知事の定例記者会見(平成21年4月30日)

公開日 2009年05月08日

更新日 2014年03月31日

知事の定例記者会見

平成21年4月30日(木曜日) 14時から14時50分  第一応接室

目次

 ・新型インフルエンザ対策(1)
 ・産業振興計画の動き
 ・政府への要望活動
 ・アンテナショップについて(1)
 ・行革プランと県庁の人員体制について(1)
 ・追加経済対策の評価 
 ・アンテナショップについて(2)
 ・有効求人倍率と雇用情勢について
 ・行革プランと県庁の人員体制について(2)
 ・全国知事会長について
 ・知事の県政報告会
 ・直轄負担金について
 ・新型インフルエンザ対策(2)


新型インフルエンザ対策(1)

(知事)                                 

 まずは冒頭、新型インフルエンザ対策について、お話を申し上げたいというふうに思います。本日早朝にWHOにおきまして、この新型インフルエンザについて警戒レベルを「フェーズ4」から「フェーズ5」まで引き上げたということでございます。

 国の方でも万全な対策を取っていくということでございますが、現時点で国内に患者が発生しているという状況ではなくて、基本的には2月に定めた行動計画に基づきまして、必要な対策を国の方でも考えているところでございます。県としましては、まず4月28日に関係部局長による緊急会議を開催しました。

 また、昨日でありますけれども、市町村、消防、警察との緊急連絡会議を開催するなど対応を練ってまいりました。具体的には、インフルエンザの可能性のある患者の皆さまに対する対応等について医師会へ依頼、また、高齢者、障害者施設等への注意喚起を行っていくとか、先ほど申し上げましたように、市町村、消防、警察との緊急連絡会議を開催いたしまして、早急に取り組むべきこと、今後、早期の国内発生を見越した取り組みの進め方でありますとか、住民への広報、連絡体制の強化について確認をしまして、発生時における迅速な対応ができるよう事前、事前の準備を進めてきている段階でございます。

 それには、県のホームページや、またマスメディアの皆さま方にもお願い申し上げまして、県民の皆さまに対する広報活動も行ってきている状況であります。

 先ほども申し上げましたように、現在、国内、当然のことながら県内においても、まだ(新型インフルエンザが)発生したという状況が確認されているわけではございませんけれども、今後は国内、県内でいつ発生しても大丈夫だ、というような対応が取れるように準備を進めていきたいと考えておるところでございます。

 仮に、国内、県内で感染者が発生しました場合には、危機管理本部を早急に立ち上げた上で、現在、検討を進め、また確認作業を行っております対策計画に基づきまして、可能な限りの最善な対策を講じていきたいと思っておるところでございます。

 県民の皆さまにおかれましては、引き続き正確な情報に基づきまして、冷静な対応を取っていただきますようにお願い申し上げたいと思っておるところであります。

産業振興計画の動き

2番目といたしまして、産業振興計画関係の今後の動きについてお話を申し上げたいと思います。

 まず第一に4月の時期は、産業振興計画の実行体制の立ち上げ、地域についても含みますが、これについて全力を上げてまいりました。関係職員に対する研修を実施し、産業振興推進本部を4月1日に立ち上げるとともに、研修会を職員に対して実施した上で、さらに産業振興推進地域本部についても、全て立ち上げを終了するという状況にまで入っておりまして、地域を含めました全体的な体制づくりは、現段階でほぼ出来上がったというふうに考えております。

 さらには具体的な実行支援体制もスタートさせております。全ての地域アクションプラン221件に関しまして、実行支援チームを立ち上げる、もしくは実行支援チームの立ち上げに向けた動きを具体化する行動を取るとともに、すでに4月28日までに総合補助金の採択に関連しまして、審査会を2回開催しまして、現在、地域アクションプラン13件に関しまして審査を実行している段階にあります。

 今後、さらにそれぞれの取り組みを具体化していくということが必要になってまいりますけれども、私といたしましては、さらに市町村との連携、さらには地域住民の皆さまとの連携を図っていくために5月は力を尽くしていきたいと考えております。

 5月1日、明日から、随時開催することといたしておりますけれども、地域産業振興監と私、そして各市町村長さんとの間で、具体的に地域のアクションプランをどのように進めていくかということについて、意見交換会を行ってまいりたいと考えております。

 さらに、ちょっと準備に時間がかかってしまいましたが、5月18日から地域アクションプランについて住民の皆さま方にそれぞれ時々の進捗状況を説明する住民説明会を開催していく予定をしております。

 さらには地域アクションプランに留まらず産業振興計画全般につきまして、月1回ぐらいのペースで、それぞれ進捗状況がどうなっているかを私自身も確認をしていきたいというふうに考えているところでございます。

 PDCAサイクルというのを月1回ずつ回していくということになりますが、基本的な今後の流れとしましては、月末までにその月における進捗状況の報告を受け、それについて最終的に私の段階までチェックし、新たに、追加に指示すべき事項があれば、それを指示していくと。こういうことを毎月、毎月繰り返していくということになるわけであります。当面の時期的なメルクマール〔目標〕は6月の中旬に産業振興推進本部の第2回会合を約2日間かけて開催する予定でございます。この時までに、まずどこまでの仕事ができているか確認していくということになろうかと思っております。

政府への要望活動

 3点目でございますけれども、これは去年も行ったことでございますが、政府に対する政策提言、要望活動、これを今年もまもなく開始をしたいと考えております。

 去年は4月の末ぐらいから私自身が東京に行きまして、この要望活動を行ってまいりました。今年につきましても、3月下旬にたまたま総理がお出でになられたということもあり、その段階からいろいろ要望を提言し始めたということもございます。また補正予算対応ということで要望・提言活動をしてきたということもございますけれども、去年の4月に行ったのは骨太の方針に向けての政策についての提言活動でございました。この活動は、補正予算が4月にありましたから、若干今年はスケジュールが遅れておりますけれども、5月の連休明けから、(要望・提言)活動を実施していきたいと考えております。

 実際のところは先日、4月22日には、前総務大臣でいらっしゃる「安心社会実現会議」の増田事務局長の所にお伺いをいたしまして、社会保障関係について、高知県のような非常に過疎地域の多いような地域においても、小ロットで多様なニーズを持っているような本県の実情に合うような形での社会保障のあり方をぜひ検討してもらいたいという話を申し上げたところでございましたが、より具体的な点などについて連休明け以降に、政府の要所、要所に対して、私自身も足を運ぶ形で今年も提言活動を行ってまいりたいと考えているところであります。

 これは具体的な最終的なターゲットは骨太の方針ということに当面なるわけでございますが、それに向けて5月中、「安全安心実現会議」の動向も睨みながら、今年についても積極的な政策提言を行っていきたいと考えている状況であります。冒頭、私からは以上です。 

アンテナショップについて(1)

(半田:高知新聞記者)

 幹事社から3点質問させていただきます。1点目は産業振興の地産外商の要となる東京のアンテナショップなんですが、4月末を目途に設置場所を決めたいというような方針、担当部署で取材をしているような状況があったんですけれども、その検討場所が今どういうふうになっているかと、今後のスケジュールですね。議会での説明とかですね、そういうような点に関してはどういうような見通しを持ってらっしゃるか。

(知事)

 相手もありますことですから、具体的な場所までちょっと申し上げることはできませんけれども、すでに5つぐらい候補地を持っておりまして、それぞれについて、どこが一番いいかということについて具体的な検討を深めているという状況でございます。

 コンサルタントの方に外注していろいろと情報を集めてもらうということもしていますけれども、それより何よりも県独自で情報収集ルートをフル活用して、県庁の組織の関連部局全部を上げて最適な立地場所はどこかということを県自ら今、一生懸命探している、検討しているという状況でございます。

 6月議会の時には、相当程度どういうことになるかということについて明らかにできるんじゃないかというふうに思っています。ただ、具体的にいついつまでに何々をと言いました時に、やはりこれは相手がありますのでね。その相手との関係というのも出てきますから。でもいずれにいたしましても、相当程度のことについては6月議会で明らかにできると、そのように考えています。

(半田:高知新聞記者)

 あと、その検討の中でですね。一番ポイントになっているというか、重視している点ですね。どこで迷っているかということをですね。

(知事)

 集客力です。

(半田:高知新聞記者)

 場所ですか。

(知事)

 はい。

行革プランと県庁の人員体制について(1)

(半田:高知新聞記者)

 2点目なんですけども、21年度は今の行政改革プランの最終年度ということになると思うのですけれども、産業振興計画の地域アクションプランの地域の対応を見ていますと、特に林業とか農業とか人手が足りているのかというような声も出てきております。かなりここ十数年来、県庁も負債を控えてきたというか、リストラをしてきて職員構成も歪になってきているというところは感じられるところだと思いますけれども、22年度から新しく行革プランに向けての検討も始まるわけですが、現行の22年度当初に3400人と、それから17年末現在からいって10年以内に3,000人程度という目標は県の中で出てきたんですけれども、その数字をどうしていくかというようなところの知事の今現在のお考えをお願いします。

(知事)

 行革プランの本当の目的というのは、やっぱり行政における無駄を排すということもあります。さらにより具体的に我々として、切迫した行政として言わせていただければ、本県財政が、単年度収支が黒字に転ずるような、そういう形に財政を持っていかなければ本当の意味での財政の安全性が確保されたとはいえない。

 今、平成26年度から単年度収支を黒字にしたいということで、行革を進めてきているわけでございますけれども、まずこれを確保していくということが大事です。そのためには人員体制をどこまで絞り込まなければならないかという議論もしないといけないわけですね。その観点から従来3,400人ということを申し上げてきたわけでございます。

 他方で、やはり行政サービス、本県のように人口密度が非常に密でないというか、疎な所にとってみれば、一定の行政サービスにマンパワーがかかるということも事実であります。ですから、今年度策定いたします行革プランの中で、この両者を加味していって、最適な人員体制というのはどういうことになるかということを、よくよく議論していかなければいけないだろうなというふうに考えています。

 実際、財政状況についても、これまで平成20年度予算編成、さらには平成21年度の予算編成、この2カ年度の予算編成を通じて、前回行革プランを作った時とは状況は少し変わってきているんだと思うんですよね。新しい財政の状況なども踏まえていきながら、さっき言った2つの要請を満たしていくためにはどうしていけばいいのかということを、もう一度一から考えていくということが、まず第1だというふうに思っています。

 その上で、産業振興計画の実施体制という点については2つあると思うんですね。全体的な職員の削減を図っている中でも、特に産業振興計画関係、さらに出先の職員について言えば、かなり削減率が少ないというか、できる限り手厚く人員配置をするよう心がけているところです。

 実際、地域支援企画員をはじめとする人員の体制というのは、そのまま維持しているわけですし、さらには農業関係の普及員なんかの削減率というのも知事部局全体の削減率から比べればかなり少ないんですよね。

 こういう形で、できる限り配慮をしているところですが、その上で、地域産業振興監というのを置いて、さらに地域産業振興推進地域本部を置いて、本部長を定め、それぞれネットワークで仕事ができるように、人の数だけではなくてお互いが連携、協調してネットワークをしっかり機能させることによって、事実上機能向上させることによって、こういう地域の問題にしっかり対応できるようにしようという体制をとったということです。人の数だけではない。機能性、こちらも非常に強化したということがまず第1にあるんじゃないかなと思います。

 それからもう1つありましてね、特に産振計画の立ち上げの時点というのはエネルギーがすごくかかると思うんです。でありますから、立ち上げに要するマンパワー、必要性なんかについて言えば、それこそ「ふるさと雇用再生特別基金」などを活用して、人を雇わせていただいて対応していくとか、そういう随時の臨機応変な対応も講じていきたいと思っているところです。

 まとめますと、限り人員の削減については、できる限り配慮したということが第1点で、産業振興推進地域本部という形で、機動性、機能性を確保するように努力して対応しようとしているのが2点目で、さらにその上でなお必要なマンパワーについては、「ふるさと雇用再生特別基金」などで対応していくと、その3本立てで対応していくということだと思います。

(半田:高知新聞記者)

 一から考えるというお話がありましたけれども、3,400人と10年以内の3,000人という数字については、こだわり続けるわけですか。

(知事)

 それは数字を、これから財政収支の見通しとか、さらに精査をしていかないと分かりませんね。それによって考えます。

追加経済対策の評価

(半田:高知新聞記者)

 3点目なんですけど、追加経済対策の関連なんですけど、大雑把な聞き方なんですが、その中身に対する評価ですね。交付金とか基金に関しても年限が限られていて、もっと使い勝手のいい中身にしてもらえないかとか、従来から執行部の方で言われてきたんですけど、そういうことも含めて中身に対する評価と、それから一昨日104億円の交付金というのが来ましたけれども、この支出の大体の方針ですね。どういうことに使っていくかということ。それからもう1点が赤字国債、建設国債44兆円ですね。これの将来的な負担の、具体的な不安が出てきていますけれども、この辺りに対する知事の考え方はどうなのか、その辺りをお伺いしたいと思います。

(知事) 

 まず補正予算全体の評価ということについて言わせていただければ、今回の補正予算は、前回の補正予算以上にフルラインナップになっていると思いますね。だから緊急雇用対策から金融支援対策、さらには将来を見通したような事業、グリーン関係とかもあろうかと思いますけれども、そういう形での事業構成になっていると思います。

 いわば当初予算なみの本格的な対応策というのが組まれているのではないかと思っています。私は、補正予算の関係については従来より申し上げてまいりましたけれども、とにかく経済対策というのはスピードをもってでき得る限り十分な量の規模というものを、できる限り短期間に打ち出していくということが大切だと思っています。

 小出し、小出しに出し惜しみをして、対策をして、1個1個が効き目をもたらさないということがズルズル続いていくと、結果として、振り返ってみた時の財政負担というものも非常に大きくなるんだろうと。今回、昨年秋から1段目、2段目、そして3段目ということになるわけでございますけれども、この間のスピード感とそして規模については、十分な量の対策が取られてきているだろうと考えています。

 国債の残高の関係について言わせていただければ、確かにその国債残高が段々上がってくるということは、それは当然心配ではありますけれども、ただし、これも従来申し上げてきましたように、小出し、小出しの対策を取って、何度も、何度も対策を取らないといけないということになってしまえば、結果として生じる財政負担というのは遙かに大きくなるということになるんだろうと思うんです。

 平成9年から平成16年にかけて、様々な経済対策が打たれてきた中で、国債残高というのは実は2倍ぐらいに跳ね上がってきているわけです。何度も、何度も対策を打っていくという中で、どんどん、どんどん国の借金というのは膨れあがっていった。でき得る限り経済対策というのは回数は少なく、かつ1回で十分量を講ずるというやり方が経済に対して効き目ももたらすし、また最終的な財政の健全性の維持、すなわち後から振り返ってみた時の残高の積み上がり額が小さくて済むということではないのかなと考えています。

 今、財政拡張策をとることについて、1国だけで取っても、このような国際的な経済の相互依存関係が強い時というのはいけませんね。どうしても為替に悪い影響が出てきますから。マイナスの影響が及んでくるということになりかねません。

 しかしながら今回について言えば、アメリカも、中国も、ヨーロッパも、そして日本も、各国協調した形で、同時に財政拡張を図っていく、財政拡大を図っていくという経済対策がとられています。そういう意味でも非常に理にかなった対応策という形に今はなっていると思います。

 ただ、国債残高との兼ね合いで言えば、もう1点、本当に注意しないといけないと思いますのは、ここで出された財政対策というものが無駄に使われてしまう。お金を使うがための対策みたいな形での使途、使い道がそういう形になってしまっては絶対にいけないんだと思うんですよね。経済回復に効果があって、かつでき得れば後世にも役に立っていくような形での使い方というのがなされるのであれば、将来の財政健全化に効いてくる、将来的にも効いてくるということになるでしょうし、その使い道、使途というものをいかに厳選していくかということも併せて課題となっているのではないかなと思っています。

 本県について言わせていただければ、従来本県、特に麻生総理が3月下旬に来られた時にも要望してきたこととして、我々が特に注目していたことは交付金、今回104億円の交付金になりました。このような交付金のタイプについてもできる限り、さらに追加で交付してもらいたいということが要望の第1であります。

 さらにはこの際、耐震化なんかを行っていきたいという中で、病院なんかも対象にすべきじゃないかというお話をしたこともある。さらには産業振興に繋げていくという点においては、農商工連携とかについての対応策というのを図っていくべきじゃないかということも申し上げたことがありました。これらはいずれも対策の中に盛り込まれているという点においては、我々の提言が生きているという点については評価をしたいと考えているところです。

 その上でもう一つ、インフラ関係の交付金、公共事業関係の交付金について言えば、我々3年ということを言っていたわけですけれども、今の段階で一応2年ということになっています。3年になれば一番ベストでしたけど、他方で、単年度で終わらなくてよかったなと思っていまして、70点、80点ぐらいなのかなと、そういうふうに思っているところです。

 さらに「経済危機対策臨時交付金」、これは104億円ということで前回の交付金、これが116億円弱でありましたが、それに引き続いて比較的大きい規模の金額が交付されることとなりました。前回、非常に経済状況が厳しいところに重点的に配分すべきだということを訴えてきまして、大きな配分額になったわけですけれども、今回についていえば、より平等な形で配分されるのかなと。

 人口の多い所が多くて、本県のような所は少なくなってしまうのじゃないのかなということも心配していたわけですが、しかしながら経済状況の厳しさというものは、本県なんかは群を抜いているわけで、また財政状況の厳しさについても、脆弱な側面が大きいわけで、こういった所へも配慮を願いたいと、他方で言ってきたところでありました。最終的に、ふたを開けてみれば前回の考え方がそのまま引き継がれていく形で、本県に対しても非常に大きな金額が交付されたとたんだというふうに思っています。

 今の段階でやるべき仕事はたくさんございますので、産業振興計画の前倒しで実行していくこととか、さらには前回の交付金の時にも申し上げたことでありますけれども、今までやりたかったこと、もしくは本県にとってやるべきことであるけれども、残念ながら財政状況からしてできなかったということがたくさんあります。こういうものの中に、この経済対策のお金というものを充てていきたい。併せて緊急に対応すべき事項というものもあろうかと思いますから、そういうことについても充当していきたいなと考えています。

 とにかく、極めて一過性であまり意味がないんじゃないかというようなものに無駄に使ってしまうということがないように、本県にとって後々まで、あの時のお金が役に立ったなと、かつ経済危機対応にもなり、そういうものを厳選して予算の計上をしていきたいということを、総務部にも指示をしたところです。突貫作業になりますけどね。また総務部は忙しくなりますね。頑張りましょう。

アンテナショップについて(2)

(植村:高知放送記者)

 先ほどの1つ目の首都圏アンテナショップのことですけど、今、現状5つぐらいに絞り込んでますよね。来春のオープンまでのスケジュールを考えると、今の見通しはどうなんですか。

(知事)

 来春には何とかオープンさせたいと努力を続けるということです。ただ、これは1カ月、1カ月にこだわった結果として、あまり立地に妥協しすぎて何年にもわたって効果が出ないということであってもいけないので、やはりこれはアンテナショップに限らず地産外商戦略というのは、今後ずっと続いていくわけですから、長年にわたって本県にとって効果が出る場所とはどこかということを、ある意味、妥協を相当排して探し続けているという状況です。今の段階でももう十分な候補地は得られているんです。だけどもっといい所はないかとかいうことを探し続けているという状況です。

(伊藤:日本経済新聞記者)

 その妥協をしないとした場合にですね、来年度に開店がずれ込むということもあるのでしょうか。

(知事)

 できればそんなことはないようにしたいんですけれども、もしかしたらそうなるかもしれません。その辺りの微妙なところはまだ相手もあるので、まだはっきり見通せないんです。今年度中の開設に向けて努力を続けているということです。1カ月、2カ月ずれることがあるかもしれませんが。ただ大勢に影響がないようにしたいと思っています。ちょっと分かりません。

有効求人倍率と雇用情勢について

(佐野:NHK記者)

 有効求人倍率の件なんですけど、ついに0.39という数字が出ましたけれども、この数字について伺いたいのですけれども、これまでもいろいろ対策を講じてこられたわけですが、今後、どのような対応を考えていますか。

(知事)

 この0.39という数字は本当に極めて深刻な数字だと思います。3月の数字ということで、我々が今申し上げています「あったか高知・雇用創出プラン」とか、我々が県としての対策を講ずる前の数字でありますので、これから対策を講じていくに従って、その効果も出てくるのではないかと思っています。

 ただ、本県の有効求人倍率の数字については、ちょっと気を付けないといけないと思ってますのは、(1月から3月までは)求人数も増えているんです。求職者数がもっと増えているので比率としてみれば減っているという状況なんです。他の県はどちらかというと、この間求人数が落ちているというのに対して、本県の場合は比較的求人数は増えている。けれども、求職者数がもっと増えているという形で有効求人倍率は落ちてきているという動向を示しているということがあります。

 他の県にない動向という点においていえば、他の県は、有効求人倍率は過去にないぐらいに急落しているんです。0.7ぐらいから一挙に0.6に落ちるぐらいの感じでどんどんと落ちていっているので、それに対していえば、緩やかに推移しているというのも本県の特徴だと思うんです。これはどういうことを意味するのか。例えば県外にいかれた方が県内に帰ってこられているのかもしれませんし、また他の理由があるかもしれません。

 ですからこの0.39という平均値、比率の数字だけじゃなくて、求人の動きとか求職の動きとか、ちょっと詳しく分析をしてみる必要があるなと。それで高知県の雇用動向に応じた対応策ということを考えていかなくてはいけないのかなというふうに思っています。

(服部:毎日新聞記者)

 関連して、高校生の県外就職率が、3月末で2年連続で5割を超えました。県の方としてもいろいろ早期の求人票の提出など要請したりと対策を打っていると思うのですが、5割超えへの感想と今後まだやらなければいけないと思うことが何かありますか。

(知事)

 引き続き5割は超えました。でありますけれども、去年以来講じてきた対策について、一定の手応えはあったと思っています。県外流出というのは毎年、毎年8ポイントぐらいずつ急激に拡大していたわけですけれども、これがほぼ去年と同程度に留まったということであります。県外の就職が厳しくなったということもあるかもしれませんが、また本県で早期に求人を行っていったということの効果というのも出てきてるんじゃないのかなというふうに思っています。

 2つの意味でミスマッチがあるのだとすれば、それを解消すべき今年はもっと取り組みを進めなければいけないのかなと。1つは県内でどのような職があるのかということについて、十分に広報して周知徹底されているのかどうか、という問題が第1です。去年、かなり力を入れました。ただまだ1年目ですので、2年目、3年目と続けていくことが大事だろうと。県内にもこんなに魅力的な職場がありますよということをお伝えしていくことだと思います。

 それから、2点目について言えば産業間ですね。さっき申し上げましたように、県外からも帰って来られるとかいう別の動きも出ているのかもしれません。県内全体で見た時に、例えば一次産業の就業者数というのが例年減ってきているということがあります。有効求人倍率が低いにも関わらず減ってきているということがあったりもします。この産業間でのミスマッチと言いますか、一次産業の現場にも帰ってきていただけるような、今年はかなり強化した施策を取りましたので、こういうのをフルに回転させていきながら、できる限り若者が県内に残っていただけるような対策というのを講じたいというふうに思います。

行革プランと県庁の人員体制について(2)

(半田:高知新聞記者)

 1点戻るんですけど、さっきの行革プランのところで、3,400人と3,000人というのを一から考えるという意味なんですが、ちょっとそこが理解できなくて、白紙にするという意味なのか、今の堅持しておくという意味なのかどっちでしょう。

(知事)

 ですから3,400人という数字、21年度の予算編成までは3,400人を意識して作っています。ただ今回の補正予算なんかもあって、段々財政状況というのも変わってきています。それを踏まえて、先々平成26年度以降、単年度収支も黒字に転じさせるということと、新たな行政需要、これを両方鑑みるとどういう数字がいいのかということを、もう一度再度計算し直すということです。

 3,400人プラスアルファなのか、マイナスベーターなのか、プラスマイナスゼロなのか、それを計算しなくてはいけません。僕は少なければ少ないほどいいとも思っていない。

(半田:高知新聞記者)

 ただ一方で前も言われたように、高知県の人口当たりの公務員というのは、相変わらずトップクラスには入るわけですね。

(知事)

 他方で、人口密度がこれだけ疎な所もないですね。そこを見極めないといけないと思うんですよ。都会なんかだったら10人の住民の方にお会いするのに1時間もまわれば済むのが、高知県だったら車であっちへ行って、谷へ入って戻ってきて、また沢へ入って戻ってと何度も繰り返さないと、それだけの人数には会えないという所もあったりしますよね。

 今後、高齢化が進んでいって、非常に1人暮らしの高齢者の皆さんも中山間部で増えておられるんじゃないかということを考えた時に、果たして必要な住民サービスを維持するためには、どれくらいのものであるべきなのかということを考える必要があると思います。比率の議論じゃないんじゃないかなと僕は思っています。当然、無駄があってはいけません。そこの兼ね合いをもう一度しっかり考えるということじゃないかと思います。

全国知事会長について

(内保:共同通信記者)

 全国知事会の関係でお伺いしたいのですが、福岡県の麻生知事、会長ですけども、会長の任期満了に伴い、次回会長を選ぶ知事会が5月18日に開かれる予定になっています。国と地方の関係が再びクローズアップされる中で、麻生会長の評価をどのように受け止めてらっしゃるか評価をお聞きしたいのですが。

(知事)

 麻生会長は、大変な強力なリーダーシップを発揮してこられた方ではないかと思います。知事会の提言が段々具体化してきているというか、「戦う知事会」と言われた時代があって、いわゆる地方が国に対して物申すという一つの流れができるということにおいて、すごく評価されたと思うんです。それが今度、単に戦うというだけではなくて、具体的に物事を実現していくという形で、非常に具体的かつ技術的な議論も行われるようになってきたのが「フェーズ2」だと思います。

 その段階を築かれたのが麻生会長じゃあないですか。僕はそう思いますけど。直轄負担金の議論だって、いろんな地方分権の議論だって、今は、「即地方分権すべし」と言っただけじゃないでしょう。具体的にこれをこう変えるべきだということを徹底的に詰めた議論をしている。霞ヶ関の方も段々そういう説得的な技術的な議論になると無視できなくなりますよね。詰められて「うっ」とくるでしょう。だから、それが具体的に物事を変えていくということだと思います。そういう段階を強力なリーダーシップで引っ張っていかれてるんじゃないかと、私は思います。

 誰を支持するかという話について言えば、立候補者が決まってから。

(内保:共同通信記者)

 それを聞こうとしたんですけど。麻生知事が出馬を表明されたら、3選を表明されたら支持する方針ですか。

(知事)

 他の方がどうされるかを見させていただいてから判断させていただきたいと思います。

(内保:共同通信記者)

 ご自身は色気はないですか。

(知事)

 全くありません。私は高知県のことに全力を尽くしたいと思っています。

知事の県政報告会

(畑本:読売新聞記者)

 先だって、知事のパーティにですね、1800人集まりましたけど、知事自身は1800人集まっていただいたということについて、どういうふうにお考えになっているかお聞かせください。

(知事)

 多くの皆さまが来ていただいて、本当にありがたいことだと思いましたけれども、他方で何というか、尾﨑はよくやっているということよりも、しっかりやれという意味でお出でをいただいるんだと私は思っておりますので、そこは逆にいうと非常に身の引き締まる思いだなと思っています。大変お忙しい中にたくさんお出でいただいたこと自体、本当に私はありがたいことだと思っています。

(畑本:読売新聞記者)

 知事が思っていたよりも、いっぱいこられてましたか。

(知事)

 そうですね。予想していたよりも遙かにたくさん来ていただきました。

直轄負担金について

(岡村:高知新聞記者)

 負担金の話ですけど、県の単独事業、市町村の負担金事業、この間も市町村議長会から要望もあったんですけれども、総務部長が説明していくという答え方もしていたんですけど、具体的なそういう場というかやり方というか、市町村に対する説明の仕方で、知事は、国に対する協議の場ということを提言されていますがそういうようなところは何かありませんか。

(知事)

 国と都道府県との関係に合わせて、同じ様な制度を取っていく必要があると思います。ただ、まだ国との関係がどうなるかが決まっていませんので、動きが完全に固まっていませんから、それに対応して市町村の方でもどうしていくかというのを併行してというか、まずは国と都道府県との関係を固めてから、それに合わせて県と市町村との関係というのを考えていくということになるんじゃないかと思いますね。直轄負担金の問題は論点がいくつもありますのでね。

新型インフルエンザ対策(2)

(畑本:読売新聞記者)

 先ほど知事の方からもご説明がありました新型インフルエンザの関係ですが、報道も活発に行われていますが、実際、今の状況でですね、一市民としては何をどうすればいいのか、何をしてはいけないのか、知事の方から県民の方に対して具体的にこういうことをして欲しい、こういうことはしないで欲しいということがあれば教えてください。

(知事)

 先日、県民の皆さまへのお知らせというのを確か皆さんにもお願いして配布させていただいたと思うんですけれども、端的に言いますと新型インフルエンザの感染を確認された国というのをまず押さえていただきたい。これは毎日変わっています。そこをしっかり押さえていただきたいというのがまず第1。

 そしてそこから帰国されて10日以内に発熱などの症状が出られました時には、保健所に電話で相談をしていただきたいということです。保健所はその症状などをお伺いした上で、その後、こういうふうにしてくださいということを申し上げますので、そのような対応を取っていただきたいということであります。

 毎日感染国は変わってきますから、その感染国を確認してください。それからその上で、感染国から帰って10日以内に発熱、喉の痛みとか、咳とかの症状がありました時には保健所【発熱相談センター:相談時間は平日の8時30分から17時30分まで】に電話で相談をしていただきたいということであります。

 あと予防に関していえば、これは通常のインフルエンザと一緒なんですけど、手洗いとか、うがいとか、そういうことを徹底して欲しいということであります。

 【参考:高知県発熱相談センターの24時間相談電話 088−823−9092】

(中村補佐) 

 それでは、以上を持ちまして終了させていただきます。

 

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