公開日 2025年04月01日
令和7年4月1日(火)
(はじめに)
年度初めに当たりまして、今の県の政策課題と皆さんにお願いをしたい仕事の進め方についてお話をさせて下さい。
昨日からNHK連続テレビ小説「あんぱん」の放送がスタートし、今月13日からは、いよいよ大阪・関西万博が開催されます。また、発生の逼迫度が高まります南海トラフ地震への備えを抜本強化をしました第6期の行動計画もスタートいたします。
こうしたことから、本年度は特に、1つには人口減少下にあっても「活力にあふれる高知」を目指す、もう1つには南海トラフ地震が迫る中でも「安心して暮らせる高知」を目指す、この実現に向けて、さらに前進する1年にしたいと考えています。私自身が舵取り役として挑戦の先頭に立って、元気で豊かな、そしてあったかい高知県を実現し、次世代に引き継いでいく、この使命の実現のために全力を尽くしたいと考えています。
そのためにも、引き続き「共感と前進」を県政運営の基本姿勢として、県民の皆さんとの対話を通じて県政に対する共感を得たい。そして、課題の解決に向けて一歩でも二歩でも前進する、そうした県政を展開したいと思っています。
(仕事に当たっての基本的な姿勢)
まず、仕事を進めるに当たっての基本的な姿勢についてお話をしたいと思います。『共感』と『前進』の好循環を生み出し、県政の進化に果敢に挑戦していくためには、職員の皆さんには今まで以上に、5つのキーワード「透明性」「想像力」「使命」「進化」「挑戦」、この5つを常に意識してもらいたいというふうに思います。
まず、県政が県民の皆さんの「共感」を得るためには、この5つのキーワードのうち2つ「透明性」と「想像力」が大変重要だと考えます。
1つ目の「透明性」、英語で言えば「アカウンタビリティ」説明責任とも言えると思います。県民の皆さんの共感を得るためには、県庁の考えを、県民の皆さんにしっかりと伝えることがまず何より大事であります。
特に、不適切な事案、不祥事が発生したような場合こそ、透明性をもって説明責任を果たさなければ、県民の皆さんの信頼は得られませんし、「共感」が生まれようもありません。計画よりも進行が遅れたとか、成績があまり良くなかった、こうした都合が悪い時には、ついつい物事を隠したくなるのが人の常ではありますけれども、そうした時こそしっかりと踏ん張って、県民の皆さんに対して、きちんと説明をする。そういうことを心がけていただきたいというふうに思います。
2つ目の「想像力 イマジネーション」であります。
県民の皆さんの「共感」を得ていくためには、県民の皆さんが、今県政に何を求めているか、これについて常に自らが想像力を働かせることが重要だと考えます。
一方で、リスクマネジメントという視点に立ちましても、相手の立場、考え方を想像し、起こりうる事を事前に想定、想像をした上で、先手先手を打って対応する。このことが能率の良い、成果のあがる仕事に繋がるというふうに思います。
次に、県政を「前進」させるために、常に意識して欲しい点についてお話をします。
まず、「前進」と対極にあるのが「前例」であります。厳しい言い方になりますが、これからの時代は前例踏襲だけなら人工知能AIでもできるようになります。
確かに、前例を大事にすることにも行政の公平性を担保するという意味はありますけれども、前例にとらわれ過ぎますと、前進どころか、時代に取り残される、そんな事態に陥ることになります。
1つ最近私自身が経験した県庁内の事例を申し上げます。昨年来、民間事業者への行政財産の目的外使用につきまして、教訓とすべきケースがありました。ある担当部局が、現行の県の財産規則の解釈では、目的外使用が認められる要件に該当しないケースだと判断をして、いわば「自縄自縛」の状態に陥ってしまいまして、本来行われるべき許可の手続が行われず、しかし民間事業者は事実上行政財産を使用しているという、不正常な状態が放置されてしまっておりました。
私の方は報告を受けましてかなり強く指示しました。結局、まずは規則を解釈変更しまして、これは本来的に目的外使用が可能な案件だというふうに整理した上で、許可の手続きを行うことにしました。その上で、年度末には規則自体が疑義を生じないように改正すべきだろうということで規則を改正し趣旨を明確化すると、この二段階での対応を行いました。この行政財産の目的外使用というのも、最近では、例えばですね、県庁の職員駐車場を土日は無料開放するというようなかたちで、扱いはかなり柔軟に行われるようになっています。そうした時代の流れに沿った対応をしてきているのと比べますと、今回の具体的な事案の対応はずいぶんとちぐはぐな印象を免れない、そんな事案であったというふうに考えます。
皆さんにも難しい課題に直面した際には、判断に迷った際には、まずは「この仕事は何のためにやっているのか」という原点に立ち返ってよく考えていただきたいと思います。その上で、やはり前例を変えて前に進む必要があると考えた場合には、例えば、それが法律改正が必要な案件なのか、県議会の議決が必要な案件なのか、あるいは知事を説得すれば変えられる、県庁の判断で変えられるのかということをよく吟味していただいて、すぐできることは時代の変化に合わせて変えていこうという点に立って提案をしていただければ、私としては是非前向きに判断をしたいというふうに思っています。
こうした事案のように前例踏襲、そして自縄自縛に陥ることなく「前進」をしていくためにも、必要なキーワードが「使命」、「進化」、「挑戦」のという3つだと思っております。
このうちまず1つ目の「使命 ミッション」であります。
「高知県の目指すべき姿」の実現に向けて、各自自分の仕事は何のためにやっているのか、この自分の仕事が県民の皆さんのためにどういう意味を持っているのか、これを絶えず自問自答してもらいたいというふうに思います。ともすれば前例にとらわれたり、漫然と従前どおりの仕事を行うということになりがちでありますけれども、この使命を常に意識してそれに照らして今の仕事の進め方がベストかどうかといった視点で問い直し、よりよい方法に改善を重ねていっていただきたいと思います。この使命をしっかりと自覚をするということが、「前進をする県庁」のための座標軸になり、エンジンになるというふうに思っております。
次に、2つ目の「進化 エボリューション」であります。
時代の変化に合わせて県庁も進化し続けなければ、「高知県の目指すべき姿」の実現はできません。具体的にはデジタル化、グリーン化、グローバル化といった、時代の潮流を先取りをして、常に新たな施策を提案し、展開をしていくことが大事だと思っております。この進化ということを常に意識し、時代に合わせてあるいは時代に先駆けて「前進」を続けてもらいたいと思います。
3つ目のキーワード「挑戦 チャレンジ」であります。
「新たな道を切り開く」という挑戦心がなければ現状の打破はできませんし、「前進」のしようがないと思います。例えば人口減少問題の克服という課題は、私を含めまして4代の知事が県勢浮揚を目指して鋭意取り組んでもなお歯止めをかけるに至っていない大変困難な課題であり壮大な挑戦であるというふうにも言えると思います。だからこそ、前例の縛りを意識的に外して、あえてリスクを取って、斬新で柔軟な発想で取り組むということが不可欠だと思っております。県勢の浮揚に向けて、どう施策を展開していくか、自ら突き詰めて考え、そして自主的・自律的に、また積極的に具体案を提案していただくということを私としては大いに期待をしておりますし、お待ちしております。
具体的な政策課題として、消防広域化、周産期医療体制の確保などの「‟賢く縮む”4Sプロジェクト」を始めます。まさにチャレンジ、「挑戦」でありまして、避けられない県の総人口の減少に適応をして、公共サービスの持続可能性を高めていく、ひいては県民生活の質の向上を目指していく。このための取り組みとして、全国に先駆けて人口減少が進む本県だからこそ、こうした公共サービス改革を、全国をリードをしていく必然性があるというふうに考えます。また、高知県のように小さい県だからこそ小回りを生かして、産学官が集まって迅速に意思決定をして物事を変えていくことができます。さらに申しますれば、無い物ねだりではなくて持てる強みを生かして、「全国初」、「日本一」の成果が得られるようにこの4Sプロジェクトの実現に全力を尽くしていきたいと思っています。
以上、説明をしてまいりました5つのキーワードの実行に合わせまして、官民連携、そして市町村政との連携協調にも引き続き意を払っていただきたいと思います。
県庁だけでできることはごく限られています。官民そして市町村との連携、「オール高知」を意識して関係する方々と真摯に対話を重ね、ベクトルを合わせて取り組む、このことを今まで以上に心掛けていただきたいと思います。
(政策課題のポイント)
次にいくつかの具体的な政策課題について申し上げたいと思います。
まず人口減少対策についてであります。今や県政の最重要課題であります人口減少問題につきましては、昨年「元気な未来創造戦略」を策定をして取り組みを進めています。しかしながら、1年目となりました昨年のデータは大変厳しいデータが出てきております。県内の赤ちゃんの出生数は速報値で3,100人余りと、過去最低を更新しました。また、県外への転出超過も16年ぶりに3千人の大台を超えまして、石川県を除きますと全国でワースト1位とこれも厳しいデータが出てまいりました。
人口減少対策は1、2年の取り組みですぐに成果が出るものではありませんけれども、いわば、スタート早々出鼻をくじかれたような厳しい船出となっています。こうした状況を踏まえまして、本年度は特に3点について、全庁を挙げて緊急に力を入れた対策をとっていきたいと思っております。
1点目は、若者の所得向上であります。この県内の若者の所得の向上は、若者の県内定着を通じて社会増を目指すことに留まらず、結婚や出産を希望する方々の背中を押す効果がありますので、自然増の効果も期待ができると思っています。
国では、今、最低賃金1,500円への引き上げを目指していますが、本県ではこの目標の達成が不可能と答えた企業の割合が全国で1番多かった状況にあります。また、直近の県民所得の伸び率は全国の伸び率に追いついていない状況であります。この状況のまま放置をしますと、本県企業がこの賃上げ時代を生き残れないことになりかねないというふうに危惧をしています。このため、新しい試みといたしまして各産業分野別に所得向上に向けた検討チームを設置し、各業界の若手経営者などにも参加をしてもらいながら事業ごとの課題を分析し、「経営改革モデルの成功例」などを研究いただいて提示をする、そうした取り組みをお願いしたいと思っています。そして、秋口をめどに具体的な所得向上策をまとめて、来年度の予算、強化策への反映を目指していく、それに繋げていくというスケジュールで取り組めればと考えています。
大きな2点目が、共働き・共育ての県民運動の推進であります。これは女性の負担軽減を通じて出生率を向上させる、ひいては人口の自然増に繋げるというだけではなくて、県民の意識改革を通じて、若者に選ばれる高知県という社会増の効果ももたらすと考えています。現在、男性の育児休暇の取得を原動力とした「共働き・共育て」の生活スタイルの普及が県民運動として広がりつつありますけれども、これを一過性のものにしてはいけないと考えています。新年度は、さらにもう一歩踏み込んで、全庁を挙げてフォローアップを強化したいというふうに考えています。
具体的には、各団体や企業の協力をいただいてそれぞれの男性育休取得率の公表を促したいと考えます。それを通じまして「共働き・共育て」運動の実効性を上げようという考えであります。このために各産業団体の総会や大会などの機会をとらえて各企業への働きかけをそれぞれの部局で粘り強く行っていただきたいと思います。
その場合、「県内34市町村ありますが、このうち実に10市町村が年間の赤ちゃんの出生数1ケタ台まで落ち込んでいる。」という事実、であるとするならば「こうした少子化問題を放置すれば高知県の地域社会が存続できないのではないか」といった危機感、あるいは対策の必要性に対する認識、こういったものが県民の皆さんの間で共有できますように、あわせて働きかけをお願いしたいというふうに思います。
大きな3点目が、産学官民の連携、「オール高知」の取り組みであります。若年人口の減少に歯止めをかけるという戦略を実現するためには、まさに産学官民の連携で取り組まなければ活路は見いだせません。
ただ今申し上げた若者の所得向上、あるいは共働き・共育ての推進は、産学官民の連携、「オール高知」の取り組みが必要不可欠な典型例であるというふうにも言えると思います。
加えて、新年度においては、高等教育機関や各団体などで構成をされます「県内就職促進会議」を発展的に解消しまして、産業人材の育成、若者に魅力ある仕事の創出、さらには大学生と地域との交流の促進、こういったものを含めました総合的な産学官の協議の場を設置をしたいというふうに思っています。ここでは、従来型の県からの説明、協力依頼というスタイルだけではなくて、大学側から県に、あるいは産業界から大学側にといった形で、双方向の要請や意見交換ができる、そんな場にしたいというふうに考えています。
さらに申し上げますと、こうした人口減少問題への対応は、地方だけの努力で解決できるものでは当然ありません。
全国的に人口減少が進み、人手不足が深刻化する中にありましては、人を大切にするということと同時に、一人一人の価値観を尊重して、新しい価値を生み出す経済社会に転換をしていくことが大事であります。そして、その際には東京一極集中ではなく、各地域で多様な選択肢を提供していくという重要性がより高まると考えています。こうした国全体の社会経済構造の改革、あるいは国土政策は、国が責任をもって戦略的に取り組むべき課題だと考えます。
このため、本年度は、国に対して3つの大きな転換、第一に「働き方」、第二に「国の経済構造」、第三に「国土政策」、この一体的な転換を提言していきたいと考えています。あわせまして、本県の地域特性に適した形での政府関係機関の本県への移転も求めていきたいと考えています。こうした国全体の形を変えていく、いわば「国全体のパラダイムシフト」の中で、高知県の持てる強みを十分に生かして、人口減少時代を勝ち抜きたいという決意でおります。
<安全・安心な高知の実現について>
次に、政策課題の大きな柱として「安全・安心な高知」に向けた取り組みについてであります。
昨年度までの第5期南海トラフ地震対策行動計画においては、住宅耐震化、津波避難タワーの整備、四国8の字ネットワークの道路整備、あるいは浦戸湾の三重防護、こうしたインフラ整備が着実に前進をしました。
本年度からスタートする第6期計画では、能登半島地震、南海トラフ地震臨時情報から得られた教訓も踏まえて、4つの観点で対策を抜本強化したいと考えています。
1つ目は、「自助」「共助」の取り組みの強化です。津波からの早期避難や住宅の耐震化、さらにはボランティア活動への支援などを強化をいたします。
2つ目は、避難環境の整備の強化であります。避難生活を原因とした災害関連死を防ぐためにも、避難所のトイレやベッド、空調設備などの環境整備を強化します。
3つ目は、復旧・復興作業に向けた事前の備えの強化であります。事前復興まちづくり計画につきましては、これまでの沿岸部に加えまして中山間地域の市町村にも拡大し、全県で取り組みを推進します。また、事前復興については、国が「本気の事前防災」に取り組むとして議論が進められております防災庁に担っていただくことが必要だと考えています。この機を逃さず、防災庁に「(仮称)事前復興局」を新設し、この課題に先進的に取り組んでいる本県に事務所を設置するように国に提言をしていきたいと思います。関係の皆さんにはしっかり準備をお願いしたいと思います。
4つ目は、災害に強いインフラ整備の加速化であります。地震による被害の軽減と復旧・復興活動の円滑の実施が可能となりますように、国の補正予算も最大限活用しながら道路網、上下水道施設などの整備を加速化いたします。あわせて、6月に策定予定の「国土強靱化実施中期計画」につきまして、物価高騰も踏まえた十分な規模の財源・予算の確保を国に求めていく考えであります。
<いきいきと仕事ができる高知の実現について>
次に大きな政策課題としての「いきいきと仕事ができる高知」の実現に向けてであります。
地産外商が大きく前進をし、人口減少下でも県内総生産は概ねプラス成長を期待できる、そうした経済構造に本県も転じてまいりましたけれども、本県の若者所得は全国と格差が生じております。そして担い手不足は深刻化をしています。県経済の持続的な成長を実現するためにも、「若者の定着・増加」を目指す取り組みとあわせて、特に「地産外商」、そして「イノベーション」を一層強化をいたします。
さらに、新しい課題として「地消地産の強化」を産振計画に位置付けました。「地消」の拡大を通じて「地産」の強化を図る。それを通じて地域経済の好循環、県際収支の改善を目指していく、県の経済の成長につなげていくという考え方であります。
特に力を入れたいのは本県の豊かな自然を生かした再生可能エネルギーの導入の分野です。まずは、再生可能エネルギー事業への公的関与のあり方、あるいは地元への利益還元策はどうあるべきかといった点、さらには国のGX投資の活用の可能性などの研究を行いまして、有望なものについては是非具体的な施策や政策提言を行うべく検討を行っていただきたいというふうに思います。
<いきいきと生活ができる高知の実現について>
次の大きな政策課題であります「いきいきと生活ができる高知」についてです。
若者を県内に呼び込み、さらに地域にとどまってもらうには、教育の充実をはじめ、医療、福祉、介護サービスといった生活基盤の整備が不可欠であります。しかしながら、現在特に県内の中山間地域におきましては、こうしたサービス提供体制が不足し社会的孤立などの課題も顕在化をしております。教育面では児童生徒の学習習慣の定着に課題があるという状況もあります。
このために、周産期医療体制の確保のほか、中山間地域でのオンライン診療の拡大、あるいは訪問介護サービスの提供への支援拡充、こういった課題に取り組んでまいります。
そして教育分野では、児童生徒の学習習慣の定着に向けまして、対話型AIを活用した学習支援アプリの実証的な導入、キャリア教育の充実や不登校児童、生徒への多様な教育機会の確保、こういった課題に取り組んでまいります。
(管理職へのお願い)
続きまして、特に管理職の皆さんに留意して欲しい事柄についてお話をしたいと思います。
私が最近読みました本で、坂本貴志さんという官庁エコノミスト出身の方が書かれた「ほんとうの日本経済」という本があります。
これを私なりに要約してご紹介しますと、バブル経済崩壊後、日本は「失われた30年」といわれる経済状況でありました。設備・人・債務が過剰、そして供給力が過剰なデフレ経済の時代だったと言えると思います。いわば、「人はいくらでも代わりがいる」といった時代でしたので、コストカットのために労働者の非正規化や人件費の切り下げ、こういった現象が進みまして、働く人が大事にされない、そんな時代の30年だったのではないかというふうに考えます。
しかし、今や時代は大きく転換をしています。本格的な人口減少時代が到来し、担い手不足が各界共通の課題になっています。担い手を確保して供給力を整えていかなければ、どの分野でも生き残れない、そんな時代に状況が一変しています。であればこそ、今は人を大事にして、「人への投資」を通じて新しい価値を生み出す、そうした体制を築きませんと、先々の経済成長は見込めない、そうした局面に時代は転換しているというふうに言えるのではないかと思います。
こうした時代の転換に対応して、働く人一人一人の仕事と生活の両立をサポートして、ゆとりのある生活を保障する、そのことによってクリエイティブな能力を最大限に引き出していく、そうした環境づくりがあらゆる部門で不可欠になっている、そんな時代ではないかと私としては認識をしています。
こうした取り組みを、国の経済政策としてもちろん行っていかなければいけないと思っていますし、県庁自身も、県内最大の事業所としてこうした方向での改革の実践をしていく必要があるというふうに痛感をしています。具体的には何が求められるか。県の職員の皆さんの斬新かつ柔軟な発想を引き出していくために、時間外勤務の削減を今まで以上に取り組んでいくことで、新しい時間、そしてゆとりを創り出す必要があると考えます。職員のワークライフバランスの確保、健康管理、こういった観点もあわせて、今ある業務のスクラップ、そしてデジタル化による効率化、こういった取り組みが是非とも必要だと思っています。
特に管理職の皆さんにお願いしたいのは、以前からやってきた仕事をやめる決断をするのは管理職でなければできないということであります。前例を打破する「やめる決断」をして、逆に時代が求める新しい仕事へシフトをしていく、このためにも是非管理職の皆さんはリーダーシップを発揮していただきたいと思います。
また、風通しの良い職場の雰囲気づくり、休暇の取得やテレワークの活用を促進する、こういった働きやすい環境づくりにも意を払っていただきたいと思います。特に、男性の育児休業取得につきましては、県庁が「隗より始める」取り組みとして、職場全体で推進する機運を高めまして、行動につなげていただきたいと思います。
加えて、県民の皆さんに法令遵守をお願いするのが県職員の立場であります。であればこそ、県政の推進に当たってのコンプライアンスの確保は基本中の基本であります。「前からこうしているから、皆がやっているから」といって、違法な状態、不正常な状態が放置されるようなことは決してあってはなりません。勇気を奮ってそうした場合には改めていただきたいというふうに思います。
さらに、人口減少対策、中山間対策、女性の活躍推進、こういった従来の部局の枠組みを超えた連携協力体制が求められる場面が大変増えています。各部局がこうした課題を「我が事」として捉えて、率先して施策に取り込んでいく、そうした攻めの姿勢、積極姿勢で臨んでいただきたいというふうに思います。
(おわりに)
おわりに一言申し上げたいと思います。県民の皆さんが、高知県の未来に対して希望を持って、そして夢をもって、日々の生活を送っていただけるための施策を、さらにギアを大きく一段上げて、成果にこだわりながら展開していかなければならないというふうに考えています。
何度も申し上げますが時代は刻一刻と変わっています。数十年前とは逆のパラダイムに今移りつつあります。今まで通りのことをそのままやっていても課題解決はできませんし、前進はありません。
県民のために県政を進めていくという原点に立ち返って、職員の皆さんには、斬新で柔軟な発想を持って、今まで以上に自らの使命、ミッションを問い直し、挑戦と進化を重ねていただきたいと思っています。宝くじも買わなければ当たりません。リスクをとって挑戦をする、そして高知県民の皆さんにとって希望のある未来を、皆さんと共につくり上げていきたいというふうに思っています。
本年度もどうかよろしくお願いします。