公開日 2023年12月12日
令和5年12月12日 令和5年12月県議会での知事提案説明
1 県政運営の基本姿勢
2 人口減少対策
3 いきいきと仕事ができる高知
(1)産業振興計画の推進
(2)関西圏との経済連携の本格化
(3)観光振興の取り組み
4 いきいきと生活ができる高知
(1)日本一の健康長寿県構想づくり
(2)教育の充実
(3)その他
5 安全・安心な高知
(1)南海トラフ地震対策
(2)インフラの充実と有効活用
6 議案
1 県政運営の基本姿勢
私は、このたびの知事選挙の結果、県民の皆さんのご支持をいただき、再び知事として県政の舵取り役を担う機会を得ることができました。選挙期間中に県民の皆さんからいただいた大きな力を原動力に、気持ちを新たに県勢浮揚に向けて邁進します。
2期目の県政運営にあたっては、引き続き「共感と前進」を基本姿勢として、県民の皆さんとの対話を通じて県政に対する共感を得ながら、課題の解決に向けて着実に前進します。そして、得られた成果をもってさらなる共感を得て取り組みが一層前進するという「共感」と「前進」の好循環を生み出し、県政の進化に果敢に挑戦します。
その際には、デジタル化、グリーン化、グローバル化という新たな時代の潮流を先取りし、産業、生活、行政の各分野にわたって施策をバージョンアップします。このうち、デジタル化では、「デジタルによる人口減少社会への挑戦」を掲げ、関連施策の強化を通じて大都市部との距離など本県が抱える物理的なハンディを克服し、産業の生産性と生活の利便性の飛躍的な向上につなげます。グリーン化では、本県の豊かな自然資源を生かして、再生可能エネルギーの導入拡大や、林業振興などを通じた「経済と環境の好循環」の創出を図ります。そして、グローバル化では、人口減少に伴う国内市場の縮小が避けられない中、県産品の輸出拡大やインバウンド観光の振興といった海外に目を向けた取り組みを一層加速します。
足下に目を転じれば、物価高騰の長期化によって県民生活や事業活動への影響がますます大きくなっています。国の総合経済対策も最大限活用し、現下の影響緩和を図ることはもとより、中長期を見据えた社会経済の構造転換を力強く進め、県民の皆さんに効果を実感していただけるよう取り組みます。
今後4年間も私が先頭に立ち、県民の皆さんと心を一つにして着実に課題の解決を図り、元気で豊かな、そしてあったかい高知県を実現し、次世代に引き継いでいけるよう全力を尽くします。
2 人口減少対策
現在、県政における最重要課題は、本県の将来を左右する人口減少への対応です。本県ではこれまで、まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、人口構造の若返りを図るべく、地産外商や子育て支援といった取り組みを進めてきました。しかしながら、昨年の出生数が47都道府県で最少となるなど、若年層を中心とした人口の減少にブレーキがかかっていません。この状況から何としても脱却すべく、若者の人口、とりわけ女性の若年人口を増加させ、持続可能な人口構造に転換できるよう、不退転の決意で臨みます。
取り組みにあたっては、4、5年後までに若年人口の減少傾向に歯止めをかけ、概ね10年後には現在の水準まで回復させることを目標として掲げ、第一に、関西圏との経済連携をはじめ、地産外商や観光誘客の推進といった取り組みによる「いきいきと仕事ができる高知」。第二に、教育の振興や子育て支援などを通じた「いきいきと生活ができる高知」。第三に、南海トラフ地震対策やインフラ整備による「安全・安心な高知」。これら目指すべき3つの高知県像の実現に向け、総合的に施策を展開します。
このため、次期総合戦略においては、「若年人口の増加」、「婚姻数の増加」、「出生率の向上」の3つの観点から施策を抜本強化します。
このうち、「若年人口の増加」について、若者の県内就職を促進し、県外からの移住者をさらに呼び込むためには、若者にとって魅力のある仕事の創出や女性が働きやすい環境の整備が欠かせません。このため、各産業分野のデジタル化を一層進めることで事業者の稼ぐ力を高めるほか、IT・コンテンツ企業をはじめとする事務系企業の誘致などに取り組みます。
「婚姻数の増加」については、特に出会いの機会が少ない中山間地域を中心に、移住施策や地域のイベントと連携した出会いの機会を拡充します。また、こうち出会いサポートセンターの機能強化を図るなど、結婚を希望する方に対するきめ細かな支援を行います。
「出生率の向上」については、理想の出生数をかなえられるよう、国の施策も踏まえて子育て家庭の経済負担の軽減を図ります。加えて、子育て経験者による敷居の低い相談体制の整備といった住民参加型の子育て支援策を充実します。
さらに、若い女性に高知を選んでもらうためには、地域に根強く残る固定的な性別役割分担意識の解消が欠かせません。このため、「男性が育児休業を取得することが当たり前」という高知県を目指し、私が先頭に立って、「共働き・共育て」を県民運動として強力に推進することで社会全体の意識改革を図ります。
特に中山間地域においては若年人口の減少が先行して進んでおり、より重点的な取り組みが必要です。このため、「若者を増やす」、「くらしを支える」、「活力を生む」、「しごとを生み出す」の4つを柱とする中山間地域再興ビジョンを本年度中に策定し、少子化対策と一体となった新たな中山間対策に着手します。具体的には、中山間地域の基幹産業である一次産業や建設業において若者にとって魅力のある仕事を創出するほか、デジタル技術を活用した生活環境の整備などに取り組みます。
また、定住や移住の促進、子育て支援といった一連の施策を市町村が地域の実情に応じて進めることができるよう、市町村に対する財政支援の枠組みとして「人口減少対策総合交付金」を創設したいと考えています。
3 いきいきと仕事ができる高知
次に、目指すべき3つの高知県像のうち、まず「いきいきと仕事ができる高知」に向けた取り組みについてご説明申し上げます。
より多くの若者が本県に戻り、また、都会へ出て行かなくても誇りと志を持って住み続けることができる高知の実現に向けては、県経済の持続的かつ力強い発展が不可欠です。このため、全国下位にある一人当たりの県民所得を概ね10年後までに全国中位に上昇させることを目標に掲げ、徹底して県経済の底上げを図ります。
(1)産業振興計画の推進
足下の県経済は、個人消費を中心にコロナ禍からの回復軌道に乗りつつあるものの、物価高騰による影響の長期化が懸念されるほか、様々な分野で人手不足が深刻化しています。
今後も一定の人口減少が避けられない中、回復しつつある県経済を持続的な成長につなげるためには、各産業分野の構造転換を通じて足腰をより強くすることに加え、経済成長の礎となる新たな価値を創出することが重要です。
このため、次期産業振興計画では、これまで取り組んできた「地産外商」をより一層進めます。具体的には、大阪・関西万博の開催に向けて経済活力が高まる関西圏との経済連携に加え、海外市場への輸出拡大やインバウンド観光の振興といったグローバル化の取り組みを加速します。
また、デジタル化やグリーン化などを通じて新たな価値を生み出す「イノベーション」を戦略の柱に据え、各施策を抜本強化します。デジタル化では、各産業分野においてデジタル技術の導入を加速することで事業者の稼ぐ力を一層高め、魅力ある仕事を創出します。グリーン化では、脱炭素に資する製品開発や新事業展開などの取り組みを進め、「経済と環境の好循環」を図ります。
さらには、こうした取り組みを支える人材の育成や確保を一層進め、併せて、人手不足の解消に向けてUIターンの促進や外国人材の確保の取り組みを強化します。特に、外国人材の確保に関しては、より多くの方に本県を選んでもらえるよう、生活環境や就労環境のさらなる充実を図ります。加えて、インドとの人材交流及び経済交流に関する覚書の締結に向けて、来月には私自身が現地を訪問するなど、送り出し国との関係強化を図り、人材の受け入れ拡大につなげます。
(2)関西圏との経済連携の本格化
関西圏との経済連携については、関西・高知経済連携強化戦略に基づく外商拡大や観光誘客の取り組みにより、本年7月にあべのハルカスに開設した期間限定の店舗の来客者数が4万人を超えるなど、手応えを感じています。
こうした成果も踏まえ、次期戦略では、来年7月に大阪市梅田にアンテナショップを開設し、大阪・関西万博を最大限に生かした情報発信や外商活動を一層強化するなど、関西圏との経済連携のステージをもう一段引き上げます。具体的には、アンテナショップを拠点に、関西圏のメディアとも連携して本県の食や自然といった魅力を広く発信します。加えて、アンテナショップにおける商談機会の創出やテストマーケティングを通じ、関西圏の方々の嗜好に応じた県産品の磨き上げを進め、販売拡大につなげます。
また、万博期間中には、会場において「よさこいの演舞」と「街路市」を柱とするイベントの開催を予定しており、市町村とともに本県の魅力を世界へ向けて広く発信したいと考えています。さらに、万博を契機に関西圏を訪れる国内外の観光客をターゲットに、大阪観光局と連携して本県への誘客を促進します。こうした施策を市町村や事業者、本県にゆかりのある関西在住の方々を含めたオール高知の態勢で展開し、その経済効果を早期に多くの県民の皆さんに実感していただけるよう取り組みます。
(3)観光振興の取り組み
観光分野においては、連続テレビ小説「らんまん」の放送という追い風を生かして、本年3月から観光博覧会を開催してきました。その結果、牧野植物園の4月から先月までの来園者数が35万人を超え、過去最高であった昨年度の2.8倍を記録するなど誘客拡大に大きな手応えを感じています。
そして、来年4月からは、「極上の田舎、高知。」をコンセプトに、深く、たっぷりと本県の魅力を味わっていただく「どっぷり高知旅キャンペーン」を4年にわたって展開します。今月5日には、官民一体でキャンペーンを推進する組織を設立しました。今後は、関係者の皆さんからいただいたご意見も踏まえ、観光客の長期滞在を促すべく、市町村とも連携して効果的なプロモーションやセールスを展開するほか、受入態勢の整備を進めます。
こうした中、先日、本県の名誉県民第1号であるやなせたかしさんと小松暢さん夫妻をモデルにした、連続テレビ小説「あんぱん」が令和7年の春から放送されることが決定しました。「らんまん」に続き、本県から輩出した文化人の活躍を通じて全国の皆さんに高知の魅力を届ける絶好の機会を得ることができ、大変嬉しく思っています。この放送を本県観光の一層の飛躍につなげるべく、誘客にしっかりと取り組みます。さらには、まんが文化の発信のほか、アニメ関連企業の誘致といった幅広い施策に生かしたいと考えています。
また、インバウンド観光では、全国的に活発な訪日旅行の動きをチャンスと捉え、関連施策を一層強化します。
このうち、好調な搭乗実績で推移している台湾からの定期チャーター便については、今後の定期便化につなげるべく、観光面をはじめとした台湾との交流拡大を図ります。さらに、台湾との定期便化はもとより、台湾以外の国際線の誘致も視野に入れ、海外との往来の玄関口となる空港施設の機能を強化したいと考えています。本年10月には、県が設置した高知龍馬空港の新ターミナルビルの整備に向けた検討会議において、現在のビルと一体的に整備する案が承認されました。県としましては、この案に沿って令和7年度の完成を目指して整備を進めたいと考えています。
4 いきいきと生活ができる高知
次に、「いきいきと生活ができる高知」に向けた取り組みについてご説明申し上げます。
将来にわたって誰もが住み慣れた地域で暮らし続けることができ、さらに、多くの若者を本県に呼び込むためには、医療や福祉、教育などの生活基盤の確保が欠かせません。このため、生活に関するあらゆる分野において、デジタル技術も最大限に活用しながら、県民の皆さんの希望に応えられる生活環境の整備に取り組みます。
(1)日本一の健康長寿県づくり
日本一の健康長寿県づくりについては、これまで健康寿命の延伸や在宅療養体制の充実、妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援体制の整備といった取り組みを進めてきました。しかしながら、依然として中山間地域の医療、介護、福祉サービス基盤は脆弱であり、加えて、担い手不足への対応も大きな課題となっています。また、少子高齢化の進行などに伴う地域の支え合いの力の弱まりや、8050問題といった複合課題へのさらなる対応も求められています。
こうした現状を踏まえ、次期日本一の健康長寿県構想では、次の4つの観点から施策の抜本強化を図ります。
1つ目は、全国と比べて高い壮年期男性の死亡率の改善を目指して、働き盛り世代をターゲットにした対策を強化します。加えて、デジタル技術を活用したフレイル予防などの取り組みを通じて健康寿命の延伸につなげます。
2つ目は、中山間地域を含めて必要なサービスが受けられる環境の整備に重点的に取り組みます。オンライン診療の導入拡大による在宅療養体制の確保や、あったかふれあいセンターと連携した新たな介護サービスモデルの構築などを通じて、住み慣れた地域で暮らし続けられる環境を整えます。
3つ目は、「こどもまんなか社会」の実現に向けて、子育て世帯の安心感を高められるよう関連する施策の強化を図ります。住民参加型の子育て支援を一層推進するなど、地域全体で子育てを支える取り組みを進めます。加えて、市町村の母子保健部門と児童福祉部門を一体化した「こども家庭センター」の設置を促進し、支援体制のさらなる充実につなげます。
4つ目は、制度や分野を超え、地域で相互につながり支え合う高知型地域共生社会の推進にオール高知で取り組みます。市町村における包括的な支援体制の整備を行政主体の「縦糸」として、民間事業者と連携した地域の見守り活動など、人と人とのつながりの再生に向けたネットワークづくりを地域主体の「横糸」として、関連施策を推進します。また、高知型地域共生社会の拠点となるあったかふれあいセンターについて、幅広い世代に様々な用途で利用されるよう、機能の拡充と担い手の確保に取り組みます。
このほか、医療、介護、福祉分野においてデジタル技術も活用し、業務効率化とサービス向上を図ることに加え、若者にとって魅力のある職場づくりを進めることで、中山間地域を中心に人材の確保と定着を促進します。
(2)教育の充実
近年、教育を取り巻く課題は複雑化、多様化しており、教育が担うべき役割は重要性を増しています。こうした課題に対応するためには、ICTなどの新しい技術を積極的に取り入れ、より丁寧に子どもたちと向き合うことに加え、学校外の方々の協力も得ながら、これまで以上に地域と一丸となって教育の充実を図る必要があります。次期教育大綱においては、こうした観点から関連施策を強化したいと考えています。
このうち、学力の向上については、基礎学力の定着と個々の児童生徒に応じた指導のさらなる充実が必要です。このため、デジタル技術を活用して、個々の理解度に応じた適切な教材の利用や、学習履歴に基づくきめ細かな指導につなげます。あわせて、1人1台端末を活用して授業と家庭学習を切れ目なくつなぐ取り組みを進めることで、日常的な学習習慣の確立を図ります。
不登校に関しては、小中学校における千人当たりの不登校児童生徒数が10年ぶりに前年度を下回るなど改善の兆しが見えてきたものの、依然として不登校者数は高止まりしています。不登校の未然防止と早期対応を一層徹底すべく、校内サポートルームの設置の拡大や、相談支援体制のさらなる充実を図ります。あわせて、不登校の児童生徒の多様な教育機会を確保する観点から、オンラインによる学習支援を進めることに加え、「学びの多様化学校」の設置について検討を深めます。
また、誰もが生まれ育った地域で学びながら希望の進路をかなえるためには、中山間地域における教育の充実が欠かせません。このため、小規模な高等学校の遠隔授業の拡充といった取り組みを進めます。加えて、県内外から多くの生徒を呼び込めるよう、各学校の特色を生かした一層の魅力化に努めます。
(3)その他
(国民文化祭の開催)
本年10月に文化庁から、国民文化祭を令和8年度に本県で開催する旨の内定をいただきました。国民文化祭は、地域の文化資源の特色を生かした国内最大規模の文化の祭典であり、一体的に開催される全国障害者芸術・文化祭と併せて、本県では初の開催となります。開催にあたっては、市町村や関係団体と連携して多彩なイベントを県内全域で展開し、文化芸術のさらなる振興と中山間地域の伝統芸能の再興につなげたいと考えています。
今後、基本構想を策定するための検討委員会を早急に立ち上げ、有識者や関係者のご意見をいただきながら準備を進めます。
5 安全・安心な高知
次に、「安全・安心な高知」に向けた取り組みについてご説明申し上げます。
本県は、これまで台風や豪雨などの自然災害により度々大きな被害を受けてきました。また、南海トラフ地震の切迫度は年々高まっており、いつ発生してもおかしくありません。こうした自然条件の下、それぞれの地域で県民の皆さんに安心して生活を営んでいただくためには、これまで以上にスピード感を持って災害に強い県土づくりを進めなければなりません。
(1)南海トラフ地震対策
南海トラフ地震対策については、第5期行動計画の目標に沿って県内の想定死者数を約4,300人へと半減させ、さらには限りなくゼロに近づけることを目指して、「命を守る」、「命をつなぐ」対策の充実を図ります。加えて、被災後、できるだけ早期に元の生活が取り戻せるよう、復旧・復興に向けた「生活を立ち上げる」対策を一層強化します。
このうち、「命を守る」対策については、住宅の耐震化といったハード面の対策が順調に進捗しています。また、ソフト面においても、これまでの取り組みにより、津波からの早期避難意識率は本年度の速報値で過去最高の77パーセントにまで上昇しました。しかしながら、行動計画の目標である100パーセントの達成に向けては施策の底上げが必要です。このため、防災への関心が薄い30歳代、40歳代を主なターゲットにした広報啓発を一層強化します。また、自力での避難が困難な要配慮者の方々が確実に避難できるよう、市町村と連携して個別避難計画の作成を加速します。
「命をつなぐ」対策では、応急活動をはじめ、医療救護や避難所運営などに必要となる計画を順次策定してきました。今後、これらの計画について訓練などを通じてしっかりと検証や見直しを行い、実効性をより一層高めます。
「生活を立ち上げる」対策では、市町村における事前復興まちづくり計画の策定を支援してきた結果、これまでに沿岸19市町村のうち7市町が既に策定に着手しています。来年度末までには沿岸市町村の全てが計画策定に着手できるよう、引き続き地域の実情に沿ってきめ細かな支援を行います。
また、津波浸水予測区域内にある住居や事業所の高台移転の促進に向け、県と高知市など4市町からなる協議会で検討を進めてきた結果、先月、市街化調整区域における規制緩和の方針を決定しました。今後、新たな方針について住民や事業者の理解が進むよう、関係市町と連携して周知を図ります。
(2)インフラの充実と有効活用
地域の経済活動を支え、南海トラフ地震をはじめとする大規模災害に備えるためには、依然として全国に比べて立ち後れている道路や河川、港湾などのインフラ整備を積極的に進める必要があります。
このため、市町村や関係団体と連携し、積極的な政策提言を通じて国を動かし、四国8の字ネットワークや浦戸湾の三重防護といったプロジェクトを加速します。あわせて、1.5車線的道路整備や河川の浚渫といった地域のニーズに応じた事業を着実に進めます。
6 議案
続きまして、今回提案いたしました議案についてご説明申し上げます。
まず予算案は、令和5年度高知県一般会計補正予算など9件です。
このうち一般会計補正予算は、主に国の総合経済対策への対応のため、総額307億円余りの歳入歳出予算の補正並びに総額146億円余りの債務負担行為の追加を含む一般会計補正予算案を提出しています。
「原油価格・物価高騰対策」に関しては、足下の影響を緩和するため、家庭用のLPガス代や特別高圧電力に係る電気代の負担軽減を図ります。加えて、医療施設や社会福祉施設に対する給付金の支給のほか、農業者の肥料や漁業者の燃料の購入費などへの支援を行います。
「防災・減災対策」については、国の5か年加速化対策を最大限活用し、四国8の字ネットワークや浦戸湾の三重防護といった防災・減災に資するインフラ整備を加速します。
「デジタル化、グリーン化、グローバル化の推進」では、物価高騰に係る中長期的な負担軽減も見据え、家庭や事業者における太陽光発電設備の設置を促進するほか、省エネ設備やデジタル技術を導入する事業者を支援します。加えて、高知龍馬空港の新ターミナルビルの整備に向けた調査設計などに係る予算を計上しています。
条例議案は、高知県税条例の一部を改正する条例議案など5件です。
その他の議案は、公平委員会の事務の受託の廃止に関する議案など15件であります。
以上をもちまして、議案提出にあたっての私からの説明を終わらせていただきます。
何とぞご審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。