公開日 2019年05月07日
〔平成31年4月1日(月曜日) 正庁ホール〕
(はじめに)
平成31年度、そして、この5月1日からは令和元年ということになりますが、新年度を迎えるにあたりまして、私から皆様方に少しお話をさせていただきたいと思います。
本日4月1日より新たに所属長に就任された皆さんもおいでになることと思います。また、県内外から新たにこの高知県庁に加わっていただいた方もたくさんおいでになります。皆々様方にぜひ、新年度においてお願いしたいことについて、私からお話をさせていただきます。
(仕事に当たって各部局で共通認識としていただきたい点)
この新年度は、私にとりましては3期目の最後の年度ということになります。そして、様々な計画、産業振興計画にしましても、日本一の健康長寿県構想にしましても、3期目の最終年度であり、その目標が達成できるかどうかに関わる年ということになります。
(経済の活性化(産業振興計画))
産業振興計画については、地産外商の取組を地域地域でさらに展開をし、新たな事業を担う人々を県外から連れてくる。地産外商×(掛ける)移住促進の取組を地域地域で展開をしていくことを通じて、中山間地域の過疎化の解消にぜひつなげていきたい。地産外商をさらに進めていくためにも、人手不足の解消に、より力を入れて取り組み、併せて、新たな付加価値の創造を促すためにも、新たな知恵や技術を県内外から生み出してくる。付加価値の創造の場を多く持つように努める。そういう取組を進めていくことになろうかと思います。
(日本一の健康長寿県づくり)
日本一の健康長寿県構想についても、これまでそれぞれ点として取り組んできた取組について、ネットワークを作っていく。そのことが非常に大事になってきます。あったかふれあいセンター、さらには集落活動センターの取組もあろうかと思います。訪問看護や訪問介護の取組等々、それぞれはまだ点であった。しかし、これをネットワークとしてつなげていくことで、高知ならではの地域包括ケアシステムを作り上げていこうとする。高知版のネウボラを作り上げていこうとする。これが、新年度において、日本一の健康長寿県構想の目指すところになります。
(教育の充実)
教育の充実については、教育力を向上させていくためにも、関係者がチームとなって組織力を発揮できるような教育改革を目指してきました。一言でいえば「チーム学校」ということでありますが、このことについて、保育園、幼稚園から高等学校に至るまで、より徹底をしていこう、このことが新年度における教育改革のテーマだと思います。
(南海トラフ地震対策、インフラの充実と有効活用)
南海トラフ地震対策について、そして、インフラ整備について、真に人の命を守るために、より困難な施策に、より長い時間軸をとって挑戦していこうとすることが本年度のテーマになります。要配慮者の個別支援計画を作っていくこと、さらには、応急期の対策について、より本格化させていくことなどがこれに当たると思います。
(文化芸術とスポーツの振興)
さらに、文化の振興やスポーツの振興など、それぞれ県民の皆様の自己実現を促していけるような施策展開を図っていくということになります。
(関係者間でのベクトルの共有)
先ほど私が申し上げたように、それぞれの政策群そのものは何百、何千という政策の大きな体系でありますが、その目指そうとすることは全て本当にシンプルな言葉で言い表すことのできるものだと思っています。地産外商×(掛ける)移住促進、そして、そのために新たな技術と地場産業を掛け合わせるということです。ぜひ、それぞれ基本的な方向性というのをしっかり踏まえさせていただいて、お互い関係者の間でベクトルを共有して、取組をぜひ進めさせていただければと思います。長寿県構想しかり、教育改革しかり、南海トラフ地震対策しかり、全てにおいて、そのとおりであります。この4月に、例えば、産業振興計画であれば2日間かけて本部会議を開催する予定としていますけれども、それぞれ本部会議を開催させていただく中において、より詳細な点においてベクトル合わせをさせていただいて、ともに手戻りなく仕事が進んでいくようにさせていただければと思う次第です。
(仕事に当たっての基本的な姿勢)
毎回繰り返していることでありますけれども、新しく所属長になられた方もおいでますので、ぜひとも、この際、皆様方にお願いしたい5つの基本姿勢について、改めてお話を申し上げたいと思います。
(課題に対して正面から取り組む)
第1点目、課題に正面から取り組むということであります。課題に正面から取り組むことなくして、何もスタートすることはないと思います。ぜひ、この点を徹底をしていただきたいと思います。課題に正面から取り組もうとするとき、必ずや、いや今現在は答えがないとか、そう簡単にはうまくいかないとか、失敗するかもしれないとか、いろんな心配があろうことかと思いますけれども、それでも構いません。今、答えがなくてもかまいませんから、課題に正面から向き合って、そして実行を始めていただきたいと思います。ぜひ、思い起こしていただきたいと思いますけれども、これまでいろんな政策展開をしてきて、初めから、スタートしたその時から先々まで完全に見通せていたものなど、ほとんどないのではないかと思います。中山間地域で福祉の拠点を作ろうとすることなど無理だと。そんなことは簡単なことではない、制度にも乗らない、そう思って何もしなければ、現在250に及ぶ、あったかふれあいセンターのネットワークは、高知県の中にはなかったでしょう。うまくいかないかもしれないけれども、あのときに多くの皆さんが勇気を絞って、あったかふれあいセンターなるものを作ろうとして、スタートをしたことが全てのスタートだと思います。県庁が、県外への売り込みのお手伝いをするなどと言っても、うまくいくかどうか分からないし、失敗したらどれだけ批判を受けるか分からない。このことは最初、産業振興計画を作り始めたとき、私は当時の人から盛んに言われたことです。しかしながら、現在、県庁が地産外商のお手伝いをするということについて、おそらく疑問を持たれる方は少ないだろうと思います。しかしながら、最初は全て手探りだった。アンテナショップを立ち上げる時もそうだった。しかしながら、試行錯誤を重ねていく中において、時には失敗もすることもありましたけれども、様々な皆さん方の知恵が重なり合って、今、大きな政策体系となってきています。
県民の皆様の声に耳を傾ける。さらに、それぞれの政策を真剣に実行していく。その中において、必ず課題が見えてくる。その課題から決して逃げないでいただいて、その課題に対して正面から取り組む。決して、まだ政策体系として出来上がってなくてもいいので、まずはここから始めたいという姿勢で構いません。ぜひとも、そういう取組、そういう姿勢でスタートしていただければと思う次第です。例えば、起業をされている方ならよくお分かりになろうかと思いますが、変化の激しい時代において、今いろんな民間の経営方針においても、こういう姿勢がだんだん増えてきている。ニーズを捉えて、そのニーズに対応できるように事業をスタートする。始めから全て完全な計画を立てて、そうでなければスタートできないというのではなく、とりあえず、暫定的にでもスタートしていきながら改善を重ねて、それを練り上げていこう。これは、リーンスタートアップという言い方をします。もう随分前から言われていることでありますけれども、民間などでも十分取り入れられている考えだと私は思っています。政策においても十分言えることだと、随分前から思っていました。ぜひ、そういう姿勢でお願いしたいと思います。目の前に課題があるのに、それに向き合わない不誠実な対応を決してとらないように。県民の皆様のために、まずは我々が正面から向き合うということが大事です。その点、まずどうぞよろしくお願いいたします。実際、ほとんどの皆さんは一生懸命勇気を持って向き合っていただいていますけどね。引き続き、そういう形でよろしくお願いをいたします。
(創造性の発揮)
2点目、創造性を発揮するということであります。高知県は課題先進県ですから、決して、その解決策が事前にあることなど、ほとんどありません。先ほどの話にも関連することであります。先例がないからやりません、などと言っては何もできなくなってしまいます。そんなことは決してない。ぜひ、新たな取組にチャレンジをしていただきたい。創造性を発揮して、自分たちで道を切り開いていく。そういうつもりで頑張っていただきたいと思います。この点については今までもずっと繰り返し言ってきたことですが、今年度は皆さんにお願いをしたいことがあります。ぜひ、大きな時代の流れを見て、その時代の流れをつかんで、その時代の流れの先を行く。そして、その時代の流れを味方に付けるような政策展開というのを心がけていただきたいということです。時代の流れをつかみ、その先を行く創造性を発揮するということ。このことをぜひ心がけていただければと思います。特に、産業振興部局の皆さん、今年は特に1+4ということで、検討を重ねていただきました。最終年度で留まるものではなく、その先の4年間も見渡した形での政策展開を考えてほしいという話を盛んに申し上げました。当時から言っていましたけれども、その心はこういうことです。
時代の流れを味方に付けられるかどうかという点において、戦後、高知県は大変忸怩(じくじ)たる思いをした。薩長土肥の一角であった高知県は、第一次産業革命ぐらいまでは、本当に時代の先端をいった県でありました。水力発電を真っ先に取り入れて、軽工業化をどんどん進めた結果、高知県にはあちこちに大型の紡績工場がありました。しかしながら太平洋ベルト地帯構想が出てきて、戦後の重化学工業政策というものが全国で展開をされていった頃、残念ながら高知県はその時代の流れについていけなかった。関連の地域がどんどん工業化していく中で、高知県はその流れに取り残されることとなっていきます。時代の流れに乗ることができなかったということは、それだけ大きなインパクトをもたらすんだと思います。香川も愛媛も太平洋ベルト地帯構想に乗った。徳島も新産業都市構想という形で、その流れに乗ることができた。残念ながら、高知県はその流れに乗ることができなかった。ゆえに、高知県は圧倒的に他の3県に比べて工業力は弱い。そういう県になりました。今や逆に、コンビナートがなくて、自然海岸が残る海がたくさんあること、多くの美しい河川が残っていることを生かして、この持てる強みを生かして新たな地産外商を展開しようと、そういう努力をしています。無いものねだりをするのではなくて、持てる強みを生かす。それが大事だと思いますが、その持てる強みを生かすにあたっては、この時代の流れを今度は我々の味方に付けられるような仕事をぜひしていくことができればと思います。
時代の流れとは何か。私は大きく三つだと思っています。
第1点目、国内の人口は当面の間、減り続けます。高知県の人口も、まもなく70万人を切るでしょう。東京も2020年代半ばには人口減少時代に突入していきます。昭和50年代頃から高知県は、そして日本全体としても親の世代の数より、子供の世代の数の方が少ないという時代がもう何十年も続いてきました。その結果として現在、高齢世帯の方が子育て世帯よりも圧倒的に、約2倍ぐらい多いという構成になっています。その間、当面の間、絶対的に人口が減っていくということは避けられません。これは日本、そして高知県もそうでありますけれども、当面避けることのできない情勢だろうと思います。このことを前提として、私たちは様々なことを考えないといけない。だから、地産外商なのであり、さらにもっと言えば、今年度の予算編成においてかなり明確にしていますけれども、行財政改革、特に行政改革については、この人口減少時代に合わせて、市町村も含めて一定のダウンサイジングや共同化などについて、今後考えていかなければならないのだろうと思います。ただ、他方でこの人口動態ということからいけば、世界は人口が急増する時代になる。世界全体を見れば人口が急増し、そして経済的にも急激に豊かになる。そういう時代が来るはずです。そういう中にあって高知県はどうなのか。ぜひとも、県内のマーケットに閉じこもることなく、地産外商の取組を県外に、そして、この急増するマーケットに対応できるように、我々は輸出やインバウンドなどにこれまで以上に取り組んでいかなくてはなりません。さらに言えば、なぜ今世界で、全国でSDGsと盛んに言われるようになったのか。東京に行けば多くの経済人の皆さんは、SDGsのバッジを当たり前のように付ける時代になった。人口が急増して、急激に経済的にも豊かになっていく中で、地球そのものの持続可能性が本格的に、本当に大丈夫なのかというふうに、みんなが心配し始める時代が来つつあるということです。そういう中にあって、超高効率の農業とか、木を生かした産業化だとか、さらには防災の視点もそうだろうと思いますけれども、私たちが持てる技術、私たちが持てる強みが、世界の持続可能な発展ということに貢献できる分野はたくさんあるはずだと思います。国内においては、人口減少を前提としつつも、世界においては、そういう情勢だということを踏まえて、その中で何が必要とされるのか、その中で高知県は何ができるか、何に貢献できるか、考えてみればいくらでもあるはず。その流れを捉えて、我々は、その流れに乗って、もっと言うと流れの先を行くような、様々な展開をぜひ考えていただきたいものだと思います。
2点目、言うまでもありませんが、今言ったことと明確にリンクする話でありますが、グローバル化はもっともっと進むでしょう。世界の距離はますます近くなっていく。ですから、輸出なんて高知みたいなところこそ、必死になってやらなければならない。高知の田舎であるからこそやらなければならないと思います。そして、人手不足が進んでいく中で、これから外国人の皆様を受け入れていく、そういう時代が来るでしょう。そういう中において、どうやって共生社会を作り上げていくか。そういうことも身近なアジェンダになっていくんだろうと思います。現実に、入管法の改正も本日から施行されていくことになる。新たな時代づくりを考えていくことが大事だろうと思います。
そして3点目でありますが、デジタル化の流れというのは、さらに急激に進展をしていくだろうと思います。これがどれだけ世の中を変えるかということについて、今日、新たに採用された皆様方にもお話をしたことでありましたが、私が社会人になったのは、公務員になったのは平成3年でした。そのときは、主として使っていた機器というのはワープロだった。まだ表計算ソフトも十分なく、多くの予算書を作っていくための計算も全部電卓でやっていました。十何時間かけて、腱鞘炎を起こすぐらい計算し続けて。でもそのような計算は表計算ソフトにより、今や5分でやります。高知県庁もそうだったと思いますけど、平成3年頃、フロアに1台ワープロがあるかないかだっただろうと思います。でも、今や1人に1台あるのは当たり前で、さらにその機械もワープロどころか、世界にネットワークとしてつながって、瞬時に何でも調べることができて、さらに言えば、当時の機械よりもはるかに性能のいいものを皆さん1人1人が持っていることだろうと思います。
我々の公務の職場だけ見ても、どれだけ世の中が変わったか。この変化が日本中、あらゆる生活の側面において起こっているということを踏まえて対応しなければならないだろうと思います。そして、それに対して対応できるかできないかで、時代の流れに乗れるのか乗れないのかが決まる。本当にそうなんだと私は思っています。名だたる大企業があっという間に新興企業によって駆逐をされる。そういうことが当たり前のように起きています。営業の仕方だって根本的に変わってきた。1人1人に対して、どのような形で営業できるか。そういう時代になってきている。一定のカテゴリーに分けて、一定の対象層に向けて、一定のマスに向けて対応していくようなマーケティングでは、もうなくなってきつつある。1人1人の嗜好に合わせたマーケティングというものが、現実に可能な時代になってきている。いろんな形で世の中は変わっています。この流れに対応できなければならない。行政分野だけこれに関係ないなどと言っていられるわけがない。我々の行政分野も、このデジタル技術を生かして、大いにさらに効率化していかなくてはなりません。さらに言えば、この技術を生かすことで、高知県のいろんな不利・不便を克服することができるだろう。もっと言えば、私たちが持てる強みを世界にも通用する形で、はるかに強固なものにすることができるだろうと思います。過疎化が進み小規模な学校のため、残念ながら高知市にある大規模校ほど十分な教育を施すことができない、などということは決してなくなる。遠隔教育を徹底することで、高知県の一流の先生方の授業を、高知県内どこにいても受けられるようにしよう。今、そういうプロジェクトをスタートしようとしているところであります。
高知県の地場産業×(掛ける)デジタル技術によって、今、生産性がダントツで日本一の高知県の園芸農業をさらに強くすることができる。そのシステムを早期に開発することができれば、先ほど言った世界の食糧問題、そういうものに真っ先に解決策を提示することのできる県になるかもしれない。そうすれば、私たち高知県は、世界に園芸農業を輸出することができる、大きな時代の流れに乗った県になっていくことができるかもしれない。そういうことを、ぜひ皆さんとともに考えさせていただければと本当に思っています。デジタル技術×(掛ける)地場産業、デジタル技術×(掛ける)様々な課題、それによって私たちは新しい解決策を生み出し、付加価値を生み出して地産外商につなげ、さらに言えば、それを通じて県民の皆様方の暮らしを守り、教育を充実させ、文化を向上させる。そういう取組をぜひ行わさせていただければと思います。
そういうことでこの半年位、多くの皆様と議論をしてきたはずであって、産業振興計画も基本的にはそういうコンセプトになっています。教育もそういうものを大いに取り入れようという方向になってきています。南海トラフ地震対策もそういう方向でいけないか。長寿県構想においてもネットワーク化においてその力を大いに借りようという方向になってきていると思っています。今やもう当たり前のことなのであって、ぜひ、皆さんとともにこういう時代の流れを取り入れていけるよう、頑張れればと思う次第です。
(全国区の視点を持って政策展開を図る)
大きく3点目。いつも言っていることではありますが、それぞれの政策分野において、全国区の視点を持って、全国区のネットワークの中に、ぜひ身を置くように心がけていただきたいと思います。大きな時代の流れを味方に付けたい。そう思うのであれば、高知の中だけに閉じこもっていいわけがないのであって、ぜひ、全国区のネットワークの中に身を置いて、日本最先端の動きの中に身を置くようにしていただきたいと思います。高知なんで全国で流行ってることなんて、1番最後に導入するのが当たり前なんていう、そんな思い込みをしないように。高知だからこそ、全国で流行り始めたことなどについて、真っ先に取り入れようとするぐらいのつもりでちょうどいいと私は思っています。現実に、皆さんそうしてきていただいているんだと思います。
農業について、Next次世代型、これは日本最先端、日本でも最高級の研究機関とタイアップして仕事をしていくこととなります。林業についても、隈先生に校長先生になっていただいたり、さらに言えば、CLT首長連合をつくったり、いろんな形で全国ネットワークの中に身を置こうとしています。東京の経済同友会ともタイアップして、全国の流れをつくり出そうとしています。水産分野においても、高知家の魚応援の店ということで、東京や大阪の一流のシェフの皆さんたちとのネットワークづくりに努めてきたところであって、南海トラフ地震対策も10県知事会議をつくり、政府の様々な懇談会の委員になって、全国の政策形成に影響を与えるべく努力をしてきました。教育分野においても、教育再生実行会議の取組というものがあって、全国ネットワークと様々にタイアップをし、全国から様々なアドバイザーを受け入れてきたところであります。そして、日本一の健康長寿県構想においても、特に去年からは全国知事会の社会保障常任委員長の県として、全国の様々なネットワークの中で仕事をするように努めてきたところであって、インフラ整備も全高速の会長として全国の皆様とともに、いろいろと仕事を進めてきました。私が委員になっていたり、私が長だったりしてはいますが、要するに、これは高知県庁が全国のネットワークの中で仕事をしているということを意味します。私はその一代表として仕事をしているに過ぎない。時代の流れを味方に付ける、そのことを目指すのであれば、こういう全国ネットワークを自分たちの身近に引き込んでくるということをぜひ考えていただきたいと思います。近年、全く新しい政策分野である、スポーツの分野においては、全国からもアドバイザーの皆さんに来ていただきましたよね。ぜひぜひいろんな意味で、その流れをつかむためにも、その点に気を付けていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
(官民協働、市町村政との連携協調)
以上が特に申し上げたかった点です。4点目、毎年言っています、官民協働、市町村政との連携協調をぜひ重視して仕事をしてまいりましょう。官民協働であるためにも、県民の皆様の声を聞かなくてはならない。県民の皆様と対話をしなくてはならない。県民の皆様と対話をするためにも、自分の言葉で県民の皆様に何をしようとしているかを説明できなければなりません。最初の頃はいいですけど、ある程度からは会議において手板を読まないように。手板を読んでいるようではいつまでたっても自分のものにはならない。ぜひ、所属長の皆さんは、その点をよろしくお願い申し上げたいと思います。
(心身の健康に留意し公務能率の向上を図る)
そして5点目、大変大事なことでありますが、職員の心身の健康にぜひ留意していただきたいと思います。どういう目的で仕事をしようとしているのか、そして、その目的を達するための手順はどういうことなのかということについて、ぜひ所属の1人1人に徹底をしていただきたいと思います。皆様に辞令交付を、特に新任の方に辞令交付をしたときにも、この点は強く申し上げました。どういう意義のある仕事を、どういう手順でやって、どういうところまでいけば達成できるのかということが分かっていれば、本当に意識高くみんな仕事をすることができるだろうと思います。逆に言えば、どういう意味があるか分からない仕事を、いつまで続くか分からない厳しさの中で、延々とだらだら続けているというぐらいモチベーションが下がるものはないだろうと思います。どういう意義のある仕事を、どういう手順で行おうとしていっているのか。このことを所属1人1人に徹底していただきたいと思います。
(おわりに)
まず、課題に正面から向き合う。そして、2点目、創造性を発揮する。その際、ぜひ時代の流れを味方につけるように。3点目、全国区のネットワークに身を置く。4点目、官民協働、市町村政との連携協調を重視する。そして5点目、職員の心身の健康に留意する。この5点を引き続き、皆さんよろしくお願いいたします。同じことを言っていますけど、例はどんどん変わっています。当たり前ですけど。ただ、逆に言えば、この姿勢そのものは同じです。繰り返し繰り返し皆様方も所属の皆さんに徹底をしていただければと思います。
そして、いつものことでありますが、悪い話ほど私のところに早く上げてきてください。私に言いにくければ副知事のところに、できるだけ早く上げてきてください。いい話は後でかまいませんから、悪い話ほど早く上げていただきたいと思います。それが県民の皆様に対する誠意であります。ぜひ、その点は引き続き徹底をしてください。随分、徹底をしていただくようになりました。ただ、悪い話を私とか副知事のところに上げてきてもらえるようになるためにも、皆さんのところに、部下の皆さんから、悪い話が速やかに上がってくる体制をつくるということが大事だろうと思います。ぜひ、その点も引き続き徹底をしてください。
(結び)
新年度もぜひ皆様と共に、県勢浮揚を目指して頑張らせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。