7−5 育児休業

公開日 2022年05月17日

【相談内容】 (高知県労働委員会)


 私は、従業員数人の小さな会社で働いています。現在妊娠中で、育児休業を取得し、この会社で働き続けたいと思っているのですが、社長からは、産前・産後休業は認めるが、就業規則に規定がないので育児休業は認められない、嫌なら辞めるよう言われています。どうしたらいいでしょう。
 

【お答え】


 
 育児休業は、労働者が原則として1歳に満たない子を養育するための休業をいい、事業主に申し出ることにより取得することができるものです(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第5条第1項)。 申出があれば事業主は拒むことはできないため(同法第6条第1項)、小規模な会社であっても、就業規則に規定がなくても、育児休業を取得することができます。
 両親がともに育児休業をするなど一定の要件を満たす場合は、子が1歳2か月になるまで育児休業期間を延長できます(ただし、育児休業を取得できる日数(女性の場合は、産後休業と育児休業を合計した日数)はそれぞれ1年間が限度です。)(同法第9条の2)。
 また、子が1歳になる時点で、保育所に入所できないなどの一定の要件を満たす場合は、子が1歳6か月になるまでの間、育児休業期間を延長することができます(同法第5条第3項)。さらに、子が1歳6か月になる時点で、同様の要件を満たす場合は、子が2歳になるまでの間、育児休業期間を延長することができます(同法第5条第4項)。
 育児休業は、雇用期間に定めのない労働者だけではなく、雇用期間に定めのある労働者でも、子が1歳6か月(2歳まで延長する場合は、2歳)になるまでの間に雇用契約が満了することが明らかでない場合は、同様に取得できます(同法第5条第1項ただし書・第5項)。ただし、事業主に引き続き雇用された期間が1年未満である労働者等について、育児休業をすることができないものとして労使協定が締結されている場合は、育児休業をすることができません(同法第6条第1項ただし書)。
 事業主は、労働者が育児休業の申出をしたことや、育児休業を取得したこと、妊娠・出産の申出をしたことを理由に、解雇など不利益な取扱いをしてはならないことが定められています(同法第10条及び第21条第2項)。さらに、事業主には、育児休業を取得しやすい雇用環境整備(研修の実施や相談体制の整備等)や、妊娠・出産の申出をした労働者に対する育児休業制度等についての個別の周知・意向確認の措置が義務付けられています(同法第21条第1項、第21条の2第1項及び第22条第1項)。
 まずは、育児休業の制度が就業規則になくても法律で定められていることや、今後も働き続けたいことについて、会社とよく話し合ってください。
 それでも、育児休業が取得できない場合や退職を求められる場合は、同法に基づき、解決のための労働局長の援助や紛争調整委員会による調停を受けることができますので、労働局の雇用環境・均等室に相談してみてはいかがでしょう。
 また、労働委員会では、こうした育児休業の問題を含め、職場でのお悩みを解決するお手伝いをしていますので、お気軽にご相談ください。



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この記事に関するお問い合わせ

高知県労働委員会事務局

所在地: 〒780-0850 高知県高知市丸ノ内2丁目4番1号(高知県庁北庁舎4階)
電話: 088-821-4645
ファックス: 088-821-4589
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