公開日 2011年01月28日
更新日 2014年03月31日
知事の定例記者会見
平成23年1月25日(火曜日) 9時00分から9時43分 第一応接室
産業振興計画の改定
高知県公立大学法人の理事長・学長予定者(1)
新県立図書館の整備(1)
TPP(環太平洋連携協定)
県議会議員選挙(1)
高知県公立大学法人の理事長・学長予定者(2)
龍馬ふるさと博
県議会議員選挙(2)
環境大臣の来県
新県立図書館の整備(2)
鳥インフルエンザへの対応
児童虐待への対応
子ども手当の地方負担
配布資料
1 果敢に挑戦! 産業振興計画 [PDFファイル/2.57MB]
2 産業振興計画の改定について(案) [PDFファイル/8.24MB]
(知事)
今日は二点ございます。
まず第一点でありますが、お手元に資料を配布させていただいております。
(資料2:産業振興計画の改定について(案)により説明)
産業振興計画の改定についてでございます。
昨日、産業振興計画のフォローアップ委員会が開催されまして、産業振興計画の進捗状況および改定についてご協議をいただいたところでございます。農業とか、林業、水産業、商工業、観光、それぞれの分野について進捗状況および改定の内容についてご議論をいただきましたし、あわせまして、全体の横串を通すものとしての改定の柱についてご議論をいただいたということでございます。
こちらに書いておりますように、今回の一番大きな改定の柱としては、この五つがあります。
その第1の柱としては、「ものづくりの地産地消」。これを抜本的に強化をするということであります。今、地産外商のためのいろいろな取り組みを進めていますけれども、その外商の前提として、やはり、「地産」というところを強くしていくことが、もっともっと必要ではないかということを深く考えております。それに伴いまして、県内でできるだけものづくりが完結していくような、県内の中でできるだけ工程が完結していくような割合を高めていきたい。そういうことに関係する施策を実施していきたい。
例えば、一つ非常に重要な点として、県内企業さん同士でのマッチングを強化していくということが重要なわけですが、マッチングを果たしていくために、「ものづくりの地産地消センター」というものを設置していってはどうか。さらに、マッチングを円滑に進めるためには、技術支援でありますとか、設備投資とかいうことも必要になってきます。現行のままではマッチングしないけれども、技術を強化すればマッチングできるとか、こういう設備があればマッチングができるとかいうことが、多々あるわけでありまして、そういう技術支援とか、資金的・財政的な支援の問題につきましても、より突っ込んだ施策を考えられないか検討を深めていきたいと考えています。そのような諸問題を、このセンターで一括して取り扱っていくようにすることで、県経済の地力というのを抜本的に上げていきたい。そういう取り組みを進めていきたいと考えているところです。
そして、改定の柱の2番目が、「龍馬ふるさと博」の取り組みでございます。これは、ポスト龍馬博の取り組みということで、従前より申し上げておりますが、(3月5日から)「龍馬ふるさと博」を実施していきます。
改定の3番目でございますけれども、新エネルギービジョンの策定にあわせまして、新エネルギーを産業の振興に活かすための取り組みを進めていきたいというふうに考えています。
例えば、木質バイオマスでありますとか、さらには、太陽光発電の関係。特に、これらについて大きく力を入れていきたいと考えているところであります。あわせまして、ヒートポンプを導入した世界最先端のハウス技術の開発とかにも取り組んでいきたいと考えています。
木質バイオマスの取り組み。例えば今、園芸ハウスでたくさん重油をたいておるわけですが、これを木質バイオマスで少しでも代替していくような取り組みを進めていくことで、燃油高に強い経済構造をつくっていく。さらには、たいていく燃料のお金が山に還元されていくということになることによって、高知県経済全体をもっと元気にすることができる。もちろん、環境にやさしいというのは言うまでもありません。一石二鳥、三鳥の取り組みではないかと考えておりまして、この木質バイオマスの取り組みについて、いろいろビジネスモデルの構築なども必要となります。来年度1年間で、具体的な検討を積み重ねて、できれば24年度から本格的な木質バイオマスを活用した、農業生産でありますとか、工業施設における利用でありますとか、そういう具体的なところまで踏みこんでいければなと考えておる次第です。
4番目が、産学官の連携の強化を図るということでございますけれども、従来より、この産学官での連携をもっと深めることはできないかということを模索してまいりました。特に、学の持っておりますいろいろなシーズ[ビジネスの種となる技術・ノウハウなど]、これを生かしての産業化ということを是非とも進めていきたいと考えてきたところでございます。また、人材育成の分野につきましても学の持っておるいろいろな教育力でありますとかいうものを生かしていきたい。学生のみならず社会人の教育なんかという点においてもですね。また、もっとビジネスマンの方々のノウハウをいただくような取り組みなどについても、この学との協働ということで取り組みを進められないかと考えてきたところでございます。
この度、いくつかの具体的なプロジェクトについて、産学官連携で取り組みを強化し、進めていきますとともに、学の持っておりますいろいろな技術力、そして、産の持っております商品化していくためのノウハウ、そして、官の持っていますコーディネーションと一定の資金的なバックアップというものを組み合わせていくことで、いわば、県外の大企業にも負けないようなプラン、プロジェクト、というものを進めていくことができるんじゃないかと考えているところです。
あわせて人材育成の取り組みにつきましても、産学官の連携でできることは推進していきたいと考えているところです。
5番目でございますけれども、今回、地域産業の育成と事業化について、大いに力を入れていきたいと考えているところです。
例えば、地域アクションプランの今現在までの取り組みで、既に雇用が500人くらい生まれておる状況でございますけれども、これらが平成23年度くらいから一斉に、例えば、食品加工の取り組みとか、今まで仕込んできたものが一斉に動き出すという段階に来ていると私は思っています。地域アクションプランとかを実行してきている中で、地域、地域での拠点ビジネスというものが雄々しく立ち上がっていくという事例がいくつか見られ始めたというふうに思っています。あともう一つは、農村においてこうち型集落営農の取り組みを進めてきたわけですが、生産量が非常に増えてくるとか、一定の成果が見えてきているんじゃないかというふうに思っています。
それぞれの地域、地域において、いわゆるその地域の拠点となるビジネス、事業というものを立ち上げていく。例えば、こうち型集落営農のような1年間のうちに数回(いくつもの農作物を)収穫をして現金収入を得ていくような農業というものを中心に据えていきながらも、あわせて、その関連産業として食品加工でありますとか、観光でありますとかを進めていこうとする。そして、村なら村、集落なら集落全体で一定のビジネスを成し遂げていって、現金収入を得ていく。若い人達が暮らしていけるようなそれぞれの拠点となるビジネスづくりというものに踏み出していける基礎的条件がそろってきたんじゃないかなと思っています。
こうち型集落営農の施策を一般化していく。さらには地域アクションプランの施策も組み合わせていくなどというかたちでもって、この地域拠点ビジネスの振興ということについての取り組みを進めていきたいと考えております。
昨日のフォローアップ委員会で、概ね、この方向での改定についてご了解をいただいたところでございます。それを踏まえまして、このあと、平成23年度の予算編成の知事査定をいよいよ始めることとなりますが、この予算編成プロセスにおきまして、より具体的にこの施策について検討し、予算案というかたちでまとめさせていただいて、議会に諮ってまいりたいと考えているところです。
最終的には、議会でのご審議もいただいた後、さらには、フォローアップ委員会を3月に開催して、産業振興計画の第3版、バージョン3ということになりますけれども、そちらにつなげていくようにしてまいりたいと考えております。
第二点目でございますけれども、平成23年4月に設立を予定しております高知県公立大学法人の初代理事長で、県立の二大学の学長を兼ねる予定者の選任について発表させていただきます。
県立大学として、それぞれに長い歴史をもつ高知女子大学と高知短期大学でございますが、12月議会で法人定款をお認めいただきましたことで、公立大学法人として新たな船出の時を迎えます。今月中に、国に対して公立大学法人の設立認可申請書を提出いたしますし、今後、県が定めます6年間の中期目標やこれに基づく法人の中期計画の検討も行っていくことになっております。このように法人設立に向けての具体的な準備を進めていくにあたりましては、理事長兼学長予定者の意見も十分にお聞きしながら進めていくことが、法人の円滑な立ち上げにつながると思っております。
この度、その予定者として、現在、近大姫路大学の学長をなさっておられます南裕子氏を選任することにしました。ご存知の方も多いと思いますけれども、南氏は、高知女子大学の卒業生でいらっしゃいます。看護の分野において様々なキャリアを積まれた後、高知女子大学の看護学部の前身、家政学部看護学科の教員となられ、後進の教育にあたられました後に、カリフォルニア大学サンフランシスコ校におかれまして看護学博士の学位を取得されました。その後、社団法人日本看護協会の会長として、また、133ヶ国が加盟する国際看護師協会の初の日本人会長として、多くの人々が安全で安心な看護が受けられるよう、まさに世界規模の活動と貢献をされてこられました。また、大学教育や大学運営といった面におかれましても、兵庫県立看護大学学長、兵庫県立大学副学長、近大姫路大学学長をそれぞれ歴任されておりまして、深い見識と実績もお持ちでございます。
県立高知女子大学は、今年4月の公立大学法人化に加えまして、高知女子大学の共学化と高知県立大学への名称変更という大きな変革の時期にあたります。大学経営についての十分な経験と知識を備えられ、県立大学に特別な思いをお持ちの南氏が最も相応しいと考えまして、ご本人の了解も得まして、初代理事長をお願いすることにしました。
現在の山根洋右学長におかれましては、県立高知女子大学の池キャンパスの充実や共学化、公立大学法人化など、県立大学の改革に真摯に取り組んでいただきました。この場をお借りしてこの4年間のご尽力に対しまして感謝の意を表したいと思っています。
冒頭、私からは以上でございます。
(井澗:NHK記者)
1月幹事社のNHKです。よろしくお願いします。幹事社から3点、質問させていただきます。
1問目です。新図書館の基本構想検討委員会ですが、この検討委員会には、合築と単独の比較整理ということも役割として入っていると思うんですが、前回の会合でもですね、比較の議論はされたものの、どっちが良いとか悪いとかいう議論まではいかず、最終報告書にも両論を併記しようかという流れで議論は進んでいるんですが、議会を経て、そういう検討委員会が設立されて、そこで議論が進んでいるようでいないといった状況が続いていることについて、知事はどのように考えられますか。
(知事)
これ、従前より申し上げてきましたとおり、私としては、大いにいろんな角度からご議論を賜りたいなというふうに思いますね。いろんな角度からのいろんなご議論が出ていることについて、私はある意味、信頼感といいますかね、そういう考えをもたせていただいておるところであります。
これ(の検討について)は、教育委員会のほうで、検討委員会の方たちに諮問しているということでもあります。教育委員会としては、最終的には一定の見解を示していただきたいと思っているんだろうというふうに私も側聞しております。
私としても、あまり議論の行く末に、注文をつけるというのは好ましいことではないと思っていますから、あえてそこまで申し上げさせていただくことはないと思います。いずれにしても、いろんな角度から議論をいただくということが非常に重要かなというふうに思います。
(井澗:NHK記者)
2問目ですが、先般の議会でも、記者会見でもおっしゃっているんですが、(知事は)TPPへの参加に反対だという意思表明をされています。守るべきものは守る(ことが重要)ということなんですが、具体的に今後どういう活動をされていかれますか。
(知事)
このTPPの問題について、ちょっと私なりの考えを述べさせていただいたあとに、お答えをさせていただきたいと思うんですが、貿易自由化によって我が国が莫大な利益を得てきていることは間違いのないことで、貿易の自由化というのはしっかり進めていかなければならないと思うわけです。他方で、守るべきものは守るかたちで貿易自由化を進めていくことが重要だというふうに思っています。
一部に、貿易自由化イコールTPPというような意見があることについては、私はいかがなものかなと思ってましてね、その貿易自由化にもいろんな手段があるのであって、例えば、FTA[自由貿易協定]とかEPA[経済連携協定]とかいうこともありますね。さらには、かつてウルグアイ・ラウンドがそうであったように、ああいうかたちでのWTO[世界貿易機関]の体制によることとかいろんな手段があるわけです。その中で、我が国にとって利益が大きくて守るべきものが守れるという手段というのをできるだけ追求をしていくべきなのだというふうに思っているわけです。
TPPしかないなどというかたちで、なぜ、大した議論もなく、いつの間に多様な選択肢の中から一つに絞り込まれてしまったんだというふうに私は思っているところです。 実際、米韓の議論におきましても、例えば牛肉であるとかコメであるとか、韓国はアメリカとの間でしっかり自国の大切なところを守っている。そういうやり方をしているじゃないですか。やはり、貿易自由化にあたってはそういうことをしっかり考えていくということが、そういうことを守りながら貿易自由化を進めていくという手段をとっていくべきだというふうに思っています。
今、政府の中においても、単純にTPPしかないみたいな議論からですね、段々、段々、例えば、二国間でのいろんな貿易自由化の手段、他の手段なんかについても考えていったらどうかとかいう意見が出てきているので、段々その議論が多様性を増してきたかなというふうなかたちで、少し従前に比べれば、やや良い方向に向かいつつあるのかなというふうには思ってはいますが、まだまだわかりません。そういうこともあるので、私たちとしましても、しっかりと声をあげていかないといけないと思うわけですね。
お答えになりますけれども、まず、庁内のほうでは、政策企画課を一つの核としまして、各部の関係課で成ります、情報収集と対応にあたっていくための一種のプロジェクトチームみたいなものを立ち上げて、まず一義的な検討を行っていくという体制を敷いておるところです。
もう既に東京事務所と連動しまして、いろんな情報収集などもしているところです。そういう内容を分析したりしながら、まず3月に農業についての一定の考えが示されてくる。さらに、TPP参加についてひとつの大きな節目となるのではないかと思いますけれども、6月に向けて関係の各県とも連携をしながら、例えば、知事会の中で私たちと考えを同じくする県もあるわけでございます。そういうところと連携もしていきながら、政府に対して効果的に訴えていきたいと思っているところです。
例えば、農業についてのいろいろな施策を考え出していくんだという話でありますけれど、例えば、単純に大規模集約化とかいう話は、いかにも机上の議論としては、コストがダウンするんだということになるのかもしれませんけれど、これは、客観的なデータの問題として、我が国の農業の4割、生産量の4割、就業人口の4割が中山間地域です。この4割を守ることなくして日本の農業を守るということにはならないわけですよ。
ですから、こういう中山間地域のようなところでも自由化の流れの中で一定農業を守っていくためにはどうしていくんだというような観点で考えてもらわないといけないというふうに思ってまして、従前ちょっと、いろんなこういう農業問題を論ずるにあたっては、大規模化すればそれで良しというような大きな方向感も、時によってこのウエイトは変わりますけども、ややあったように思います。そういう中において日本全国でも4割を占めているこういう中山間の農業を守っていくというような視点、これを是非訴えていかなければならんと思います。
時には、知事会なんかと組んで、非常に政治的に動いていくということもあるでしょう。またあわせて、先ほど申し上げたような点について言えば、非常に技術的な点をしっかり訴えていくということも必要だというふうに思っていますので、ツボをついた取り組みをしていきたいというふうに思います。
(井澗:NHK記者)
3点目。幹事社からは最後なんですが、今春の県議会議員選挙についてです。知事個人的にも県議会議員の県政報告会にも参加される姿もあると思うんですが、次の県議会議員選挙に向けて、知事として何かスタンスとして、この候補を応援するとかしないとかいうことはありますか。
(知事)
今まで申し上げさせていただいたことと変わらないです。やはり県政与党の先生方との信頼関係というのを、大事にしたいというふうに思ってるところです。
ただ、選挙の告示後になって、私が、例えば選挙活動に携わるということは、なかなか難しいのではないかというふうに思っているところでありますけれども、それまでの間のいろんな政治活動などにおいては、公務最優先という大原則のもとで、信頼関係を重んじた対応をしていきたいと思います。
スケジュールのことなどもありますので、個々個別ということになろうかと思いますけどね。
(高橋:高知新聞記者)
公立大学法人の件ですが、南先生を選ばれた理由について、もう少し詳しくお願いしたいんですが。
(知事)
本県出身者で県立大学の卒業生であり、教員でもあられた方で、本県の高等教育というものに大変な熱意をお持ちの方であるという点がまず第一ですね。
そのうえで、(二点目として)大学のトップとしての豊富な経験をお持ちということ。それと実績をお持ちということ。これも非常に大きな要素だと思っています。
そして、三点目としまして、看護の分野で、日本だけでなく世界のトップとして活躍されたわけですよね。世界的な規模のご見識というのを是非、本県で生かしてていただきたいなということを強く思いました。
(大蔦:朝日新聞記者)
龍馬ふるさと博の件でお伺いしたいんですが、メイン会場がオープンするのは7月だと思うんですけど、それまでの間に、中だるみするんじゃないかという声もあるかと思うんですが、それに対してはどういうふうに県としてはやっていくというふうに、今、考えていらっしゃいますか。
(知事)
そこのところは、確かにポイントだというふうに思っていまして、例えば、坂本龍馬記念館のリニューアルでありますとか、歴史民族資料館でのインパクトや魅力あるイベントというものを3月、4月、5月にもってくるように心がけているところなんですけども。
ここのところのしっかりとしたPR、営業活動というものが重要だと思ってます。今、営業を行っていくうえにあたってのウエイトという点においては、7月前にこういう、いかに魅力があるんだということを訴えていくような作戦というのを今、とろうとしているところです。そこのところは3月から6月にかけてのそれぞれ、例えば、坂本龍馬記念館がこういうふうにリニューアルされましたよとかいうようなことについて、よく対応を練って、訴えていきたいと考えていますね。
あとは特に、3月のオープニング前後、例えば、「土佐の『おきゃく』」もあります。そういう関連の中で、何か魅力的な対策なんかがとれないかなという最終的な検討を進めているという段階です。
(半田:高知新聞記者)
さっきの幹事社質問のところで、統一地方選のからみなんですが、知事ご自身、個別の県議会議員さんの県政報告会に出られているのも何度かお見掛けしたんですけども、ああいうのは、いわゆる線引きといいますか、どうなんでしょう。そこは頼まれれば行くというスタンスですか
(知事)
(加えて)もう一つは、スケジュールが合うか、という話がありますよね。それから、どうしても選挙区事情は考慮せざるを得ないというところはあるというふうに思っていますけど。
例えば、私にとって与党でいていただける(2人の)方が、ともに候補になっておられて、かつ定員がそれよりも少ない場合とかっていうことになってくれば、それは、私としても配慮せざるを得ないとかいうことを個々個別に考えながら。いずれにしても、それも信頼関係を第一にすることがベースにあると思っていますので、それを基本原則として個々個別のケースをそういうかたちで判断させていただいておるということでございます。
(半田:高知新聞記者)
ちょっと全部確認したわけじゃないんですけど、議員さん個別のパンフレットなんかにですね、知事と握手をされている写真だとか。それに対して二元代表制のもとなんですけども、そのへんのためらいとか逡巡する部分とか、そのへんを知事のご自身の中には、政治家としてはないんですか。
(知事)
私は、二元代表制というのは、この何といいますか、もちろん厳しい緊張感のもとにお互いで議論をしていくということだと思います。そういうことが基本にあると思っていますし、その中において特に必要なことは、県民生活の向上のためにどうあるべきかという政策論議というのを中心に据えていくべきだと思っているんですよ。
でありますから、全然関係を断ち切らないといけないとかというふうには思いません。むしろ、活発にコミュニケーションしていく中で、より深い議論ができることはあるんだというふうに、いつも思っているところです。
私はいつも、いかに政策論議を深めるかということを基本にいろいろ考えているつもりですし、例えば、議会への提案説明も、いつも長いと怒られますけど、できるだけこっちから詳しくご説明することで、議論の発射台を高めていきたいとか、そういう配慮で行ったりしています。日頃からいろんなかたちで、フランクなかたちでお話しなどさせていただいたりしていますのも、政策論議を深めることにつながっていっているんだろうというふうに思っているところです。
根本のところに緊張感という、お互い、二元代表制のもとでの緊張感というのをもちながら、政策論議を深めさせていただくために必要な人間関係、これは大事にしていきたいと思いますね。
(半田:高知新聞記者)
屁理屈の部分になるんですけども、我々も使ってきたんですけども、今さっき知事の「県政与党」という言葉が出ましたけれど、知事の認識としては、県政与党というのはですね、屁理屈で申し訳ないんですけど、どういうところが県政与党(となりますか)。選挙で支持したところが県政与党ですか。
(知事)
まずは一番に選挙の時というのは、大きいというふうに思いますけど、あとは基本的に、その政策論議を行っていくにあたって、基本的には、尾﨑県政の方向感というのを今までの間において支持してくださった、ということじゃないかと思いますね。
ここから先についてどうかと言えば、もちろん基本的には、支持していこうということをベースにしていただくということが一番大きいと思っていますが、だからといって個々個別の事項について、何が何でも無条件でということにはならないと思いますし、現実にそうもなってないというふうに思いますね。非常に厳しいご指摘をいただくこともあるし。
むしろ、与党から非常に厳しいご指摘をいただいてきたことなんていうのもたくさんあるんじゃないですかね。例えば、アンテナショップなんか、大変厳しくご指摘をいただいたりもしていますしね。そういうことだというふうに思ってますけど。
(半田:高知新聞記者)
繰り返しになるかもしれませんけど、県議選での知事の対応ですか、マイクを握るというような、そういうような支援活動、そういう具体的なのものは(どうですか)。
(知事)
選挙期間中の選挙活動ということであれば、今の段階では基本的にないと思いますね。、
(亀岡:朝日新聞記者)
県政与党という意味でいうと、現職の方については、これまでの経緯の中で一定の判断ができるかと思いますけども、新しくお立ちになる方についてですね、そこの判断基準というのはどういうふうにお考えでしょうか。
(知事)
そこもいろいろ個々個別に考えないといけないところはあると思ってますね。
(亀岡:朝日新聞記者)
人によっては、それこそいろんなリーフレットに知事のお名前を載せておられるところもございますよね。そういうところのご判断は個別にいろいろやりくりしていくわけですか。
(知事)
選挙区ごとに考えないといけないと思っています。
(澤本:読売新聞記者)
この間、環境大臣が来られましたけど、今も新エネルギーの話をしてますけど、どういうことを国には要望されたんですか。
(知事)
まずは、木質バイオマスの取り組みを本格的に本県では、進めていきますからということを環境省全体に認識してもらいたかったというのが、まず第一です。ですから、梼原にも行かれて工場なんかもご覧になられたようですが、私のほうからも県の施策として、この点を大いに進めていきたいと考えているという話を申し上げました。
ただ、まだまだビジネスモデルが十分確立できてないようなところもあったりするので、それをしっかり検討しないといけないんです、と。そのために、ビジネスモデルの確立のために後押しとなるようないろいろな施策について、是非今後も継続してもらいたいという話をしました。
一つは、ボイラーの購入などについて、今、グリーンニューディール基金みたいなのがありますけど、ああいうような類似の施策というのを是非続けてもらいたいという話と、もう一つはちょっとテクニカルになりますけど、燃焼灰の処理ですね。チップを燃やしたあとに灰が出ます。あれが今、産業廃棄物なんですね。処理がなかなか大変なところがあって、それはコスト高の原因の一つになったりしているわけであります。例えば、この問題の処理の仕方について、もう少し科学的な知見に基づきつつ、より柔軟な対応ができないかとかいうことを、昼食の時などを交えてお話をさせていただいたというところです。
(高橋:高知新聞記者)
県立図書館に関してですが、検討委員会のほうでは、両論併記の方向になりそうなんですが、合築が良いとか悪いとか判断しないという考えなんですが、それでも合築の方向で一応、県市トップが基本的には合意していますので、その方向で進めるというお考えに変わりがないのかということと、それが多分、来年度の予算にも関係してくると思うので、そのへんの影響というのはあるのかないのか、お願いしたいんですが。
(知事)
先ほど申し上げましたように、基本的に、検討委員会の議論に私からあまり注文をつけるようなかたちになってはいけないので、ちょっと発言を気をつけていかないといけないなと思ってるんですが。
まず、教育委員会の意向について、ちょっと(今日の幹事社の)ご質問も出ていたので、聞いてみましたけど。やはり、教育委員会としては一定の見解は出してもらいたいということだということでありまして、そういうかたちで検討をお願いしていきたいというふうに意向を持ってるというふうに伺いましたところです。
あえて聞かれたから言わせていただければ、一定の見解というのもいろいろあると思うんですよ。例えば、「合築のほうが優れている」という見解もありますでしょうね。だけど、「合築でもできる」という見解もありますでしょうね。さらに「あわせていろいろとこういう点について留意してもらわなければならん」とかいう注文事項がダアーッとついてくるというような見解というのもありますでしょうね。
そこのところは、ふわふわして、一体どっちがどっちなのかわからないということよりも、やはり、一定の今後の図書館のあり方について方向性を示す。しかしいろいろご注文もつけられるというようなかたちで、示唆に富んだものになっていただきたいというふうに思ってますし、現実にそういう方向で議論が進んで、示唆に富むご議論をいただいてるんじゃないのかなというふうに思っているところですね。
一番に考えなければならないのは、予算についてどうするかという話なんですけれど、今日、臨時の総務委員会があります。そこでいろいろご議論があるということと、あわせまして、今度、中間報告について、もう1回検討委員会でご議論いただくことになってくるんだろうと思いますけど、そういうご議論を踏まえて最終的な判断というのをしなければならんなというふうに思っているところです。
(井澗:NHK記者)
週末、宮崎県で鳥インフルエンザが、相次いで発生しましたが、野鳥が日本に(飛んで)来ていることもあって全国各地で確認されていますが、これに対する県の対応、また、知事の対応の意気込みをお伺いできたらと思いますが。
(知事)
宮崎県は、本当にこの鳥インフルエンザで大変だなと思うんですよ。口蹄疫があって鳥インフルエンザがあって、もう本当に大変だと思います。そういう中で本県として、まず高知県をこの鳥インフルエンザからしっかり守っていくということは非常に重要だと思っています。
既に、1月22日くらいにも、さらに追加的に施策として行ってるんですけど、とにかく、たくさん鳥を飼っておられるところについての警戒。それから、ちょっとしか飼っていない、数が少ないところ。例えば、学校で飼っているなんていうのもありますじゃないですか。そういうようなところについても、みんなで一斉に呼びかけをしていくことでもって、異常が発見されたらすぐ通知してもらうということを徹底して、お願いしているところです。初期防疫というのが非常に重要になってきますので、それに対処するということです。
昨日、庁議でも指示しましたけど、いつ起こってもおかしくないぐらいのつもりでもって、多くの関係者の方々に対して、警戒を呼びかけるようにということを徹底しているところです。
そういうことで、昨日、防疫会議も開催しまして、皆さんにお願いをしたところでございますけれども、それもその対策の一環ということですね。とにかく徹底して警戒をしていって、起こりましたら、すぐ対応するという体制、準備は整えていますので、まず、早期に発見をする、発見したら速やかに対応するための体制を万全に、さらに練度を上げていく。今、そういう状況でございます。
(田中:高知放送記者)
今月ですね、高知市で親が逮捕されるという虐待事件が起きましたけれども、今回の児童相談所の対応は素早かったというふうな、それで最悪の結果というのは免れたと評価されていると思いますが、知事は南国市の虐待事件以降のですね、児童相談所の対応、また、県民の協力などをどう評価されているのか。また、これ以上、虐待事件とかを、さらに減らしていくためにどういった対応策というのを考えられているのか、そこらへんを聞かせてください。
(知事)
3年前、かわいそうな事件が起きましたからね。本当にあれ以来、あの事件を本当に反省して、児童相談所におきます体制のあり方について、何よりもいろんな事案に対してどう対処すべきなのかということについて徹底して検証してきたところでございます。
そういう中でいろいろな、例えば、親権と子どもの人権とのぶつかりあいなんていうのも出てくるだろうと。そういう中においては、まずは、子どもの身体生命の保護というのを最優先にするんだというような、手順などを決めて対応するというのを図ってきました。
さらに、それぞれの児童相談所におきます、それぞれの体制、今、抱えておるいろんなケースについて、必ず定期的に洗い直しをして、対応漏れとかいうことが間違ってもないように徹底しようという取り組みを進めてきました。
さらにもう一つは、地域の民生委員の皆さんとか、多くの皆さん方のご協力も得て、例えば、学校とその民生委員さんと児童相談所と、場合によったら警察と、こういう関係の皆さんとの連携、ネットワークを強化しようということを徹底して取り組んできました。それに加えて先ほど申し上げた3つの具体的な取り組み方についての見直しということを徹底をしてきたわけでございますけれど、本当にこの3年間、こういう取り組みが段々、段々徹底をされてきて、その結果が今回の対応につながったのではないのかなというふうに思っています。
この虐待の通告件数、非常に増えておりまして、今児童相談所の職員も大変、苦労しておりますけど、本当によくやってくれているというふうに思っているところです。大変な身体的、精神的プレッシャーなんだろうというふうに思うんですが、その中でよく頑張ってくれているなと思っているところです。
あわせまして、何よりも、今回のケースについて言えば、先生方のほうからお話があって、それが速やかな対応に繋がったということですよね。こちらについてもいろんな方の目で、子どもたちを見守るということが、今回はできたケースだったんじゃないのかなというふうに思ってまして、その点も良かったなと思っています。
何よりも、根本的に、それぞれの対処というのが良かったと思うんですが、今後も続けていかないといけません。ずっと続いていくことですから続けていかないければならないと思いますが、ただ、もう一つは、何と言いましても、虐待が起きてくる背景に、思いは馳せなければといけないと思うのでありまして、経済的に厳しいということもあるわけで、だから、一生懸命こうやって、職をつくるために産業振興計画をやったりとか、必死になって取り組みを進めているところですし、企業誘致だって何だって必死にやろうとしているところですし、やらなきゃいかんというふうに思っているところですけどね。
あわせまして、もう一つは、子どもを育てておられる若い両親といいますか親御さん達の世代の方々、今、親育ち支援策というのを一生懸命やってるんですけど、この親育ち支援策とかこういうことをやっていくことによって、育てる方々に対していろいろと精神的なサポートをしていくことでありますとか、さらには、そもそも支え合いの力が弱まっているという中で、皆で支え合って子育てをしていくような、あったかふれあいセンターなんかもその取り組みの一つだと思うんですけど、そういう取り組みということも総合的に講じていかなければならんだろうなと思ってますけどね。
(杉本:テレビ高知記者)
子ども手当の地方負担の件で、神奈川県横浜市とか一部で予算計上を拒否するような発言をする自治体の首長さんも出てきていますけども、こうした動きについての知事のお考えについてお聞かせいただけますでしょうか。
(知事)
このあいだ申し上げましたけどね、私はこれ、残念ながら私たちとしては、地方の自治体としての主張というのが通ってないとは思っているんですが、ただ、だからといって、これはやはり中央政府と地方自治体との間でしっかりと政策論議をして、結果を出していくべきことだと思うんです。これを政策が最終的に国会で承認をされるということになりましたら、それは、私達としてその結果には従わなければはならないというふうに思っています。
地域によって出たり出なかったりということ、これは、私は望ましくないんじゃないかと。むしろ、県民、国民の皆さんからみれば、「いや、そういう問題は、あなた達行政担当者、政治家の中でまず決着をつけてくれよ」という話になるんだろうと思うんですよね。だから私は、それは国会で最終的に決まれば、それは地方負担もしなければならんと、そのように思っています。
(中村課長補佐)
それでは、以上で記者会見を終了します。
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