公開日 2025年02月06日
1 来年度の産業振興計画のバージョンアップに地消地産が追加された狙いと期待できる効果について
2 急減している高知県の出生数への受け止めと今後の対策について
3 令和6年、1年間の高知県の転出超過数が16年ぶりに3,000人を超えたことについて
4 「高知県元気な未来創造戦略」にスマートシュリンク(賢い縮小)という視点を加えた意義と狙いについて
5 四国新幹線実現に向けた要望に関する国土交通省古川副大臣の反応等について
6 四国新幹線実現を目指す知事の考えについて
7 四国新幹線実現に向けた今後の活動について①
8 四国新幹線実現に向けた今後の活動について②
9 人口減少対策総合交付金(連携加算型)に関する自治体の事業計画への評価等について
10 県内での大雪予報(令和7年2月4日現在)に関しての注意喚起について
11 県OBの外郭団体役員への就任について①
12 県OBの外郭団体役員への就任について②
13 県OBの外郭団体役員への就任について③
14 国家安全保障戦略における公共インフラ整備に道路が対象になったことについて①
15 国家安全保障戦略における公共インフラ整備に道路が対象になったことについて②
16 人口減少対策における若年女性を対象とした取り組みについて
(司会)
ただ今から知事記者会見を始めさせていただきます。まず、幹事社質問から、朝日新聞さんお願いします。
来年度の産業振興計画のバージョンアップに地消地産が追加された狙いと期待できる効果について
(羽賀・朝日新聞社記者)
幹事社からまず1問目をさせていただきます。
1月にありました産業振興計画の推進本部会議で、新年度のバージョンアップ計画として、今までの地産外商に加えて地消地産という新しい概念を追加することが提出されました。その点について、地消地産を進める狙いと、それを進めることによってどのような効果が期待できるのか。
あと、その時に出された品目として、エネルギー、飲食料品、木材の既製品が示されましたけれども、その3品目以外にどのような計画があるのかについて教えてください。
(知事)
お話のありました産業振興計画の、いわゆる地消地産の取り組みについてです。産業振興計画におきましては、これまで、いわゆる地産外商という考え方で県の産品に付加価値を付けて県外、海外に外商をしていく。このことによって、いわば多くの外貨を獲得していくという考え方を中心に進めてまいりました。この結果、かつては人口減に伴ってマイナス成長が続いておりました県経済も、今では人口減少下でも成長が期待できる、成長を維持していく経済に構造転換が図られつつあると思っています。
ただ一方で本県は人口が少ない県でして、原材料、あるいは最終製品の多くを県外からの調達に依存せざるを得ない。数字として言いますと、いわゆる移輸入が超過という、貿易で言えば輸入超過にあたるということでして、こうなりますとせっかく地産外商で稼いできた付加価値が、結果的に原材料や製品の購入によって、また県外に流出してしまうと。そういう残念な面もあったということです。
今回は、産振計画のバージョンアップにおきまして、この点に注目して、地消地産の強化を新しい取り組みとして位置づけました。この中で、県外からの調達に大きく依存している分野、かつ一定の県内需要が見込まれる分野、具体的にはエネルギーですとか飲食料品、こういった分野で県内での増産が見込めるような品目を対象として、県内需要の喚起と県産品の供給力の強化、これを一体的に取り組もうとしたわけです。県議会におきまして も、かねてからこの議論が行われていたことも背景にございます。
この狙いとしましては、ポイントを申しますと、いわゆる地消、地域における消費の拡大そのものではなく、それによる地産、地域における産業ですね、生産の強化を図っていくことによって、いわゆる県債収支の改善を目指すことがポイントだと考えています。そのためには、本県が県外から調達しております原材料、最終製品を県内産に置き換えることで、移輸入を縮小させること。そして、この縮小に当たっては、県外への外商部分を県内に回すということではなくて、県内需要におけます県内産品の消費、地消の拡大と、その消費を賄える地産の強化、生産の強化をセットで行っていくことだと考えます。
もう少し簡単に申しますと、以前から言われている類似した考え方では地産地消という言われ方が言われました。典型的には学校給食などに高知の農産物を使っていこうということですが、これはある意味、郷土を愛する教育の意味では、それ自体でも意味があるのは確かですが、学校給食で高知の農産物を食べておいしかった、良かったねということでは経済的な価値、あるいは産業政策としては、これでは足りないので、その分の生産のパイが増えていく。県内産の農産物の生産が上がっていくということがあって初めて県民所得の増加につながって効果があるということでして、今まで県外に売っていた農産物、東京・大阪で高く売れていた物をやめて県内に持ってきて、県内で消費するだけでは経済的な価値は非常に乏しいことになりますので、そういう意味で、あくまで消費そのものではなくて、生産とセットになって、その強化とセットになるということが、今回の大きな眼目だと考えています。
そして、この品目の拡大の考え方があるのかということについてです。申し上げましたようにエネルギー、飲食料品、木材の既製品、この辺を今ピックアップしているわけですけれども、エネルギーにつきましては、特に再生可能エネルギーをもっと導入していくことで、エネルギー収支の改善の余地があると思っておりますので、従来から行っております太陽光発電の推進などに加えて、新しい取り組みも県として出来ないかということは研究していきたいということで、これに着手したいと思っています。
さらに言いますと、ちょっとボリューム感では問題がありますけれども、品目単位で言いますと、現に行われている努力として言えば、例えば、稲わらを使って、それを畜産用の飼料に加工していくだとか、あるいは糞尿を活用して肥料にしていくとかですね、このたぐいの、今まで製品にならずに捨てられていたような資源を利用して製品化して売っていくと。これは、ボリューム的に個々の品目ではあまり大きくないかもしれませんが、質的にはそういったものについては、それを県内で使ってもらって評価を得てブランド化などが出来れば、これをさらに地産外商に持っていけるというようなつながりで、県民所得の拡大につなげられるだろうという意味におきまして、品目的にはこういったものも、もし取り組みが出てくれば、応援していくということは考えられるのではないかと思っています。
急減している高知県の出生数への受け止めと今後の対策について
(井手上・高知放送記者)
県の調べで2024年の出生数が統計を取り始めた2011年以降、最小の3,130人となりました。過去4年間で見ると1,000人減っています。このペースで進めば県の目標としている令和9年4,200人というのは、かなり厳しい目標だと思いますが、減少している出生数に関する受け止めと、今後どのような対策を取って目標値を達成するのか、知事のお考えを教えてください。
(知事)
お話がありましたように、昨年の県内の、外国人を含めた出生数は県の推計人口におきまして、過去最小となった令和5年をさらに200人以上下回るということで、大変厳しい状況が続いていると認識しています。「元気な未来創造戦略」を策定し、取り組みを進めている中で、こうした結果となったことは大変残念に思っています。
やはりその要因としては、かねて申し上げておりますように、少し長いスパンで見ると、若い女性の転出超過が続いていること。潜在的な母親となる方々の数が減ってきていること。併せまして、特にここ数年大きく減少している要因としましては、県内の婚姻率、結婚するカップル数が全国の減少ペースをかなり上回るペースで減少してきていることが、ここ数年の大きな減少に直結しているのではないかと分析しています。
この点、明るいというほどでもないのですが、いい材料としては、ここ2、3年の傾向からすると婚姻の件数は令和6年度はほぼ下げ止まってきたのではないかということが見られますので、これが1、2年、2、3年のタームで出生数に反映されてくるとすれば、出生数の減少カーブは、少し下げ止まりに向かうのではないかと、やや希望的観測の面もありますが、そういう兆候は婚姻件数については出ていると思います。
ただ、この4年間で約1,000人の減少ペースというのは、大変大きな減少ペースだと思っています。元々4,200人(2027年の出生数目標)というのは、かなりチャレンジングな、意欲的な、野心的な目標だと思っておりますけれども、ますますその点は厳しいものになっていくということは自覚しております。
ただ、あえて悲観的にならずに申しますと、4年間で1,000人減ったのなら、V字回復なら4年間で1,000人増やすことだって出来るのではないかと、そういう心意気でしっかり頑張りたいと思いますし、そのための対策は決め手はないわけですが、3つ申し上げますと、一つは、やはり若者の所得の向上ですね、これを通じて結婚・出産の後押しをしていくのがやはり第一だと思います。より自然減対策ということで、具体的なものとして申し上げますと、婚姻数を増やすために多様な交流の機会を増やしていくということ。第3に共働き・共育てを推進していくこと。こういったことを通じて、女性の様々な負担の軽減を図っていくことと合わせまして、県の持てる政策手段を総動員して対応していきたいと思っています。
(司会)
それでは、各社からの質疑に移ります。質問をされる方は挙手をして、社名とお名前を発言をいただいてから質問をお願いします。
令和6年、1年間の高知県の転出超過数が16年ぶりに3,000人を超えたことについて
(井上・高知新聞記者)
人口の社会増減のことでお伺いします。先日総務省が発表した2024年の人口移動報告を見ると、高知県で転出者が転入者を上回る転出超過というのが3,000人を超えて、これはもう16年振りに3,000人超えという数字が出ました。全国を見ると、東京都では転入超過が一層増していて、東京一極集中というのが再び進行していると言われますが、この数字を見て、知事のお考えをお伺いします。
(知事)
今月の初めに住民基本台帳の移動報告に基づくデータが発表されまして、私も大変厳しく受け止めています。社会減が3,000人台ということですし、何よりも47都道府県で見ました時に、人口比での社会減の規模が47位、ワーストという数字になっています。今、分析を始めたところですけれども、取り急ぎの分析で見ますと、転出超過の要因には、転入者・転出者、両方の要因があります。
転入者については、これが前年比で1割近いマイナスになっている。片方で移住者は順調に増えているということはありますけれども、統計上の住民票の数字としての転入者は増えるどころか、むしろ減っているということですし、増減率でも全国最下位です。
転出者ですね、これは逆に増えていまして3.7%増ですが、これがいい方から数えて46位。最下位47位は石川県とお聞きしていますので、能登半島地震の影響があった石川県よりはちょっと良かったというぐらいのことになっていますから、これも個々に転入・転出それぞれの要素を見ましても、全国でも最下位争いというような、大変厳しい数字になっているということでして、この点は、今急ぎ分析を始めておりますけれども、現時点での暫定的な評価としては、一つは全般に我が国全体が景気回復に向かう中で、東京・大阪という大都市部の雇用吸収力というのが非常に強いということの反映ではないかと。
転入者が減っているということは、一番考えられますのは、東京や大阪、大都市部の大学、あるいは専門学校などに就学して、今まで就職の機会に高知に帰ってこようとしてくれていた若者がそのままやはり東京、大阪という大都市で就職するという道を選ぶ方が増えたというのがひとつは転入者が減になってしまったということになったのではないかなと。これが移住者の年代別の分析などを見ますと、こういう傾向が伺われるのではないかというような分析をしております。もう一つ、移住者の統計を見た中での感触としてですが、これまで子育て世代の30代、40代の方々がお子さんを連れて移住してくれていたというのが多かったわけですが、ここがかなり減少していると。これも中途の速報的な数字ですが、40代の子育て世代の移住が前年の半数程度に留まっている。その結果、14歳以下のお子さんが一緒に移住してきてもらえるという数も大分減っているということがあるようです。
暫定的には、こういった要因がかなり効いていることだと思いますが、さらに今指示をしておりますのは、より市町村別ですとか、あるいは移住の統計との関係とか、掘り下げて分析した上で、さらにどういう対策が必要かということを考えていこうということです。
当面は、今改定に取り組んでおります「元気な未来創造戦略」、これに掲げました強化のポイントをしっかりと実行していくことだろうと思っておりますし、やはり東京圏への一極集中というのが勢いを増しているということですから、同じような状況にある全国の各地方の知事とも連携して、国に対して、この東京一極集中是正ということについて、有効な対策を本気で取っていただくということをさらに強く働きかけていくことも必要不可欠だという思いを強くしております。
「高知県元気な未来創造戦略」にスマートシュリンク(賢い縮小)という視点を加えた意義と狙いについて
(井上・高知新聞記者)
関連しまして、先ほど知事のお話にもありました「元気な未来創造戦略」、来年度からの改定ポイントの一つに新たにスマートシュリンク、公共サービスなど持続可能な社会の実現に向けた対応をするように、賢い縮小という視点を掲げられました。縮小という言葉を行政が掲げるということは、裏返せば中山間地域や郡部に住む方には切り捨てというか、不安や心配の声も上がろうかと思いますが、あえてこのスマートシュリンクという柱というか、新たな視点を加える意義、そして狙いをお伺いします。
(知事)
この点は一つは、12月県議会での問題提起をいただいた中で、私としても人口減少の中で、単に縮小、厳しい暗い側面だけではなく、片方では伸ばすべきところを伸ばしていくような重点化の取り組みもやっていく中で、特に人口規模全体として言えば、若年人口について回復が図られたとしても、総人口としては、高齢化がこれだけ進んでいますので、当面はなかなかどうあがいても減少は避けられないという現実は確かですから、これはこれでしっかりありのままを受け止めて、そのことは前提とした上で、特に人口全体としては若年人口に重点化して、これの反転を早く図っていくということで言えば、パラレルの考え方でいろいろな公共サービスの提供などについても全体としての規模感の縮小というのは避けられないにしても、その中身において本当に必要なところについては、むしろ充実・拡充していく。
そのために既存のものであっても無駄がある部分、重複がある部分は省いていく。あるいはよりベーシックな簡素なサービスで代替できるものはそれを考えていくと。こういったことを現実にも考えていかないと、この人口減少時代を乗り切っていくことは難しいのではないか。
また、それは、人口減少対策の分野で全国で先頭を走っているとか、走らざるを得なくなっている本県が日本全体に対しても果たすべき責任とも言えるのではないかと。そうした思いでこれを位置付けまして、具体的に特に重点的に県としてもコミットしないといけないものについては、予算編成だとか、あるいは組織運営ですとか、そういった面でも重点的に資源投入して、全国のモデルになるような、そうした取り組みをしていきたいと、そういう意味で、少し逆手にとって、これで全国の先頭を走って、ある意味、よくちゃかしたようなことで私、庁内では言いますけれども、全国から行政視察などが殺到するぐらいの成果を出すという心意気で取り組んでいきたいと、そんな思いで、今回提案しているということです。
四国新幹線実現に向けた要望に関する国土交通省古川副大臣の反応等について
(古谷・読売新聞記者)
1月22日に四国新幹線の実現について、4県の知事で国交省の副大臣に要望されたと聞いてます。その要望内容とその時の反応、それを踏まえての今後の進め方などをお伺いできればと思います。
(知事)
お話のありました日程で、国土交通省の古川副大臣を4県知事、愛媛県は副知事が代理で行かれましたけれども、そして、地元選出の国会議員の先生方にもご同行いただいて要望・提言活動をいたしました。四国新幹線の実現を1日も早く実現してもらいたいと、その意味で、50年近く基本計画が出来て足止めという状態になっているところを1歩早く前に進めるという意味で、特に、いわゆる法定調査の実施に早期に踏み込んでいただきたいと、このような趣旨の提言・要望をさせていただきました。
古川副大臣からは、かなりこれは大きな課題だということは認識が示されつつ、ご自身が九州佐賀県のご選出であるということでしたので、副大臣ご自身の認識として、確かに九州新幹線が通ったことで、熊本地震の時は、地震災害時の代替交通ルートとして大きく活躍した。通常の通勤・通学も新幹線で行うというような形での代替機能も果たしたと。そういうことを考えると、この四国の各県から提言した災害時のリダンダンシーの確保という観点も含めてブレイクスルーを探らなければいけないというのは、一理あるなという感想もお持ちになったというコメントもいただきました。
そうした四国全体の思いも受け止めて、副大臣のお立場としても努力はしていきたいというような反応でしたので、そういった意味で、担当の官庁の副大臣にそこまで、いわば寄り添った形での反応をいただいたということは、非常に意を強くしましたし、この50年近く基本計画から据え置きという状況になっているところを何とか早期に打開したい、その意味で署名運動もしておりますけれども、そういったことも含めて、四国各県の機運の盛り上げにさらに努力したいという思いを強くいたしました。
四国新幹線実現を目指す知事の考えについて
(古谷・読売新聞社記者)
その中で、(四国新幹線の実現の理由に)特に濵田知事がこれまで南海トラフ地震が起きた場合の緊急輸送路ということをおっしゃっていますけれど、その部分はどうですか。
(知事)
申し遅れましたが、その点は確かに私が主として4県の知事の間の中での、いわば一番の分担として申し上げた部分は、まさしく南海トラフ地震対策ということでして、南海トラフ地震の発生ということになりますと、瀬戸内からの救援や物資の輸送のルートとして、今一番頼りになるのは高知自動車道ですが、これも平成30年の西日本豪雨の際には、上り線で土砂崩れがあって1年間不通になるというようなこともあったわけですので、やはり南海トラフ地震発生時の部隊や物資の輸送ということを考えると、ぜひ四国山地を貫く新幹線が必要ですという訴えを、重点的に私としては主張しました。
四国新幹線実現に向けた今後の活動について①
(古谷・読売新聞社記者)
今後の濵田知事としての要望活動の進め方は、どんなことを考えていらっしゃいますか。
(知事)
今後につきましては、各県やはり足並みを揃えてということが大事だと思いますので、今、その具体的な形としては、この夏の、また恐らく東京で決起大会をやっていくことになろうかと思いますが、それに向けて署名活動をしっかりと進めていこうということが、先般、一緒に参りました知事、あるいは、四経連の長井会長とも確認しましたので、当面はそういった活動を中心にやっていくことだと思っております。
四国新幹線実現に向けた今後の活動について②
(古谷・読売新聞社記者)
現状では、前に進める突破口みたいなものは見えていますか。いかがですか。
(知事)
これは、やはり熱意で動かしていくということではないかと思います。
あとは新幹線全般ということで言いますと、北陸新幹線ですね。これもやや地元との調整というのは時間を要していることがありますので、そうした状況には注意しながら、当面の新幹線全体の予算枠ということを考えますと、石破総理も6月の恐らく骨太の方針の前後には、国土強靱化の中期実施計画を策定するということをおっしゃっておられます。
今回の要望の中でも、この中期計画の中に新幹線の整備というのを位置付けて、予算の確保というところにつなげていくべしということも掲げておりましたので、この辺も当面の具体的な活動をしていく中でのターゲットであろうかと思っております。
人口減少対策総合交付金(連携加算型)に関する自治体の事業計画への評価等について
(中川・NHK記者)
人口減少対策総合交付金についてお伺いします。この連携加算型について、先日県内全ての自治体の事業計画が出揃ったかと思います。これらの自治体の事業計画に対する知事の評価と、新年度からこの対策が本格的に始まろうかと思いますが、それぞれの事業計画を人口減少対策に改めてどう生かしていきたいか、知事のお考えを教えてください。
(知事)
今回の人口減少総合対策の交付金につきましては、今年度からのスタートという、ゼロからのスタートという状態でしたけれども、この1年弱の間で県内の34市町村全てが、まず最初の段階の少なくとも計画は策定していただいて出揃ったと。その中でも多くの市町村では、若手職員なども含めてプロジェクトチームなども作って、新しい取り組みをやっていこうということで計画を立てていただいたと。この点は本当に大車輪で準備をいただいたということだと思っておりまして、市町村の皆さまにも感謝を申し上げたいと思いますし、そうした中で、特に連携加算型の中では若者の定住対策です。これに関しまして、例えば住宅の確保の問題なども含めて、非常に意欲的な新しい事業も盛り込んでいただいたり、あるいは若者の、例えば男性の育児休業の取得ですとか、出産の際の若者の支援といった点につきまして、国の制度ではいわば隙間になっているような業種に対して、市町村で支援を独自に考えていただくとか、相当意欲的な施策を盛り込んでいただいておりまして、これは非常にありがたいと思っています。
今後は、有識者の方々のアドバイスの体制も含めて、引き続きしっかりと伴走支援をしていくことで事業の実施、そして、効果を上げていくことに関して県としても全面的にバックアップしていきたいと思いますし、さらにそうした中で、今回、各市町村がいわば先導的に新しい施策を提案いただいたという部分がございますので、そういったものの実施状況もよく検証させていただいて、これは全県に横展開していく値打ちがあるようなものについては、県としてもそうした事業に組み立てて、各市町村に、また、そうした事業の展開を呼び掛けていくといったような、さらなる展開も考えていきたいと思っております。
県内での大雪予報(令和7年2月4日現在)に関しての注意喚起について
(中川・NHK記者)
もう一つ、大雪についてです。今、今シーズン最強と言われる寒波がきていまして、県内でも山沿いを中心に大雪が予想されていますが、知事から何か注意喚起等ございましたらお願いします。
(知事)
本県は比較的温暖な地域ということもありまして、逆に言いますと、ただ大雪には、特に県の中部・東部はあまり慣れてない方が多いということではないかと思います。西部の方は、時々豊後水道側から雪が入ってきて、かなりの降雪が見られることはありますけれども、ないし山間部は、そうでない部分の地域については、元々降雪にあまり慣れていないという方も少なくないと思いますので、特にそうした方々は、今非常に強い寒波の襲来が想定されているということですので、各所の報道などの情報にも十分注意をいただいて、特に事前の備えがおぼつかないというようなご家庭は、必要なグッズなどの準備というところも含めて必要な対応を取っていただいて、安全安心の確保を図っていただきたいと思っております。
県OBの外郭団体役員への就任について①
(浜崎・高知新聞社記者)
県の外郭団体の在り方についてなのですが、過去をさかのぼって調べてみると、この15年間で県の外郭団体に天下りをする県の幹部の数が増えていると。今年の4月時点で25団体29人なのですが、これは15年間で人数が倍増して、比率が4割から7割に増えていることがさかのぼって調べてみると分かりました。現状、これについて知事の認識をお伺いします。
(知事)
数字的なものとしましては、一言で言いますと県のいわゆる外郭団体、県のいろいろな事業に関連して、政策方針の実現というところの一翼を担うような形で、県が一定程度以上の出資をしている、あるいは補助金・委託料などの拠出によって事業を支えているという団体だと思います。
そういう団体において、やはりそういう団体であればこそ、県でのいろいろなマネジメントの経験がある職員を幹部職員として迎えて、仕事をスムーズに進めたいというニーズはあるのだろうと思います。
そうした観点から、各団体の役員側からのご要請に基づいて、マッチングのためのルールも作っておりますので、機関(高知県退職職員等人材活用センター)も作っておりますので、そうしたものを通じてご紹介した結果、任用されるという形で、結果的に県のOBの役員というのが数としては増えてきたということではないかと。一方で、県の直接の現職の派遣の数は、それと反比例的に減ってきているということだと思いますので、各団体の側としては一定、県との意思疎通ができる体制を作るという観点から、現職職員派遣に代えて、OBの方々の任用というのを結果として進められてきたというような構図になっているのではないかと受け止めております。
県OBの外郭団体役員への就任について②
(浜崎・高知新聞社記者)
考え方の問題だと思うのですが、県政運営指針の中で公社・外郭団体の必要な見直しを進めるということを掲げていらっしゃいます。その中で、県の人的関与の縮小と民間活力のため、民間から積極的に役職員を登用しますと言っている一方で、現状そうなっていないというのは言行不一致ではないでしょうか。
(知事)
その点については、私としても改善の余地はあるのではないかと思っております。
現実には、先ほど申しましたように、あくまで最終的には関係団体側の人事ということになりますし、おもんぱかって申し上げれば、今の、例えば理事長も元々県のOBだったとなると、ある意味、やはりいろいろ気心が知れていて、県の仕事の仕方も分かっている方の方が何かと安心だと、だから公募が望ましいと分かっていてもなかなか踏み切れないというような事情もあるのではないかと思います。
そうは言いましても、現状、私もいろいろ状況報告を受けました時に、民間の方々の登用の努力というのが、県の運営指針で掲げているような対応する努力、出来る努力を十分しているのかという点については、なお改善の余地があるのではないかと。もっとそういう機会を、結果的にそうした機会自身がないまま、まあ安心だからというようなことで県のOBに頼ることになってるのではないかというところがありますので、そういったところについて、もう少しチャンスを広げていくことで、出来ることはあるのではないかと思っております。
県OBの外郭団体役員への就任について③
(浜崎・高知新聞社記者)
最後のところですが、そこがそれぞれの方針というところもあるかと思うのですが、有識者が言うには、税金が入っている団体の役職員については、基本的には原則公募すべきだと言っておられるので、県から各団体において、なるべく役職員の登用については公募すべきだと促していくなど、そういうお考えはありますか。
(知事)
具体的にどういう方法を取るかというのは、人事当局・行政管理当局の案も聞いて、私として判断したいと思いますけれども、何らかの形でそういう志がある方が各団体の、いわゆるプロパーと言われる方も含めて、手を挙げられるような状態になっているかというと今、なっていないのではないかというお叱りはそのとおりだと思いますし、一方、ただこれは究極で言うと、報道もいただきましたけれども、大体年額の報酬が500万円前後とか、そういう中で、現実には民間のしかるべき組織のマネジメント経験があるような方が手を挙げてきてくれるのかという問題もあるかとは思います。
いろいろ問題を勘案した上で、ただ先ほど申しましたように、志ある人への門戸が全く開かれていないという状態は、これは改善すべきではないかという問題意識は持っておりますので、ちょっと来年度の話は間に合わないかと思いますが、再来年度の任用には間に合うような形で改善を図るべく検討を指示したいと思っています。
国家安全保障戦略における公共インフラ整備に道路が対象になったことについて①
(中田・高知民報記者)
総合的な防衛体制の強化のための公共インフラ整備、特定利用港湾に続いての道路の話ですけれども、報道も昨年末ありまして、国のサイトにもそれの説明書きが出ておりますけれども、要は3月までに特定利用港湾と自衛隊の駐屯地を結ぶ道を特定利用道路にしますということなのですけれども、当然、高知県もその対象になるのではないかと思いますが、そのお話はお聞きですか。
(知事)
正直、ちょっとそれが政府の方針ということですか。
(中田・高知民報記者)
はい。
(知事)
というのは、私自身はまだちょっとそういう情報には接しておりませんけれども、先般、幡多地方の市町村長と意見交換をしていた中では、まさしくそういった発想も必要なのではないのかというような、発想というのでしょうか、議論といいますか、そういったものは話題として出ていたということはあります。
ただ、それが政府の方針として、そういう形で具体的に進めようとしているという話は、ちょっと私はそういうルートからは、ちゃんとしたルートからはお聞きしておりませんので、確認した上でコメントするならしたいと思っております。
国家安全保障戦略における公共インフラ整備に道路が対象になったことについて②
(中田・高知民報記者)
分かりました。今の国のサイトにも説明書きが出ていて、高知がどうのこうのという話はもちろんないのですけれども、それは3月まででしたか、決めますみたいな話なので、そこをちゃんと確認していただいた方がいいと思いますが、それで要は1年前のドタバタもですけれども、結局、その説明が足りないと、事前の説明とかが十分ではなくて、駆け込みみたいになったということが、非常に一つ大きな説明の在り方が問われたと思うのですけれども、今回もその轍を踏まないように、そういうことがあるならばきちんとこの情報を県としても把握して、県民にも知らせて手続きをきちっと踏むみたいなことはしたらいいと思いますけれどもいかがですか。
(知事)
ちょっとそこは仮定のご質問も入りましたので、どういう展開になるかというのも踏まえながらということだと思いますけれども、発想としては、そういう名前を付けたり、予算上の配慮うんぬんをするというところは別の話として、そうした自衛隊の利用というところも含めての道路としては、要は拠点同士をしっかり結んでいくことに意味があるわけですから、そういうものとして道路の整備の優先度を決める時に、そういったことも勘案すべきではないかという議論は十分あり得るべきだと思いますし、私どもも必要に応じて、そうした主張を持つべき場面もあるのではないかと思います。
これがもし特定利用港湾のような形で、国としても何らかの枠組みを作ろうということであれば、もちろんこれは相手がある話ですし、それが安全保障上の機微に関わる話になりますと、なかなか国のガードも固いということは考えられますけれど、それはそれで前提として、できるだけそういうことがあるとすれば、県民の皆さんに情報も開示した上で、ご理解を得ていくということは大事なことだと思いますので、そういった視点はしっかり持って、関係の省庁と情報交換、あるいは意見交換をしていきたいと思っております。
人口減少対策における若年女性を対象とした取り組みについて
(中田・高知民報記者)
あと、最後にすみません。人口の話で転出が多いという話で、結構やはり若年女性の転出が多いのではないかと思うのですが、そういうような話もさっきありましたけれども、この間、高知県が非常に若い女性に来てもらってということをすごく強調してきているじゃないですか。若い女性に来てもらわないといけないと。それって結構聞く人によると、引くというか抵抗感を感じる女性をよく聞くのです、そういう話は。若い女性に来て欲しいって言われると、逆にそういうつもりがなくなるみたいな、そういう何ていうのか難しい話なのですけれども、やはり、今の打ち出し的なことで全国よりも余計減っているとすれば、やはりそういう若い女性も含めて、共感が得られていないようなことになってはいないかとは思いませんか。
(知事)
正直、いろいろな物事には人によって感じ方はあるのだろうと思いますし、いろいろな言葉の表現ぶりとかで、そうした印象をお持ちになる方は現実におられると思います。県議会の場でも、知事は若い女性は出ていくなということかと、それはセクハラではないかというような声もあったという率直なお話もお聞きしておりますので、私自身はそういうところには極力デリカシーを持って言葉も選ばないといけないと。あまり女性の流出防止と言うなと、転出超過を縮めていくということなのだろうというような言葉遣いの面では努力はしているつもりでありますけれども、なお、そういうご意見があるということであれば、これはいろいろな機会を通じて、ご感想はお聞きする局面はあると思いますので、我々の意図ができる限り正確に伝わるような形で発信していくことについて、なお努力はしていきたいと思っております