公開日 2025年08月13日
1 参院選について
2 防災庁の地方拠点について
3 県立施設の指定管理公募について①
4 県立施設の指定管理公募について②
5 最低賃金改定額について
6 まんが甲子園での最優秀賞取り消しについて①
7 南海トラフ地震への対応について
8 高速道路の暫定2車線区間における安全性向上に関する共同宣言について
9 まんが甲子園での最優秀賞取り消しについて②
10 全国知事会会長選挙について
11 県立施設の指定管理公募について③
(司会)
ただ今から知事記者会見を始めます。まず、幹事社質問をお願いします。
参院選について
(栗原・時事通信社記者)
7月20日に投開票が行われた参議院選の結果、与党が衆参両院で過半数を割り込みました。この結果を、どのように受け止められるでしょうか。また、この結果、石破総裁の進退を巡って党内は混乱しております。今日もこの後、自民党では両院議員総会が行われる予定です。知事は、総裁がとどまり続けることについて、思われることがありますでしょうか。
(知事)
まず、参議院選挙の受け止めでございます。連立与党が過半数を割り込む結果になりました。これは、一番大きな要因としては、物価高騰対策をはじめとして持続的な経済成長をもたらすような経済対策、あるいは構造転換策が十分打ち出せなかった、説得力のある政策を打ち出せなかった、いわば、場当たり的な対策しか出せなかったという評価が有権者の間で広がり、与党を含めて、既成政党全般に非常に厳しい逆風の選挙になったことが、大きな要因と考えます。
こうした少数与党体制下で、様々な課題が解決が進まずに停滞している状況についての不満が、いわば、斬新なキャッチコピー的な政策を掲げる新興政党の方に、支持が流れるという力学が働いたと分析しております。
ただ、国政は課題山積でありますので、両院で、いわゆる少数与党という、かつてない体制になったわけでありますので、与野党が今まで以上に連携協力し、真摯に議論を重ねて結果を出していくということ。変えるべきは変えていくということについて、実績をぜひ重ねていただきたいと思っております。
次に、石破総裁の続投についてであります。この点について、自民党総裁としての石破総裁の責任問題につきましては、目標として掲げた議席に到達しなかった。また、同党の多くの候補者が落選の憂き目を見たことを考えますと、少なくても今までの流れの中での、自民党における責任のとり方としては、早期に退陣すべきだという声が多く上がるのは、これは無理からぬことだろうと思います。ただ、大きな事情が変わっていますのは、今までかつてない形になっている状況として申し上げられるのが、衆参両院の少数与党、言い換えれば、自民党総裁は必ずしも内閣総理大臣に指名されるわけではないという状況。これはかつてない状況だと思います。
そうした意味で、これは私自身の受け止めでありますが、石破総理・総裁は自民党総裁としての責任というよりは、内閣総理大臣としての責任をしっかり全うするんだと。政治の空白をつくらないんだということで、自ら目の前の政治課題の解決に当たっておられるのではないかなと思います。ある意味で、自民党総裁に就任されて、あまり石破さんらしくない、石破カラーが出せないでいるのではないかと言われてきましたが、参議院選挙後を拝見していると、やっと石破カラーが出てきたという面も、ある意味ではあるのではないかと思います。
ただ、政治家の進退というのは、ご自身が判断すべきものというのが、私は大原則だと思っておりますので、高知県知事の立場として、石破総理・総裁がどう判断すべきかということは、コメントを差し控えるべきだろうと。総理自身のご判断によって、これは決められるべきものではないかと考えております。
防災庁の地方拠点について
(栗原・時事通信社記者)
知事が兼ねてから、高知県に来ることを要望しておりました防災庁の地方拠点について、石破首相は仙台市に置く旨の発言をしております。参議院選の結果を受けて、防災庁の設置そのものの行方もおぼつかない可能性もありますが、この方針についてはどのように思われるでしょうか。
(知事)
お話ありましたように、石破総理が参議院選挙中に、まさしく当地の仙台市での街頭演説で、仙台から防災の拠点をつくるといった発言をされたことは、報道で承知しております。ただ、その後、その趣旨を確認された中では、仙台は想定の一つに挙げたに過ぎないという釈明、ご説明をされていますので、それはそういうことなのだろうと思いますし、その後、赤澤大臣も選挙の結果に変わりなく、しっかり防災庁の設置は進めていくとおっしゃっております。
そうした中で、私自身、参議院選挙後の7月24日に、2回目の政策提言として、この防災庁誘致の働きかけを内閣府担当の瀬戸副大臣に出してまいりました。前提として、仙台の場合は、いわゆる地方拠点、地方の分局の設置という議論が前提だったと思いますが、高知県として、全国であまりない形でユニークな提言、要望をしていると自負しておりますのは、ちょうど地方創生の基本構想の中でも、中央省庁の地方移転に関して、地域の実情に応じて、部局単位の移転も検討するという方向が出されていることも踏まえまして、防災庁本体、いわゆる本庁を誘致ということではなくて、特に本県の場合、先行して進んでいる事前復興の仕事を担当する箇所ですが、事前復興局を本県に誘致したいということ。あるいは、国で設置が検討されている防災に関わる研究開発の部署、これを本県に設置してもらいたいという形で、特定の機能に特化する形の提言をメインに掲げているということであります。
予備的に、いわゆる地方分局、地方拠点としての選定基準の要件についても、提言させていただいて、四国・中国エリアの中で高知県という提案も併せてしておりますが、メインとしては事前復興、あるいは研究開発、こうした部署を本県にと申しておりますので、そうした意味では、仙台に分局というお話は、これは東北地方での分局という話だと思いますので、それとは一応独立変数の話として、本県の提言は受け止めていただけると存じます。
瀬戸副大臣からは、これから検討していく課題だとご説明もありましたし、全国各地からこれだけ要望、提言が挙がっていますとご紹介もございました。従いまして、なお検討過程だと認識しておりますが、今後さらに働き掛けが必要だと判断しましたら、その時点で、次なる一手を講じたいと思っています。
(司会)
各社の質問に移りたいと思います。質問のある方は挙手をして、社名とお名前を初現してから、質問をお願いします。
県立施設の指定管理公募について①
(山崎・高知新聞社記者)
県立5施設の指定管理者を直指定から公募に切り替える県の方針について質問いたします。県が今実施中のパブリックコメントには、100を超える意見が寄せられており、文化施設の学芸員や専門家からは、突然の話で意図が分からない。文化行政の中で、各施設に求める役割について、十分議論されたのかといった指摘もあります。これに関して、知事の受け止めをお聞きします。
(知事)
外郭団体の見直しに関しまして、今パブリックコメント中でありまして、100名程度の方からご意見をいただいています。
主なものとして敢えて二つ挙げますと、一つは文化との関係で、文化施設に収益性を求めるということはいかがなものかというご意見。そして、もう一つが、これは文化以外の部分も含めて、いわゆる直指定から公募方式に切り替えると、従業員、職員の雇用が不安になるのではないかと、この点が最も問題ではないかと。大きく言ってこの2点が特に議論されている点ではないかと。パブリックコメントの中でも目立つ意見ではないかと考えています。
最終的に8月9日までに集まりました意見については、私自身しっかりと拝見いたしまして、県としての対処方針を決めて、またお示しをしたいと思っておりますが、この2点について敢えて申し上げさせていただきますと、一つは、文化施設に収益性を求めることについての反対意見に関しては、これはある意味、誤解、場合によっては曲解があるのではないかと思っております。今回は、こうした外郭団体の自律性を高めていくことで、いわば収入を上げてもらう。そういうことで、人材確保のための処遇改善を進めていただけるようになることを強調してまいりました。そのことが「処遇改善のために、自律性向上、収入拡大を目指せと。それしか考えてない」という受け止めになって、それは文化の性格からしてどうかという受け止めになっているのではないかと思います。
この点は、私は誤解がある。あるいは、私どもの説明不足もあるかもしれませんので、徹底しなきゃいけないと思っていますのは、決して今回の自律性向上で、収入を増やしていくことだけで処遇改善をやれという趣旨では、全くないということです。昨日、人事院の勧告が出ましたが、ああした形で公務員、あるいは民間全体の給与の水準も上がっていくと、それに応じて、必要な処遇改善をするための経費は、委託料の中でちゃんと措置をすると、ベースになる部分はですね。これが前提で、ただ、今の人手不足の時代に人材確保をするために、プラスαで処遇改善を進めていく必要もあるだろうと。
そのために必要な財源については、今までのいろいろな制約を取り払って、自由な発想で創意工夫で、新しい収入の増加を図ってもらうところで賄っていくという道を開きたいというのが、大きなポイントでありますし、また、あくまで自律性を上げたい、あるいは自由度を高めたいということでありますから、別に、処遇改善だけに使えと言ったつもりはなく、文化施設において、そうした自由な発想で新しい事業をやっていただいて収入が増えた。それはまさしく文化の公益性に鑑みて、公益事業ですね、無料でやる文化の拡大の事業などに充てていく判断をしたいということであれば、それは自由度の拡大ですから、尊重していきたいということであります。
そうした全体像の部分を、あまり説明させていただく機会がなくて、処遇改善のために収入を増やしていく、というところだけが伝わっていった結果が、そうした誤解を生じている部分もあるんじゃないかと思いまして、その点は、この機会を通じて、改めてご説明をさせていただきたいと思いますし、いろいろな機会を通じて、我々の真意をご説明したいと思います。
また、職員の雇用の不安ですね。公募への切り替えで指定管理者が代わったら、職員の雇用が確保されない。今まで培ってきた専門性とか継続性が失われるんじゃないかというご質問、ご懸念があったと思いますが、これは、前回の会見でも申し上げましたが、まさしくそうした懸念がある施設は、少なからずあると思います。そうしたところに関しましては、公募の結果、審査が行われる過程で、普通は価格はどのくらいで受けてもらえるか、そして、どんな内容のサービスが行われるか。そういったことを審査していくわけです。その中で、雇用の継続性、専門性がどう担保されるかというところに、非常に高いウエイトを置いて、配点していくと。少々安い値段で入れても、雇用、あるいは専門性が確保されなければ採用されないという仕掛けをすることでカバーができると思っております。さらに、私としては、現在雇用されている職員の方々が希望されれば、今以上の処遇で雇用を確保するということを、公募の際の条件にすることは可能と思ってますから、必要があれば、そうしたことも検討して、ご指摘があったような懸念、不安は払拭をしたいと思います。
全体を通じて感想を申し上げますと、そうした形で、皆さん、公募について懸念をされておりますが、私は前に申し上げたように、本県の指定管理の施設は、おおむね全国から見て、求められる水準以上のサービスを実施してくれていると思っています。公募したら、競争相手に負けてしまって雇用も失われるという不安、自信がないような形での判断をされているというのが、やや不思議であります。県民の皆さんに評価されている、あるいは利用者にしっかりと満足いただけているということで運営されていれば、公募でまず、普通はそう多くは手が挙がらないと思います。対抗馬の手が挙がらなければ、それはそれで機会は与えられたが、他で匹敵するところはなかったという証明ができるわけですし、仮に手が挙がったとしたら、今申し上げたような形の条件も付した上で審査をして、いい中身の施設の管理をし、県民の皆さんにサービスを提供されていれば、それはしっかり審査をする立場の方々に評価されるんだと思います。
そこは私は自信を持って、各施設の方々も運営をしてもらいたいし、逆に言いますと緊張感を持って、常に県内、あるいは他県も含めて、いろいろな類似の施設の状況についても、情報を集めていただいて、新しいサービスを追求していく。そして、県民の皆さん、利用者の皆さんのサービス向上に、不断の努力をいただいていれば、そんなに私は心配する必要はないんじゃないかという感想を持っているところであります。
県立施設の指定管理公募について②
(山崎・高知新聞社記者)
先ほど知事は対処方針を、パブコメをしっかりと読んで、対処方針を決めて、また示したいという話がありましたけども、県議会の9月定例会で、外郭団体のあり方について、最終報告する予定だと思います。方針を固めているということなので、今年度末で指定管理期間が満了する高知城歴史博物館は、この秋にも公募の手続きが行われる見通しになると思いますが、パブコメの内容を踏まえて、直指定から公募へと切り替えるという方針を変える可能性や再検討する可能性は、現時点でお考えなのか、お聞きしたいと思います。
(知事)
まだ内容を、ご意見の詳細も私は聞いておりませんので、現時点では、提案させていただいているように、公募方式を導入する、それとセットで運営の自律性・自主性を高めて、自由度を高めて、そして付加価値の高いサービスを提供して収入も上げていただく枠組みをセットで導入する方向で考えたいと思っております。
最低賃金改定額について
(稲本・共同通信社記者)
国の中央審議会は、高知県の引き上げの目安額として、過去最高の64円を示しました。決定に対する受け止めをお願いいたします。また、物価上昇や若い働き手の確保など、様々な問題がある中、県として賃金の問題をどのように考えていますでしょうか。その上で国にはどのような政策を求めていきたいでしょうか。
(知事)
国の審議会で、64円という改定額の目安が示されたわけであります。この受け止めでありますが、上げ幅・額ともに過去最高ということでありますし、この通りに改定された場合には、本県の最低賃金も初めて時給で1,000円を超える水準に到達するということになります。政府全体としても2020年代に全国平均1,500円という目標も掲げられておりますし、地域間の格差も解消していくべきという考え方も展開されておりますので、これは、我々高知県も含む地方にとりましても、人口減少対策としても、目指すべき方向であると考えております。
このことが、労働力確保、今人手不足が課題である中で、労働力確保にも寄与することだと思います。そして今、いわゆる実質所得の伸びがマイナスが続いているといわれる中でありますので、実質所得をプラスに転じていくという上でも、大きな意味があるのではないかと考えています。
この地域間の格差の縮小が考慮された点は、望ましいことだと思っておりますが、一方で、国に対しての意見、要望としましては、特に高知県のように労働生産性が低い地域に重点的に手厚い、財政的な支援が必要ということを改めて申し上げたいと考えます。
働く方々からすれば、最低賃金が上がるのは望ましいことでありますが、企業側からすると、労働生産性が上がっていない中で、賃金だけが上がっていきますと、事業の継続そのものが危うくなる懸念があると思いますので、例えば、デジタル化を通じて、企業の生産性を上げていくことへの重点的な支援が、特に地方では必要だと思います。この点、国の方では新たな方針として、中央審議会で示された目安額を上回るような改定が行われた県には、上回った分について、重点的に支援するという方針が示されております。それはそれで一つの考え方だと思いますが、私としては今回64円という、高知県の目安として出されたうちの、他の労働生産性が高い県に比べれば、やはり高知県は、より手厚い財政的な支援が必要だと思いますので、労働生産性が低いところを上げていくところに重点を置いた、大都市部よりも地方への重点的な支援を、ぜひ国に考えていただきたいと。
この点が、今、必ずしも明らかになってないと思いますので、引き続き、国にはこの点を強く訴えていきたいというふうに思っています。
まんが甲子園での最優秀賞取り消しについて①
(稲本・共同通信社記者)
最優秀作品の取り消しがありました。受賞決定から取り消し、当該校とのやり取りなど、現在に至るまでの把握されている経緯を教えてください。
2点目、高知県の担当者から当該校に対して、事実関係はヒアリングをしていないと聞いています。類似性を踏まえて今回の受賞を取り消したということですが、事実関係を明らかにしないと判断した理由について教えてください。また、当該校が無実を主張するのであれば、弁解をきちんと聞いて判断すべきだと感じましたが、いかがでしょうか。
加えて3点目、この問題を取材していて、類似トラブルの故意と過失を線引きすることは証明が難しい問題だと感じています。今後、どのようにトラブルに対応していくか、おおまかなお考えがあればお願いします。
(知事)
まず、事実関係の経緯であります。今回のまんが甲子園は、8月3日の日曜日に閉会式が行われましたが、この閉会式終了後に公式ホームページおよびSNSで審査結果を発表しましたところ、外部から類似作品があるのではないかという指摘が寄せられたということであります。これを受けまして、会場に残っていただいていた7名の審査員の方々と協議いたしまして、他の作品との類似性がある、オリジナルでなければいけないという大会の規定に反するということで、失格を決定したという事実関係であります。
その上で、本県の担当者側から該当の高校の引率の顧問に対して伝達をした上で、報道の方々にも公表させていただいたということであります。その後8月5日には、それまでの間、インターネット上に、この学校等に対する誹謗中傷が見受けられましたことを踏まえまして、失格理由の説明、そして、誹謗中傷防止を呼びかける主催者コメントを公表するという事実関係をたどっております。
2点目。最優秀賞取り消しの事実関係について、当該校からのヒアリングをしなかったことについて。お話がありましたように、ご趣旨はよく分かります。最優秀と決めた後に、不利益の処分をしようということであれば、一般論としては、当事者の言い分を聞く、聴聞するというのが通常のプロセスであろうと思います。
ただ、今回に関していいますと、作品の類似性というのが、客観的に通常の方がご覧いただければ、これは、もうオリジナルとは言えないということが、外形的に明白、明らかであったと判断いたしました。そういう意味で、制作者の意図がどうあれ、物を見た時の類似性というのは、これは否定しがたいだろうという判断で、今回については、ヒアリングという過程はへずに、失格という判断をさせていただきました。
それから、この問題に、今後の再発防止策ということについてであります。今回、審査の対象から、規定に抵触する作品を除外することが、あらかじめできなかったということで、最優秀賞を取り消す事態となりました。これは、主催者として大変重く受け止めているところであります。
なかなか、インターネット上などに多数出回っている情報の中で、あらかじめ類似性を判断することは、難しい、容易ではないとは思います。しかしながら、今回のような教訓に鑑みますと、出版関係者など、専門家の意見もしっかりお聞きした上で、審査体制をはじめとして運営方法を見直しすることで、再発防止に努めていく必要があると思っております。
具体的には、AIなど最新のデジタル技術を使った検索機能も使って、あらかじめのチェックができないか。あるいは、お題として示す項目の候補が決まった時点で、こういうのが出てきたら、既出であってオリジナルにはならないというものが、あらかじめ拾えておくという備えができないか。現時点で考えつくのは、そんなアイデアでありますが、専門家の意見も伺って、再発防止策をしっかりと検討していきたいと思っております。
(稲本・共同通信社記者)
最後の部分、簡単に確認ですが、今後、専門家の意見を聞きたいというのは、委員会とかを立ち上げたいとか、そういう話になるんでしょうか。
(知事)
委員会の立ち上げまで必要かどうかは、今後、検討したいと思いますが、まずは、専門家の方々に、ご意見を伺うとこからはじめていきたいと思っております。
南海トラフ地震への対応について
(中川・NHK記者)
今日で南海トラフ地震の臨時情報の発表から1年となりました。その受け止めと、今後、改めて県として南海トラフ地震に対してどう対応していくのか、対策していくのかお考えをお伺いできればと思います。お願いします。
(知事)
昨年、ちょうどこの時期に、よさこいの開始の直前に初めての臨時情報の注意でしたが、発表されて早や1年ということだと思います。特に昨年の臨時情報が注意という形で出されたということでありまして、それ以前の臨時情報の対策は、一般的には警戒という、よりレベルが高い警戒度の場合を想定して、いろいろな避難や事前避難の準備を、1週間程度という周知が一般的だったと思います。その意味で、今振り返れば、結果的に、やや過剰反応だったのではないかと言われる対応も、散見されたのではないかと思います。
この点、最近、国としての指針が改定されまして、はっきりと、いわゆる臨時情報「注意」の段階では、日常生活の継続に軸足を置くと。そして、警戒になりますと、これはもう既に半割れ程度の大きな揺れが各地で起こっている。これはもう警戒、日常生活も制限していくところに軸足を置くという、大きな方向性が先般、出されたのではないかと考えます。
そういう意味では、この間の、本県は注意報でしたけども、カムチャツカ半島の地震の津波警報の時にも、鉄道事業者の方が大事を取って運休された結果、海岸からは、避難を命ぜられた方々が電車でご自宅に帰ろうとしても帰られなくて、大変苦労されたという話もお聞きしましたので、注意の段階と警戒の段階で、ランク分けをして対応を考えていこうと、それを原則としていこうという方向が出たというのが、国民の皆さん、県民の皆さんにも対応を考える際の目安として、ある意味、分かりやすい方向性が示されたと思っております。こうした国の指針も踏まえまして、県も含めてでありますが、県内の市町村にも、改めてこの臨時情報の際に取るべき対応について必要な見直しが、さらに進むことが望ましいと考えております。
高速道路の暫定2車線区間における安全性向上に関する共同宣言について
(中川・NHK記者)
高速道路の暫定2車線区間における安全性向上に関する共同宣言を、四国4県の知事とともにされたと思うのですが、これの意図、どういった思いを持って、この宣言をされたのかを教えていただけますでしょうか。
(知事)
高速道路は本来的には、いろいろな災害時の対応なども考えると、4車線以上で整備をされることが望ましいと思いますが、地理的な状況、財源の問題もあって、現実には、対面での2車線という高速道路は四国エリアでは、かなり、なお残っていると思います。区間によっては、順次4車線化が進められておりますが、当面、そうした予定もない路線も多いわけで、そうしたところで、最近、正面衝突などの事故が頻発化していることは、看過しがたいと思います。
これを構造的に改善していくには、いろいろな課題も多いかと思いますが、そうした課題も含めて、交通安全の確保のために、さらにどういった形で措置を講じていくべきか、関係者が専門家のご意見も聞きながら、追求していくことが必要な状況になっているという判断のもとで検討体制をスタートさせたということであります。
まんが甲子園での最優秀賞取り消しについて②
(西森・高知さんさんテレビ記者)
類似作品が客観的に見て、明らかにオリジナルではないというような判断があったということだったんですが、結局、学校側、あるいは生徒さん側に確認をしなかった一番の理由っていうのは、どういうところなんでしょうか。
(知事)
繰り返しになりますが、原則的には、不利益な判断をする時に、言い分を聞くことは求められる手続き、一般的には、だと思いますが、これは、出てきているものが、現実の作品と、それからネット上、既出だと言われた漫画作品と、コマ割りやセリフ、そういった中身から見て、全く、もちろん同じとは言いませんが、その着想なり、作品としてのほぼほぼ同一性があるような類似性といっても、酷似しているということから見れば、もうこれについて、この客観的な事実を持って、失格という判断をするのに十分な、いわば、証拠があるという判断をしたということであります。
(西森・高知さんさんテレビ記者)
そのことについては、当該校の関係者の方からは、何もお話がなかったということでしょうか。
(知事)
詳細については報告を受けておりませんが、一連の流れの中で、当該校に我々としての判断をお伝えして、その点について、私の方には、特にご異論があったとは聞いておりません。必要であれば、担当者に詳細確認をいただければと思います。
全国知事会会長選挙について
(栗原・時事通信社記者)
全国知事会長に長野県の阿部知事が就任されましたが、受け止めや期待することがあればお願いします。
(知事)
阿部知事は、これまで、いわゆる国民運動本部長という立場で、例えば、選挙の時の各党の公約に全国知事会としての主張を反映していくところの折衝役でありました。個別のテーマでいいますと、最近の国民スポーツ大会の簡素化、市と県の負担軽減について、中心的に役割を担っていただきまして、しっかりと成果を上げていただいた。人柄も非常に円満かつ包容力のある方だと思っておりまして、全国知事会長として、いろいろな立場にある、各県の知事の意見を一つにまとめて国に対して提言・要望していくということも考えました時に、大変適任の方ではないかと思っております。私自身も、阿部新会長のもとで、まだ村井会長の任期1カ月ほど残っておりますが、特に人口減少の対策等々について、長野県で発表されております人口減少対策の考え方とか、具体的に取っていくべき対策というのは、かなり本県の考えと、結果として似た主張をされていると受け止めておりますから、その点は大変心強く思っております。阿部会長を押し立てて、国に対して必要な施策の展開を求めていきたいと思っております。
県立施設の指定管理公募について③
(谷川・高知新聞社記者)
同僚の山崎からの質問の回答部分について、一つ確認させていただきたいのですが、現時点で、公募方針を変える可能性だったり、再検討する可能性があるかという質問に対しては、現時点では「ない」という回答でお間違いありませんか。
(知事)
まだパブリックコメントの過程でありますから、我々は、先般も申しましたけども、元々の趣旨は、直指定をするということは、県がこの施設以上にいい施設はありませんということを証明しろということだと思います。議会に対して、提案をしなければいけないわけですから。それが、今指定管理の制度も20年たって、いろいろな引き受け手もあるという中で、これは、一般論として、これ以上いい施設、団体がないという証明はかなり難しいわけです。地球の裏まで探して行って、「ある」「ない」ということを追求しないといけない。あることの証明は簡単で、どっかから探してきて「はい、ありました」と言えば見つけられるわけです。ということも考えますと、決して、私が先ほど申しましたように、今の各団体の運営に大きな不満があって変えたいと思っているわけでは決してありませんが、今の指定している団体以上にいい団体がないんだということを、公募というプロセスを通じて、テストを通じて、客観的に担保したいという思いであります。
もし、手を挙げる団体が、募集をかけても出てこなければ、これはいい運営しているから、かなわないということで、手が、競争相手が上がらなかったという形で証明ができると思いますし、逆に、もし具体的に提案があれば、それとの比較の中で、やはり継続性とか専門性を含めて、今の団体の方が優位ですねって説明をすればいいということだと思います。そこを、さっきも申し上げたように、そんなに萎縮して、心配して、黒船が来たらたちまち丸焦げにさせられるという心配、ご懸念をされる必要はないんじゃないかと、自信を持ってしっかりやっていただきたいと思います。
(谷川・高知新聞社記者)
やっぱり、パブコメを、知事これからご覧になると思いますが、パブコメを踏まえてでも、見たあとででもその可能性は。
(知事)
そこで全くないといえば、何のためにパブコメをやるってことになるんだと思いますから、よく見た上で、今申し上げたような判断を変えなきゃいけないというような説得力あるご意見があるのか、ないかという観点から、よく吟味をしたいと思っております。
(谷川・高知新聞社記者)
分かりました。誤解を生じさせたとか、説明不足だったかもしれないとおっしゃっていたと思います。これから真意を、また説明したいということもおっしゃっていたと思うんですが、例えば、具体的な行動、またさらに説明を、各部署の担当課が各施設にするとかっていうことを考えていらっしゃるということでしょうか。
(知事)
一義的には、パブリックコメントでいただいた意見をまとめさせていただいて、それに対して、県としてどういう考え方なのかということを対処して、まとめて発表させていただくことが基本だと思います。今申し上げたような形で、一部をあまりに強調した結果、誤解を生じたかもしれない点について、丁寧に、省略していた部分も説明をしたものを公表するのが基本になると思いますが、それ以外に、特に必要と認められるものがあれば、場面があれば、それは、各部等で分担して説明することは指示したいと思います。
(谷川・高知新聞社記者)
我々取材している中で、かなり反対の声もありました。もしかしたら、説明が不足していたということもあったのかもしれませんが、なぜこうした事態になってしまったのかが一つ疑問です。事前に現場の反対の声を聞いた上で、この方針を固められたのか、その政策決定のプロセスを教えてほしいのですが、実際に話を聞いて、この方針を出したのか。
(知事)
元々の動機は県議会でも、かつて何度も質疑がありましたが、直近では2月の県議会だったと思います。質疑の中で、特に職員の処遇改善が一部の団体で進んでいなくて、離職が進んでいると。もっと県の縛りを緩和して、処遇改善などもできるようにということを中心に、外郭団体の改革が必要ではないかというご質問をいただいた中で、私自身、かねて、そういった問題意識も持っておりましたので、方向性を検討し、私自身と担当である総務部の担当課とも協議をした上で、こうした方向で世に図っていこうという検討をしたということであります。
何度も申しますが、自由度を上げる話と、公募されても必ず勝ち抜けるという自信のある運営をしていただければ、特に心配していただく必要はないと思います。いろいろ議論をしている中では、かつて、そうした公募や競争という中で、かなりのコストカットが行われたことが、トラウマになっているという意見交換も昨今しております。そういった側面もあり得たかもしれないというところは胸に置きまして、我々の真意を、ぜひ、分かっていただくように、説明をしていきたいと思っております。