令和5年3月24日 知事の記者会見

公開日 2023年04月04日

1 県議会議員選挙について①
2 連続テレビ小説「らんまん」への期待感について
3 県議会議員選挙について②
4 県議会議員選挙について③
5 県議会議員選挙について④
6 県議会議員選挙について⑤
7 県議会議員選挙について⑥
8 県議会議員選挙について⑦
9 県議会議員選挙について⑧
10 高知県観光キャンペーン「リョーマの休日」が果たした役割について
11 新型コロナ対策について
12 3年ぶりにマスクを外した生活について

 (司会) 
  ただ今から、知事記者会見を始めさせていただきます。それでは、幹事社質問をよろしくお願いいたします。

 県議会議員選挙について①
 連続テレビ小説「らんまん」への期待感について
 (飯田・読売新聞社記者)
 幹事社を代表して読売新聞から2点、お伺いさせていただきます。
 まず1点目です。
 3月31日の県議選の告示で4年に1度の統一地方選が始まります。
 それぞれの候補者が様々な視点から政策を訴えて、県民は高知県の将来について考えながら投票することになります。
 濵田知事としては、今後、特に力を入れていくべき県政の課題はどこにあると考えていらっしゃいますか。
 また、2点目ですが、牧野富太郎博士をモデルにしたNHKの連続テレビ小説「らんまん」の放送開始まで10日を切りました。
 現在の期待感はいかがでしょうか。

(知事)
 まず1点目は、統一地方選挙に向けての県政の課題についてです。
 この点につきましては、ひと言でいいますと、やはり人口減少問題への対応ではないかと思います。
 人口減少が続く中で地域社会の活力をどう維持、向上させていくか。
 この点が一番大きなポイントではないかと思います。
 この4年間に、高知県の人口も70万人の大台を割るということがございました。
 令和4年に関しては、高知県の出生数が47都道府県で最少という大変残念なニュースもありました。
 人口減少が進む高知県の中で、地域の活力をどう維持、向上を図っていくかということではないかと思います。
 年間約8,000人の人口減のうち1,000人から2,000人はいわゆる社会減ですから、この部分をまず何とかプラスマイナス0にもっていきたい。
 このためには、やはり若者に魅力のある仕事を高知県に増やしていかないといけないということで、産業振興計画の取り組みなどを進めてまいりました。
 さらに、将来的な県勢の浮揚を考えますと、デジタル化、グリーン化、グローバル化といった時代の流れを先取りして、県政の施策の進化を図っていく取り組みをしてきている訳です。
 一方の自然減に関しては、高知県の今の年齢構成は圧倒的に高齢者が多いということを考えますと、なかなかこれを逆転に持っていくのは至難の業ではあります。
 しかし、そうした中でも少子化対策は、ちょうど今、国で異次元の対策を検討されている中ですので、国の対策に呼応して少子化対策をしっかり本県でも打っていかないといけないということではないかと思います。
 また、地域別に見ますと、特にこの問題が深刻なのは中山間地域だと思っています。
 先々の中山間地域の暮らし、そして、産業を守り発展させて次の世代に引き継いでいっていただくための道標として、県としては新年度に中山間地域の再興ビジョンを策定して、そのための、いわば将来の中山間地域のあるべき姿、目標、そこに向けた施策をまとめていこうとしています。
 こうした取り組みをしっかり進めていくことが必要ではないかと思っています。
 来たるべく県議会選挙におきましては、各選挙区におきまして、ただ今申し上げました様々な問題についてしっかり訴えをいただいて、ご議論をいただいて県民の皆さんにご判断をいただく。
 そして、県民の皆さんが、いわば総参加で人口減少対策についてしっかりと手を打っていく体制づくりをしていくことが望まれているのではないかと思っております。
 もう1点、「らんまん」に関してです。
 いよいよ放送開始が10日後というタイミングになりました。
 先般、私も予告編の番組を拝見いたしました。
 主演の神木隆之介さん、非常に爽やかな笑顔で、まさしく牧野博士の笑顔はこうであったのではないかというような素晴らしい演技を見せていただいていると思います。
 併せて高知の草花、自然も非常に美しく描いていただいているということでして、こうした映像が全国のお茶の間に、半年間毎日映し出されることにより、本県への関心が一気に高まることを期待したいと思います。
 ちょうど今年は桜の開花も早く、県内では桜はもちろんですが、ハナモモ、チューリップ、菜の花などが満開で、春らんまんというタイミングです。
 こうした中で、このドラマが良いスタートを切っていただきたいと思っております。
 ちょうどこの週末、明日から県内すべてを会場に見立てた観光博覧会がスタートします。
 そのオープニングのセレモニーには、ドラマに出演いただいております松坂慶子さん、中村里帆さんにも特別ゲストとして、ご来場いただくということですので、こうした方々にも花を添えていただいて、本県の観光振興に関して、この番組がまさしく起爆剤になるような形で貢献いただければありがたいと思います。
 ちょうど1年前の2月に放送開始決定以来、市町村の皆さん、あるいは民間の経済界の皆さんなどとも協議会を組織して、いわばオール高知の体制で盛り上げていこうと取り組んできました。
 草花ガイドの方々、あるいは各地域で花の植栽を進めていただいた方々にもご参加いただいて、県内全体が盛り上がりを見せれば良いと思っております。
 もう1点だけ申しますと、さらにインバウンド観光の面でも、先般、私も台湾に参りまして、高知龍馬空港の新しい定期チャーター便の就航についての発表をさせていただきました。
 台湾でも、「らんまん」がいずれ放送される可能性もかなりあるとお聞きしておりますから、台湾などからのインバウンドの観光客の誘致という面でも、「らんまん」が大いに力を発揮していただくことを期待したいと思っております。

(司会)
 それでは各社からの質疑に移ります。
 質問をされる方は、挙手をして社名とお名前の発言をしていただいてから質問をお願いいたします。

 県議会議員選挙について②
(山﨑・高知新聞社記者)
 県議選についてお伺いさせていただきます。
 県議選の告示まで残り1週間となりました。
 現時点で、半数以上の選挙区で無投票となる可能性が出てきています。
 これは過去最多となるかもしれないということなのですけれど、知事として、多くの選挙区で無投票となる可能性があることについての受け止めをお聞かせください。

(知事)
 一般論として申しますと、やはり政治参加の具体的な形が選挙、投票だと思いますから、できる限り現実に選挙が行われて、県民の皆さんの審判、意思が具体的な選挙の得票数という形で現れることが望ましいと思います。
 ただ、一方で最近の地方議員のなり手の問題、いろいろと議員活動をしていく点に関しては、ご負担もある中で、必ずしも、特に中山間地域などは高齢化も進んでいる中で、手を挙げていただく「なり手」が少ないという課題もあります。
 あと、個々の選挙区の事情に関して考えますと、ある意味、非常に熱心にご活動いただいて、住民の皆さんの信頼が厚い現職に対しては、現実に、負けてもいいと思って出る方は、あまりおられないと思いますから、なかなか対抗馬として立候補することには二の足を踏む方も多いという現実も個々の選挙区の事情などではあるのだと思います。
 そういったこともありますから、一概に無投票が全く駄目だとは言い難いところはあるのは事実です。
 ただ、一般論としてはできる限り、選挙の形で投票も行える形で、県民の皆さんの意思が明らかになることが望ましいとは思いますし、立候補の促進も含めた政治参加がより促されるようないろいろな環境整備が進められることが必要ではないかと思っています。

 県議会議員選挙について③
(山﨑・高知新聞社記者)
 議員のなり手不足の解消に向けて全国各地で報酬の面であったり、休日・夜間の議会開催であったり、オンラインの開催などを模索されている議会もあると思います。
 知事ご自身として、なり手不足を解消するためのアイデアや国で議論すべきである課題など、もしお考えがございましたらお聞かせください。

(知事)
 これは県議選に限らず市町村議会も同じだと思います。
 昨今、具体的な手立てとして講じられましたのが兼業の禁止の問題です。
 この点をできるだけ障害にならないように、地方団体との請負関係が一定額以下であれば、兼業禁止の対象外にするという立法も国で行われました。
 この類のお話であったり、あるいは議員報酬の話などについても、これは住民の皆さんのお気持ちとの兼ね合いもありますから、どの程度、具体的に進められるかということはありますけれども、やはり議員活動に専念してやっていくということから考えれば、今の地方議会の議員報酬はこれで良いのかどうかというところの議論を、これもやはり現実問題としては対象とされるべき論点だと思います。
 そういった話も含めてですが、後は全体として、議員の皆さまがやりがいを持って仕事をしていただけるという意味では、いろいろな政策提言活動など、これは私どもも受け止めて生かしていかないといけない部分ですが、そういった中で、現実に県政、あるいは市町村政が動いていくところを実感していただける形で、我々も議会の議員の皆さまと切磋琢磨していく、そこを県民の皆さまに分かっていただく努力をしていくことも必要ではないかと思います。

 県議会議員選挙について④
(中田・高知民報記者)
 県議選のことで関連してお聞きします。
 県議選にあたって、知事の政治家としてのスタンスとして、具体的に特定候補のマイクを握ったり街宣車に乗ったりという形での応援はお考えでしょうか。

(知事)
 私も政治家の一人ですから、必要とあれば、そういった選択肢を排除するわけではありません。
 ただ、一般論として、知事は行政トップという立場でもありますから、その意味では、いたずらに特定の政治的な立場を鮮明にして肩入れするよりは、できるだけ私自身幅広い方のご支持をいただきたいという思いもございますので、基本的には抑制的に動いていくのを基本にしたいと思っています。
 そうは言いましても、私自身政治的な立場もございますし、日頃の政策実現のために一緒に協力していただいたり、政見を同じくする方々を一般的に応援していきたいということはございます。
 日々の政治活動などの中で、例えば県政報告会などを開催される時に、私もお招きに応じて同席させていただくなどの行動は今までも取っています。
 特に今からのタイミング以降になりますと、具体的な選挙・投票というところが直結するタイミングになりますから、これはどうしてもという場面について、特定の候補の応援を考えないわけでは必ずしも無いですけれども、それは基本的に抑制的に考えていきたいと思っています。

 県議会議員選挙について⑤
(伊藤・NHK記者)
 県議選についてお聞きします。
 なり手不足に関してのお話がありましたけれども、一方で前回の県議選も過去最低の投票率となるようなところもありました。
 選挙への関心、投票行動も課題になっているかと思います。
 そういう面で県民の皆さんに、知事は今回の機会をどう捉えてもらいたいかお考えを聞かせていただけますか。

(知事)
 無投票の話とある意味、表裏一体だと思いますけれども、投票が行われても投票率が順次低下傾向にあることは、一般論として申し上げると残念なことだと思います。
 やはり選挙、そして投票というのは民主主義の基本ですから、できるだけ多くの方に参加いただいて、現実に投票していただき、かつ投票率も高いということの方が、多くの県民の皆さんのご意見を反映した 県政をしていくという意味では望ましい姿だと思います。
 ただ、現実に選挙の投票率は、立候補者の構図によって左右されることは一般的には多いことだと思います。
 いわゆる激戦が報じられるような接戦の場合には、かなり関心も高まって投票率も上がる一方で、下馬評でかなり差が付いていることになると、関心が高まらないこともあると思います。
 そういう意味で、一概に投票率が低いのが全く駄目だと言い難い部分もあります。
 ただ、そうは言いましても、いろいろ県政に関して足らざる部分があるというご意見もお持ちの県民の方も少なくないと思います。
 ぜひそういった方々は、皆さんの1票1票を行使いただくことによって、その声を県議会に届けていただくことをぜひこの機会にしていただきたいということは、私自身からもお願いしたいと思います。

 県議会議員選挙について⑥
(井上・高知新聞社記者)
 先ほどの県議選への応援スタンスのお話について、これまで県政報告会などの招待があれば、濵田知事は積極的に出席という形をされていたのでしょうか。

(知事)
 積極的に出席というところの積極的という意味合いにもよりますけれども、比較的、選挙まで日数がある局面でもありましたので、ご要請があれば、いろいろな日程なども考慮してということではありますけれども、特に今、現職で常日頃、県政の運営に関していろいろなお力添えをいただいたり、ご支持をいただいたりしている県議の皆さまには、強いご要請があれば、できるだけ応じていくという立場で判断してまいりました。

 県議会議員選挙について⑦
(井上・高知新聞社記者)
 それは具体的に言うと、最大会派の自民党であったり、県政の与党側であったりということを意識されて参加されるのですか。

(知事)
 現実には私も政治家の一人で、秋にはまた審判を受けなければいけません。
 自分と志を、政治的な心情も同じくして、自身の選挙に関しても今まで応援いただいてきた方、いただけるであろう方を私としても応援していくという思いで判断しています。

 県議会議員選挙について⑧
(井上・高知新聞社記者)
 今後、具体的に選挙期間に入る時に、知事自身が、これはどうしてもという場面があれば、基本的な抑制スタンスに限らないというお話がありました。
 知事が具体的な行動に移す場面が来るというのは、何か想定があるでしょうか。

(知事)
 具体的な想定がある訳ではございません。
 無投票になれば、多分それはない訳です。
 非常に激戦が想定される中で、今後の私自身の県政運営を行っていくことに関して、かなり見解が対立したような候補者同士の選挙戦になっている局面で、これはどうしてもというようなご要請がある場面については、原則中立と言いますか、抑制的というところを破ってでも、政治的な見地から応援が必要だと考えるような局面があれば、その時点では考えたいと思っております。

 高知県観光キャンペーン「リョーマの休日」が果たした役割について
(栗原・時事通信社記者)
 「牧野博士の新休日」が明日から開催されるということで関連してなのですけれど、これまでやってきた「リョーマの休日」が一応、表舞台から消えることになります。
 「リョーマの休日」が果たしてきた役割をどうお考えでしょうか。

(知事)
 「リョーマの休日」の観光キャンペーンに関して申しますと、14年ほど前、「龍馬伝」が大河ドラマに採用されることになったのを一つの契機として、高知県の観光資源である歴史、文化、自然、食を全国的に発信してPRしていこうと始まったと思います。
 これは尾﨑県政になってからの動きだったと思いますけれども、ある意味、高知県型パターンと言っていいのかもしれませんけれども、ある意味、行政も積極的に旅館、宿泊も含めて民間の観光に関わる事業者の方々と一緒になって高知の観光を全国に向けてPRをしていくと。
 そのための体制として、県のみならず関係団体、そして市町村、有識者の方々も入っていただいて推進委員会を設けて、年数回は委員会も開催して、いわば心合わせをして、最近「オール高知」という言い方をしておりますけれども、関係者一丸となって県の観光振興を図っていくと。
 その中で、直近のコロナの問題はありますけれども、県外からの観光客の入り込み数の基調として、400万人観光が定着できるところの実績へ持っていった大きな原動力の一つになっていると思います。
 この1年間は「らんまん」を軸に展開しようということですので、一区切りをつけることにしておりますが、これまで「リョーマの休日」のキャンペーンが果たしてきた役割、貢献は、大変、大きなものがあったと考えております。

 新型コロナ対策について
(髙野・共同通信社記者)
 新型コロナに関して何点かお伺いします。
 まず、マスクの着用が個人の判断に委ねられるようになって10日ほど経つと思います。 この点に関しての知事の受け止め、併せて、5月に5類に引き下げということで、県の5類の移行に対しての準備の進捗状況などを教えてください。

(知事)
 今月13日からマスクの着用について政府の大きな方針としては個人の判断に委ねることになりました。
 私自身の受け止めとしては一律に着用を求めることはないということ。
 しかし、いろいろな事情で高齢の方々、体調がよくない方が自らマスクの着用を希望される場合に、マスクを外せというような強要をするのは避けようという意味で、個人の判断という打ち出しがされたと理解しています。
 段階的に国民の皆さん全般に、そういう考え方が浸透しつつある過程ではないかと、今、自分としては受け止めています。
 そういうことでもありますから、皆さんが一斉に必ずしもマスクを外しているわけではないのは、この会場を拝見してもそうです。
 それを言い咎めるということではなくて、感染状況や今後の5類への移行も睨みながら、いわばスムーズな形で移行できることが大事ではないかと思っております。
 現在の第8波のコロナの感染はかなり落ち着いてきていますけれども、そういったものと相まって、これはだいぶ落ち着いてきたし、マスクを外しても良いのではないかという方の数がだんだんと増えてきて、正常化という形になっても、一部にはやはり、高齢の方とか医療機関の方とか、引き続き着用を続けられる方は一定期間続くのだとは思います。
 現状では、マスクを外すまでは踏み切れないという方も多いと思います。
 そういった方々が今後の推移とともに、特に5月の連休明け頃のタイミングで自然な形でマスクの着用は要らないと思っていただく方が増えていくことが望ましいのではないかと思っています。
 新しい体制への移行の準備状況です。
 今月、厚生労働省から、例えば新しい医療体制であったり、病床の入院調整であったり、あるいは公費予算のあり方についての方向性が出てまいりました。
 これを踏まえまして、来月21日までの期限だったと思いますが、各都道府県で、連休後の5類移行の移行計画を作るようにという要請も参っております。
 現在、実務的な検討をしておりまして、整い次第、できるだけ早いタイミングで県民の皆さんに、県としての移行のプラン、考え方をお示しできればと思っています。

 3年ぶりにマスクを外した生活について
(髙野・共同通信社記者)
 知事も公務などの中で、3年振りにマスクを外すことになるかと思うのですけれど、感想があれば教えてください。

(知事)
 朝、知事公邸を出る時にマスクを付けて出かけるのが習慣になっていましたので、時々、ふと忘れてマスクを付けていて、秘書から「今日は体調が悪いのですか」と言われて、「あぁ、新しい扱いになったんだな」と実感したこともあります。
 これを他の方にどうこうということではありませんけれども、やはり、マスクを付けずに日常生活を送るのが、3年前、4年前は通常の生活であったなということを改めて感じますし、少し体を動かした時などは呼吸もしやすいので、これは快適だなという思いは持っています。

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