令和7年4月1日 新規採用者辞令交付式における知事挨拶

公開日 2025年04月04日

(令和7年4月1日(火曜日) 正庁ホール)

 

 令和7年4月1日付け新規採用職員の辞令交付式にあたりまして、一言ご挨拶を申し上げます。

 

 皆さま、高知県庁への入庁、誠におめでとうございます。

 

 今回の新規採用の辞令交付対象者は165名となっておりますけれども、この採用試験の区分は26の区分におよんでいます。一般行政職から様々な技術職、そして資格が必要な専門職を合わせまして、様々な経験や職種の職員が新しく県職員の仲間として加わります。心より歓迎を申し上げますとともに、皆さん方、人生において友人は喜びを倍にし、悲しみを半分にすると申します。よい仲間とともに、県庁職員としての生活をスタートさせるということをお喜び申し上げたいというふうに存じます。
 

 まず最初に、先ほど宣誓していただいた内容につきまして、改めて皆さまに噛みしめていただきたい。そして今後、長い間、県庁職員としてご活躍をいただくことになると思いますけれども、この原点として、ただいま宣誓いただいた中身、特に「全体の奉仕者として誠実かつ公正に職務を執行する」、この部分の意味をしっかりと噛みしめて仕事にあたっていただければというふうに思います。皆さん高知県庁の職員でありますから、高知県民の皆さんのために奉仕をする、このことは当たり前でありますが、一部の県民の方あるいは特定の県民の方だけではなくて、県民の皆さん全体の奉仕者として誠実かつ公正に職務を執行する、これが皆さんのミッションであるということであります。
 

 その上で、特に本日から初めて社会人の仲間入りをする皆さんも少なくないと思います。まず第一に、社会人として、例えば挨拶ですとか時間を守るといった、基本的なルール、マナー、あるいはエチケット、こういったところはしっかりと身につけていただくというのを第一にお願いをしたいと思います。
 

 そして2点目として、県庁は組織として仕事をするということであります。皆さん方それぞれ個人個人の考え方はあるかもしれませんけれども、皆さん方は、本日から高知県庁の職員ということでありますので、窓口であるいは電話で、県民の皆様からのお問い合わせに応じていただくときには、皆さんの一言一言が、県の判断・方針であり、これは県としての見解だということになるわけであります。その意味で、皆さん方には、よく言われますけども「ホウ・レン・ソウ」、組織として仕事をしていく中で、先輩の方々、同僚の方々との間で報告・連絡・相談、これを絶えず行っていくということをぜひ心がけていただきたいと思います。意外と、自分の考えていることが、必ずしも当たっていないということがままあります。その報告・連絡・相談を組織の中で、まめにしていくということが、あらぬ誤解であったりですね、行き違いを防ぐことになる、大きなポイントだと思っています。
 

 そして3点目といたしまして、皆さんが仕事をしていく上で、特に地方自治でありましたり会計制度でありましたり、こうした基本的な制度に関する知識、あるいはルールに関する知識、こういったものはしっかりと身につけていただく。これはある意味、当然皆さん身につけているという前提で、いろんな仕事のお話がされるということだと思いますから、こうした基礎中の基礎の部分はしっかりマスターを早くしていただくということをお願いしたいと思います。
 

 その上で、私は県政運営の基本姿勢として、「共感」と「前進」というキーワードを掲げています。趣旨としますところは、県民の皆さんの気持ちに常に寄り添って、そして県民の皆さんとの対話を通じて、県政の運営について県民の皆さんの共感をいただくような、理解と納得というのは前提でありますけれども、その上に共感、気持ちとして、県の考え方、これはよくわかると思っていただけるような県政を展開をしたいと考えております。そしてその上で、県政を前進させるということ。県の様々な課題の解決に向けて、様々な事業の執行を通じて、課題解決の方向へ1歩でも2歩でも前に進んでいく。こういう成果重視、結果重視の県政運営を心がけたいというふうに思っています。
 

 そのために、職員の皆さんにいつも申し上げている、これもまた5つのキーワードを心がけて欲しいと申し上げていることをご紹介申し上げます。県民の皆さんの共感をいただける県政を展開するために必要なこと、私は2つ掲げています。
 

 1つは透明性、英語で言えばアカウンタビリティ、説明責任と言い換えてもいいと思います。特に不祥事があったり、あるいは計画通りに仕事が進んでいないといった、逆境のときこそですね、県民の皆さんにしっかり県の立場を説明していかなければいけない。そのことが、県に対する信頼を高め、県の言うことにも耳を傾けようという県民の皆さんの気持ちに繋がっていく。これがまず最小限の土台だと思います。
 

 その上で、2つ目、想像力を発揮して欲しい。これはイマジネーションの方でありますが、県民の皆さんが今県政に関して何を求めているか、それについて想像力を発揮して、いわば先手を打って、県として発信をしていく。こういったことを通じて、県民の皆さんの共感が得られる県政に近づくことができるというふうに思います。
 

 もう1つは前進をしていくということです。このためには、私は3つのキーワードをいつも掲げています。1つは使命、ミッション。これは、皆さんの仕事のミッション、何のために仕事をしているのか。言い換えると、皆さんお一人お一人の仕事が、県民の皆さんのためにどう役立っているか。この点をいつも意識して仕事に当たってもらいたいと思います。このことが、自分の仕事は前進しているのか、もしかしたら後退しているんではないか、このことの判断の座標軸になると思いますし、前進をしていくための原動力は、この使命、自分は何をしなければいけないのかというところを、まず、常に意識をするということだと思います。
 

 前進のために2つ目、進化をしていくということであります。今世の中はデジタル化、グリーン化(脱炭素化)、グローバル化が大きく動いています。こうした変化を先取りして、時代にあわせてあるいは時代を先取りして、進化をしていく。このことをぜひ考えてもらいたいと思いますし、自らの使命を自覚した中で、そのために、少しでもいいやり方はないかということをいつも頭に置いて、物事の改善に努めていく、この姿勢をぜひ貫いていただきたいと思います。
 

 最後は、そのためには挑戦をしなければいけないということです。前進をするということは、前例を変えるということになります。そのことについては少なからず、抵抗を覚える方が世の中おられます。そうした方々といわば摩擦を起こすことも、必要とあらば恐れずにリスクを取って挑戦をする。宝くじも買わなければ当たりませんので、何らかの挑戦を考えていく。そうした前向きの姿勢を常に持っていただきたい。こんなことを申し上げているところでございます。
 

 皆さんまずは、仕事を覚えていただくこと。仕事の基本ルールを習得して、1人前の早く戦力になっていただくということが大前提だと思いますが、その上で県庁の仕事の様子が見えてきたら、今の「共感」と「前進」そして5つのキーワードというのを常に考えていただくこと。お一人お一人が考えていただくことが、県政が前へ進んでいく、進歩していく、県民の皆さんから評価をされる、この大きな原動力になるというふうに確信をします。
 

 その上で、私が県政で目指している姿、3つ申し上げています。1つは、県政の施策を通じて、「いきいきと仕事ができる高知」にしていこうということ。十分な収入が得られて誇りを持って働ける、そういう仕事があるということがやはり大前提だと思います。2つ目は「いきいきと生活ができる高知」。教育や、福祉、健康、さらには文化、こういった豊かな生活を送っていけるベースが行政として提供できなければいけない。そして3つ目が、これはベースのベースになりますけれども、「安全・安心な高知」。南海トラフ地震対策、あるいは風水害の対策、様々な危機管理事象への対応。こういった安全・安心が、必ずしも当たり前ではなくなっているのが今の日本だと思います。この安全・安心の基盤をしっかりとハード、ソフト両面で整備をしていくということが、県の大事な使命だと思っています。そのことを通じて、元気で豊かな、そしてあったかい高知を築いて、これを次の世代に引き継いでいく。このことが私の一番の使命だというふうに自認をしているところであります。
 

 その上で、今の県政の大きな課題を2つ申し上げたいと思います。
 

 1つは人口減少問題への対応であります。本県はご案内のように、高齢化あるいは人口減少が全国に先駆けて進んでいる県であります。少子化について数字を2つほどご紹介したいと思います。私は今62歳です。皆さんよりたぶん40年ぐらい上かと思います。私が生まれた頃、高知県内で1年間に生まれる赤ちゃんの数は1万2千人ほどおりました。同級生が1万2千人県内にいたということであります。これが先般、年始に高知市の成人式に出ましたときに調べましたら、今の新成人、大体皆さんと同世代だと思います、の方々は県内で5千人。半分以下に減っています。そしてさらに、昨年の県内での赤ちゃんの出生数、この数字を見ますと3,100人ほどに減っています。急速なスピードで少子化が進んでいるということであります。これを切り口を変えてみますと、この3,100人ほどの高知県内の出生者を34の市町村に分けてみますと、34市町村のうち10市町村では、生まれてくる赤ちゃんの数が年間に1桁というような状況になっています。こんな状況が続きますと、やはり地域の経済はもとより地域社会が次の世代以降にしっかりと引き継がれていくかどうか、私自身やはり危機感を覚えざるを得ません。そうした中でありますので、もちろん、結婚するかどうか、あるいはお子さんを持つかどうか、これは県民の皆さん個人個人の最終的な判断ではありますけれども、やはり我々としてはもし結婚したい、あるいは子どもを持ちたいんだけれども、経済的な負担が支障になっている、あるいは社会的な環境が整っていないということが阻害要因になっているとすれば、その障害を取り除き、望みをかなえる形で結婚していただいたり、あるいは子どもを設けていただいたりということを行政としてしっかり応援をしていく、こんなことが大事な仕事だと思っています。
 

 こうした考え方に立ちまして、昨年、元気な未来創造戦略というものを作りました。高知県の元気な未来が切り拓けるように、特に若い方々、35歳以下の人口が、ずっと今まで減ってきておりますので、この減少に早く歯止めをかけて反転増に転じたい。そのためには、若者の所得の向上であったり、男女がともに育児あるいは家事に参画をしていく。共働きと共育ての県民運動を進めていく、そういった運動を県民総ぐるみで、オール高知で行われなければいけない、そんな時代になっていると思います。
 

 もう1つ大きな課題は、南海トラフ地震対策です。今日の新聞にも大きく出ておりました。13年ぶりに国の被害想定が見直されました。南海トラフ地震は100年前後に1回の周期で起こっております。向こう30年間に8割の確率で発生する。これが発生しますと、県内でも甚大な被害が想定されるわけであります。昨年の能登半島地震の教訓、あるいは臨時情報の教訓も踏まえて、また、今回の国の被害想定の見直し、これは正直ですね、ここ10数年取り組んできた中で、ちょっとゴールポストが動かされたという感じがなくはありません。やっとここまで来たかと思ったら、もっと高いレベルで防災対策を講じないとだめですよ、というような前提を置いた被害想定になっています。しかしこれは見方を変えれば、防災対策あるいは安全対策に終わりはないということを示されたということだと思います。県民の皆さんのこれもお力を借りて、1人でも南海トラフ地震で亡くなる方が少なくなるように、限りなくゼロに向かって減少させるように、この努力を続けていかなければいけないと思っております。
 

 こうした課題がある中で、本年は明るい話題としましては、2年ぶりに朝ドラの舞台が高知に戻ってきました。「あんぱん」の放送が始まっています。また、私は就任以来、関西との経済連携で高知の経済を強くしたい、観光、そして外商、万博IRとの連携、この3本柱で取り組んできました。昨年の夏に大阪の梅田に新しいアンテナショップを設置をし、今年はいよいよ万博が行われます。この機会をとらえて、高知の経済をもっともっと元気にしたいというふうに思っているところであります。
 

 以上、縷々申し上げましたけども、特に人口減少あるいは南海トラフ地震対策、こういった課題は、先ほど申しました、なかなか県とか市町村行政だけで達成できる時代はもう過ぎているというふうに思います。統計データとしてはかなり厳しいデータが年々出ているという中でありますので、いかに県民の皆さんにご理解をいただいて、一緒になって、オール高知で取り組めるかどうかというのが問われている、そういう時代になります。そういう中であるからこそ、皆さん165名の方を県に職員としてお迎えをして、皆さんに1日も早く一緒に戦っていただけるように、戦力となっていただけるように、スキルを磨いていただいて、人口減少の克服、南海トラフ地震の克服、人口減少の中でも活力ある高知の実現、そして、南海トラフ地震の到来が予想される中でも、安心して暮らせる高知の実現。ここに向けて、ぜひ早く一緒に戦列に立って戦っていただけることをご期待申し上げまして、私からのご挨拶とさせていただきます。
 

 本日は誠におめでとうございます。

 

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