令和7年1月10日 知事の記者会見

公開日 2025年01月15日

1  今年、重点的に取り組む県政課題について
2 新年度予算に関する知事査定について
3 二地域居住への期待と県としての取り組みについて
4 県内市町村の自治体基幹業務システム標準化の進捗状況について
5 阪神淡路大震災から30年への思いと消防の広域化の狙いについて
6 阪神淡路大震災から30年、国の制度等で特に変わった点について①
7 阪神淡路大震災から30年、国の制度等で特に変わった点について②
8 国民スポーツ大会の通年開催案への所見について
9 石破首相が表明した令和の日本列島改造構想について
10 通年での県職員の軽装勤務の狙いについて
11 知事室と周辺のセキュリティについて①
12 知事室と周辺のセキュリティについて②
13 大阪・関西万博の経済効果を高知に波及させる方法について
14 香美市・大豊町にまたがる大規模風力発電所の建設計画について
15 国政選挙における開票作業時間について
16 東京一極集中の是正に関する県としての考え等について
17 今年、昭和100年。昭和への思い等について

(司会)
 ただ今から知事記者会見を始めさせていただきます。まず、幹事社質問をお願いします。

今年、重点的に取り組む県政課題について
(鈴田・共同通信社記者)
 2025年が始まりました。改めて今年1年は、どのような県政課題に重点的に取り組まれるかお教えください。

(知事)
 今年1年の県政課題として大きく2つに集約いたしますと、ひとつは人口減少対策、もうひとつは南海トラフ地震対策、この2点ということではないかと思います。
 人口減少対策につきましては、社会増減の対策、そして、自然増減の対策がありますけれども、大きく4点で施策を強化していくことだと思っています。社会増減の対策としては、ひとつは、県内の若者の所得の向上ということ。そして、移住・定住対策の充実。この2点に集約されるかと思います。そして自然増減への対応、自然減を食い止めていくことに関しまして、ひとつは多様な出会いの機会の拡充をする。それによりまして、県内の婚姻数を増加させて出生数の増加につなげるということ。そして出生数の増加ということを考えますと、いわゆる共働き・共育て県民運動をさらに進めていく。こういった点がポイントになるのであろうと考えています。
 さらに、人口減少問題は、いわば総合的な取り組みの成果として行われることだと思っておりますので、特に国の後押しを得ることが大事だと思っています。そういう意味では、国土政策において、例えば企業、大学などの大都市機能の地方分散を本気で改めて取り組んでいただいて、成果を出していくというようなことを引き続き、粘り強く提言し、そうしたものを追い風に、本県の人口減少の克服につなげていきたいと思います。また、現実に県の総人口の減少は当面、避けがたいことだとしますと、これにしっかりと適応していくという意味で、例えば消防の広域化、あるいは地域公共交通のあり方の検討などを通じまして、公共サービスの分野で効率的で持続可能なサービスの提供体制を実現していく。こうした取り組みも大事になってくると思っています。
 そして、大きな2点目の南海トラフ地震対策についてです。この点につきましては、大きく4つの観点で、事前の備えを強化することだと思っています。
 ひとつは自助の取り組み、共助の取り組みの強化。ふたつは避難所などにおけます避難環境の整備。みっつには、復旧・復興作業に向けた事前の備え、いわゆる事前復興まちづくり計画の策定への取り組み。よっつには道路、上下水道などの災害に強いインフラ整備の加速化。こういった4点に特に重点を置きながら、新たな南海トラフ地震対策の行動計画を策定し、着実に実行していくことであろうと思っております。
 全体を通じまして、今年は連続テレビ小説「あんぱん」の放送もあります。また大阪・関西万博もいよいよ開催されることがございまして、こうしたものを追い風として、本県の経済の活性化をさらに進めたいということが、大きなひとつのポイントになろうと思います。同時に、中長期的な課題として、ただ今申し上げました、人口減少問題がありますが、こういったものに負けない活力に溢れる高知を目指す。そして、地震の発生リスクに、これも負けない、そうした県民の皆さんが安心して暮らせる高知、この実現を目指して確実に前進をしていく。そうした1年にしたいと考えています。

新年度予算に関する知事査定について
(中川・NHK記者)
 新年度予算案についてです。近く知事査定も始まると思いますが、どのようなことに重点を置いて査定に臨みますか。

(知事)
 今年、そして来年度ということにもなりますが、目指す姿としては、活力にあふれる高知、そして、安心に暮らせる高知、人口減少あるいは地震の脅威の下で、活力・安心の実現に向けて前進していく。そうしたことが実感いただける1年にしたいと、そのための予算にしたいという思いがございます。
 このために予算編成に当たりましては、人口減少、南海トラフ地震対策への備えはもちろんですが、これ以外にも当面の物価高騰などの経済対策、ないしは観光振興といった経済活性化に向けた取り組み、こういったものにしっかりと目配りをして、予算編成に臨みたいと思っております。特に人口減少対策につきましては、予算要求時に元気な未来創造枠という新たな要求枠を設定しまして、関連する施策について、重点的な予算措置が出来るような仕掛けもしております。
 これについて、各部局が知恵を絞って予算要求をしてもらっておりますので、これを踏まえながら、人口減少を早期に食い止めるという観点から、いかに実効性がある施策を進めていくかということがポイントだと思っておりますので、主要な事業につきましては、その事業の実施を通じて、どういう成果を目指していくのか。いわば、社会の変革、アウトカムというべきだと思いますが、社会にどういうインパクトを与えていくのか、そういうことをしっかりイメージいただいて、また、それを客観的に測定できるKPIですね、数値指標というものも予算編成の段階であらかじめ設定して、その成果をしっかり検証していくと。そういうことで成果につなげていくということを重視して、そのための仕掛けをしっかり予算編成の中でしておきたいと思っています。
 併せまして、本県の財政面の持続可能性を確保することも大事なポイントだと思っています。ここ数年、本県の予算編成、当初予算編成段階では100億円を超えるような財源不足が見込まれ、それを基金の取り崩しで穴埋めをするという予算編成を迫られているところです。最終的な決算の段階においては、予算執行時のいろいろな努力で、財源不足の圧縮はしてきてはおりますけれども、やはり持続可能性という観点からしますと、できる限り財源不足が圧縮される方向での予算編成を目指していかなければいけないと思っておりますので、国の有利な財源制度の活用であったり、事業のスクラップアンドビルドであったりということは、予算編成の過程の中で改めて徹底していきたいと思っております。

(司会)
 それでは各社からの質疑に移ります。社名とお名前を発言いただいてから、質問をお願いします。

二地域居住への期待と県としての取り組みについて
(栗原・時事通信社記者)
 2点お伺いします。まず、人口減少対策に関連して政府が進めている二地域居住についてです。二地域居住については、政府が特別交付税を創設し、二地域居住体験の取組費用の5割を援助する方針を示しています。このことに対する知事の期待や、また来年度以降、知事はどのように、この二地域居住に取り組んでいかれるか伺います。

(知事)
 いわゆる二地域居住ですが、最近、私自身お聞きして、なるほどと思いましたのは、大阪でプロモーションをしました時に、本県出身の円広志さんが、東洋町のご出身ですが、今、週末は東洋町で暮らされて、ウィークデーは関西でというような、まさしく二地域居住を実践しておられるということでして、厳密な意味での、狭い意味での人口減少対策とは少し異なるかもしれませんけれども、実態としてそうした形での居住が広まってくれば、いわゆる関係人口が増える、経済効果としては確実に生じることだと思いますので、これは非常に注目し、進めていくべき施策だと思います。いずれ、それが移住とか定住につながることも期待できると思います。
 こうした中で、今お話がありました特別交付税の措置もそうですけれども、国は昨年11月から新しい法律を施行されて、例えばお試しの居住施設ですとか、コワーキングスペースのような基盤整備を自治体で考えた場合に、これを後押しするような制度も設けられましたし、お話のような特別交付税の措置の中では、例えば、今までの取り組みに加えて副業とか兼業支援といったことも、新たに二地域居住の取り組みを支援していく文脈で、特別交付税措置の対象に加えるというような制度の拡充も行われるということです。
 ただ、いずれもこれの施策は実施主体として想定されているのが市町村ということですから、我々としても国の施策、予算におきますモデル事業のようなものも含めて、しっかりと情報収集して、市町村の関心をお持ちの皆さまにそれをつないでいく。そして、市町村の皆さんのご関心に応えて、県としてもこれをバックアップしていくという観点で、特別交付税措置の活用というところも含めて、市町村の皆さんに働きかけ、呼びかけていきたいと思っています。

県内市町村の自治体基幹業務システム標準化の進捗状況について
(栗原・時事通信社記者)
 続いてですけれど、自治体の基幹業務システム標準化についてお伺いします。基幹業務システム標準化については、国は令和7年度末の完了を目標としていますが、高知県においては、高知市のシステムのみが、特定移行支援システムに該当しているとお聞きしておりますが、知事ご自身が把握されている状況をお願いします。

(知事)
 お話がありました自治体基幹業務標準システムへの移行に関しましては、県内では高知市以外の33市町村におきましては、国が示します令和7年度末までの移行が完了する見込みという状況を把握しているところです。
 逆にいいますと、高知市におきましては20業務の内、3つの業務、児童手当、児童扶養手当、子ども子育て支援につきまして、この期限である令和7年度末までの移行は困難だと。 
 ただ、令和8年度末までには移行を完了する見込みと伺っています。これは、ちょうどこの時期、児童手当の拡充などのシステムの整備で、大きな仕事が他にあったということで、作業に当たりますベンダーの方々の確保というところに課題があったと。このため、標準化の方が、いわば、割を食う形で余分な時間がかからざるを得ないということであったと受け止めておりますし、全国的な傾向としてお聞きしておりますのは、市町村の中でも町村のように比較的規模が小さなところは、割合シンプルなシステムが前提ですので、標準化に適応しやすい。
 一方で、比較的人口規模が大きいところは、どうしても最小限にするとしてもカスタマイズが必要だというようなことで、やや複雑な業務の実態なども影響して、時間を要する傾向にあるとお聞きしておりまして、県内でもそういった傾向が一種、反映されているのではないかという面もあると受け止めているところです。

阪神淡路大震災から30年への思いと消防の広域化の狙いについて
(古谷・読売新聞社記者)
 1月17日で阪神・淡路大震災から30年を迎えますけれども、当時のことで知事が思い出されるようなこと、常に教訓という能登半島地震のことで挙げてくださっていますけれども、何か阪神・淡路で思い出されるようなことがあれば一つお伺いしたいのと、それともう一つ、先ほどもお話しありましたけれども、消防の広域化に今年度からお考えがあると思いますが、その狙いを改めてお伺いできればと思います。

(知事)
 ひとつは、阪神・淡路大震災から30年ということです。6,400人を超える方が亡くなられたという大きな災害ですし、今振り返りましてもわが国の災害史のひとつの時代を画すような大災害であったと考えます。
 私自身は、ちょうど30年前、阪神・淡路大震災の直後に福岡県に勤務していまして、その際、福岡県の消防・防災課長を拝命したわけですが、当時、当選直後であった麻生渡知事から、地震がないと言われていた神戸・阪神エリアであれだけの大震災が起こったと、福岡県もこれは決して他人事ではないという観点から、地震に関する防災対策を抜本的に全面的に見直せというミッションをいただいて、まさしく初動体制をどうするのかとか、自衛隊との連携は大丈夫か、さらにはこの災害を契機に災害の復旧・復興活動のボランティアの重要性というのがクローズアップされたと思いますので、そういった点などについて、さまざまな検討をし、新しい計画を作り、訓練などで実効性を高めていくことに従事しました。
 30年も経つのかという意味で、非常に感慨深い思いでありますとともに、約6,400人という方々が亡くなられたという事実を改めてこの機会に心に刻みまして、今、私の立場としては南海トラフ地震の到来が想定される本県において、しっかりと防災対策を強化していくというのが、自分自身の使命ではないかと改めて痛感している次第です。
 消防の広域化に関しては、私はその時点も含めて、いわゆる職業公務員時代の中で、総務省消防庁も含めて30数年余りの勤務のうち4年間、いわゆる消防の飯を食ってきたというような経歴もございまして、まさしく、人口減少の中で消防の現場力をしっかり確保していくための改革として、消防の広域化というのはぜひとも必要だというのが、今の常備消防を預かる各地域の消防長のご意見であるというご意見もお聞きしましたので、これも一種の私の今の使命として、高知県の消防が人口減少の時代でもしっかりと使命を果たすことができるように、一番理想的な姿として県全体での、県域での一本化というところを目指して、県自身も現場機能である防災ヘリ、消防学校、これをいわば持ち寄った広域連合をつくっていくというような、これは全国初のモデルパターンだと思いますが、それを目指してチャレンジをしようという思いで、市町村、消防本部の皆さんに県としての構想を提起して、しかし、いろいろなご意見がありますから、ていねいに議論した上で前に進めていきたいという思いを新たにしております。

阪神淡路大震災から30年、国の制度等で特に変わった点について①
(古谷・読売新聞社記者)
 最初の阪神・淡路のお話に戻りますけれども、この30年間で制度なり法律なり、いろいろ変わってきたと思うのですけれども、知事の受け止めとして、この30年間で一番大きく国の方針なり制度なり法律なりで変わったと感じられる部分はどういうところでしょうか。

(知事)
 ひとつと言うと難しいのですが、やはり初動体制、とりわけ自衛隊を含めた総合的な支援体制というのですか、こういったものは、この30年で大いに進歩したと思っております。
 ただ一方で、その後も今振り返りますと10年弱、数年に1回、震度7クラスの大きな地震が中越地震であったり、東日本大震災であったり、熊本地震であったり、また、昨年の能登半島地震であったり、絶えずわが国を襲っていることから考えますと、これは専門家はどうおっしゃるのか分かりませんが、私自身の気持ちとしては、阪神・淡路大震災以降、わが国全体が地震の活動期に入ってしまったのではないかという思いもございまして、特にインフラ整備の面にまだまだ課題が残っているという状況は変わっていないと思っております。さまざまな対策がなお必要ですけれども、特にインフラ整備というところについて、特に高知県の置かれた状況を考えますと、より加速していくと、来たるべき南海トラフ地震に間に合うような形で、インフラ整備を進めていかないといけないということではないかと思っております。

阪神淡路大震災から30年、国の制度等で特に変わった点について②
(古谷・読売新聞社記者)
 先ほど初動体制という話がありましたけれども、その後の復興・復旧を巡る国なり自治体の対応、国の対応でしょうか。その部分で変化を感じられる部分はありますか。

(知事)
 おっしゃるように復旧・復興についても、これは阪神・淡路大震災がひとつの時代を画したと思います。国の財政措置も含めて地元自治体が基金も造成して、大規模な復旧・復興措置を講じていくということですし、30年経つ中で、事前復興という考え方、そして事業の重要性というのがクローズアップされてきているのではないかと思っています。
 そうした意味で、事前復興はまだまだいろいろな課題がございますけれども、それをいわば究極の事前防災として進めていくということ、この必要性が認識されたというのが、大きな変化といえるのではないかと思っています。

国民スポーツ大会の通年開催案への所見について
(井上・高知新聞社記者)
 3点お伺いします。まず、1点目が国民スポーツ大会の改革案の大枠が判明しました。多数の競技を集中的に行うような今の方式を改めて、トップ選手や優れた選手が参加しやすい通年化というのが軸になるかと思われますが、このことに関する受け止めをお聞かせください。

(知事)
 国民スポーツ大会の改革案の具体的なポイントとして、開催地の負担軽減であったり、大会の充実を目指すという趣旨だと伺っておりますが、現在のところは、いわゆる秋季の国スポは9月から10月で11日間という限られた期間に集中して行うということを、各競技ごとに日程を設定して、幅広い日程で行えるようにするという改革案が議論されています。これは開催地の負担軽減という観点からは、かなりの効果が期待できるのではないかという思いがございます。やりようでは大会の充実、トップアスリートが参加しやすいという環境整備にも役に立ち得るのではないかという思いを持っています。
 一方で、大会事務局や各県のスポーツ協会では、今まで予選も含めて年間スケジュールを組んでいたのがうまく組めるようになるのだろうかという心配・懸念もあると思います。しかし、なかなか万事良しという対策もなかなかないだろうと思いますので、そうした意味では開催地の負担軽減ということを旨として、しかるべき対策として、時期の通年化というか、分散を検討していくというのは目指すべき方向、歓迎すべき方向ではないかと思っておりますので、具体的に広い選択肢の中で、具体的な課題がまた出てくると思いますが、関係者の意見も伺っていただいて、いい形での成案がまとまってくることを期待したいと思っています。

石破首相が表明した令和の日本列島改造構想について
(井上・高知新聞社記者)
 2点目です。令和の日本列島改造論、石破総理が今回の年頭会見で令和の日本列島改造構想というのを表明しました。その中には、政府機関の地方移転であったり、民間企業の本社機能の移転、そして、政府職員が先ほど話題になりましたけれども、都市と地方の二拠点活動というのも進めていくような考えが示されています。このことに対するお考えをお聞かせください。

(知事)
 冒頭もお話しましたように、人口減少対策はもちろん地方が汗をかかなければいけない問題ではありますけれども、同時に国として、国自身が国土政策の在り方として、東京一極集中の是正も含めて、しっかりと毅然たる意志を固めて対策を取っていただくことが必要不可欠だと、かねてから申し上げてきました。その意味では、年末年始にかけまして総理から、今お話しがあった政府機関の移転というような話、かつ、あえて言えば、東京一極集中の是正という言葉も政府の書き物からはあまり見られなくなって久しいところを、あえて総理自身が問題提起されるということ。そして、企業の地方分散についても意欲を示されることで、私としては、大変その意気やよしというと失礼な言い方かもしれませんが、総理の決意を心から歓迎したいと思います。
 もちろん簡単ではない課題がたくさんあることだと思いますけれども、ぜひ総理のリーダーシップの下で政府が一丸となって、この10年前に志しながらも、必ずしも成果が十分に上がらなかった東京一極集中是正であったり、大都市機能の地方分散であったりについて、真剣に改めて取り組んでいただいて、地方とともに成果を出していくことで、一緒になってご尽力をいただくことを期待したいと思っています。

通年での県職員の軽装勤務の狙いについて
(井上・高知新聞社記者)
 最後に、県職員の軽装勤務の通年化についてお伺いします。今年に入ってから通年でネクタイやジャケットを必ずしも着用しない、今日の出席者にもいらっしゃいますけれども、軽装勤務の通年化が始まりました。そのことによる狙いを改めてお聞かせください。

(知事)
 これも広い意味での働き方改革の一環ということでの取り組みと理解しております。今までは、いわゆるクールビズ、ウォームビズは省エネ対策という観点が主眼の服装の規制の緩和ということだったかと思いますが、職務の能力向上という観点からしても、必要以上に服装の面での規制をする必要がないと考えられる部分については、職員の判断に委ねて、当然いろいろなTPOもございますし、県民の方々に不快感を感じさせないという配慮は当然必要だと思っておりますけれども、そういったものを踏まえた上で、働き方改革の視点で、より公務能率を上げてもらうという観点からの取り組みをしたいと考えているというところです。

知事室と周辺のセキュリティについて①
(中田・高知民報記者)
 すみません、ちょっと細かい話ですけれども、知事室の前のドアですけれども、あれが常時クローズみたいな状態に変わっていると思うのですけれど、それはなぜでしょうか。

(知事) 
 これは年末に、いわゆる一部のSNSで、恐らく想定されますのは外国人の観光客が知事室の前の廊下に入ってこられて、秘書課の入口のところ辺りまで入ってこられ、またこの部屋か隣の部屋ですか、第一応接室、第二応接室を動画で録画されて、SNSで拡散するという事案が発生しました。
 それを受けまして、一部の県民から知事室・県庁のセキュリティは大丈夫かというようなご心配・ご指摘もいただいたこともありまして、当面できる手当てはしていこうということです。その際も実のところ、秘書課の職員がそうした行動をとられている方を発見して、お声掛けをしたら退散されたということですから、結果的に大事には至っていないわけですけれども、大規模な改造などが必要かどうかという判断は別にして、今の施設設備の中で出来る対応をしていこうということで、秘書課の出入り口も平常は閉めさせていただいて、来客がある時は開けると、ある意味、普通のドアとしての機能を持たせるというような対応を、それ以降取らせていただいているということです。

知事室と周辺のセキュリティについて②
(中田・高知民報記者)
 事情は分かりましたけれども、先代・先々代の知事と比べて、特にセキュリティというのは分かりますけれども、知事室が閉まっているというか、何と言いますか、閉ざされているというか、全然窓もないので、やはり閉鎖的なイメージをちょっと感じたのですけれども、例えばガラスドアにするとかいうお考えはあると思うのですけども、どうですか。

(知事)
 ここは費用をかけてまでという話が率直にありますし、いろいろなご意見がある中で、知事室の24時間ライブ中継というのは、相変わらず維持しておりますので、決して閉ざされた空間にしたいという意図でやっていることではないということはご理解いただければと思います。

大阪・関西万博の経済効果を高知に波及させる方法について
(中川・NHK記者)
 ふたつお伺いします。まず、大阪・関西万博についてです。冒頭の幹事社質問の中でも言及がありましたけれども、改めて、開催まで100日を切る中で経済効果というものを、高知にどう波及させるのか。このお考えを改めてお伺いします。

(知事)
 今回の大阪・関西万博は、期間中、半年の間に約2,800万人が国の内外から来訪されるということですから、その機会に、まず高知の魅力をしっかり発信していくことが大事だと思っていまして、これの点ではよさこいの演舞であったり、街路市、こういったものを8月下旬には、イベントとして披露したいと思っております他、本県の先進的なハウス園芸農業のデジタル化の取り組みなども紹介することを、期間中の取り組みとしていきたいと思っております。
 より直接的な効果としては、大阪・関西に入られた国内外の観光客の方々に高知まで足を伸ばしていただくことが大事だと思いますので、私の就任以来、かねて大阪観光局との連携で、インバウンド向けの周遊コースを都市型の大阪の観光と自然豊かな高知の観光、こういったものを組み合わせるモデルコースの作成なども取り組んでまいりましたので、こういったものを活用して、万博で来られた方々に高知にも足を運んでいただくと、これをしっかりと取り組みたいと思っておりますし、昨年オープンしました新たなアンテナショップ「とさとさ」を拠点として、県産品の大阪・関西圏への販売の促進ということについても、より勢いを得ていきたいと思っているところです。
 さらに、先々は万博の会場に隣接して、大阪IRの整備ということも計画されておりますので、これは恒久的な施設になりますので、そういったところとの連携による経済効果ということも狙っていきたいと思っております。

香美市・大豊町にまたがる大規模風力発電所の建設計画について
(中川・NHK記者)
 もう1点お願いします。大豊町と香美市にまたがる風力発電の建設についてです。一部の住民から反対の声が上 がっていまして、先ほど記者クラブでも会見を開かれて、反対の署名を知事に提出されたとお伺いしました。これ に対する知事の受け止めをお願いいたします。

(知事)
 この問題に関しては、12月県議会でも議論がされたところでして、昨年の11月ですか、事業所の方々からプロジェクトの届出があって、今、環境影響評価の手続きが始まったところと受け止めております。
 そうした中で、本日、住民団体の方々から撤回を求めるという趣旨での署名、あるいはご意見も提出いただきましたし、昨年には地元の香美市長からの意見書というものをいただいております。今、環境影響評価の関係で言いますと、どういう方法を使ってこの環境影響評価をやるのかというところについて、意見を募って方法を決めていくというプロセスですが、この段階で県知事も地元市町村長の意見ですとか、それから年明けに行われました県の審査会の専門家の方々のご意見、こういったものを踏まえて、県としての意見をまず1月中には出させていただくと。
 それを踏まえて、事業者の方々なり許認可にあたる経済産業省において、どういった方法で環境評価をやっていくのかという方法書の準備にかかっていただくということだと思います。今後、これ以外にもこの方法書の確定であったり、具体的な環境影響評価の準備書の作成段階で、改めて県として、知事としての意見の表明の機会があると思いますので、住民の皆さん方のご意見も含めて、説明会でのやり取りなども含めて、住民の皆さんの疑問に十分に答えられるような形での環境評価がされるように、県としても意見を申し上げていきたいと思っております。

国政選挙における開票作業時間について
(亀岡・朝日新聞社記者)
 2点ほどお伺いしたいのですけれども、まず、選挙の開票事務の件ですけれども、昨年の衆議院選で高知県内の確定時間というのが、翌日の未明ということになりまして、ここ何回かの国政の選挙のたびに、それぐらいの時間帯にどうしてもずれ込むという状況になっております。他の都道府県を見ていますと、もうちょっと早い時間帯で確定しているところが多いという観点から言うと、もうちょっと、工夫の余地がないのかなという思いがございまして、そこに関する考え方をお尋ねしたいのが1点です。

(知事)
 すみません、ご質問がよく分からなかった、何の件ということでしたか

(亀岡・朝日新聞社記者)
 国政選挙の開票事務の件です。

(知事)
 選挙の開票事務、失礼しました。これは具体的に何か事案があったことでしょうか。

(亀岡・朝日新聞社記者)
 昨年の衆議院選挙で確定時間が翌日の未明にずれ込んでいる、そういう状況が割と過去何回かの選挙で、高知県では割と続いている感があって、ちょっとそこに関する対応が何かできるかなという意味です。

(知事)
 ちょっと、今私の記憶だけでお話をして、やや正確を欠くかもしれませんけれども、県内の開票事務の取りまとめに関して言いますと、恐らく私の記憶が間違いなければ、特に高知市において最終的な確定に時間がかかる状況が、国政選挙のたびごととは言いませんが、国政選挙が行われる際に、まま生じているということではないかと思っております。
 一義的には、恐らく市町村の選挙管理委員会において、しっかりと公正を確保しながらも、できるだけ県民の皆さんに、迅速に選挙結果をお伝えすることに努力していただくべき問題だと思いますので、特に、恐らく高知市の選挙管理委員会だと思いますけれども、そういう事案が最近重なっているというところにおかれましては、よく原因を究明いただいて、できる限りの対応を取っていただくことをお願いできればという思いです。

東京一極集中の是正に関する県としての考え等について
(亀岡・朝日新聞社記者)
 もう1点だけ、先ほど来、中央省庁の地方移転の議論が出ていますけれども、10年くらい前ですか、安倍政権の時に、そういう議論がいろいろあって、結果的には文化庁の京都移転だけにとどまった。四国では徳島県が消費者庁に手を挙げて、最終的にはそこは形にはちょっとならなかったということになったのですけれども、そういうこれまでの経緯もあって、いずれは東京一極集中の是正という形の考え方は、やはり大事だと私も思っております。 そこについて、もうちょっと具体的に、石破総理がこの年頭にいろいろなお話があったということですけれども、県として、やはり具体的にこういう考え方を、これは1県だけではなかなか難しいかと思いますけれども、例えば知事会とか、そういうところといろいろ議論して提言されていくという、最終的にこれっていうのは距離の関係としては、例えば以前から議論があった道州制とか、そういうところとの議論にも結び付いていく可能性もあるのではないかと思っていますけれども、そこの辺、道州制への考え方も含めて、知事のお考えがどうなのかをお尋ねします。

(知事)
 後段おっしゃられた道州制というのは、またちょっと違った論点ではないかと思いはいたします。これも、いろいろな形の道州制があり得るわけですけれども、典型的に今まで言われてきた中では、国と地方の役割分担自身を変えていくという話ですから、これはこれで、少し問題が大きいということだと思います。それはそれといたしまして、お話があった中央省庁の移転に関しては、10年余り前に安倍内閣で取り組まれた中で、いわば形らしくなったのは文化庁ぐらいだったと。他に消費者庁の徳島だったり、統計局の和歌山であったりというのはありますけれども、あまり顕著なものにはなっていなかったのではないかというのは、おっしゃる通りだと思います。
 政府関係機関の中でも特に中央省庁というのは、国会との関係等もあってなかなか難しい部分があるのは、これはおっしゃる通りだと思いますけれども、もっと幅広く政府関係機関ということで言えば、例えば、試験研究機関であったり、研修機関であったり、まだまだ地方移転ということは考えていただく余地はあるのではないかと思います。今、たちまちの議論としては、強化が検討されている防災庁であったり、これは万が一、首都被災の際の代替的な首都をどこに置くかというようなことで具体的な話も赤澤担当大臣がされていると思います。内々、今事務的に県としてもモーションをかけておりますのは、今、国で防災備蓄基地の充実を考えられておられて全国に7か所ほど整備したいという考えのようですので、ぜひ、中四国地区では高知をというようなことで、水面下で働きかけもしておりますが、そういった新たにできるところは、比較的取り組みやすいことだと思います。できないところを強調するのではなくて、できる部分から取り組んでいくところから始めていくべきだと思います。そうした取り組みも含めて、また知事会などでも具体的にどういった提言、知恵出しができるかというところは、議論の機会を得て検討ができればと思っています。

今年、昭和100年。昭和への思い等について
(栗原・時事通信社記者)
 1点お願いします。今年は、昭和100年に当たりますけれども、知事として、昭和という時代や昭和天皇というものに対してどのように顧みられますか。

(知事)
 突然のお尋ねですので、思いつくままということですけれども、昭和という時代は本当に激動の時代ということではないかと思います。第二次世界大戦を経て、そこから80年経っているということですから、でもこの間に敗戦という大きな転機もあり、戦後の復興ということもあって、時代は、今、平成・令和と移っているということですけれども、近代国家日本というのが、本当に大きな左右の振幅の中で変貌を遂げた100年ということではないかと思いますし、私自身も昭和で言いますと38年に生まれて、今100年目ということですから、この昭和と共に生きてきたとも言えるわけでして、大きな節目という意味で、感慨深いひとつ時点を迎えているなというような思いがいたします。

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TEL:088-823-9046
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