公開日 2025年07月22日
1 参院選について①【知事所感】
2 参院選について②【地方創生、人口減少対策】
3 無痛分娩について
4 参院選について③【財源確保、物価高対策】
5 参院選について④【財源確保】
6 参院選について⑤【合区選挙】
7 参院選について⑥【投票率】
8 参院選について⑦【消費税減税】
9 参院選について⑧【排他主義】
10 外国人政策について
11 公社等外郭団体のあり方見直しについて①
12 公社等外郭団体のあり方見直しについて②
(司会)
ただ今から知事記者会見を始めます。まず、幹事社質問をお願いします。
参院選について①【知事所感】
(井上・高知新聞社記者、テレビ高知)
参院選についてお伺いします。参院戦は20日の投開票日に向け、終盤戦に入ってきました。各党は物価高対策などを中心に論戦を展開しています。一方で外国人との共生のあり方が注目される争点に浮上してきました。この外国人政策を巡っては、一部の政党で排外主義とも受け取れる主張も聞かれます。
こういった論戦を踏まえて、濵田知事が今までの選挙戦をどのように捉えているかお聞かせください。
(知事)
参議院選挙の投票も近づいておりますが、私自身も報道を中心にして把握をしているということで、その範囲で感じているところを申し上げますと、ひと言で言いますと、選挙戦終盤になるにつれ、今の与党が大変苦戦をしているという報道に接しています。どういうところが要因かなと考えますと、前回の会見でも申し上げましたけども、例えば、物価高騰対策などについても、国民がもうその場限り、その場しのぎの給付というようなことよりは、例えば、減税のような恒久的な、持続可能性のあるような、抜本的な構造転換を促すような施策を求めているということではないかというふうに思います。
ただ、そうした中で、減税を主張される方々も、説得力ある財源の提示ということができていないということで、議論が行き詰まっている状況ではないかと。それは一種の政治の機能不全というような捉え方が、国民の皆さんの間に広がっているのではないか。これも前回までに申し上げましたように、例えば、企業献金の問題であったり、夫婦別姓の問題についても、少数与党の中で話し合いは行われるんだけれど、政治が決められない。結論が出ない。結果、先送りで現状維持のまま。そういうのが、ある意味、政治の機能不全という中で、国民のフラストレーションが非常に溜まっているというのが、大きな背景としてあるのではないかというふうに受け止めています。
その結果が、既成政党、特にいま政権を担っている与党に対して、大変厳しい逆風となって現れているのではないかというふうに思いますし、今、お話ありました外国人の問題も、いわばそうした流れの中で、日本人ファーストというような、選挙のキャッチコピーだそうですが、を掲げるような政党も出てきて、一種、国民の皆さんのいろんな不満のはけ口として、象徴的に人の口の端に上っているということではないかなというふうに思います。
これ自身は、むしろ人口減少の対応も考えますと、今お話のありましたような、排外主義ということになっては、私はいかんと思ってまして、むしろ外国人の方々を含め、多様な方々が、どう共生していくかという社会を追求していくべき、今は局面ではないかというふうに思っています。
ただ、総じて申しますと、例えば、減税財源問題に関しましても、新興政党の方ですね、新興政党の方に、そういう意味では、国民の目が向いて、支持が流れているんじゃないかというふうにも、報道されておりますけども、そういう面が確かにあるのではないかと。ただ、かなりそこは、私自身は危うさも孕んでいるのではないか。先ほどの排外主義に陥る恐れということもそうですし、減税に関しても、バナナの叩き売りじゃないですけど、新しい政党からは消費税は全部廃止だとか、国民負担率10%下げるんだとか、これはちょっと真面目に考えると、数十兆円単位のような減収が恒久的に出てくるというものを、いとも簡単に、まさしく選挙のキャッチコピーとして言われているかもしれませんけども、それは、私は本当にそんな規模の減税を、財源なしに行ってしまうということになれば、あるいは社会保険料の負担を減らしてしまうということになれば、これはもう、社会保障を中心とした公共サービスそのものが壊れてしまう。成り立たなくなってしまうのではないかということを、本当に心配をしています。
そういう意味では、有権者の皆さんには、特に若い方々はSNSなどを通じて、自分が見たい、聞きたい主張を繰り返し聞いて、何というんですか、留飲を下げるというような傾向もあるような話も聞きますけども、何分、今回の参議院選挙は解散がないわけですから、参議院は。6年間にわたって、今後国政を委ねるという方々を選ぶ、大変大事な選挙だということだと思いますので、そういう意味では、各党・各候補の訴えをしっかりと比較検討して、吟味していただいて、6年間国政を任せるに足りるという政党、あるいは候補者を、しっかり選んで、投票していただきたいなという思いを強くしております。
参院選について②【地方創生、人口減少対策】
(井上・高知新聞社記者、テレビ高知)
知事は7月4日、前回の記者会見の際に、注目される政策面で、物価高対策を含む経済対策と、地方創生や人口減少問題も挙げられました。選挙戦が終盤になっていますが、この辺りの各党、候補の主張は、どのように聞こえていますか。それとも、やはりちょっと聞こえてないような面もあるのではないでしょうか。
(知事)
率直なところ、他の物価高騰対策とか外国人の問題とかと比べますと、主要な争点としては、あまり注目がされてない、議論が盛り上がってないというのは確かだと思います。地方創生とか、人口減少に関して。人口減少に関して、ある程度、社会保障との文脈で、このまま少子化が進むと、社会保障の可能性が危ぶまれるのではないかというような観点での議論は、多少はされているようには思いますが、私自身、期待していたような、特にそれと、いわゆる大都市からの地方への分散ということを、やっていかないといけないということについての議論が、あんまり深まっている感じがしない。その点は、大変残念に思っておりますけれども、いずれにしましても、この問題というのは、我が国全体の中長期的な社会のあり方を左右する問題だというふうに思いますので、あまりテレビ、SNSで派手にドンパチということでなくても、住民の皆さん、県民の皆さん含めて、国民の皆さんには、ぜひ大事な争点の一つというふうにお考えいただいて、そうした点も絡む角度からも、各党の公約、あるいは各候補のお人柄も含めて、しっかり、そういった問題に取り組んでもらえるのかどうかというところも、吟味をしていただいて、投票行動を決めていただければというふうに思っております。
無痛分娩について
(井上・高知新聞社記者、テレビ高知)
無痛分娩についてお伺いします。高知大学医学部附属病院が6月と7月に無痛分娩に成功しました。県は3月に大学と協定を結び、医療従事者の育成を支援するなど、無痛分娩の実施体制の構築に取り組んでいます。少子化対策の観点も踏まえ、今回の無痛分娩の成功をどのように受け止めていらっしゃるでしょうか。
(知事)
今回の、無痛分娩の県内での成功というのは、大変喜ばしいことだというふうに思っています。無痛分娩はWHOにおきましても、健康な妊婦の方々が希望される場合は、実施を推奨するという扱いになっておりますし、近年、全国的にも、いわば一般の分娩の中で占める割合も1割を超える。東京などでは3割というような数字も報道されているようでして、随分と一般化をしてきているということだと思います。
その大きな期待される効果は、分娩時の痛みが抑えられまして、妊婦の心身の負担が軽減されるということによって、出産直後からの育児に余裕を持って対応できるということで、出産時のみならず、育児への効果も大きいということだと思います。
この話は、昨年のちょうど今頃、特に分娩施設の休止とか縮小が相次いだ中で、分娩体制のあり方を検討会を作って議論をさせていただいていた中で、医療の関係者の中から問題提起があって、大事なポイントの一つとして取り上げて、取り組みを始めたわけでありますが、お話がありましたように人口減少下で、若い女性の方々の選択肢を増やしていくと。できるだけ、こうした負担の少ない形で出産をしたいという願いを叶えていくということの観点から言いましても、残念ながら高知県と岩手県では、47都道府県の内の2県で、最近まで行われていなかったというような状況でありましたから、高知県でも、高知に住んでるからそういう選択肢がないんだというふうに言われるような事態は、何とか早く解消したいという思いがありまして、高知大学にもご協力をお願いをして、体制整備を進めてきたということであります。
そうしたことでありますので、一人でも多くの妊婦さんが希望に沿って出産をされるということを後押しをするということについても、この無痛分娩という取り組みを広げていくということは、大変大事だというふうに思っておりまして、引き続き、県と大学が連携しまして医師、そして助産師の育成に取り組みまして、まずは高知大学でということで進んでおりますけれども、いずれは、県内の他の分娩取り扱い施設でも実施ができますように、人材育成などの体制整備を鋭意進めていきたいというふうに思っております。
(司会)
それでは、各社からの質問に移ります。質問のある方は挙手をして、社名とお名前を発言をしていただいてから、質問をお願いしたいと思います。
参院選について③【財源確保、物価高対策】
(古谷・読売新聞社記者)
参議院選についてお伺いします。先ほど、物価高対策の中で、現状として現金給付か、あるいは消費減税という、二者択一的な部分にもなってる傾向があって、今ご発言の中で、財源の確保がなければ、公共サービスそのものが崩れていくというお話がありました。そこでやっぱり、先週もお伺いしましたが、そのための地方の声として、改めてお伺いしたいのと、それとあと、当選した議員に対して、物価高対策としてこういうことを望みたいというような、もし今の段階でお考えがあればお伺いできればと思います。
(知事)
ただ今、申し上げましたように、だんだん、この手の話は一種のバナナのたたき売りじゃないんですけれども、公約がよりエスカレートしていくという中で、もっとうちわを大きく大きくというような話の中で、消費税全体を即時廃止と言われるような党が出てこられたり、これだと、多分、影響が全体で25兆円ってことになりますし、国民の負担率を10ポイント下げるということになると、いわば、もう税収とか社会保険の収入の方では10%下がるということですから、これは計算のしようにもよりますけれども、50兆円、60兆円の財源が穴が開くということになると思いますから、こういった規模の負担減、負担減そのものは国民にとってはありがたいということだと思いますが、なりますと、恐らく、この財源の確保といっても、現実、説得力あるものは出ないであろうということになると、これは、もう社会保障中心とした公共サービスの水準を切り下げるしかないという話に、特に国民の負担率の議論はなってしまうということだと思います。
そうでなければ、国債発行ということですが、これも最近、長期金利がどんどん上がっているということでありますので、そうなりますと、財政の面で国債発行でやりくりできても、結局、物価高にさらに拍車がかかって、スーパーインフレということになりかねないというようなことだと思いますので、そういう意味で、特に地方が現実に多くの公共サービス、行政サービスの担い手となっているということでありますから、そうしたような動きに、本当になってしまった場合には、一番、最前線で苦労を強いられるのは、地方自治体だということだというふうに思いますし、そういったことになりますと、経済そのものもおかしくなりかねないということでありますので、その点、大変危機感を持っているということであります。
ただ、これはなかなか妙手はないわけでありまして、コロナの対応のときもそうでありますけども、いわゆる、景気の循環的な動きの中で、例えば、数年の周期で景気よくなったり、悪くなったりしますので、その悪くなった周期のときに、あるいは何十年に1回のコロナというようなことがあったようなときに、あるいは、リーマンショックのようなことがあったときに、一時のカンフル剤として給付なんかを国債を使って出すということは、これは、経済の対策としてあり得る方法だということだと思いますが、先ほど申しましたように、それも、何年も続けてきて、これがいつまでも続けられるわけではないでしょうということになりますと、ある意味、痛みを伴うような中身も含めた抜本的な構造改革、減税ということであれば、片方で収入の確保をするような、何らかの税制の改正も考えていくというような、まさしく、恒久的な構造的な経済の改革の措置というのを、いわば勇気を持って、石破総理も勇気を持って真実を語るのが政治家のあるべき姿ということだと思いますが、そうした議論を一番望ましいのは、選挙のときにされるというのが望ましいんだと思いますが、これは、国民の負担増に直結しますんで、なかなかやりにくいということだとすれば、特に参議院の議員は、6年間の任期を保証されるわけでありますから、当選された議員の方々には、中長期の視点に立って、そうした、国民にとって厳しい面もあるけれども、これだけのことを考えていけば、先々解決の道筋が、何とか見えてくるんではないかというような道を提示をするという方向で、大変、厳しい難しい議論だと思いますが、道筋を明らかにするような議論を進めて、そして、少しでも前に進んでいくということが、私は大事ではないかと思っておりまして、いろいろ議論はしたけれども、結局、相打ちになって、先送りで何も変わらないというのが、ますます、国民の皆さんの先行き不安感を募らせる要因になっているんではないかと思いますので、いわば、一歩一歩目の前の課題を前に進めていくという観点から、いろんな選挙結果によって、いろんな展開が考えられるかと思いますが、結果を出していくということを、ぜひ、頭において、各党、折り合うところは折り合って、前進をさせていくというスタンスで臨んでいただくことを望みたいというふうに思います。
参院選について④【財源確保】
(古谷・読売新聞社記者)
地方としては、仮に消費減税とかいうことになると、どうしても、やはり地方の公共サービスに影響が出てしまうと。そのためには、やはり恒久的な財源確保というのが、一番訴えていきたいということでよろしいんでしょうか。
(知事)
それは、おっしゃるとおりでして、特に消費税ということでいえば、全体の社会保障の財源ということでありますし、約4割は地方の収入になると、地方を支えるということでありますから、ということに加えて、今までの大きな流れも、結局、消費税の負担増をお願いする中で、国民年金の国庫負担の割合を高めたり、少子化対策を進めたり、授業料の無償化とか、医療とか介護の国保なんかも含めて、財政支援を充実したりということを、そういうこととセットでやってきているわけでありますので、そういうことを、いわば、抜きにした形で、代わる財源の議論なしに、減税の議論だけが先行するというのは、これは、先ほど来、申し上げております、抜本的な、構造的な仕組みを変えていくというところには結びつかない話だろうと思っていまして、先ほど申しましたように、地方にあって、行政サービス、公共サービスの提供の最前線にいる地方が、最もそうした事態になった場合には、矢面に立たされるということだと思いますから、そこは、しっかりとした責任のある議論をお願いしたいなというのが率直なところであります。
参院選について⑤【合区選挙】
(竹村・NHK記者)
参議院選挙について、私からも2点伺います。まず、1点目に、合区についてですが、今回の参議院選が5回目の合区の選挙となっています。各候補者も合区解消を訴えているほか、さまざまな弊害が指摘されていますけれども、この合区選挙についての、改めて知事の受け止めと、今後、国に対してどう働きかけをしていくのか、お考えがあれば教えてください。
(知事)
合区の問題につきましては、かねて申し上げておりますように、この47都道府県の中で、南四国と山陰の4県だけが、1県で独立して代表を出せないというような、私に言わせれば、本当に一人前の県として扱ってもらってないような扱いになっているということが、関係の県の県民の皆さんの気持ちを深く傷つけているということが、根底にあるのではないかと思います。
結果、特に自県からの候補者が出ないときには、非常に著しく低い投票率になって、政治参加が減退をしているということ。そして、選挙戦自身も高知県、徳島県それぞれだけで十何日という選挙の日数でいっても、これだけでも回るの大変だと思いますが、両県を十何日で回らなければいけないというのは、過酷な選挙戦になっているということも含めまして、これは、何とか早期に解消してもらいたい。固定化は何としても排除をしてもらいたいという思いは、ますます、今回の選挙を通じても強くなっているところであります。
今回の選挙は、もう現行法でやらざるを得ないということでありますけれども、やはり、抜本的には、そもそも地方自治の在り方とか、憲法に都道府県という位置づけがないというところにも、ある意味、この問題の一つの原因はあるというふうにも考えられますので、憲法改正という抜本的な概要というところも含めて、改めて、各党、各会派で、いずれも、ある意味、前進といえますのは、参議院の各会派でお話いただいた中で、合区は解消の方向で対応すべきだというところについては、概ねのコンセンサスになって、では、どういう形で具体的に解消するかというところが、各党の勢力の象徴にも関わりますので、ここで折り合いがつかないということであります。
先ほどの話ではありませんが、そこも一種の機能不全といいますか、合意ができないので変えられない。現状維持で先送りにするしかないというところの、一つのある意味、悪しき例ということになっているっていうことではないかと思いますので、参議院の選挙、今回終わりました後、また改めて県内の関係の方々とも話し合いもしながら、特に与野党通じて、この早期の解消に向けての動きということを精力的に進めていただくように、改めていろんな運動をしてまいりたいというふうに思っております。
参院選について⑥【投票率】
(竹村・NHK記者)
もう1点、今、知事からお話がありました投票率についてですが、全体的には、低下傾向が続く中で、今回の参議院選の投票率はどうなると予想、あるいは、どうなることに期待されていますでしょうか。また、有権者の皆さんに伝えたいことがあればお聞かせください。
(知事)
分かりました。これも私も、報道されているところでの世論調査の状況ぐらいしか材料ないわけでありますけれども、全体、ある意味、参議院選挙ではあるけれども、政権選択の選挙の色彩がかなりある選挙だというのが、この情勢分析なんかを通じても、現実的にそういう状況になってきているということだと思いますので、その点、有権者の皆さんの関心は高まってきているということではないかと思います。
そういう意味で、投票率は希望も含めてですけれども、上昇、上がっていくという方向になっていくのではないか。あるいは、期日前投票なんかも、一般的には好調という報道も聞いておりますので、そういう傾向が出ているのではないかというふうに思います。
ただ、選択の中身に関しては、冒頭申し上げましたように、若い方が比較的今までよりも関心持っていただいて、SNSなども通じていろんなことをお考えいただいて、また、発信もいただいているということは、それ自身はいいことだと思いますけれども、あまり、なんというんですか、選挙のときのキャッチコピーだから、選挙が終わったら、これまた別ものなんだというような、ある意味、正直かもしれませんけれども、そういったことで、向こう6年間の国政が大丈夫かなという心配は、私自身しているところありますから、単純に、こういう党、あるいは候補者がいいなと思うというのは、これは、きっかけとしていいと思いますけれども、それだけで、一直線ってことではなくて、いろんな考え方がある、いろんなプラスマイナス、光の面、影の面もあるというようなところを、少し複眼的に考えていただいて、大事な1票の行使をしていただきたいなというのが私の思いであります。
参院選について⑦【消費税減税】
(栗原・時事通信社記者)
参議院選挙について、特に、減税について訴えていらっしゃる方々について、知事は、先ほど責任ある議論をお願いしたいとおっしゃいました。また、新興政党については、いとも簡単に数十兆円の減収のようなことを言うともおっしゃいました。これらの人たちについては、責任感を感じられるところが少ないということでもよろしいでしょうか。
(知事)
もちろん、今後の話ということもあるかもしれませんけれども、現時点でお聞きする限りでは、なんかこう、減税の規模をどんどんどんどん膨らましていくということだけが、先行しているのではないか。そのための財源の確保、他の代わる税収であったり、あるいは、これは、つらい話ですけど、サービスとか行政サービスの見直しであったり、こういったところには、あまり、ご関心はなくて、当面、国債出しとくしかないというようなところで議論が止まっているという印象を持っておりまして、そういう意味では、先ほど申しました、それは緊急避難で一時にやるということは経済の実態からして仕方ない場面あると思いますが、それでずっと、5年も6年もいくというような話だとすると、これは、責任感に欠けるような態度ではないかということは、否めないんではないかという印象を持っております。
参院選について⑧【排他主義】
(谷川・高知新聞社記者)
参議院選ついて、先ほど外国人との共生の在り方について、知事お話がありましたけど、もう少し、具体的に知事の考えを伺いたくて、質問させてもらいます。排外主義的ともとれる主張を、政党の党首がしているというところでいくと、非常にSNSでも、そういう主張が広がっているという懸念もあると思うんですが、知事が考える具体的な懸念といいますか、というところを教えてほしいのと、あとそれに対して、どういうように対応していけばいいのかというところを、知事の考えを教えてください。
(知事)
これはある意味、外国人というところで一つ象徴的に出てきているという面もあるかもしれませんけれども、とかく経済状況も厳しくなって社会もぎすぎすしてきますと、自分と異なる異質のものに対して寛容でなくなるというんですか。そして、物事いい面悪い面、両方あると思うんですけれども、悪い面ばかりを強調して、例えば、ある意味、根拠なく外国人が悪さをしているというような話が流布をしたり、私自身もある会合などで、少し何と言うんですか、全くの雑談的に、それは高知でもそういうことがあるんだと、ある市町村ではある国の方々が大量に生活保護を申請して、すごい数の生活保護が出ているんだというようなことがうわさ、流言蜚語の類いで出ているというようなことを聞いてみまして、これは県内のことでしたので、そういう話が本当にあるのというふうに聞いてみましたら、ありませんということでしたから、そこはイメージであったり、憶測であったりということでしょうか。
そういうことで、先ほど申しました不満の吐け口として、自分と異質なものをあげつらって、そこを排除していくということで留飲を下げるといいますか。そういうような危ういセンチメントというのに陥りやすい状況に、今なっているのではないか。これが選挙という、いわば国民全体が、我が国全体の行く末を考える局面で、いろんな考え方が戦わされている中で、広く拡散をしているということなんだろうというふうに思いますが、先ほど申しましたように、全体として人口減少が進んでいるという中で、やはり若い方の、外国の方々のお力をお借りをして、地域の活力を維持をし、増やしていくということの重要性というのは、私は変わらないというふうに思っていますので、そうした意味では、これは日本人だって外国人だっていろんな人がいるのは確かでありますから、外国人だから駄目とかというような決め付けではなくて、外国の方はいろんな形でバックグラウンドとか、育った環境、違うわけでありますから、日本人と同じではないのはある意味当たり前でありまして、そこをどうお互いに、お互いの違いを尊重し合って共生していくのかという観点からの、共生社会をつくっていくということが、逆に、特に人口減少が先行して進んでいる本県などでは、外国の方がせっかくおいでいただいても、より賃金が高い大都市に吸収をされてしまうというような懸念も持ちながらの中で、いろんな政策を考えているわけでありますから、そういった立場から言いましても、外国人との共生ということにむしろ重きを置き、シフトをしていくという方向が高知県としては、今目指すべき方向ではないかというふうな思いを強くしております。
外国人政策について
(中田・高知民報記者)
排外主義の関係で一つ確認ですけど、県も例えば、生活保護の行政として、当事者、福祉事務所でやってるんですけども、外国人を特別扱いしているというような現状はないということを確認一つしたいんですけど。
(知事)
県としてということですか。
(中田・高知民報記者)
県が実際やってるわけじゃないですか、福祉事務所で。生活保護行政は担ってるわけですが、高知県としても、外国人を優遇しているみたいな、そういう、ちまたで言われていることがありませんよということを確認したいんですが、知事の口から。
(知事)
私も今申し上げたのは、特定の市町村、名指しで特定の国、名指しで、そういう話があるという流言蜚語がありましたので、それは本当のところどうなのかということを確認したということでありますので、全体通じてどうこうというとこまで、まだ一般化しておりませんけれども、悪意を持って世に言われているような形で、特に優遇をしているとか、おかしなことをしているということは、私はないと思っております。
公社等外郭団体のあり方見直しについて①
(中田・高知民報記者)
指定管理の直指定を外して公募することによって、一定の対象のところ、その収益をもって待遇改善につなげるんだというスキームですけれども、それによって、将来の代行料を切り下げていくっていうか、もうかった分を、県の分下げますみたいな、いうようなことはありませんかということを確認させてください。
(知事)
もちろん、これは中長期になってきた場合に、どう今のベースの部分を評価していくかという話はあると思いますけれども、少なくとも非常に短期のレベルで収入を上げて、その結果を次の予算査定で直ちに反映させて、その分いわば県からの支援をカットするというようなことをやってしまいますと、頑張って収入を増やして処遇を良くしていこう、サービスも良くしていこうという努力を結果的にはそぐことになってしまいますので、そういうことを少なくとも短兵急にやってしまっては、今回やろうとしている制度改正の趣旨に反する、趣旨が実現できないということだと思っておりますので、そうした形で、要は自助努力をして収入を上げた分について、直ちに県でいただくというようなことは、それはやっちゃいかんと、そんなことやるんだったら今回の改革は意味ないということだと思っていますので、その点は財政当局にもよく指示をしたいと思っております。
(中田・高知民報記者)
中期的にはあるようにも聞こえましたけど、取りあえず。
(知事)
10年、20年先なると、また話が違うかもしれません。
公社等外郭団体のあり方見直しについて②
(中田・高知民報記者)
その収益を上げるということで、前回のときも、高くても良いサービスを受けてもらいたいみたいなお話されてましたけども、それは聞きようによると、例えば、入館料みたいなもの、今、結構県が縛りをかけていますよね。高齢者は無料にしなさいとか、高校生はタダにする、それいうたら、収益をそいでる面があるわけですけども、そういうものも外していって青天井にするみたいな、何かそんなイメージですか。
(知事)
それは直ちに、そこを今具体的に考えているわけではありませんけれども、対応としてあり得る方向の一つだとは思っています。今回、改めて私も勉強しますと、今の県条例でもかなりのところ、指定管理者の裁量で、幅を持った料金の設定はできるという構造になっていると思っています。標準は決めるけれども、最小半額、最大1.5倍とか幅を決めて、そこは指定管理者の方で、サービスの中身を決めて多く取ることも、あるいは、おまけすることもできると。そういう意味で一定の弾力性は、料金の設定のことに関して、今、既にある程度できているというふうに思いますけども、お話ありましたように、また片方で、これは県全体を通じた別の観点からの政策的要請として、高齢者の方々は無料にするとか、こういう縛りがかかっていると、これは事実でありますので、もし、こういった類いの縛りがこの自律性を向上していくということについて、大きな障害となっているというようなことであれば、これは、今回の自律性向上団体の取り組みというのは、私は双方向でやっていきたいと思っていまして、各団体の側で自由度をさらに高めるために、こういう措置が必要だということは、意見をどんどん言っていただいて、それについては、また県議会の方にもご報告をいただいて、必要な措置は取っていきたいと思っておりますので、直ちに、今高齢者の減額をやめるとかということまで決めているわけではありませんが、そういった問題まで含めて、指定管理者側のご要望・ご意見に沿って、必要な検討はして、措置は講じるというようなスタンスで柔軟に対応したいと思っております。