今どんどん組織も拡充して準備している途中ということでして、こういったご提案もいただきながら、どういったことが具体的にできるか検討させていただくというお話がありました。
また逆にお願いをされたのは、そういう体制をつくっていく上で、ぜひ高知県からも職員の派遣という形のサポートも考えていただけませんかというお話もいただきまして、これはこれで、こちらも検討させていただきますというような話をして帰ってきたところです。
阪神タイガースですが、これは今年7月に、春に行ってきた2軍キャンプを、チームを強化するために1軍のキャンプと一体化したいということで、来年春からは沖縄にキャンプ地を移したいという申し出が阪神側からございました。
これに対して、私としては安芸市とも相談して、そのこと自身は、半世紀以上、キャンプをしていただいて、地元にも多くのファンがおられる訳ですから、そのこと自身は残念なことではありますけれども、何分、阪神を強くしたいというのが殺し文句で、そう言われますと、いたずらにお引き止めをするばかりということを取るよりは、むしろ、これを機会に関係が細ってしまうのではなくて、むしろ新しい関係を構築して、関係を強化していく、連携を強化していくようなことが考えられないだろうかと、頭をある意味、切り替え、当方から地域の活性化、あるいはスポーツの振興であったり、特に女子野球を念頭に共生社会づくりといったような、あるべき方向性をめがけて連携していくという協定を締結しませんかというお話を申し入れまして、阪神タイガース側からもご快諾をいただいて、3者の連携協定を結ばせていただいたということです。
そうした目指す目的に向かって、何ができるかというのは今後、具体的にご相談させていただきましょうということにしております。
中でも具体的なものとして俎上に上がっているのが、女子野球の振興でして、阪神球団は、女子チーム「阪神タイガースWomen」を持っておられますし、高知も先だって、有志企業10社で「10Carat Express」という女子野球のクラブチームを創設されたり、県内でも中央高校や室戸高校のように女子野球部を創設して頑張っておられるところもありますから、そういったところが交流できるようなもの。
さらに具体的に言いますと、阪神からは、例えば阪神の女子クラブチームが高知合宿を考えられないだろうかと。
私どもはそういう機会も含めて、練習試合を含めた交流などを検討いただけませんかというようなことを投げ掛け、その点は具体的に協議をしてまいりましょうということになっておりました。
その他には、OB会とより連携して、秋のキャンプは継続しますから、さらに盛り上げていくことですとか、一昨日は高知県と安芸市が、いわゆる冠試合を甲子園でさせていただくなど、できることは既に始めておりますが、そういったものを含めて、これをきっかけに阪神との関係をさらに強めたいということで、一昨日、協定の締結という一区切りを迎えたということです。
大阪万博について②
(古谷・読売新聞社記者)
知事の思いの部分でお伺いしたいのですけれど、1970年の大阪万博の時は、知事は小学生かと思うのですが、思い出があれば披露いただければと思います。
(知事)
私自身は小学1年生の春休みでして、当時まだ中村市(現 四万十市)に住んでいましたから、はるばる陸路で大阪まで出掛けた記憶がありまして、私自身は本当に新しい世界、未来世界を見たような記憶を持って、驚きを持って、要は衝撃を持って見学したという記憶があります。
今回、パビリオンに関しては、実際問題として、パビリオンの建設者であったり、さらには、それを受注した会社との折衝であったり、価格面の交渉などもありますから、なかなか容易にいくことではないと思いますけれども、色々なツール、チャンネルを使って情報収集し、色々な調達の場面で高知の木材を使っていただけるチャンスをできるだけ掴むように、関係の皆さまと連携、努力したいと思っております。
大阪のアンテナショップについて①
(中田・高知民報記者)
大阪のアンテナショップですが、収支の見通しについてです。
東京のアンテナショップの開設の時も、税金をどれだけ継ぎ足すのですかという話がありました。
特に初期投資等の運営の見通しがあれば教えてください。
(知事)
この点は、今回、予定しております梅田の再開発のビルがまだ募集前という状況で、議会でご理解が得られれば、公式に手を挙げて参加していくという過程です。
この部分、これだけの面積が確保できるということが決まっている訳ではないという段階です。
今後、色々な状況によって変わり得るものだという前提でお聞きいただきたいのですけれども、今回46坪ぐらいの区画が用意されている所がありまして、今、目指してる機能を果たすには、その程度の区画を確保したいということで、いろいろな試算をしています。
そうした中で、売り上げが東京のまるごと高知程度は得られるとしても、なかなか物販の売上げだけでは、収支を賄うことは難しいのではないかと。
まるごと高知もそうですが、一つの想定として、例えば、家賃程度は県で負担して、その上で収支が若干の黒字が出るという想定を現時点ではしております。
そういったことを前提に県としての支援策は考えなければいけないだろうと考えております。
ただ、色々なことがまだ流動的ですから、当初の目論見からは違った部分は出てき得ると思いますから、その辺は臨機応変に検討して、また県議会にもご相談していかなければいけないと考えております。
大阪のアンテナショップについて②
(中田・高知民報記者)
例えば、家賃の規模感ですよね。数千万円と思うのですけれど、それがないと議会もなかなか手を挙げることに対して、議論が出来ないと思うのですがどうですか。
(知事)
これもあくまで想定ということでご理解いただきたいのですが、まるごと高知の場合は、約1億円程度の家賃を年間支払っております。
これも想定が相当入りますが、例えば大阪の場合、(年間)2,000万円、今回想定してる規模感としては、その程度の家賃負担でいけるのではないかという見通しを持っております。
そういった財政負担の面からも、これであれば県で負担してということをご相談しても、一定議論には応じていだたける、県議会でも検討はしていただけるレベルにはなるのではないかと想定しております。
物価の高騰について
(林・高知放送記者)
物価高騰についてお伺いしたいのですけれど、物価の高騰が長く続いている中で、この秋は特に食料品を中心に値上げの第3波と言われるような状況の中で、特に今回の補正予算案でもかなり幅広い分野での事業支援が盛り込まれています。
今の物価高騰で、特に県内ではどのようなところが顕著に影響として表れていると知事は見られているのか。
それを踏まえて、今回の補正予算案に盛り込んだ高騰対策についての狙いというのを改めておっしゃっていただけますか。
(知事)
物価高騰は、元々の原油高騰、ウクライナ情勢を受けたものから始まっておりますけれども、本当に色々な分野に及んできていると思います。
産業面のみならず、県民生活にも、例えば食料品なども含めて、色々な分野で値上げラッシュと言われるような状況になっていると思います。
このうち特に、事業者の方々の影響に関して言いますと、原則的には自由経済の世界ですから、これを顧客の方々に転嫁していくことで負担をいただくというのが、原則的な対応、それは経済全体として、そうやって回していくことが筋だとは思います。
しかし、なかなかその転嫁がままならない環境にある事業者の方々が、特に対策を必要とされておられるということではないかと思います。
それが第1次産業の農林水産業であったり、診療報酬や介護報酬のような公定価格でサービスの値段が制度的にたががはまっているような医療機関であったり、福祉施設であったりということだと思っております。
そういうところに対して、当面の影響緩和をしていただくというところで、今回、県の対策を主として考えました。
広く、所得が低い方々に関しましては、国の新たな経済対策の中で、新たな給付金なども検討されていることもありますし、こちらは市町村でも色々な商品券の配布や計画もあるとお聞きしております。
そういった状況もにらみながら、県として、特にそういった産業の価格転嫁が難しい方々への支援を中心に、対策を検討させていただきました。
安倍元首相の国葬について
(伊藤・NHK記者)
安倍元首相の国葬の開催がもうすぐ迫ってるところです。
前回の会見でもお聞きしましたけれども、改めて知事は、出席のご意向ということでよろしいですか。
あと、庁舎や公共施設での弔意を示すかということや、県教育委員会に対して、その通知を出す考えか改めて伺えますか。
(知事)
前回もお話したように、今回の国葬は、閣議決定に基づき国の公式の行事として行われる、ご案内も公式にあるということですから、県を代表して、私としては出席させていただくつもりでおります。
弔意の表明については、国から、こうして欲しいといった要請はございませんけれども、過去の対応例などを参考にして、県の施設については半旗の掲揚ということで対応する。
職員の皆さんに、いわゆる黙とうの呼び掛けは、特に致さないと。
これは今回の国の考え方も一人一人にまで弔意を要請、強要するものではないというお考えがありまして、それも踏まえて対応を取っております。
そして、教育施設に関しましては、教育施設としての対応ということに配慮が必要だと思っております。
県として、こういう対応をしますよということはお知らせはしますけれども、県教育施設として、どういう対応をするかということについては、県教育委員会のご判断に委ねたいと考えております。
龍馬マラソン開催について
(澤・高知さんさんテレビ記者)
明日、龍馬マラソンの募集が開始されると思います。
2年連続で中止されていますが、感染対策と知事の思いなどをお聞かせください。
(知事)
龍馬マラソンは、2年連続で中止を余儀なくされておりますけれども、スポーツの振興、あるいは観光面での効果をいろいろ考えましても、何とか来年2月は、コロナ前の規模に限りなく近いような規模で開催をしたいという方向で、今、準備はさせていただいております。
感染対策については、現時点では公式には、今、そういう枠組みは取られておりませんけど、いわゆるワクチン検査パッケージと言われるようなワクチンの3回接種、または検査での陰性確認していただいて、安全確認をしていただいた上で参加していただくというような枠組みが今まで取られてきております。
そういった枠組みを参考にして、実際には来年2月ですから、もう少し経ってある程度、直前の時期の感染状況を踏まえた対応を求められると思います。
例えば、ワクチンの接種を終えているであるとか、かなり厳しい状況の場合は、いわゆる全員検査での陰性を確認をいただいたことを参加の条件にさせていただくとか、その辺の幅があると思います。
現時点の想定としては、そういった幅を想定して、その時点における感染状況に応じて、感染の拡大防止ということにしっかり対応を取った上で、ぜひ通常規模に近い開催をしたいという思いでおります。
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