令和6年4月9日 知事の記者会見

公開日 2024年04月11日

更新日 2024年04月12日

1 どっぷり高知旅の展開について
2 特定利用港湾の指定後、政府の予算内容と政府の姿勢への受け止めと、県民の不安払拭について 
3 特定利用港湾の指定を受けることのリスクと県内3港湾の指定に関する国からの説明について
4 川勝静岡県知事の職業に関する発言と辞任する方針への受け止めについて
5 台湾東部沖地震に関する受け止めと高知県の対応について
6 派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金問題に関する自民党の処分内容と岸田総裁の政治姿勢について
7 自民党 岸田総裁の説明責任について
8 今年のよさこい祭りへの期待と県職員の支援について
9 高知県UIターンサポートセンターにおけるハラスメントへの対応について①
10 特定利用港湾の指定を受けたことによる有事の際のリスクについて
11 特定利用港湾の指定の受け入れをめぐる県民等への説明について
12 自民党の政治資金パーティーをめぐる裏金問題に対する処分の受け止めについて①
13 自民党の政治資金パーティーをめぐる裏金問題に対する処分の受け止めについて②
14 高知県UIターンサポートセンターにおけるハラスメントへの対応について②
15 高知県UIターンサポートセンターにおけるハラスメント問題への受け止めについて
 

(司会) 
  ただ今から知事記者会見を始めさせていただきます。
  まず、幹事社質問をお願いします。

どっぷり高知旅の展開について
 (川辺・高知さんさんテレビ記者) 
 私からは「どっぷり高知旅キャンペーン」についてお伺いします。これは先月末まで、まず牧野博士の新休日が 行われていて、その後に展開されるキャンペーンとなります。牧野博士の新休日は、知事自身も牧野博士の格好を されるなど、盛り上げていらっしゃいまして、観光客が年間472万人という数を出しました。この牧野博に比べる と、どっぷり高知旅の方は、まだ形が見えづらいといった印象があります。このキャンペーン、具体的にどんなこ とに取り組まれるのか、今年度は4年間のスタートの年ですから大事な年だと思うので、どんなことに取り組まれ るのか。また、知事としては、どんなことをしていきたいのかお聞かせください。

(知事)
 この「どっぷり高知旅キャンペーン」ですけれども、狙いとしては、観光客の皆さんに長期滞在をしていただく。そして、地元の方々との交流など、地域ならではの魅力をじっくり、たっぷり味わっていただきたいというコンセプトで展開しようとしています。
 また、高知の地元の方々にとっても、こうした観光客との交流を通じまして、地元の文化、暮らしの魅力を自分たち自身も再認識していただくことで地域の元気にもつなげていくキャンペーンとして展開していきたいと思っています。
 そうした意味で、観光の盛り上げと県内の中山間地域の活性化、両方を狙って、これは腰を据えた取り組みが必要だということで4年間の期間を設定しました。特に、令和8年度には国民文化祭も予定されていますので、このタイミングと合わせて、神楽などの地域の伝統芸能を全国に発信していくというようなこととリンクさせて、このキャンペーンを盛り上げていきたいと考えています。
 今申し上げたようなキャンペーンですので、これを成功させるキーになるのは、県民の皆さん、いわばお一人お一人に、このキャンペーンに何らかの形で参加していただくと、一緒に取り組んでいただくことがポイントだと考えています。従いまして、既にコンテストは始めておりますけれども、今後さらに県民の皆さん、あるいは小中学生の皆さんを対象として、地域で大切に保ってきた文化、あるいは将来に引き継いでいきたい自然、自慢の食、こういったものを応募いただくようなコンテストをさらに展開していきたいと思っています。
 また、観光客の方々へのおもてなしをしていただける方に、いわばおもてなしの宣言をしていただいて、そうした方々に特製のピンバッチを配布することで、このキャンペーン、おもてなしの面から参加いただくような仕掛けも考えたいと思います。
 そして、これを観光の商品づくりにつなげていくという意味では、地元の方々とのおきゃく・宴席だったり、神楽の鑑賞といった、地域ならではの体験ができるような観光商品を開発していくということ。そして、中山間地域で宿泊施設を中心に長期滞在できる地域づくりに、地域の皆さんと一緒になって取り組んでいくことも考えていきたいと思います。
 もちろん、昨年度のいわゆる牧野博で重点的に取り組みました草花の群生地でのガイドツアー、こういった取り組みは今回のキャンペーンの中でも十分に生かせると思っています。先ほどのコンテストの、いわば先行版として先日発表しました取り組みの中では、例えば伊尾木洞とか、神楽の関係の体験とか、そういった地域の魅力が詰まった商品がたくさん応募されてきておりまして、そうした商品をしっかりと国内外にセールスしていきたいと思います。
 私自身のコミットメントはどうかというお話ございました。今のところコスプレは考えておりませんけれども、県内各地に出向いた際には、「県民の皆さんお一人お一人に参加いただきたい。そのことで長期滞在とか、観光客との交流を通じて、地域を元気にしていくと、そういう趣旨も込めたキャンペーンなんだ」ということを私自身の言葉でしっかり訴えてまいりたいと思います。来週には東京での旅行会社向けの観光説明会も、例年のように私自身が出向きましてプレゼンをさせていただくことも考えておりますし、そうした形も含めて、しっかりと国内外へのセールスを行っていきたいと思っております。

特定利用港湾の指定後、政府の予算内容と政府の姿勢への受け止めと、県民の不安払拭について
(井上・高知新聞社記者) 
 政府が防衛力強化の一環で進めている特定利用空港・港湾についてお伺いします。高知県では、3月末に知事が合意の確認をされた高知港、須崎港、宿毛湾港の3港が特定利用港湾に指定され、令和6年度の政府予算では、3つの港の整備に28億円という予算が充てられることが決まりました。
 まず、この予算計上についての受け止めをお伺いするのと、併せて、他県の状況を見ますと、特定利用空港・港湾を受け入れる自治体もあれば、沖縄、鹿児島、熊本、福井といった県では政府との協議がまとまらず指定が見送られました。そういった県からは予算の計上であったり、具体的な運用であったりについて、まだ政府の説明が不十分で判断材料が整っていないというような意見も出ています。こうした状況も踏まえた上で、改めて高知県として指定を受け入れるに至った理由や、政府の姿勢、また今後県民に対する説明について、どのように取り組んでいかれるのかお伺いします。

(知事)
 まず、令和6年度の港湾関係の施設整備の予算の内容についてです。本県において、この特定利用港湾の対象になることに伴います具体的な事業の中身としては、既存の事業の整備計画に基づいて実施しております高知港におきます防波堤の延伸の工事、それから県内3港におけます防波堤の津波対策、いわゆる粘り強い化、この工事が対象になって、この部分の予算の上積みがされたと認識しております。数字的には28億円というお話がございました。これは、令和5年度の当初予算の対応する数字が23億円と報告を受けておりますので、前年度比で言いますと県全体で1.2倍相当ということです。過去の数字を見ましても、でこぼこはありますけれども、ここ数年の数字を見ましても、特定利用港湾の関係での事業の上積みということも反映して、前年比の1.2倍という水準が確保されたと受け止めていまして、自衛隊ないし海上保安庁の艦船が安全保障上の理由で使うことになるということで、重要性が加味されたことが、数字上も反映されたのではないかと受け止めております。
 この指定受け入れの理由等を改めてということもお話がございました。一言で申しますと、指定の受け入れに伴いますリスクは無いとは申しませんけれども、それを十分に大きく上回るような、十分なメリットが認められると判断したからということです。それは、港湾予算の重点配分と整備の促進ということと、あとは災害派遣などの時に、自衛隊の艦船などが常日ごろから訓練などで港湾に慣れておいていただくと、習熟しておいていただくと、より迅速・的確な対応が、例えば大規模災害の派遣というような時に期待できるであろうと、この大きな2点です。
 政府の姿勢に関しては、通常、安全保障絡みの情報を開示することは、政府はかなり慎重・消極的だと思います。そうした中にありながら、今回のQ&Aの提示も含めて精いっぱいの情報開示をしていただいたという点は、私としては評価したいと思っておりまして、そのことも踏まえて年度内の判断をさせていただいたということです。
 ただ、前回やり取りをさせていただいたように、やはり県民の皆さまには、今回、特定利用港湾の指定の問題とは少し離れて、別次元でベースになっております国の有事法制であったり、あるいは安全保障法制であったり、そういったものに関連して、端的にいえば、米軍の戦争に巻き込まれるのではないかといった不安感を根強くお持ちの方も少なくないということがあるということは事実だと思います。この点は一義的には、国の安全保障政策の問題だと思いますけれども、私どもとしては、まずは、今回の港湾の指定はそれとは次元が異なるところの話であるということをしっかりと説明をするとともに、国に対しては、こういった実情もぜひ認識をいただいて、いろいろな機会を捉えて、国の安全保障政策についての広報にも努めていただきたいという思いはございます。
 そうした形で、県民の皆さんの不安払拭への対応としては、県版のQ&Aも作りましたけれども、今後必要があれば、さらに追加を考えるということ、そして、具体的に、この特定利用港湾指定に伴います連絡調整の体制も構築し、協議の場が設けられれば、その意見交換の内容ですとか、今後、港湾が具体的に利用される場合の予定などについても、可能な限り県としては公表していきたいと思っておりまして、そうしたさまざまな機会を通じて県民の皆さんの理解の増進に努めてまいりたいと思っております。

特定利用港湾の指定を受けることのリスクと県内3港湾の指定に関する国からの説明について
 (井上・高知新聞社記者)
 先ほどの知事の発言で関連してお伺いしたいのですけれども、今回の指定がリスクは無いとも申し上げられないが、それを上回るメリットがあると。知事自身はリスクというものは、何をどのように考えていらっしゃるのかというのをお伺いしたいのと、なぜ今回高知の3つの港が選ばれたのか、そこに関しては国とのやりとりで何か情報提供であったり、その理由付けというところはあったのでしょうか。

(知事)
 リスクとして考えられる最大のものは、今回の港湾の指定を受けることで、いわば攻撃の目標、標的になり得るのではないかということだと思います。端的にいって、そういうことだと思います。
 現実に恐らく他県の中で、今回沖縄県や鹿児島県は、まだ説明不十分というような理由で判断を先伸ばしにされたと思います。個々の実情を私から説明を申し上げる立場にはありませんけれども、一つの推測として申し上げると、沖縄県の場合は辺野古の基地の問題、そして、鹿児島県の場合も馬毛島の基地の問題、まさしく基地の整備の問題などを、この空港・港湾の問題とは別に抱えておられるといった中で、県民の皆さんの、恐らくこの辺の問題に対する、まさしくリスクに関する関心も高いということで、より慎重に、また地元の皆さんへの丁寧な説明ということを要求されていたところのスタンスからして、まだ十分でないという判断をされたのではないかと思います。
 ただ、これは国の説明によりますと、県内3港について、いちいち説明を求めたわけではありませんけれども、概括的な説明としては、一つは、わが国を巡る安全保障情勢です。特に南西諸島方面での対応というのが求められる蓋然性が高いということと、国内における自衛隊の駐屯地の配備、ですから具体的なイメージとしては、これもう私の推測も含めますけれども、典型的には例えば、善通寺にある14旅団が高知道を通って、高知新港を使って物資の輸送にあたると、部隊の輸送にあたるというような場面があり得るという前提で太平洋側の本県の3港湾が選定されたのであろうと、これは私の推測も含めてですが、国の公式な説明はさっき言ったように、南西諸島の問題と国内の部隊配置などを考えたのだということでして、そういった県内に関しては、そういうことだと思いますが、逆にいいますと、県版Q&Aにも書きましたけれども、こうした候補地が既に明らかになってるわけでして、それは沖縄県あるいは鹿児島県の港湾・空港も明らかになっているわけでありまして、そのいわゆる有事に近い時に利用する可能性がある港湾というのが、もう具体的に、実質的に公表されたと言える状態だと思います。ある意味それが明らかになった時点で、リスクというのはかなりの程度生じているということではないかと。この上、これに今回指定に応じるという判断をすることで、若干のリスクのプラスはあるかもしれませんが、それはかなり限定的なものになるのではないかと。それは実質的には年数回程度の訓練と、いざ自衛隊、海上保安庁が緊急に使いたいと言った時にできるだけの努力をするということをお約束するというだけですので、指定に伴うリスクの増は限定的ではないかという判断を私としてはしたというところです。

(司会)
 それでは、各社からの質疑に移ります。質問される方は挙手をして、社名とお名前の発言をしていただいてから質問をお願いいたします。

川勝静岡県知事の職業に関する発言と辞任する方針への受け止めについて
 (鈴田・共同通信社記者)
 静岡県知事の一連の騒動について伺います。静岡県の川勝知事は新規の採用職員に向けた訓示で、県庁はシンクタンクだと、野菜を売ったりうんぬんかんぬんということをおっしゃいました。お伺いしたいのは、まずこの発言について、どう受け止められているかということ、それから辞任する意向を表明されていますけれども、この対応について、どうお考えになっているかを教えてください。

(知事)
 報道に接する限りの情報でという前提でお答えします。川勝知事の発言は、趣旨旨としては、県庁の新規採用の職員を鼓舞するという目的で、恐らく皆さま方は、たくさんの応募者の中から選抜されて採用された職員なので、頑張ってもらいたいという激励をする趣旨だったとは思いますけれども、そのために、ことさら他のご職業に就く方と比較するような形で、あたかも優劣を付けるような印象を与えるような発言に、少なくとも結果としてなってしまっているということだと思います。ご当人も既に撤回はされたことだと思いますが、発言の中身としては不適切な発言だったのではないかと私としても思っております。
 この対応についても、川勝知事は以前からも一種の問題発言というのはされてきた経緯もあって、県議会との間で、次にこうした問題発言があった場合には、職を辞することもお考えになるというようなことも公言されていたと承知しております。それはご本人の判断として、そうした経緯も踏まえて、職を辞するという判断をされたということではないかと受け止めております。

台湾東部沖地震に関する受け止めと高知県の対応について
 (栗原・時事通信社記者)
 2点お伺いします。まず、今月3日に発生した台湾東部の地震について知事にご所感をお願いします。あと、県として救援金を送るなどの対応を検討されているのかも伺います。

(知事)
 今回、台湾近海で大きな地震が発生して、多数の方が亡くなられ、なお行方不明の方もおられるということです。今回犠牲になられました方々に心から哀悼の意を表したいと思いますし、被災された方々にお見舞い申し上げたいと思います。
 早速、私も知事名で大阪の台北経済文化弁事処長宛て、あるいはチャーター便を運航していただいてますタイガーエア台湾ですとか、スタートラベルの方々などに対しまして、お見舞いの書状を発出いたしました他、県民の皆さんからの救援金の募集に関しましては、日本赤十字社が救援金の口座を開設されておりますので、これをいろいろな機会を通じてご紹介させていただくことで、県民の皆さまに支援を呼び掛けさせていただくという対応を取らせていただいております。

派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金問題に関する自民党の処分内容と岸田総裁の政治姿勢について
(栗原・時事通信社記者)
 続いて、自民党派閥の政治資金問題についてお伺いします。自民党はこの度、処分案を発表されましたが、まず、これについてどういうふうに思われたか伺います。あと、岸田文雄総裁についての処分について触れられませんでしたけれども、知事はかねてより、説明責任は果たされていないのではないかなどの発言をされていたと思います。政治的責任等についてお考えがありましたらお願いします。

(知事)
 今回、自民党では今回の問題のひとつのけじめとして処分を決定されたと思います。特に私自身の問題意識からしますと、派閥の政治資金の不記載の問題について、本来、責任者たる当時、幹部の職にあった国会議員の多くの方々が全く知らなかったというお話をされて、それだけではなかなか、世の中通らないのではないかという思いがございました。責任者である以上は、何らかの調査というか聞き取りなどはして、説明をできる限りするというのがあるべき姿だと思います。それがどうしてもできないということであれば、責任者として、まさしくどう責任を取るのかというところが問われる問題ではないかと考えていました。 おそらく、そうした思いをお持ちの国民の皆さんも少なからずおられたということだと思います。そうした思いを察しながら、党としてのけじめとして、今回の処分を決められたということではないかと思います。
 そうした観点から、特に今回の派閥の政治資金の取り扱いの、いわば、権限責任がある立場にあった議員の方々に、その責任の重さ、権限の重さ、大きさに応じて厳しい処分を判断されたということではないかと思います。
 岸田総裁に関しては対象外にされたということは、これは党としての判断ということだと思います。その視野にあったのが派閥の政治資金ということだということで、説明されておりますけれども、この点は、総理自身が最終的には国民の皆さんの判断に委ねるべき中身だというようなことも、おっしゃっておられますから、私としては、そのとおりに受け止めるべきではないかと考えております。

自民党 岸田総裁の説明責任について
(栗原・時事通信社記者)
 もう1点追加なのですけれども、国民の判断に委ねるというところですけれども、国民の判断の材料となる説明については、尽くされているというお考えなのでしょうか。

(知事)
 処分の中身として、今回、ご自身の政治団体についての不記載があったわけではないというようなこと、いわゆる岸田派の問題に関して言うと、他の派閥におけます不記載の状況と、状況が違うというようなご説明はされていると思います。それはそれで、理屈は通っているということだと思います。そういった中身も含めて、今回、党全体を揺るがすような問題となったということについての、党総裁としての責任については、これは国民の皆さんいろいろなお考えはあり得ると思いますから、ただ、そこはまさしく国民の皆さんの判断に委ねるという判断を、岸田総裁としてされたということだと思っております。

今年のよさこい祭りへの期待と県職員の支援について
(羽賀・朝日新聞社記者)
 2点お伺いします。まず、同じ時刻によさこい祭振興会の総会が開催されているのですけれども、今年のよさこい祭りに対する期待、それから、昨年はスタッフ不足を補うために、県の職員を派遣するなど関与されましたけれども、今年そのような形での関与はあるのかを教えてください。

(知事)
 昨年は、よさこい祭りもコロナの5類移行後初めてということになりまして、4年振りのフル開催になりました。それを受けての71回目の開催になろうかと思いますが、何と言いましても、よさこい祭りは高知の夏の風物詩ですし、高知の元気の象徴のような存在だと思っております。昨年は4年振りのフル開催と言いながら、なかなかコロナ前ほどの規模までは完全には戻らなかったと思いますけれども、今年はできる限り多くの方に参加していただいて、より盛大な形で祭りが行われることを期待したいと思います。
 昨年はスタッフ不足を補うために県職員の助っ人もというようなお話がありました。今年はまだ、私自身は振興会なり商店街の方々などから、そういったご意向を伺っておりませんので、そういったご意向も伺った上で判断したいと思いますけれども、基本姿勢としては、高知市の皆さんもそうだと思いますが、県の職員も含めて、できる限り地域の、いわば最大のお祭りですから、特にご要請があればできる限りの応援をしていく、あるいは一緒に盛り上げていくという姿勢で対応を考えたいと思っております。

高知県UIターンサポートセンターにおけるハラスメントへの対応について①
(羽賀・朝日新聞社記者)
 2点目です。先日、高知県UIターンサポートセンターのトップが、人事上ではなく、ご自身で処分をされました。その理由の一つとしてパワハラ行為があったと主張して職員が複数辞めたことが明かにされていたわけですけれども、内部の調査では、そのような行為はパワハラではなかったと判断されたということでした。
 一方、県の信用保証協会の会長が辞任された時に、こちらは内部の調査ではパワハラではないとされたのですけれども、外部の第三者機関では、それがパワハラにあたると判断されて、最終的に会長が引責辞職をされるという事態になりました。高知県UIターンサポートサンタ―に関しては、トップであった方は県の現役の幹部であるわけですけれども、実際に、県内部の調査ではなくて、第三者、外部の調査に委ねるとか、改めて県で調査をされるとか、そのような予定があるのか、無いのかを教えてください。

(知事)
 年度末から年度初めにかけまして県の関係団体で、いわゆるパワハラの事案、パワハラが疑われる事案も含めて連続して明らかになったというのは、大変残念で遺憾な事態であると思います。
 高知県UIターンサポートセンターに関して言いますと、内部の調査では、少なくとも明確にパワハラにあたる事象があったとまでは確認できないということではありますが、多くの職員が退職され、また、混乱を生じていることから、当時の理事長が、自分自身に対して厳重注意の処分をするというところまでいっているということだと思います。
 その後、県信用保証協会でもパワハラの事案がありました。これも非常に残念なことでありました。一義的には、県とは別の法人格を持っている団体ですから、その団体において最終的に判断をすべき問題ではありますが、県としても少なくとも実質的に人事上、あるいは予算上の関与が大きな団体でもありますので、高知県UIターンサポートセンターに関しても、県としての助言としては、外部の専門家も交えたような形での解決を図っていくことが望ましいのではないかという意見も申し上げました。また、実質的に県の施策とも関わり合いの深い団体でもあります。県自身が第三者委員会をつくるというのは、ちょっと筋が違うとは思いますけれども、外部の専門家の方々を交えた解決策を探る、図っていくという意味において、今回、被害者の立場に立たれている方々との意思疎通の部分の手助けも含めて、県としても助言、関わり合いを持って、今申し上げたような方向で解決を図るべきではないかということを、今、申し上げている。それを踏まえて、団体の側で具体的な対応を検討いただいている段階だと考えております。

特定利用港湾の指定を受けたことによる有事の際のリスクについて
(中田・高知民報記者)
 特定港湾ですけれども、「リスクがあることはあるのだけれども、指定された時点で、あとは訓練するだけなので、微々たるものである」という説明があったと思います。この間の県の説明でも、前回の会見でも、「国に存立危機事態であったり、重要影響事態であったりする時の利用というのも含まれていますか」という問い合わせをして、国から、「その通りです」という返答も来ております。ということは、それは、「いざとなれば、武力攻撃で実戦で使いますよ」ということも含まれていると考えられるわけです。

(知事)
 いざというのになれば

(中田・高知民報記者)
 いざという時はですね、「存立危機事態になれば、実戦的に使うということも協定の中には含まれていますよ」ということが返答だったのではないかと、私は理解したのですが。となれば、リスクが、先ほどの質問でお答えされたようなレベルのものとは全く違っていて、実戦で使うとなれば、著しくリスクも高まるのではないかと思うのですけれども、そこのリスクはどうお考えでしょうか。

(知事)
 実戦的にという意味が微妙なところがあるかもしれませんが、主旨としては、訓練ではなく現実に有事に近いような国際情勢の緊張があった時に、例えば自衛隊の艦船が部隊・物資の輸送に、例えば高知港を使うという意味でおっしゃっていると理解しました。その意味では、その時点で輸送の一つの過程の拠点にはなりますから、輸送を阻止しようという意味において攻撃の標的になり得るというところは、それはリスクがあるかないかという点で言えば、ないとは言えない、あるということであろうと思います。
 ただ、実際に、実戦でもし使うというリスクは、その時々の事態の形態に応じて、例えば、それは高松港かもしれない。高松港は今回指定を受けていますけれど。受けていない鹿児島県の港湾かもしれません。実際、そうなった時には、港湾法の規定によってそれぞれ判断される中で、これは港湾法の不平等取り扱いの禁止がありますから、合理的な理由がなければ断れないというのは、今回指定を受けていようが受けてなかろうが、まさしく現実に部隊・物資の輸送にあたるということになれば、同じようなリスクは生じてくることだと思います。 
 実戦になれば、指定を受けたからリスクが高まるという関係にはないのだと考えています。

特定利用港湾の指定の受け入れをめぐる県民等への説明について
(中田・高知民報記者)
 重要影響事態であったり、存立危機事態というのは、現実にアメリカと某国が武力衝突してるみたいな状況に近いものがあると思いますので、世界が大混乱している中ですから、そういうことが、もちろんあってはならないわけで、それが極めて可能性としては低いと思いますけれども、分かりました。知事のお考えは。
 それと、要はそういうことを含めて説明が足りないことが、一番の批判、この間、声を上げている方々の批判点ではないかと思うのです。3月末にこだわって、鹿児島のようにまだ説明が足りないので、もうちょっと話を聞きますということをせずに、いち早く指定の受け入れを決めたということが批判の対象になっていると思います。知 事あての抗議行動みたいなもの、しばらくああいうのは見たことがなかったのですけれど、そこについては、説明というものについての反省点といいますか、今後、説明をやっていかれるということですか。

(知事)
 この点は、前回のお話と同じような中身になりますけれども、やはり今回の特定利用港湾の指定という枠組みを受け入れることと、国際情勢の緊張事態において、現実に自衛隊の艦船が、部隊・物資の輸送のために港湾を使用するというところの話とは、私は切り離して考えるべきだと、冷静な議論としてですね、ということを、これは地道に説明していくしかないということではないかと思います。国際情勢の緊張の、非常に混乱した局面にはならないように、外交努力を重ねていただくことは、当然国においてしていただかないといけないことですし、そうは言いましても我が国の周辺の客観的な安全保障情勢を考えた場合に、具体的にどういう事象が考えられて、どういったリスクが生じるのか、これはなかなか、安全保障に関わることですので、国も手の内を晒したくないということで、情報をなかなか出したがらないというところがあるわけです。現実的に、これだけ不安を感じておられる方がおられるということですから、この点はぜひ国にも改めて認識していただいて、そうした国の安全保障政策の観点からの説明というのですか、そういったものは、いろいろな機会を捉えて、国においてもしっかりしていただきたいという気持ちは持っております。

自民党の政治資金パーティーをめぐる裏金問題に対する処分の受け止めについて①
(浜崎・高知新聞社記者)
 自民党の裏金問題についてですが、先ほど知事は、責任とか権限のある人に対して、厳しい処分が科されたとおっしゃいました。弊社でも県関係の国会議員に聞いたところ、厳しい処分だという声もあれば、幕引きを図ろうとしているという発言もありました。求められていたのは実態解明なのですけれども、実態解明がされた上で、厳しい処分が科されたと、知事は今回の処分を受け止めていらっしゃいますか。

(知事)
 私自身は、実態解明の方は、まだまだ道半ばだと思っています。それは結局、今後議論が進むであろう特別委員会等で、政治資金規制法の改正をはじめとした再発防止策に関わる話だと思います。今回、再発防止策のポイントは大きく言ってふたつあると思っています。一つは、今回の裏金の対応も含めて、ルールを守らなかった場合に、今まではともすれば「これは事務的なミスでした」「秘書任せにしていて、すみません」あるいは「事後的に訂正しますから、これでおとがめなし」というようなことで来たところが、結局、ルール自身の軽さみたいな認識が、政界で蔓延していたのではないかと。
 だとすれば、この部分の再発防止策は罰則強化であったり、連座制であったり、私は知りませんでしたでは通らないような形に制度を直していく。この部分について言えば、今回の処分は、それ相応に本来知るべき、あるいは監督すべきであったところをしていなかったということには、党の処分ではありますけれども、重い処分をしたということですから、その方向性に沿った対応は、少なくても前例としてはできたということだし、それは評価すべきだと思います。
 一方で、そうした裏金が、私自身はどうして生まれたのかというのはありますけれど、何に使われたのかというところの実態解明は、再発防止策を考えるもう一つの大きなキーだと思っています。本来であれば、しっかりと、どう使ったかというところについての情報開示をして説明していくべき部分が抜けていたわけです。ここは最も悪質なのは、あり得る可能性としてですよ、例えば選挙の時の違法な買収資金に使われたのではないかという、裏金と言われるわけですから、本来、表に出せないであったり、表に出したくないものであったりしたものに使われたのではないかというところが、ここの解明が全く不十分ではないかと思います。
 全く違法ということではないにしても、少なくとも、例えばよく言われますのは、銀座の高級クラブなどで使っていたのを国民には知られたくないといったようなレベルの話も含めて、だから裏金をやっていたのだという議論 もされているわけでして、なぜ裏金を使うことになったのか、支出の部分について実態をつまびらかにして、それを再発防止するためにはどうするのか。そういうことはもう止めましょうというのも一つですし、もしルールが、あまりに厳格過ぎて実態に合っていないという部分が、もしあるのであれば、それは実態に合わせて緩和するということも、逆に必要な部分が私はあると思います。
 これは、私自身が20年ほど前に、福岡県庁でカラ出張の問題をやった時に、再発防止をするという時には、実態を掘り下げて対応を考えていかないと、あまりに庭先をきれいにするだけのような議論をしていては、やがてまた再発してしまうということだと思いますから、その意味で、長くなりましたが、実態解明の努力というのはまだまだ道半ばだと思いますし、それを踏まえた上での再発防止策というのが真摯に議論されることは、大いに期待したいと思います。

自民党の政治資金パーティーをめぐる裏金問題に対する処分の受け止めについて②
(浜崎・高知新聞社記者)
 4月1日の県庁職員の辞令交付式や幹部職員の訓示でも、知事は、これまでの政権与党に対するスタンスとしては、かなり相当厳しいコメントをおっしゃったなという認識があったのですけれども、それは現状等の対応に対して、不満や不十分だと思う部分が大きいということでしょうか。

(知事)
 これは政策の中身というよりは、今回の職員の皆さんへの訓示でもそうですけれども、仕事に対する姿勢のようなところだと思いますので、そうした点について、ある意味、分かりやすく理解をいただくためには、反面教師という言葉を使いましたけれども、これだけ自民党・与党も、いわば政権を失ってしまいかねないという危機感を持って、今回、いろいろな受け止めをされていると思いますから、そうした中での今の政治の状況ということを、一つある意味、分かりやすい題材として紹介したいといった意図で申し上げました。

高知県UIターンサポートセンターにおけるハラスメントへの対応について②
(井上・高知新聞社記者)
 高知県UIターンサポートセンターの退職の問題についての確認ですけれども、まず1点目が県としての助言という形で、外部専門家を交えた解決が望ましいと、それを団体であるセンターに助言されたということですけれども、これは第三者委員会の立ち上げを念頭にしたものかどうか伺います。

(知事)
 一つは、第三者委員会の立ち上げということは、選択肢としてあると思います。今回の県信用保証協会の第三者委員会、弁護士にもお願いして期間もかかって、相当な費用もかかったというような話を聞きましたので、それは選択肢ではありますけれども、まさしく被害者の方々が、もしそれよりはより迅速に解決を図るということを優先されるのであれば、必ずしも第三者委員会をつくるということではなくても、労働局の調停の制度を使うといったものとか、かっちりした第三者委員会ではなくても、内部のコンプライアンス委員会の中に、専門家をお招きして助言をいただきながらやる方式とか、やり方は少し幅があり得るのではないかと思っています。そういった意味で、ただ、いずれにしても内輪だけでということだと、パワハラと言われるような事案を解明していくことには、どうしても限界があると思いますから、外部の専門家を入れるというところをキーワードに、被害者の方々の意向も踏まえて、適切な方法を考えるのがいいのではないかとアドバイスをしているということです。

高知県UIターンサポートセンターにおけるハラスメント問題への受け止めについて
(井上・高知新聞社記者)
 今回のハラスメント、もしくは退職者が相次いでいる問題、これはどこの組織でもあってはならないことではありますが、今県政の最重要課題とする人口減少対策の中でも移住促進・人材確保というのは、柱中の柱と言っても間違いないような施策だと思います。そういったところを担う組織で、こんな問題が起きていることについての受け止めを、改めてお聞かせください。

(知事)
 それは、ひと言で言って残念です。UIターンの促進は、地方間の大競争になっていますから、そういった意味で、私どもも、できるだけ他県との競争に勝ち抜いて、いい成績を上げて欲しいという期待は、もちろん持っておりましたし、そのことへの、ある意味プレッシャーがあった部分があるかもしれませんけれども、だからと言って、こういったパワハラのような事案があっていいということには決してなりません。こうしたことが二度と起こらないように、再発防止の部分も含めて、これは研修に加えて、一種の相談とか通報の体制をしっかり整えていくということがポイントではないかなと思いますけれども、まず、今回の事案について、しっかりとした解決処理をしていくということが、スタートだと思いますから、そういうことを我々としても、助言をし、サポートもしていきたいと思っております。
 

 

 

お問い合わせ

総合企画部 広報広聴課
TEL:088-823-9046
FAX:088-872-5494
Topへ