公開日 2024年08月27日
1 南海トラフ地震臨時情報に関する県全体の動きの総括について
2 来月に行われる自民党総裁選挙に対する所感等について
3 最低賃金の引き上げについて①
4 最低賃金の引き上げについて②
5 9月に実施する「共働き・共育て」推進のこうち共同宣言について①
6 9月に実施する「共働き・共育て」推進のこうち共同宣言について②
7 知事が開催する政治資金パーティーについて①
8 知事の政治的スタンスについて
9 9月に実施する「共働き・共育て」推進のこうち共同宣言について③
10 南海トラフ地震臨時情報への対応の振り返りや検証について
11 南海トラフ地震臨時情報に関して統一した対応等、国への要望について
12 知事が開催する政治資金パーティーについて②
13 知事が開催する政治資金パーティーについて③
14 南海トラフ地震臨時情報に関連して発生した経済的な補償について
15 自民党の次期総裁に求められる人物像について
(司会)
ただ今から、知事記者会見を始めさせていただきます。まず、幹事社質問をお願いいたします。
南海トラフ地震臨時情報に関する県全体の動きの総括について
(川辺・高知さんさんテレビ記者)
臨時情報について伺います。今月8日に初めてとなる南海トラフ地震の臨時情報が発表されました。心配されていたよさこい祭りの方は、対策を講じた上で開催できましたが、その一方で、各自治体で避難所の立ち上げる対応などは、まちまちとなりました。また、県にとっても経済的な打撃がかなり大きかったと思います。今回の臨時情報に関する県の動きについて、知事の総括をお願いいたします。
(知事)
ただ今お話ありましたように、今月8日に南海トラフ地震の臨時情報が発表されました。この制度・仕組みができたのが令和元年でしたけれども、それ以来、初めて現実に臨時情報が発表されたということです。県におきましては、この発表後、直ちに災害対策本部の会議を開催して、情報の周知、そして、地震の備えの再確認、こういった呼びかけを行ったところです。
臨時情報発表以降の動きとして、県民の皆さん、そして県内事業者、市町村の皆さんが社会活動を行う上で、大きな混乱は見られなかったということではないかと思っておりまして、全体としては、概ね冷静に対応いただいたのではないかと思います。
よさこい祭りにつきましても、直前での臨時情報の発表になりましたけれども、避難マップの配布といったような安全対策を徹底して、実施していただいたと理解しています。
一方で経済的な打撃につきまして、観光分野におきましては、8月9日からの10日間におきまして1万2,449人泊の宿泊キャンセルがあったと。県旅館ホテル生活衛生同業組合の調べでは、金額にして約1億7,400万円の売上減という形の影響があったという発表もされております。旅行会社におきますツアーの中止、スポーツ合宿のキャンセル、夏祭りの中止、こういった多方面での影響があったと考えます。こうした、特に宿泊を含む観光面での打撃に関しては、これを早くリカバリーしていくことの後押しをしていくのが重要であると考えています。
具体的には、どっぷり高知旅キャンペーン、そして、来年春からの「あんぱん」の放映を機としたプロモーション。そういった活動の中で、例えば首都圏などでのPRイベントを開催する。あるいは旅行会社向けの助成制度を実施していく。こういったことで、テコ入れをして、観光面での打撃を早くリカバリーするように、県としても後押しをしていきたいと思っております。そうした中で、打撃が大変、個々の企業の中で大きくて、資金繰りなどが大変だというような企業がございましたら、それは中小企業向けの制度融資なども活用して、しっかりと支援していきたいと思っております。
そして、避難所の立ち上げにつきましては、令和元年度に臨時情報の仕組みができました時に、国はガイドラインを設定し、県でも事前避難の検討の手引を作成して、市町村にお示しをしました。これを踏まえまして、沿岸の19市町村におきましては、巨大地震の警戒、または、注意が発表された場合の対応を事前に取り決めておられるという取り組みをしていただいておりまして、その中身は県のホームページでも公表しております。
実際、今回、注意の臨時情報が発表された後、例えば南国市においては、あらかじめ決められていた計画に従いまして、高齢者等避難の発表がされたということだと思っておりますし、これに加えて、現実には3町村で高齢者等避難、当初の計画にはなかったわけでありますけれども、大事を取ってということで、発令がされたというようなことだったと理解しています。そして、こうしたことで自主避難の対応も含めました避難所の開設は、全部で20市町村、その内の12市町村では実際に避難された方もおられて、避難者数がピークで63人というような実態であったと把握しております。
こうした市町村におきましては、事前の取り決め、計画に従ったものの他に、自主避難を希望される方がおられた。そのための受入態勢として、避難所も開設したというようなケースもあったということだと理解しておりまして、それぞれの地域の実情に応じて柔軟に判断されて、避難所が開設されたと受け止めております。
全体を通じまして、今回の臨時情報は初めての発表ということでして、県民の皆さんにも戸惑いはあったと思いますけれども、県全体で、命を守るための行動や備えの確認を行うといったことを通じまして、次の地震への準備、あるいは心構えにつながったのではないかと思います。発表されております世論調査におきましても、臨時情報の発表そのものは肯定的に捉えているという方が8割を超えているということだと思います。これまで県が行いました、県民意向調査によります臨時情報の認知度は、3割に届かないというところだったわけですが、今回、現実に発表されたことで、認知度も上がるという効果も期待できると思います。
来たるべき南海トラフ地震に対しては、やはり、正しく恐れるということが大事だと思いますので、各市町村も含めまして、今回の臨時情報への対応の実態を事後に十分検証していただいて、今後の臨時情報が発令をされた時の対応が、一層的確なものになるように、必要な見直しも行っていただくということも、行われるべきだと思っておりますし、そうしたことも含めて、引き続き、分かりやすい啓発活動、そして情報発信に努めていきたいと考えております。
来月に行われる自民党総裁選挙に対する所感等について
(栗原・時事通信社記者)
来月に行われる自民党総裁選挙についてです。自民党では、派閥の多くが解散したことに伴って、候補者が乱立する可能性というものが生じております。これに対する、総裁選に関する知事の所感をお願いします。また、今後の我が国にとって、総裁選や次期総裁に期待されることや求められることは何だと思われるでしょうか。
(知事)
今回の自民党の総裁選挙では、現時点で10名を超える潜在的な候補者の方々の名前が挙がっております。これは現職でもあります岸田首相、あるいは総裁が先だって不出馬を表明された。そして、閣僚に対しても立候補する場合は、気兼ねなく堂々と論戦に望んで欲しいというような呼び掛けも行われたということです。またかつ、いわゆる派閥の縛りが緩んだ状態にある中で、若手も含めて動きが活発化している。そういう現状だと思います。また、先だっての自民党の選挙管理委員会の決定によりますと、投開票までの運動期間も15日間という形で、過去最長の期間が設定されているということです。
そうしたことを踏まえますと、今回の総裁選挙を通じまして、多様な候補者が時間を掛けて政策論議を交わしていただくことで、多くの国民の政治への関心を高めるきっかけになるのではないか。また、そういう形になって欲しいと期待しております。
具体的にどういった面での期待をしているかという点についてです。今回の総裁選挙の構図が現職の岸田総理総裁の不出馬という形で、実質、お盆前のところで話が始まったということだと思いますけれども、岸田総裁の不出馬の宣言の大きな理由が、やはり政治改革を進めていくということのきっかけとして、私は身を引くんだということであったと思います。そのことが、国民の政治への信頼を取り戻す第一歩だというお考えだったと思いますので、そうした意味で、今回の総裁選挙で期待いたします第一には政治改革、これはまだまだ道半ばだということだと思います。
特に政治資金規正法の中で本則で制度がセットされた部分は、これはいいわけですけれども、多くが附則に検討課題として書かれたまま、今後の積み残しをされている部分もあるというわけですので、こういった部分も含めま して、ぜひ各候補には、あるべき政治改革の方法、具体像について提言し、また議論していただいて、具体化に向けて熱意も示していただきたいと思っております。
具体的な政策課題の中で、二つ特に注目し、また期待したい点を申し上げます。一つは東京一極集中の是正を含みます人口減少問題の克服に向けまして、国も国として果たすべき責任をしっかり果たしていくということに向けた決意であったり、具体的な方法論であったり、こうしたものをぜひ議論していただきたい。そして前進させていただきたいということと併せまして、南海トラフ地震の切迫なども考えますと、国土強靭化の実施中期計画、これを早期に策定して、必要な財源手当を図っていく。こういった点についても、しっかりと議論をいただき、また方向性を明示していただくことを期待しております。
(司会)
それでは、各社からの質疑に移ります。社名とお名前を発言していただいてから、質問をお願いいたします。
最低賃金の引上げについて①
(井上・高知新聞社記者)
最低賃金についてお伺いします。先日、高知地方最低賃金審議会の答申もまとまりまして、今年の秋以降、高知県の最低賃金が55円引上げの952円になる見通しとなりました。
この結果、都市部との地域間格差というのは、わずかながら縮まる見込みとなる一方で、やはりこの大幅な賃上げは、中小零細企業にとっては大きな負担増となります。
こうしたことも考えて、この最低賃金の引上げについての知事のご所感を伺います。
(知事)
最低賃金の引上げが高知県の地方審議会でも全会一致で答申がされました。そういうことでお話がありましたように、東京都との差も今回5円縮小して952円という水準で設定されました。方向性として都市部との差が、大都市部との差が縮小して全国一律の方向に近づいていく、そのこと自身は、本県の人口減少への対応ということを考えても望ましい方向だと思います。
ただ、一方で、それに県内の特に中小企業、あるいは小規模企業の生産性の向上というのがついていきませんと、企業経営がおぼつかなくなって、企業の存続が危ぶまれるというような状況になっては、元も子もないという ことがあります。こういった、特に県内の中小、あるいは小規模企業の生産性向上、省力化、こういったものをデジタル化なども含めて、しっかり進めていくことが大事だと思っておりますし、これは審議会からの要請事項にもなっていることだと思います。
県も産業振興計画の推進ということも含めまして、こういった賃金は上がっていっても、それをちゃんと払っていける、稼ぐ力を持つ企業を高知県内でもしっかりと育成していく。企業を強くしていく、経済活動を活発化していくという点でのバックアップを進めてまいりたいと思っております。
最低賃金の引上げについて②
(井上・高知新聞社記者)
それに関連しまして、やはり、ただでさえ人材確保が難しい高知県内ではありますけれども、その一方で、短時間労働者にとっては、年収の壁というのを意識しながら働くことで、この最低賃金の引上げというのが、さらに人材確保の難しさや働き方の難しさにつながる面もあろうかと思いますが、その辺りについてのお考えはどうでしょうか。
(知事)
年収の壁の問題はなかなか問題が複雑なところがあると思います。当座の対応を考えますと、そうした年収の壁がなくスムーズに移行していけると、実際そういった制度の手当てもされましたけれども、これは長い目での国全体の経済政策ということで見れば、できる限り厚生年金の加入者を増やしていくことが、中長期的な高齢化社会の対応、目指すべき方向と考えますと、そういった中長期の目指すべき方向との折り合いをどうつけていくかというのが、この年収の壁の問題が非常に問題が複雑で、今までもなかなかこれといった打開策というのですか、きれいな解決策がなかなか無かった分野だと思います。
ただ、当面は激変緩和的な制度を設けられたということがございますから、そういったものを活用いただいて、基本はこれだけ人手不足の中ですから、働ける方は働けるだけ働いていただく、また、そのことをエンカレッジ(励まして)していくような制度であったり、政策を詰めていくことが基本になるべきだと思っております。
9月に実施する「共働き・共育て」推進のこうち共同宣言について①
(羽賀・朝日新聞社記者)
9月から「共働き・共育て」をテーマとした県民運動を始められるということはこの前、発表されましたけれども、この県民運動は、どの層に向けてどういうことを訴えたいのか、知事からのメッセージも含めて教えていただけますか。
(知事)
いわゆる共働き・共育ての県民運動、これはかねて、今年度始めからそういった方向性での取り組みをしたいということを申し上げておりましたが、いろいろな準備が整いまして、9月2日に、キックオフになる共同宣言を関係団体のトップに集まっていただいて行おうということで準備をしております。
この趣旨としては、本県の赤ちゃんの出生数のここ数年の激減ということは、一つには女性の出産・育児・家事、こういった負担が課題なのではないかということ。そして、本県の人口減少、最近の大きな特色になっております若い女性の転出超過、このことにも、性別の固定的な役割分担意識、家事・育児は女性の仕事といったような、古い意識が都会に比べると、まだまだ残っているところが影響を及ぼしているのではないかということが背景にあります。
今回そうした中で、この「共働き・共育て」というキャッチフレーズのもとで、新しい生活スタイルを県民運動として広めていく。そのことによって、男女間で負担を分かち合って、女性の負担を軽減していくこと。そのための具体的な原動力、いわゆる地上戦の取り組みとして、男性の育休取得の促進を中心に据えた運動にしたいと思っているわけです。男性も育休を取得して家事・育児をするのが当たり前の高知県、これを早く実現していく、このための県民運動をオール高知の体制で進めていきたいと思っているところです。
また、そうした趣旨ですので、ターゲットとしては県内の各事業所、これは県も隗から始めようで始めておりますが、市町村、そして、民間の事業所、各種の業界も含めてですが、とりわけ私自身が意識しておりますのは、比 較的若い年齢層は、そうした新しいスタイルということに馴染んできていると思いますけれども、会社、事業所などにおいて管理・監督的な立場にある中高年の方々が、頭では分かっているのだけれども、現実にそういう場面に接すると、なかなか行動が伴わない場合もあるのではないかと思います。
そういった方々にも、ぜひ、今回の県民運動を通じて、メッセージを届けて若者、特に若い女性にフレンドリーな高知県に向けての実態を、盛り上げていきたいと思っております。
9月に実施する「共働き・共育て」推進のこうち共同宣言について②
(羽賀・朝日新聞社記者)
キックオフ会議は20人が参加されて、その内19人が男性、多くが高齢の男性であるとかと認識しているのですけれども、これから結婚・出産・育児を考える世代に、そうした世代や性別が固まった人たちがキックオフイベントをやって、メッセージがどこまで届くのか、私には、少し疑問もあるのですけれども、その辺り知事はどういうお考えでしょうか。
(知事)
意識を変えなければいけないのは、むしろ中高年の管理職層、あるいは監督者の立場にある方だと思いますから、ある意味、そういう方々、層を、ある意味代表する人間が集まって、まずキックオフの宣言をする。トップ自らがすることは、私は大いに意味があると思います。
その上で現場の若い方々、女性の方々、こちらの意見をどう反映させていくかという点では、子育て支援の県民会議で、若い世代部会の座談会といった形での意見交換なども既に予定しておりますし、これはさまざまなそうした意見交換とか交流・情報発信の機会を設けて、総合的に県民各層が重層的な取り組みの中で、意識改革が進んでいくという工夫をしていきたいと思っております。
知事が開催する政治資金パーティーについて①
(羽賀・朝日新聞社記者)
今週末に政治資金パーティーを開催されますけれども、弊社の取材によりますと、いわゆる自民・公明党の国会議員には招待状が出ているようですけれども、無所属で活動されている参議院議員には招待がされていないのではないかと思います。こちらは事実関係、認識は合っていますでしょうか。
(知事)
最終的な詰めまでして事実関係が今、確定的にお答えがちょっとできませんけれども、準備の過程では、やはり私自身の過去2回の選挙でもご支援をいただいた会派・党派の方々にお声掛けをするというスタンスで準備を始めたと記憶しておりますので、 その線で進んでいると思っております。
知事の政治的スタンスについて
(羽賀・朝日新聞社記者)
そうなると今後の政治活動についても、いわゆる野党政党とは一定の距離を置いて政治を行うという認識でよろしいですか。
(知事)
一定の距離をわざわざ構えて行う、そうするつもりもありませんけれども、今回は政治資金の調達というところも含めた目的としたところでございますし、党派・会派の中でも過去の選挙で応援をいただいた個々の議員の方々には、お声掛けをさせていただいているというところですので、あまりこちらから扉を閉ざすような対応を取るつもりはございませんけれども、今回のパーティーに関しては、ただ今申し上げたような方針で、開催させていただこうと思っております。
9月に実施する「共働き・共育て」推進のこうち共同宣言について③
(鈴田・共同通信社記者)
先ほどの「共働き・共育て」の県民運動に関連して1点伺います。中高年の男性も家事や育児をすることが重要だという呼び掛けをいただいたのですけれども、例えば県庁が呼び掛けをする以上は率先して、例えば中高年の管理職層、育児は終えられているかもしれませんけれども、家事を率先して促すといったようなお考えはありますか。
(知事)
コンセプトとして、おっしゃるような話も必要な取り組みだと思っています。今回はキックオフですので、どこまでそういう話を具体的に盛り込むかというのは、まだ検討中ですけれども、この後も、例えば内閣府と共催で県内でのイベントを開催したりと、いろいろな取り組みを重層的にやっていくことにしておりますので、そうした中で、まさしく中高年が自ら家事・育児、こういう形で参加をしていく。男性育休というのがデータ的な数字も取れてフォローもできるという意味で、私は運動の中心に今回据えたいと思っていますが、それにとどまらずに、具体的な取り組みについても、今お話ししあったような点も含めて、今後のさまざまな運動・取り組みの中で織り込んでいきたいと思っております。
南海トラフ地震臨時情報への対応の振り返りや検証について
(浜崎・高知新聞社記者)
臨時情報に関してなのですが、先ほど知事から、県民に大きな混乱はなく、おおむね冷静に受け止められたという話の中で、各市町村に向けて、今後の対応を検証してもらいたいという話がありました。県として、今回知事が見られた対応の中で、検証が必要だと思ったようなところはありましたか。
(知事)
具体的には、これからということですが、早速、私自身が国の南海トラフ関係のワーキンググループのメンバーにも入っておりまして、検証的な話も議題としたいと、ついては、県でも今回の対応について、現時点でどのような実態で、どういう所見を持っているか、近く開かれる会合で発表もしてもらいたいというような要請も内々受けておりますから、そうした場を通じて、県としての対応、これは市町村でどういう実態があって、どういう課題を抱えたかというところも含めてになると思いますけれども、まずはそうしたワーキングチームの場などでの議論に情報も提供し、参加していくということをしたいと思います。それを皮切りに県としても当然検証し、ブラッシュアップを図っていくということが必要だと思っています。
南海トラフ地震臨時情報に関して統一した対応等、国への要望について
(浜崎・高知新聞社記者)
あと1点、イベントをめぐって、いろいろ各地で延期をしたりとか中止をしたりと、反応がいろいろ分かれたかと思いまして、和歌山県の岸本知事は、想定区域内で一定の対応が必要で、国にある程度、統一的な物差しを作ってもらいたいみたいなことをおっしゃっておられます。知事として、今回対応が分かれたことを踏まえて、国で何かこういう物差しが欲しい等、そういうお考えはありますか。
(知事)
それは一つの考え方だと思います。ただ最終的にはやはり現場判断というのはあろうと思います。今回も見方によってはお話があったようなケースも含めて、ちょっと過剰反応というような言い方もされるわけですけれども、やはり想定される被害の規模だったり、スピードだったりが地域によっても違うということがありますので、そこは最終的には各市町村ないしは、地元の判断ということは留保しながら、判断材料はいろいろなものがあった方がいいと思いますから、国で多彩な判断材料を準備していただくということは望ましいと思っております。
知事が開催する政治資金パーティーについて②
(中田・高知民報記者)
あさってのパーティーですけれども、規模が1,200人規模ということをお聞きしておりますけれども、それは大臣は1,000人以上はやらないというような自粛のルールとかは、以前も聞いたことがあります。それをあえて超えるような規模感でやられるわけですが、それで前回はチケットを2,700枚売っています。前回飲食なしという、ちょっと特殊なケースではありましたけれども、今回も恐らくそれぐらいは販売されるのかなと思うのですけども、その辺はいかがですか。
(知事)
まだ数字を締めておりませんけれども、いわゆるパーティー券の売れ具合としては、今の時節柄もあり、なかなか厳しいとは聞いております。ただ、今お話しありましたように、前回は飲食なしで席を設けてということでしたけれども、今回は立食形式で予定しておりますので、当然、人の出入りというのは、前回よりは設定した時間帯の中で、あり得るということだと思いますので、そうした意味で、実際、来場いただく方の数とパーティー券の販売数というのの乖離は、前回よりは少ない方向に作用するのではないかと。これは最終的に締めてみないと分かりませんけれども、そう思っておりますし、私自身は閣僚ということではありませんので、1,000人を超えるというところが、直ちに問題だとは思っておりません。前から申しておりますとおり、一定の費用というのは必要ですから、それをいわば稼ぐために回数をたくさんやるというよりは、必要な資金の調達のために節度を持ってやるという考え方で、そこは頻度の面で、私も2年前にやって約2年ぶりということですから、そうしたところで最小限の開催で行っていくという考え方で対応しているとご理解いただければありがたいと思います。
知事が開催する政治資金パーティーについて③
(中田・高知民報記者)
1点だけですけど、結局今、そうは言っても、これだけ政治改革について非常に国民的な大議論になっていて、この中で何か、全く従来型にしかちょっと見えないのですが、結局、知事の今回のパーティーも、この中であえてやるのに、これだけはこうしますみたいな、そういう工夫といいますか、何かそういうものはないのでしょうか。
(知事)
一つ、これは、まだ全く取り掛かり途上ということだと思います。出席者との乖離部分がいかがなものかという議論がありますので、これは今回いろいろなパーティー券の買い上げのお願いをする中でも、片方で政治資金の面で応援いただくには、特に個人の寄付をいただいて、税制の優遇を受けていただくという方法もありますというようなことを、特に大口で、購入をご検討いただける方には、そういう制度もご紹介して、そういった形でご協力いただけるのであれば、ご協力いただけませんかというようなお願いをしております。一つ頭の中にある方法としては、それよりシステマティックにやる方法はないのかなということは考えたりはしております。これも何というのですか、この業界全体が、ある意味、そうしたやり方が新しいスタンダードになっていくという流れができていく中であれば、割合一つの目指すべき方向ではないかと思っているのですが、そこの全体としての、そうした進み具合というところも見ながらというところがあると思いますが、制度は変わっていくし、より透明性が求められるということだと思いますから、今のところではアヒルの水かきのような方法で、模索はしているとご理解ください。
南海トラフ地震臨時情報に関連して発生した経済的な補償について
(井手上記者・高知放送記者)
南海トラフ地震臨時情報で発生した宿泊キャンセルなど、経済的な損失について、今後、県で補償する、あるいは国に求めるような考えはありますか。
(知事)
この点は、端的には難しいと思います。今回の臨時情報が発せられました時に、内閣官房長官もいち早く談話を出されまして、例えば旅行とか帰省は予定どおり行っていただく中で、注意の度合いを高めてください。安全を再確認してください。そういったスタンスでの話だったと思います。これはコロナの時に営業時間を短縮してくださいとか、あるいは不要不急の外出は控えてくださいといった対応とはかなり違う、やはり社会経済活動はしっかり行った上でというスタンスで国も対応されたということだと思います。コロナの時ですら補償そのものというと、なかなか国も腰が重かったと、補償的な考え方で支援をということで、何とか対応してきたということですので、ずばり穴埋めをしろという話は、公的にしろという話は、私は難しいと思います。しかし、落ちてしまった需要のリカバリーの後押しということ、観光のキャンペーンだったり、本当に資金的に厳しい企業に対する資金繰りの支援だったり、こういったところの目配りはしっかりしていかないといけないと思っております。
自民党の次期総裁に求められる人物像について
(井上・高知新聞社記者)
総裁選のお話に戻りますけれども、今10人以上の名前が上がっているということで、女性であったり、40代の若手であったり、ベテランであったり、いろいろな顔ぶれがありますけれども、そういった顔ぶれをちょっと具体的に頭に浮かべた上で、何か次の総裁に求めるリーダー像であったり、人物像みたいなところがあれば教えてください。
(知事)
少し個別の議論は、私が今日この立場でコメントするのは差し控えた方がいいと思いますけれども、若手の方、女性の方々含めて、自民党が与党の第一党として、多様な方々の声を代表して、議論を戦わして、意見を集約していくんだというような形が、分かりやすいような選挙戦が行われるということが期待されるのではないかと思います。その面である意味、余分な話かもしれませんけれども、恐らくこれだけ候補がたくさん立たれると、決選投票というようなことにもなろうかと思います。実質的には、その上位1位、2位の間での決選投票が最後、誰を総裁にするかというとこで決定的な意味が出てくるということは思いますので、そのプロセスも含めて国民の皆さんに、あるいは党員の方々もそうだと思いますけれども、見えやすく分かりやすいっていうのですか、そして、旧来の派閥の弊害というようなことでないような形で、新しい総裁が選出されたというような形を、ぜひ、形で示していただくことが、自民党の信頼回復を図る上でポイントになるのではないかと思っております。