公開日 2024年10月22日
更新日 2024年10月24日
1 衆議院選挙に関し、知事が注目している争点・論点、今回の選挙の意義について
2 衆議院選挙に関し、知事自身の特定の候補者や政党への支援について①
3 東京一極集中を是正するための地方からの視点について
4 これまでの人口減少対策の不十分な点と今後、必要な点について
5 発足10年のとさでん交通の現状と今後について
6 自民党本部への火炎瓶投げ込み等、言論への暴力について①
7 自民党本部への火炎瓶投げ込み等、言論への暴力について②
8 高知県の34歳以下の若年人口減少について①
9 高知県の34歳以下の若年人口減少について②
10 衆院選における防災庁設置の公約等、防災面での訴えについて
11 防災庁の設置について①
12 防災庁の設置について②
13 高知龍馬マラソン2025の応募状況等について
14 高知市教育委員会 松下教育長の辞任について
15 産官学が連携した人口減少対策の具体的なイメージについて
16 石破首相の就任以来の政治姿勢について
17 衆議院選挙に関し、知事自身の特定の候補者や政党への支援について②
18 特定の候補者を応援する際の知事の判断基準について
19 藤川球児氏の阪神タイガース監督就任について
(司会)
ただ今から、知事記者会見を始めさせていただきます。まず、幹事社質問をお願いいたします。
衆議院選挙に関し、知事が注目している争点・論点、今回の選挙の意義について
(羽賀・朝日新聞社記者)
幹事社を代表しまして2問質問をさせていただきます。いずれも15日に公示されました衆議院選挙に絡むものです。
まず1点目ですが、知事が注目されている今回の選挙における争点、論点は何か。もしくは、この衆議院選挙の意義について、どのように考えているか教えてください。
(知事)
衆議院議員選挙は15日に公示をされまして、27日、この次の日曜日の投開票に向けて、今終盤戦に入っていると思っております。この公示後の1週間の情勢について、各紙の報道を見ますと、ひと言で言うと、与党が苦戦をしているのではないかというような報道が多くされておりまして、やはりその最大の要因は、いわゆる政治資金の問題、不記載の問題ではないかと考えられます。
このため、私として注目している争点としましては、政治資金の不記載の問題に端を発しました政治への信頼の回復の問題、この点に一番注目をしているところです。この点、石破総理総裁は、今回の自民党の候補者の選定に関しまして、いわゆる非公認の措置でありましたり、比例重複を認めないといった措置を取られたりしました。これについては、党内融和よりも国民の共感を大事にするんだというようなご発言もありまして、その点、私自身、なるほどなと思ったところもございますが、一方で野党側は、いわゆる裏金問題というのを争点化するというスタンスに出て、攻勢をかけるという中で、与党も非常に苦戦をされているといった、そんな構図になっているのではないかと受け止めています。
そういう状況を見ますと、私自身が思いますのは、国民の皆さんが想像以上に、今の政治に対して厳しい視線を送っていると。つまり、ルールを作る側の国会議員がルールを守らないというような状況は、この問題に関してですが、ひどいのではないかというような思いが国民の間に、いわゆる、不記載に関わった議員さん方に関して持たれているのではないかということだと思っています。そうしたところの信頼回復をどういうふうに図っていくのかというのが、今回の選挙の中で、現実に最大の争点になっているのではないかと思います。
そうした点で考えますと、まずは、その当事者の方々がしっかり説明責任を果たしていくということだと思いますけれども、それに加えまして、今後の再発防止という点で申しますと、先に政治資金規正法が改正されましたけれども、この中身も具体化はまだ道半ばというところですから、選挙後、この選挙結果を踏まえて、速やかに政治資金規正法の改正の具体化の問題も決着を付けて、私としては、早期に信頼回復というところの道筋を付けていただきたいと。
そうしませんと、また来年の夏、参議院選挙もございますので、この問題を、ある意味引きずる形で、この問題に政治の労力が割かれるということが続きますと、肝心の政策課題ですね、今から申し上げようと思った政策面での課題の解決へ向けての取り組みというところが、なかなか集中できないのではないかという危惧を持っておりまして、その点、政治への信頼回復というのがすべての土台になると思いますので、この点がまず最大のポイントではないかと思います。
その上で政策課題として具体的なものを3点、注目しております論点、争点を挙げますと、
一つは人口減少対策でして、これは特に地方の観点から見た場合は、東京一極集中の是正と一体的に対策を取っていく必要があるのではないかという点。
2点目は防災などの国土強靭化の対策ということでして、これも防災庁の設置といった防災対策の強化も含めて、大きな論点になっていると認識しています。
3点目が当面の物価高対策を含む経済対策、これにさらに加えまして、賃上げと経済成長の好循環の実現といった経済政策のあり方。
こういった大きな3点につきまして、私としては大きな関心を持って見ています。ただ、この3点につきましては、それぞれ与野党、いろいろなウエイトの置き方がありましたり、方法論の違いはありましたりしますけれども、大きな目指す方向性としては、そんなに大きな差はないのではないかという気もしておりまして、この点は、まず選挙後、この選挙期間中の論戦の経緯も踏まえて、施策の具体化というところに与野党が協力し、また議論も重ねて成果を挙げていただくことを期待したいと思っております。
衆議院選挙に関し、知事自身の特定の候補者や政党への支援について①
(羽賀・朝日新聞社記者)
もう1点、衆議院選挙ですけれども、知事ご自身が特定の候補であるとか、政党を支援されるような、具体的な行動予定などはあるのでしょうか。
(知事)
結論から言いますと、現在のところといいますか、基本的にあと1週間弱ですが、特定の候補、政党を支援する予定はございません。その理由は、以前からお話しているとおりですが、私は知事として、行政トップという立場でもございます。そういうことを考えますと、できるだけ幅広い党派や政治的な立場の方々から、ご理解、ご支持をいただいていくことが、県政の施策を進めていく上で望ましいと考えておりますので、県内の個別の選挙で、特定の候補、政党に肩入れするようなことは、差し控えるということを原則的な対応としてまいっております。
もちろん、私自身も政治家の一人ですから、現実に応援する候補、したい候補はおりますけれども、今回の総選挙において不特定多数の方々が集まるような公の場で、特定の候補を、あるいは政党を応援する、マイクを握るというようなこととは別だと思っておりまして、そういった活動については、差し控えたいと考えているところです。
(司会)
では、各社からの質疑に移ります。社名とお名前を発言をしていただいてから質問をお願いいたします。
東京一極集中を是正するための地方からの視点について
(井上・高知新聞社記者)
先ほど、選挙の争点、その中の政策の部分で人口減少対策を挙げられましたけれども、そのことについてお伺いします。常々、知事は、国が東京への一極集中の是正を国として、国政として取り組むべきだとおっしゃっておられましたが、今一度、どういったところが具体的に、地方の目線からして求められるのかというところを教えてください。
(知事)
これはある意味、古くて新しい問題ということがありますけれども、今、東京一極集中に象徴されます大都市部は、いわば過密の問題。集中の負の側面が強く出ているということではないかと思います。住宅も狭くて通勤時間も労働時間も長いという中で、なかなか子育ての環境も良くないと、そうしたことが、私自身の思いとしましては国全体の人口減少というところにも、少なからず影を落としているのではないかと思っておりますので、そうした大都市機能をできる限り地方に分散できる部分は分散させていくということで、高知県のような地方において、より自然にも恵まれ、ゆとりのある生活を送る中で、よりクリエイティブな仕事ができるという体制に、国全体の在り方としてシフトしていくということが、いま内閣が掲げておられるコストカット経済から高付加価値型の経済を目指していくという方向性にも合っているのではないかと。
そして、そうした大都市からの大都市機能の地方移転ということを政策的に進められるのは、やはり国おいて他はないわけでして、具体的には、企業だとか大学などの地方移転であったり、政府関係機関の地方移転、国自身の主導でできるもの、あるいは税制などを動かして実現ができるもの、ということを両面で考えまして、やはりこれは国が本気になって取り組んでいただかないと、具体的な成果がなかなか見えてこない、こういう政策課題ではないかという思いを持っているとこです。
これまでの人口減少対策の不十分な点と今後、必要な点について
(井上・高知新聞社記者)
なお、関連しまして、これまで地方創生という言葉があって、それでもなかなか、この間の共同通信の調査などによると、県内の多くの首長が、人口減少に歯止めをかけるには不十分だったと。これから先を考えて、地方創生という言葉が使われるかどうかは、また、選挙後の話になろうかと思いますけれども、知事ご自身、今までの振り返りも含めて、どういったものが不十分だった、そして、これからどういうものが必要なのかというのを教えてください。
(知事)
まさしく、成果があった部分としては、いわゆるミクロのベースで見たときに、各地でいわゆる地域づくりといいますか、地域の活性化の動きは随所で見られて、若い方々も集落などによっては入って来て、次の世代への継承に向けて明るい兆しがみられる部分、これは、各所で見られるということは成果だと思いますけれども、やはり課題の部分は、先ほども申しましたような国全体の大きな構図として、大都市機能の地方移転というところに、大胆に踏み込むというところが足りていないのではないか。地域の活性化、地方の活性化、デジタルを使ってというようなことで、地域、地方といいますか、地方を地方と見て活性化をしていこうと。こういうところについては、皆さん理解はいただけていると思いますが、もう一歩進めて、それをより積極的な形で実現していくために、大都市に構造的に若者が魅力を感じて集まってしまうという部分の根本の部分ですね、それは大学であったり学問であったり、仕事、企業であったりという部分だと思いますが、そういったものを、いわば積極的に地方に機能を移転していくと、この部分が、ある意味、相手もある話であり、大都市部で現在の生活を是としている方々にとっては、それを変えていくという部分にもなりますので、一定抵抗感がある部分でもあろうと思いますが、そういったところに踏み込んでの対策というのが、なお、足りていなかったのではないかと、私としては感じているところです。
発足10年のとさでん交通の現状と今後について
(井上・高知新聞社記者)
もう一つ話題を変えまして、とさでん交通についてお伺いします。土佐電鉄と県交通が経営統合して10年、発足から10年になります。この間、コロナ禍の影響で乗客減少などの経営的な課題もありましたし、今現在では、運転手不足というところを発端にして、路線バスの減便や廃止が避けられない状況。そして、それがまた利便性の低下につながって乗客の減少という、ある意味、負のスパイラルというところにもなりかねない現状ではありますけれども、この、とさでん10年というところの振り返り、この先も踏まえてご所見をお伺いします。
(知事)
お話にありましたように、とさでん交通が旧土佐電鉄と高知県交通の統合ということで発足して10年になります。現在でも地域の公共交通を担う中心的な機関の一つということだと思っておりますし、実際、運営主体としても、出資主体としても、県、それから市町村によります、形としては第3セクターの形式を取っておりますけれども、実質的には地方公営企業の一角を占めていると言ってもいいような状態になっていると思いますので、強い公共性というのが求められる中で、コロナ禍という試練もありましたけれども、地域公共交通を担うということで、役割を果たしてこられたと評価しております。
特に、コロナ禍前までは、累積債務の段階的な解消というところも含めて、成果を上げてきておりましたけれども、特にコロナ禍以降の経営難があり、また昨今の運転手の不足という問題もあって、非常に課題は抱えているものが大きいと思いますけれども、やはり地域の公共交通を担う中心的な担い手だと思っておりますので、健全な発展と、それを支えます地域公共交通そのものの在り方に踏み込んだ議論というのも、もう避けられない時期にきていると思っておりますので、そうした意味で、県としましてもワーキンググループを関係の市町などともつくりまして、当面は、昨今提起されてきております路面電車と路線バスの並行区間を合理化していくということで、いわば、必要な人役を減らせないかという問題であったり、かねてから問題提起をされております路面電車の規模が適正なのかどうかといった問題、そういったものも含めて、しっかりと議論をして、新しい向こう5年10年を展望した中で、持続可能性があるような地方公共交通、特に高知市を中心とした県中央部ということですが、その在り方については、何とか年内ぐらいには、粗々の姿をワーキンググループの中で絵を描いていただいて、それに基づいて、具体的な対策を講じていくということを目指していきたいと思っております。
自民党本部への火炎瓶投げ込み等、言論への暴力について①
(栗原・時事通信社記者)
2点お伺いします。衆議院選挙に関連することですけれども、この前の土曜日の19日に自民党本部と首相官邸に対して火炎瓶が投げ込まれるなどの事件がありました。安倍晋三元首相が暗殺されて以来、選挙が起こる度にこうした暴力事件というものが相次いでおりますけれども、これに関して知事の受け止めをお願いします。
(知事)
今回、お話があった事案については、幸い死者などは出なかったとお聞きしておりますが、こうした暴力とか卑劣なテロ行為によって、民主主義の基盤である選挙を左右しようというような動きは断じて許すことができない、暴挙だと思います。強く非難したいと思います。
警察庁では、特に官邸、国会、党本部、自民党の各都道府県連、こういった施設で警戒を強化するように指示をしたということとお聞きしておりますけれども、ただいま申し上げましたように選挙運動というのは、民主主義の根幹をなすものだと考えますので、こういった暴力行為で選挙運動が妨げられることがないよう、必要な対策を関係者において、万全の対策を取っていただくことを望みたいと思っております。
自民党本部への火炎瓶投げ込み等、言論への暴力について②
(栗原・時事通信社記者)
選挙の度に、こうした事案が相次いでいることに関して、タガが外れているかのような印象を受けますけれども、連鎖していることについての印象はいかがでしょうか。
(知事)
結果として、こういう事件が見られるというのは大変残念なことではありますけれども、一方で選挙運動の自由であったり、特に政治家サイドからするとできる限り有権者の方々との触れ合いというのは大事にしたいというのが、これ本当正直なところだと思います。
その点、警備の必要性との板挟みの部分があり、なかなか難しい問題もあると思いますけれども、少なくとも、これまでの岸田総理への事件であったり、安倍元総理への事件であったり、こういったところの教訓を踏まえて、対策のレベルアップを図ってきていただいているとは思いますし、そうした中で、選挙ができるだけ自由な雰囲気の中で行われていくというところを期待したいと思っております。
高知県の34歳以下の若年人口減少について①
(栗原・時事通信社記者)
昨日行われた元気な未来創造戦略の中で、10月1日現在の県内の34歳以下の人口が前年度比で4,599人減少したと報告がありました。知事は、人口減少自体は当面はあるだろうという見込みは、再三示しておられますけれども、この減少幅については想定内だったと思われますか。
(知事)
若年人口ですね、34歳以下の人口のところを早期に向こう4、5年のうちに減少を食い止めたいということが、今回の戦略の1番の眼目ですので、そういう意味では大変厳しい結果がいきなりのスタートの半年ですけれども、数字的には出てきていると受け止めております。シナリオとしましては、いわゆる社会増減をこの34歳以下のところで、なんとかプラスに持っていくと。その上で、出生数の減少に歯止めをかけ、増加に転じていくことで、34歳以下のところでも、いわゆる自然減が起きていますので、この自然減と社会増プラスマイナスゼロになる状態を目指していくと。これを4、5年のうちに実現したいということです。ただ、残念ながらその社会増を図っていくという要素、出生数を増やしていくという要素。いずれも残念ながら、この半年は逆方向に出ているということですから、そういう意味で大変厳しいとは思っております。この問題は、もう様々な対策、総力で、かつ粘り強く、息長く取り組んでいく他はない方策だと、問題だと思っておりますので、昨日の会議で、今後の強化の方向も議論しましたけれども、そういった対策も含めて、対策を強化した上で、粘り強く講じていくということで、なんとか早く方向を転じていくところに持っていきたいという思いを持っております。
高知県の34歳以下の若年人口減少について②
(栗原・時事通信社記者)
数字自体を聞いて、予想より多かったとは思われなかったでしょうか。
(知事)
そうですね、数字としては多かった、数字の具体的に想定をしたものがあったわけではありませんけれども、まさしく、この4,500人程度の34歳以下人口のマイナスというのを、向こう4、5年でゼロに持っていくというベクトルで取り組みたいということでやってまいりましたので、それが逆方向にいっているというところが、大変厳し数字が、半年とはいえ出ているというような受け止めでございました。
衆院選における防災庁設置の公約等、防災面での訴えについて
(古谷・読売新聞社記者)
先ほど選挙で注目されている点で防災の話がありましたが、それについてお伺いできればと思います。一つは石破内閣が言っている防災庁です。これまでも何回か話には出て、なかなか実現には至ってない点についての受け止めと、それともう1点、政治資金の問題で、今回一部の候補者は言っていますけれど、なかなか防災対策は前面に出てこないところもあるのですが、そういった各候補の訴えを聞かれて、どんな印象かという2点お願いします。
(知事)
まず、防災の問題に関してですけれども、今回、石破総理は、当面防災庁という形で問題提起をされ、もともとは防災省の設置ということを最終目標にということを言われております。私は、内容的に二つの要因がかかっていると思っておりまして、いわゆる防災対策を強化していく。そのための人員や予算を強化していく。この方向性は私も大賛成でございまして、例えば避難所におけるベッドだったり簡易トイレであったり、そういったものを、もうこの際、国がしっかり備蓄態勢を取って、災害が発生したら直ちに国が運ぶというようなところも含めて、人員の面も含めて体制強化しようと、これを、防災庁という旗印のもとに実現していくという方向性は、私は歓迎すべき方向性だと思いますし、ぜひ、実現していただきたいと思います。
ただ、組織論としての防災庁、特にこれは防災省ともなりますと、それを今の既存の、いわゆる危機管理関係の役所が様々ありますけれども、自衛隊、警察、消防、海上保安庁、そして予防対策の国土交通省等々ですね。そこのどの部分を切り出して、どの組織をコアに省として設置する場合に、つくっていくのかというと、これはなかなか難題だと思っておりまして、それがかつ、日常的にどんな仕事を担っていくかというところの設計というのは、 ここの部分がなかなか霞が関の中で解が出てこないというところで、この問題がなかなか前へ進んでいないということだと思います。
そこは正直、なかなか解を出すのが難しい部分もあるのではないかと思っておりまして、その点は、今後のさらなる検討課題ではないかと受け止めております。もう1点は何でしたっけ。
(古谷・読売新聞社記者)
今回の各候補の訴えの中で、どちらかというと政治資金の訴えに集中してしまって、防災面が比較的隠れて、一部の方がおっしゃっていますけれど、隠れてしまっている印象もあるのですが、そのことについていかがですか。
(知事)
今回やはり選挙戦で、勝つか負けるか、食うか食われるかというような場面になっている中で、より政治的な一種というのですか、政治資金の問題、そちらの方に議論といいますか対抗軸が偏ってしまっているというのは、ある意味、選挙戦という性格上やむを得ない面はあるのではないかと思っております。そうした中でも、ただ防災の問題も各候補者、かなり関心は持って議論をしていただいていると思いますし、ある意味、石破総理総裁自身がそうだと思いますが、特にこれまで専門的な知識、ご経験も持って問題意識を持っておられた方は、それぞれに、かなり具体的な訴えもされていると思いますので、今回の選挙を契機にそういった訴えが、より広く世に出て、検討の対象になって実現に結びついていくということを選挙後、そういう展開になっていくということを希望したいと思っております。
防災庁の設置について①
(古谷・読売新聞社記者)
先ほどの防災庁・防災省の話ですけれども、知事が今おっしゃった話の中、つまり防災省になると、なかなか組織的にどういう組織を組むのか難しいので、まず、やはり避難所の運営の問題とか、その辺りをまず専門的にやる防災庁、組織の大きなものじゃなくてという意味合いですか。
(知事)
おっしゃる意味で大体一致していると思います。国がやるべき防災対策を強化していくと、それを今の内閣府防災担当からより独立性が高いイメージがある防災庁にし、さらに独立性が高いイメージがある防災省にしていくという名前の下に対策を打っていきたいと、そういう方向性、気持ちは理解できるところですが、特に一つ省庁の省を設けるとなると、日常的に何をメインとして担う組織を、どういう順列、組み合わせで作っていくかということは、なかなか難題ではないかというような思いがしているということです。
防災庁の設置について②
(古谷・読売新聞社記者)
日常的に、防災省に何をやらすのかというのが、非常に見えてくるのが難しいという意味合いですか。
(知事)
日常的な仕事のイメージが難しいのではないかということだと思います。
高知龍馬マラソン2025の応募状況等について
(中川・NHK記者)
龍馬マラソンについてお伺いします。龍馬マラソン、今月末のエントリーの締め切りだと思いますが、2年連続、定員割れとなっている中で、今の応募状況はどうなっているのか、また、その受け止めをお願いできますか。
(知事)
来年2月の龍馬マラソンですけれども、昨日時点のエントリーの状況がフルマラソンで定員1万人に対して7,600人の応募となっております。本来的な申し込みの期限、今月末ということで考えておりますけれども、この1万人という定員に満たない場合は、なお半月程度は申し込み期限を延長して、応募を募りたいとも思っております。そういったところまで視野に入れますと、なんとか昨年並みの9,300人といった規模は確保できるのではないか、したいという思いで、今、応募の受付事務に当たっているところです。
高知市教育委員会 松下教育長の辞任について
(鈴田・共同通信社記者)
長浜小学校の男子児童が亡くなったプール事故の関連で、先日、高知市の松下整氏が教育長を辞任されました。市のことではありますけれども、受け止めがありましたら伺えればと思います。
(知事)
お話がありましたように、高知市の松下教育長が16日付で辞任されたと承知しております。ご自身は、このタイミングでということに関しましては、来年度以降の新しい人員体制とか、人事の体制とか、あるいは予算、こういったものは新しい人の下で検討してもらう方がベターだという判断の下に、このタイミングで辞職を申し出られたとお聞きしておりますし、今後の事故の原因解明などについても、引き続き協力をされていくスタンスだとお聞きしております。
また、桑名市長もそのことを了とされたということですので、そうした意味で高知県とは別の自治体の高知市の教育委員会の人事に係るものですので、私としては、今のようなご本人の説明なり、市の関係の方々の判断というものは、それはそれとして受け止めるべきものであるのではないかと、とやかく私が、その中身についてコメントをするのは差し控えるべきではないかと思っております。
産官学が連携した人口減少対策の具体的なイメージについて
(羽賀・朝日新聞社記者)
9月の県議会定例会の最終日で知事は、人口減少について産業・大学・行政・金融など各部門の主要な担い手の距離が高知の場合近いと、この強みを生かしながら、困難な県政課題に正面から付き合っていきたいという趣旨のことを発言されていらっしゃいますけれども、具体的にどういうことをイメージなさっているのか。また、今後、行政として産業であるとか大学、こういうところとどういうふうな協力を組まれていきたいのか、イメージをお持ちでしたら教えてください。
(知事)
ただ今、お話があったような発言をした具体的な背景は、本県で今取り組んでおります新しい産業を起こしていくという中の一つに、ヘルスケアのイノベーションプロジェクトというのがあります。産業振興推進部中心になって取り組んでもらっているわけですが、一種のベンチャー企業のような、新しい企業が高知を、いわば実証実験・社会実験の実証の場として使うというようなコンセプトで、例えば高齢者同士のマッチング事業だったり、医療機関の事務のデジタル化だったり、そういったヘルスケア・健康の産業にまつわる先端的な、いわばベンチャー的な企業の取り組みを進めてもらっていまして、県としては、財政面などでそれを支援していることがあります。
そうした現実に取り組んでいただいている非常に若手の方々、経営者の方々と意見交換をした際に、そういうヘルスケアのイノベーションプロジェクトを高知でやっていくというところ、大都市ではなくて。そこの強みというのでしょうか。よって立つところは何でしょうかという意見交換をした際に、まさしく、今回のような話がありましてた。大都市部で、そういった実証実験をやろうと言っていても、まず大学とか行政、それから産業それぞれのトップ同士の距離がかなり大組織同士になるので非常に遠いと、こんな形で、例えば知事とか大学のトップとかいう方々と気楽にというのですか、その時はリモートで話をされた方もおられましたけれども意見交換ができて、今こんなことをやっていて、こういうことの行政の支援が欲しいといった意思疎通ができるのは、高知県のように小さい県であればこその強みではないかというお話もいただき、私自身が常々県庁の中で仕事をしておりましても、私自身は大阪府とか福岡県とか、もっと大きな県庁で仕事をしていた経験もございますけれども、大きくなると専門化はされますけれど各部門が、そこがいろいろな部門の壁を越えて新しいプロジェクトをやっていくというよう なところの柔軟性というのがなかなかない。むしろ高知県のような小さい組織であればこそ小回りが効くという部分も、これは逆に利点だと感じておりましたので、まさしくそういったイノベーション、イノベーションというのは大体違う世界のものが一緒に取り組みをやって、一種の化学反応を起こして、新しいものを作っていくというのが一つのモデルということだと思いますから、そうしたものを起こしやすいという面では、高知県の、いわば規模の小ささというのが、むしろアドバンテージになるのではないかと、そういう思いで、そんな発言をさせていただいたところです。
石破総理の就任以来の政治姿勢について
(栗原・時事通信社記者)
石破内閣の姿勢についてお伺いいたします。先ほどの防災庁関連にもなりますけれども、石破総理は内閣を組閣して以来、それまで言ってきたことをいろいろと変えてきたということがありますが、この方向性が一定しないように見えることについてはどのようなお思いでしょうか。
(知事)
これはなかなか難しいご質問だと思います。石破総理総裁がこれまで、特に安倍政権下では、どちらかといいますと党内野党的ないわば歯切れの良さ、ないし正論を述べるというところで、党内というよりもむしろ党外の方から評価を得、人気を得ておられたというのが総裁に就任直後から、ある意味、体制側に回った中で、なかなかその良さが生かされていないのではないかというご指摘は、衆議院の選挙の解散の時期の問題などを含めて、いろいろ言われているところですし、それは一理はあるご批判、ご指摘かと思います。
ただ、ある意味、石破総理総裁は、そのことも全部ひっくるめて受け止めた上で自民党総裁として、あるいは総理として判断し、先ほどの、いわゆる不記載議員の公認や比例重複の問題などにしても一つの、あれはあれで大きな判断をされて、賭けに出られた面も含めて、政治家ですから、そういった部分というのはどうしてもついて回るといいますか、避けがたい要因もあるということだと思いますので、そこは一概にマイナス面ばかりを取り上げるというのもフェアではないような気もいたします。例えば、政策活動費の在り方についても、元々、今回の選挙では使うと言っておられたのを、いや選挙の活動に使うわけじゃないということで軌道修正をされたりと、そこはいろいろな国民の皆さんの各界の反応を見て、これをぶれたという方もおられますけれども、必要な軌道修正は、なんて言うのでしょうか、躊躇しないと見られる側面もあるのではないかと思いますので、そこは一概に、良い悪いということで評価することが難しい。いろいろなご批判も含め、あるいはそれをプラスに評価するという声も含めて、まさしく今選挙の最中ですから、トータルで国民の皆さんに判断を求めておられるということではないかと受け止めております。
衆議院選挙に関し、知事自身の特定の候補者や政党への支援について②
(栗原・時事通信社記者)
続いてですけれども、知事は、先ほど衆議院選挙で特に支援されることは、原則ないとおっしゃいましたが、昨年の参議院選挙では支援に回ったことがありました。昨年のは原則ではなく例外ということで、今回は原則どおり行動されるということでよろしいでしょうか。
(知事)
結論的には、昨年の秋の私自身の行動判断は例外的なものであった。私自身の2期目の選挙の直前で、それと一体のような形で中央政界を含めた構図ができたり、あるいは相手候補との関係で、これは自分の選挙の構図と、いわば一体的な構図が出るという中で、去年の参議院議員選挙の補欠選挙、あるいは知事選と同日になりました高知市長選挙では、通常の私自身の原則的なスタイルと違って、特定の候補のマイクを握るという判断をしましたけれども、これは例外的な、今申し上げたような状況の下での、例外的な判断であったと私自身は位置づけております。
特定の候補者を応援する際の知事の判断基準について
(栗原・時事通信社記者)
この原則と例外の判断をする基準というのは、知事自身の中にはございますか。
(知事)
これはなかなか、最後は政治判断の世界ですから、一般化はしにくいということですが、今までの例で言えば、やはり自分自身の選挙というところと密接不可分な状況になっているというのが、昨年の秋の状況の大きな背景のポイントの一つだったようには思っております。
藤川球児氏の阪神タイガース監督就任について
(栗原・時事通信社記者)
この度、阪神タイガースの監督に高知県出身の藤川球児さんが就任されましたけれども、高知県は安芸市と共に阪神タイガースと協定を結んでおられますが、何か阪神タイガース側と新しい動きをされるというような構想はありますか。
(知事)
今回の藤川新監督だからということでは必ずしもないかもしれませんけれども、先般、私も阪神の球団社長を表敬訪問しました中で、例えば、高知ファイティングドックスとの共同のプロジェクトで親子教室のようなイベントをやってみたらどうかというような話も具体的に今検討を進めておりますので、そうした中に、今回の藤川新監督誕生ということもありますから、一種の相乗効果といってはなんですけれども、高知出身で、あれだけの実績を現役時代も残された方で、非常にかつ高知愛の深い、高知のPRにも本当に献身的に貢献していただいている方ですので、私としても阪神の日本一を目指した取り組み、そして、藤川新監督のご尽力を心から応援したいと思っております。