公開日 2014年12月05日
更新日 2025年03月10日
【相談内容】 (高知県労働委員会)
会社が業績不振になり、出向を打診されました。出向先での労働条件等が示されておらず不安があります。出向を命じられれば、必ず応じなければならないでしょうか。
【お答え】
出向とは、労働者が雇用されている企業に在籍のまま(労働契約を存続させたまま)、他の企業において相当長期間にわたり、その企業の業務に従事することをいい、在籍出向とも呼ばれます。これに対し、雇用されている企業から他の企業へ籍を移す(労働契約を終了させて新たに労働契約を成立させる)場合は、転籍(移籍)と呼ばれます。
出向では、労働時間、休日、休暇等の勤務形態は出向先の就業規則等に従って定められ、また、労務遂行の指揮命令権も出向先が持つこととなります。
出向命令は、労働協約や就業規則上の規定、採用時における同意等の明示の根拠があり、出向先での賃金等の労働条件、出向期間、復帰の方法等が規程等によって労働者の利益に配慮して整備され、通常の人事異動として行われていれば、基本的には従う義務があります。
しかし、労働契約法第14条では、使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用した場合には、当該命令は、無効とすると定められています。
考慮される事情としては、業務上の必要性や、人選の合理性、不当な動機・目的の有無、労働条件・私生活に与える不利益の程度、出向に関する手続の妥当性等が挙げられます。
なお、ご相談のように業績不振のための雇用調整の手段として出向が命じられる場合でも、上記のような条件が整わなければ、その出向命令は権利濫用として無効とされる可能性もあります。
まずは、就業規則等の根拠規定や出向先での労働条件等について説明を求め、出向に応じることが困難な個人的な事情があればそのことについても伝えて、会社と話し合ってみてはいかがでしょう。
会社の説明に納得がいかないなど、権利の濫用に当たると思われる場合は、労働委員会には、公労使の三者から構成されるあっせん員が間に入り、労働者と事業主との自主的な問題解決を援助する「あっせん」制度もありますので、お気軽にご相談ください。
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