令和6年12月26日 知事の記者発表

公開日 2024年12月26日

1 今年1年を振り返って印象に残っている出来事、見えてきた課題について
2 人口減少対策総合交付金の活用状況について
3 人口減少対策に関する有識者によるフォローアップについて
4 来年度の出会い支援事業への力点について
5 能登半島地震から1年、現状への受け止めと高知県への教訓について
6 高知ユナイテッドSCの秋田豊新監督の就任と今後の県の支援について
7 手話言語条例に関する取り組みについて
8 県における週休3日制の検討の現状と知事の見解について
9 週休3日制に関する一部市町村の反応について
10 政府のガソリン代への補助縮小について①
11 政府のガソリン代への補助縮小について②
12 与党税制改正大綱による所得税控除の引き上げにおける税収減について
13 特定利用港湾の指定を巡る知事の発言について①
14 特定利用港湾の指定を巡る知事の発言について②
15 所得税の控除額123万円への引き上げによる県内市町村の税収減について
16 臨時国会における少数与党の国会運営について
17 第6期南海トラフ地震対策行動計画での臨時情報の対応強化について①
18 第6期南海トラフ地震対策行動計画での臨時情報の対応強化について②
19 今年の漢字「金」への感想と知事が考える今年の漢字について

(司会)
 知事記者発表を始めます。

今年1年を振り返って印象に残っている出来事、見えてきた課題について
(三木・高知さんさんテレビ記者)
 今年1年を振り返って、印象に残った出来事や見えてきた課題について教えてください。また、来年の抱負をお聞かせ下さい。

(知事)
 印象に残った出来事は、敢えて一つ言えば、やはりスポーツ面での県出身の選手のご活躍だと思います。オリンピック、パラリンピック、92年ぶり、あるいは初の金メダルというメダルラッシュが続きましたし、年末には最後の最後、土壇場までもつれましたけれども、高知ユナイテッドSCがJリーグ昇格を決めていただいた。こうした、ある意味、良い思い出といいますか、いい記憶が残った年だったと思います。
 一方で課題として見えてきた一番大きな問題は、やはり南海トラフ地震対策だと思います。元旦に能登半島地震が起きまして、地形的な条件とか、あるいは過疎化が進む社会的な環境、両面から見て、とても高知が他人事とは思えないという状況を目の当たりに私自身しましたので、南海トラフ地震対策を根本的に強化しないといけないという思いを強くいたしました。
 そうした意味で、かねてから申し上げている人口減少の問題、そして防災対策の問題、この辺りで県民の皆さんの不安を払拭して、そして、元気な未来に向かっていくという意味で、活力の溢れる高知、そして、安心に暮らせる高知に向けて確実に前進していく。そんな1年にしたいというのが、来年に向けての抱負ということです。

人口減少対策総合交付金の活用状況について
(羽賀・朝日新聞社記者)
 人口減少対策総合交付金について、2つまず伺います。
 まず1点目ですけれども、本日、年内最後の審査会が終わりまして、都合26市町村に交付金の認可が下りた形になっていますけれども、26なのでまだ残りもありますけれども、この現状について、どのように認識されているのかを教えてください。

(知事)
 本日までの審査会の分、26市町村の計画の部分で4年間トータル24億円、連携加算型ですね、想定している事業費の枠といいますか、その内の13億3,000円余りに相当する事業計画が提唱されたという段階だと思っています。
 今年から計画づくりということもありましたので、各市町村には精力的に、ある意味ゼロからのスタートでしたから、努力していただいて計画の策定を鋭意行っていただいたということですし、今、事務方から報告を受けていますのは、残る8市町村も年度内には計画を申請して、全市町村での計画が一定、出揃うというようなところまで見通しが立ちつつあります。繰り返しになりますれど、4年間をかけての計画の初年度ですから、まず基本的には順調な形で計画づくりが進んだ。いよいよ来年は、その実行が本格化するという意味で勝負の年になるという思いを持っております。

人口減少対策に関する有識者によるフォローアップについて
(羽賀・朝日新聞社記者)
 2点目は、知事がおっしゃった来年のことですけれども、先日の県議会の所信表明の中でも、来年度は有識者を入れてフォローアップというか、提言、助言をされるような機関を創るようなこともおっしゃっていましたけれども、その辺りの計画、現時点でを少し詳しく教えていただけますか。

(知事)
 ここはちょっと今後、詳細は詰めてまいりますけれども、今回、大体計画の姿が出揃ってきた、見えてきたことで、連携加算型に関しては圧倒的に、やはり若者の定着増加を目指すような事業が多いということですし、具体的な事業の中身も出揃ってきましたので、そうした状況を踏まえた上で、これに的確なアドバイスをいただけるであろう外部の有識者の方々にお願いして、ご説明させていただいた上でアドバイスをいただける、あるいは進捗についてチェックしていただける体制を早期に構築して、市町村と、基本的な考え方は同じでありまして、いわば伴走型で、一緒になってこの事業の成果が上がる、効果が上がるものになるように県としても全力でバックアップしていきたいと思っております。

来年度の出会い支援事業への力点について
(羽賀・朝日新聞社記者)
 最後に人口減少についてもう1点。先日発表がありました予算の概算見積もりの中で、出会いの支援に、例えばメタバースを活用されるとか、そもそも出会いの支援に予算をこれまで以上に積んでいる、担当部署間の積み上げでは積んでいるようですけれども、出会いの支援について、来年度、知事としてどのように力を入れていきたいのか、その辺り、意欲も含めて伺ってよろしいですか。

(知事)
 最近の若い方々の意識としては、あまりにお見合いお見合いしたマッチングがチラチラするような出会いでは無いような、自然の出会いが望ましいという気持ちが強いと伺っています。そうした意味で、少し新しい基軸でメタバースということも検討しようと思っておりますし、ある意味、若い方々が参画していくような事業は、もともとそれが交流事業と言わなくても、一例としては、今年から地域の伝統芸能を継承していくために、大学生や企業の若手の従業員などに募集をかけて、そういった伝統的な祭りなどの担い手として、マッチングをしていくというような事業をやっておりますけども、例えばそうした事業も、結果において色々な若い方々との出会いが生まれて、自然な形で交際をして、場合によっては結婚までつながっていくということも多いのではないかというご意見も多くの方からお聞きしましたので、そうした目で少し各部で色々、取り組んでいる事業も、もう1回眺めてみて、そうした観点からも、結構、効果が期待できるのではないかというようなものについては、そうした視点も入れて充実していくとか、強化していくというか、そういう少し幅広い視野を持って交流事業というものを捉えて強化していけたらという思いを持っております。

能登半島地震から1年、現状への受け止めと高知県への教訓について
(竹村・NHK記者)
 3点質問をさせていただきます。
 まず1点目に、まもなく能登半島地震の発生から1年となります。1年がたって、まだ復興も道半ばですけれども、知事としての受け止めをまず伺いたいのと、先日、新年度予算の当初予算案の見積もりも出されて、その中にも、南海トラフ地震対策が盛り込まれていたと思うのですけれども、今の段階でこの能登半島地震から得た教訓で、高知県の防災にはどのように生かしていくのか、何かお考えがあればお聞かせください。

(知事)
 一つは自助共助の強化というのが必要だというのは大きな教訓だと思います。特に本県はその点では比較的成果が上がってきていますけれども、住宅の耐震化があまり進んでいなくて、特に高齢の犠牲者が発災直後に、多くの家屋の倒壊で発生したというようなことは、自助の一つとしての住宅の耐震化といった取り組みが非常に大事だということを示した、一つの事象だったのではないかと思います。
 インフラの整備ということで申し上げますと、今回の能登半島地震は発災直後に道路の寸断、あるいはライフラインの途絶があって、避難も地域ではできなくて広域避難を迫られるという事態に陥った。これも今回大きな特色だったと思いますし、関連しますが、そうした意味で、避難所の環境を中心に、避難所の生活環境が、いわば十分ではないがために災害関連死が非常に多くなっているのではないかと。言い換えますと、そのための対策を打っていかないといけないというようなこと等々。
 それに、私自身の問題意識は、事前の復興まちづくりが中山間地域でも必要ではないかというような感想を持ったこととも含めまして、本当に今までの地震防災対策の、また基本に立ち返って、今までにない事象も、たくさん今回、現に発生したということだと思いますので、色々な意味で、抜本的に見直しの強化をしないといけないという教訓をいただいた地震だったと思っております。

高知ユナイテッドSCの秋田豊新監督の就任と今後の県の支援について
(竹村・NHK記者)
 高知ユナイテッドSCが悲願のJリーグ参入を決めまして、先日新たな監督に秋田豊さんが就任されて、新たなシーズンを戦うという発表もありました。これについて、知事の受け止めと、今後、県としても初めてのJリーグということになりますけれども、行っていきたい支援など、今の段階であれば教えてください。

(知事)
 先だって吉本監督の転出と秋田新監督の就任という報道がありました。吉本さんには、ここまで高知ユナイテッドSCを引っ張っていただいて、Jリーグ昇格という非常に輝かしい成果を上げていただいた感謝でいっぱいですし、気持ちとしては大変、別れが惜しいという気持ちはありますけれども、ご本人も熟考された上でのご決断ということだと思いますので、立派なご実績をお持ちの秋田新監督の手腕に期待し、ぜひ上位での良い成績を初年度残していただくように期待したいと思います。
 そうした中で、今後の予算編成の中で詳細を検討していきますけれども、やはりJリーグということになりますと、試合数も増えますし、いろいろな経費もかかってくる部分があるであろうということはあろうかと思います。       今年の補正予算の中で、例えば春野の球技場の照明の整備など、予算化をしておりますけれども、今後も以前からご要請があります出資などによります財務基盤の強化への支援といった点も、例えば、高知市などとも協調しながら、あるいは球団側の資金計画などもお聞きしながら、県として、しかるべく支援をしていくということを考えなくてはいけないと思っておりますので、これは先行してJリーグ入りをしている他県などの事例も参考にさせていただきながら、いわば遜色のないような形で、選手たちが高知県もしっかり後押ししてくれていると受け止めてくれるような支援を考えたいと思っております。

手話言語条例に関する取り組みについて
(竹村・NHK記者)
 最後に、先日12月定例県議会で手話言語条例が可決・成立されました。今後、聴覚障害のある人たちが、より生活しやすい環境を整えるために、県としてはどのような施策を打っていきたいとお考えでしょうか。

(知事)
 これも具体的には新年度の予算の中で検討して決定していきたいと思っておりますが、手話を言語として、コミュニケーションの手段として認識していただく、このための県民の意識の啓発を図り普及していく。そのためには、県の職員なども含めて、手話を現実に使える方々を増やしていくという取り組みも大事だと思いますので、手話研修の機会の拡充も含めて事業の展開を進めたいと思っております。今回の条例制定の際には、当事者の方々も県議会の議場においでいただきまして、私自身ちょっとこれは認識が足りなかったと思いますのは、全国で39番目ということではありましたが、四国の中で初めてということでございますので、そういう意味で、関係者の皆さん、大変ご期待も高いということだと思いますから、関係者の方々のご意見も伺いながら、言語としての手話の普及という趣旨を実現していくための具体策を、しっかり検討していきたいと思っております。

県における週休3日制の検討の現状と知事の見解について
(栗原・時事通信社記者)
 何点かお伺いします。
 まず、今年度になりまして、週休3日制の導入を打ち出している自治体が増えているかと存じますけれども、高知県においては、そのような導入をするための検討などは行っているのでしょうか。また、知事ご自身は週休3日制について、どのようなご見解をお持ちでしょうか。

(知事)
 具体的に、いつからもう導入を考えますというようなところまで検討の熟度は熟しておりませんが、検討課題だとは思っております。国も令和7年4月から週休3日の選択が可能なフレックスタイム制を導入するという方針と聞いておりますし、47都道府県の状況を見ましても、令和6年4月時点で17の団体では、こうしたフレックスタイム制とセットにする形での週休3日が可能な勤務形態が導入されているということです。 
 本県の場合は、この類の職員が働きやすい職場環境を実現していくという観点からの、柔軟な勤務時間の設定という点では、いわゆる早出・遅出の勤務時間帯を朝5時から夜の9時45分の間で、職員の選択で割り振っていけるような制度を入れまして、働きやすい環境づくりには配慮しているつもりでありますけれども、先ほど申し上げましたような、国ないし他県での導入状況ということもありますので、県民の皆さんへのサービスへの影響がどうか、業務に支障がでない体制が取れるかどうかと、こういったところも考慮しながら、選択肢が増えることは職員の側からすれば歓迎ということだと思いますから、検討の対象にしていきたいと思っております。

週休3日制に関する一部市町村の反応について
(栗原・時事通信社記者)
 この点について、県内の市町村の中には週休3日制で休んだ職員の穴埋めができないから、検討するのは夢物語だみたいなことをおっしゃる方もいらっしゃいますけれども、これについてはどのように思いますか。

(知事)
 ちょっと私も直接聞いたわけではないので分からない部分はありますけれども、現実に、どの程度、職員からの希望が出て、どういう形のバックアップの体制が必要かということは、まだ未知数じゃないかなという気もします。先行して行われている県の状況なども見ながら、方向性としては、そういうご意見はあろうかと思いますけれども、できる限り制度として導入する以上は、職員の希望に沿って、バックアップの体制が取れるような努力を誠実にしていくということは、我々としての務めだと思いますので、そうした課題も含めて導入にあたっての検討はしていきたいと思っています。

政府のガソリン代への補助縮小について①
(栗原・時事通信社記者)
 政府のガソリン補助金についてですが、これの段階的な縮小が開始されました。ガソリン減税の議論が煮詰められないまま、高知県では全国で第2位の値上がりとなっておりますが、この点についてはどのように思いますか。

(知事)
 お話ありましたように、政府のガソリン代への補助が、もう3年近くになるのだと思いますけれども、今回補助が縮小されるということに伴って、現場のガソリンスタンドでの販売価格が引き上げになったということで、特に本県の場合は、石油の精製施設などが県内になくて、運送賃のコストが上乗せされるということもあって、全国でも高い料金になっているということだと思います。その意味では、県民の皆さんの生活実感としては非常につらい、きついということであろうと思っております。
 ただ、この施策、そういう意味でそれを踏まえて国で展開されているわけでありますけれども、いつまでも税金を使ってこの部分を補助していくという制度が、財政面から見ても健全化、あるいは温暖化対策に逆行するのではないかという問題もあろうかと思いますから、その点は、一義的にはエネルギー政策に係る話でもありますから、色々なご意見、ご批判は受け止めて、あるべき姿を検討していただきたいと思います。政党間では今申し上げた暫定税率の在り方というのも問われているということですから、少し長い目で、日本の経済・社会・温暖化対策への貢献というところも含めて、どうあるべきかという大所高所に立った視点も含めて、かつ国の経済政策ということでも、規模感から言いましても、率直に言って地方の施策としては手に余る施策だと思っておりますので、しっかりと国で方向を決めていただきたいと思っております。

政府のガソリン代への補助縮小について②
(栗原・時事通信社記者)
 ということは、知事は補助金を復活させるなり、そういう施策は全部肯定するということではないということしょうか。

(知事)
 ただ今申し上げましたように、緊急対策として急激な物価高騰への対策ということでの趣旨は理解いたしますけれども、もう3年たっている訳ですし、いつまでもこういう形でやるのがいいのかというところは大いに問題があると思います。
 かつ、今の暫定税率のトリガー条項うんぬんの話も、あのままで凍結を外すという形でいくと、これはこれでかなり硬直的な制度になってしまうという懸念もありますので、トータルとして、特に長期的な視点も含めて、温暖化防止対策との関係との在り方も含めて、ちょうどそういう意味では、来年度は税制改正で自動車課税の在り方とセットで燃料課税を見直すということも計画されてるようですので、大きな構図の中で、あるべき方向を見出していただくということではないかと思っています。

与党税制改正大綱による所得税控除の引き上げにおける税収減について
(栗原・時事通信社記者)
 最後ですけれども、同じく税金に関してなんですけども、与党の税制改正大綱で所得税の基礎控除額の引上げが10万円となりました。村上誠一郎総務大臣は、これに関しては全国的には500億円から1,000億円の住民税の減収になるだろうと見通しを示しておりますが、知事としてどのようにお思いでしょうか。

(知事)
 これは今、ご紹介がありましたように、いろいろありましたし、今後もあると思いますけれども、与党の大綱としては、住民税、相当限定的に対応していくという方針を決定していただいたので、当初言い値どおりだと4兆円規模といわれていた減収規模が、桁が一つ、二つ小さい500億円から1,000億円というような影響規模に限定されると、給与所得控除だけに限定になりましたので、基礎控除は据え置きとなれば非常に対象者が限定されますので、そういった方向になったということは、地方財政の影響ということについて、地方団体関係者が結束して強い意思表明をしていたということを配慮いただいたということだと思っております。
 本県の場合も、最大90億円と当初見ておりました影響額は、恐らく県財政分ですけれども、3億円前後ぐらいの数字で収まるだろうと考えますので、昨日、報道されておりました来年の地方財政の収支見通し、全体に税収好調ということですし、住民税は元々令和8年度からの影響ということですから、そういう意味では懸念したような、現段階では財政面での大きな支障ということの心配は遠のいたと思います。
 ただ、恐らく2月の後半には、国の本予算や税法の衆議院での採決が迫りますと、また国民民主党と与党とのせめぎ合いというのが、恐らく行われることだと思います。また、地方財政への影響が懸念されるような状態にならないようによく注目し、必要あらばまた声を上げなければいけないと思っております。

特定利用港湾の指定を巡る知事の発言について①
(中田・高知民報記者)
 県議会での橋本県議の質問での知事の発言が出て、それで一定のまた反省めいたこともありましたが、振り返ってみると、合口や手かせ足かせという発言があったのですが、なんというか、同種の、通底するものが知事の口からずっと継続的に出てくるなっていうのが印象としてありまして、一種のサービス精神みたいな感じで、受ける感じで言っているのかなという気もするのですけれども、ただ、やはり知事という立場の方が、分かりやすく県民を敵認定するみたいな、そういうのは、やはり、ちょっと非常に危険といいますか、そのように感じておりまして、繰り返し出てくるというのは、やはり知事の根底の部分に、野党的立場の県民であったり、政党であったりは敵だというような根本的なものがあるのかなとちょっと感じたりもするのですけれども、いかがでしょうか。

(知事)
 中田さんの受け止めということだと存じますが、やはり発言のTPOの問題だと私は思っていまして、今サービス精神というお話ありましたけども、いずれも今いただいたご指摘のお話は、ややニュートラルに見ると、恐らく刺激的で劇場がかったようなところがあるというお叱りは甘んじて受けないといけないと思います。
 ただ、それはもう選挙運動の場であったり、先般も防衛協会という私としては特定利用港湾の問題に関しては、県の立場を支持していただくという表明もいただいた団体の総会という場でもありましたので、そういう意味で支持いただいた感謝の気持ちを率直に申し上げたり、あるいは私としての受け止めを分かりやすくご説明をするという文脈の中で選んだ言葉でありましたので、そういう意味ではTPO、タイミングと場所と目的、それを踏まえた上での発言ということだと、私自身は位置付けております。そうは言いましても特に防衛協会での発言については100人くらいの方がおられる会でしたし、私自身反省点としては、もう少しこれが間接的にしても、この言葉だけが関係の方々に届けられるということになった時に、ご不快な思いを持たれる方もいるであろうと、そうした想像力は、もう少し持った上で、言葉を選ぶのが適切ではなかったかという思いは、事後的にはいたします。
 そういうことでありますし、こうした想像力はしっかりと今後も色々な場面で働かせていかないといけないと思いますが、片方で政治家でもありますから、TPOに応じて、例えば本当に数名の方の座談会のようなところでは、それに応じた話し方・言葉の選択をさせていただくことは、それはそれで許されてもいいのではないかという思いもございますので、その点の、より何と言うのでしょうか、仕分けというか、状況判断をより的確にできるように、自らの胸に刻んでいきたいという思いです。

特定利用港湾の指定を巡る知事の発言について②
(中田・高知民報記者)
 2月県議会での橋本県議の第2問で答えられた知事の発言で、2月県議会の質問が残念だったのは通告なしでいろいろ聞くから、そこがみたいな、そこのご不満を述べたと思うのですけども、ちょっと意図がよく分からなかったのですけれども教えて下さい。

(知事)
 分かりました。ちょっと私も言葉足らずという思いはありましたので、趣旨としては、私としては、当然県民を代表する県議会の議員からの本会議の場でのご質問ですから、誠実にお答えし、説明責任を果たしていかないといけないという思いはございます。
 ただ、あの場でありましたように、ある意味、細かな正確な法律解釈を求めるということであれば、本会議の場の質問であれば事前通告をしていただければ、もっと的確な答えができたのになと、それもいただけなかったので、私としては感触は持っていたけれども、最終的な答えは留保させていただかざるを得なかった。結果、あまり噛み合った議論にできなかったのではないかと、私の印象ですけれども、結果、質問者は、やはりこの問題は断固反対、徹底抗戦、こういうスタンスなのだなという印象だけが残りましたので、そのことがやはり背景としてあって、ああいう言葉があの場で、目の前は大体自分の選挙で応援に来てくださる方ばかりがいる場でしたので、発言につながったということです。そういった意味では、説明責任はしっかりと果たすというのは務めだと思っておりますが、そうした環境を作っていくということについて、県議会議員にもできる限りのご理解・ご協力をいただければありがたかったのだけれど、そういう形になっていなかったという意味で残念だということを申し上げたということです。

所得税の控除額123万円への引き上げによる県内市町村の税収減について
(井上・高知新聞社記者)
 2点お伺いします。
 まず、1点目は時事通信社から質問のあった税収の壁の影響ですけれども、今回住民税が当初の想定90億円が3億円前後に収まるだろうというお話がありました。

(知事) 
 90億円程度といったのが3億円前後だろうと見ています。

(井上・高知新聞社記者)
 前回というか178万円のお話をしていた時には、市町村分も合わせて220億円規模の減収というところがあったのですが、これに対応する、今回の市町村分も合わせてどれくらいに収まるという数字はあるでしょうか。

(知事)
 今試算はちゃんとしてませんが、ちょっと税務課を呼んで聞いたのですけれど、ちょっと私は3億円って、大きいのではないかと言っていますので、あまり正確ではないですが、住民税の税率はフラットで県税分が4%、市町村分が6%ですから、3億円前後が県とするとその4分の6ぐらいをしていただくと、大体県内の市町村分の影響額になるというのが、ざっくりした相場感だということでいいと思います。

臨時国会における少数与党の国会運営について
(井上・高知新聞社記者)
 もう1点ですけれども、今回、臨時国会の運営で少数与党として開かれまして、補正予算の修正であったり、政治改革法案では与党が野党案を受け入れるなど、ちょっと今までと違うような国会運営がされてきたかと思うのですけれども、知事も注視していた政治改革の進み具合も含めて、今回の少数与党としての運営の在り方をどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。

(知事)
 いろいろ多分課題はあるということだとは思いますけれども、自公両党が少数与党の中でも必要な施策を実施していくためには、予算あるいは法律を通さないとできないわけですから、そうした中で与党の側も自ら譲るべきところは譲る。野党の側も真摯に話し合いには応じるという形で、いろいろ評価はあるかもしれませんが、一定の中身を政治改革についても、補正予算等についても結果を出していただいて、一番心配な事態は、両方が、がちんこで何も譲りませんと何も変わらない、現状変更ができないと、予算は通らない、法律改正もできない、これが一番懸念されたのですが、そういう事態が回避されたということは率直に評価すべきだし、いい方向だと思います。

第6期南海トラフ地震対策行動計画での臨時情報の対応強化について①
(古谷・読売新聞社記者)
 第6期南海トラフ地震対策行動計画の中で、臨時情報への対応強化が入ると思うのですけれども、それについて今年の8月を振り返って思われることと、具体的に警戒が出た場合の対応というのがあると思うのですけれども、強化という意味合いを、知事のイメージでちょっとおっしゃっていただければと思うのですが。

(知事)
 臨時情報への対応というのは、ある意味私自身も含めてじゃないかと思いますけれども、1週間程度の事前避難というところは頭に入っていても、なかなか今年の8月までは警戒、注意の2段階があって、注意の方は、どちらかというと社会生活は通常ベースでというようなところの理解が必ずしも国民の皆さんに十分ではないということがあったのではないかと、その点をしっかりと啓発していくというところが一つだと思いますし、いわば、一種のそうした中で、過剰反応と言われるような反応もないわけではなかったということだと思いますから、現実に注意に関しては今回8月の対応を踏まえて、必要な軌道修正をしていくということが中身だと思います。
 警戒の方は、こっちの方は、まさしくまだ未知の領域ということですので、もう少しこのイメージを明確化して、訓練なども含めて、具体的にどう動いたらいいのかというところについての事前の備え、そして、訓練の実際の試行的なものをやっていくということだと思います。
 そうした中で、私も中で議論をして、なるほどと思ってますのは、警戒の方となると、最近の報道でもありましたけれども、すでに半割れ的なものが、今回の日向灘の恐らく何十倍という強さの規模でどこかで起こっていて、例えば震度5とか6とか、相当高知も揺れると、その上で下手すると数日以内に、もう1回大きい揺れが来るということですので、そういう意味では注意ということとはかなり状況が違うというのが典型的に想定される警戒のイメージなのではないかなとは私自身、最近思っておりまして、そうした具体的なイメージもできるだけ分かりやすくお伝えし、そのための備えも訓練などで実施していくということをしっかりと専門家のご意見も聞きながらやっていくというのが大きな流れになるのではないかと思っております。

第6期南海トラフ地震対策行動計画での臨時情報の対応強化について②
(古谷・読売新聞社記者)
 コロナのときも知事、再三おっしゃっていました社会経済活動とのバランスという面もあると思うのですけれど、その辺についてはいかがでしょうか。

(知事)
 この点は恐らく注意と警戒ではかなり、一般論ですけれども、ウエイトの置き方が違ってくるのではないか。警戒の方になるとかなり安全重視で、ある程度、一定程度の社会経済活動の一時停止・一時減退は甘受しなければいけないという方向での判断をせざるを得ないことの方が多いのではないかという印象を持っております。

今年の漢字「金」への感想と知事が考える今年の漢字について
(竹村・NHK記者)
 最後に1問だけ、今年の漢字が金、かねという漢字になりましたけれども、濵田知事の今年の漢字を教えていただきたくて、その理由も併せて教えていただければと思います。

(知事)
 すみません。予期しておりませんでしたので準備しておりませんが、でも金というのはよく考えられたかなと思います。先ほど、ご質問いただいて今年の一番印象に残った出来事は、やはり92年ぶりの金メダル、あるいはパラリンピックでの初の金メダルということでしたので、今ぱっとということであると、なるほど金でいいのかもしれないと思いました。

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