公開日 2014年12月05日
【相談内容】 (高知県労働委員会)
会社が業績不振になり、出向を打診されました。出向先での労働条件等が示されておらず不安があります。出向を命じられれば、必ず応じなければならないでしょうか。
【お答え】
出向とは、労働者が雇用されている企業に在籍のまま、他企業において相当長期間にわたり他企業の業務に従事することをいいます。雇用されている企業から他企業へ籍を移す場合は、転籍と呼ばれます。
出向命令は、労働協約、就業規則上の根拠規定や採用時における同意があり、出向先での賃金等の労働条件、出向期間、復帰の方法等が規程等によって労働者の利益に配慮して整備され、通常の人事異動として行われていれば、基本的には出向命令に従う義務があります。
しかし、労働契約法第14条では、使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用した場合には、当該命令は、無効とすると定められています。
その他の事情として考慮される要素としては、賃金等の労働条件に及ぼす不利益の程度や、家族の介護等の私生活に与える不利益の程度、不当な動機や目的の有無、出向先における労働条件に関する説明の程度等が挙げられます。
なお、ご相談のように業績不振のための雇用調整の手段として出向が命じられる場合でも、上記のような条件が整わなければ、出向に応じる義務が生じるわけではありません。
まずは、根拠規定や労働条件等を確認し、個人的な事情があればそのことについても、会社と話し合ってみてはいかがでしょう。
会社の説明に納得がいかず、権利の濫用に当たると思われる場合は、労働委員会には、個々の労働者と使用者との間の労働問題に関する紛争の自主的な解決をサポートする「あっせん制度(無料)」がありますので、お気軽にご相談ください。
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