公開日 2016年03月23日
平成27年度 「対話と実行座談会」(チーム学校と放課後学習について)
日時:平成28年2月24日(水曜日)16時15分から18時00分まで
場所:土佐市立高岡中学校
出席者:土佐市教育長、高岡中学校関係者(校長、教頭、教諭、SSW、保護者等) 11名
座談会要旨
開会
(司会)
ただいまから平成27年度「対話と実行座談会 チーム学校と放課後学習について」を開催します。
(知事)
本日は、大変ご多忙の中、「対話と実行座談会」の取組に、お時間をいただき、また、多くの皆様にご参加いただき、感謝申し上げます。
この「対話と実行座談会」は、平成20年度からスタートをさせていただいた取組です。対話を通じて、いろいろと勉強させていただき、それを政策に仕立てて、スピーディーに実行するという思いを込めて開催してきました。
これまで、80回近く開催をさせていただきましたが、今回、この3期目になって一番最初の座談会です。「ぜひ、教育問題について、この対話と実行座談会をさせていただきたい」という思いで、県内でも特に先進的な取組をしている、土佐市立高岡中学校の皆さんから、いろいろと勉強させていただきたいと思います。
私、平成19年に就任させていただき、19年、20年と、高知県の教育の現状を勉強させていただきましたが、正直なところ、非常に厳しいものがあると感じました。当時、例えば、学力については、小学校・中学校ともに全国の中で最下位レベル。そして、体力についても、体力テストの結果は全部最下位。そしてまた、徳育にしても、例えば、非行率が3年連続で全国ワースト1という状況であり、さらには、不登校の出現率も全国で一番高いと、非常に厳しい状況にありました。
そういう中において、教職員の皆さんが大変ご尽力されて、私どももまた、一生懸命、いろいろ知恵をしぼって、取組を進めていく中で、例えば、小学校については、トップクラスとは言いませんが、上位くらいまで改善をしてきて、体力についても、大体全国平均並みか少し下くらいまで改善をしてきました。さらには、非行率についても、3年連続ワースト1であったものが、ワースト13位くらいまで改善をするなど、一定の成果が見えてきたところはあるのかなと思います。
しかしながら、これだけいろいろ取組を進めてきても、まだ改善しない典型的な課題が中学校の学力の問題です。全国学力・学習状況調査の結果をみると、この7年間くらいの伸び率は全国で一番良いものの、全国順位で言えば、引き続き46番のままです。そのように全国との間にまだ差がついていることもあり、また、不登校の問題など、さらに解決をしていかなければならない問題もあります。
子ども達が、将来、夢と志を持った時に、その夢と志に向かって力強く歩み出していけるような「生きるための基礎的な力」、基礎学力、体育、徳育を、しっかりと身に付けさせてあげることができるような高知県の義務教育を実現していきたいものだと思っています。
このたびの教育改革により、総合教育会議という新しい制度が設けられて、教育委員の方々と私とで、一緒に、教育の問題について議論をして、教育大綱を作ろうという取組をさせていただいています。
その中において、高知県がこれだけ取り組んできた中においてもなお残る、中学校の学力などの大きな課題について、「これを本当の意味で改善させていくためには、より深く『何が問題なのか』を掘り下げて議論をしていかなければ、本当の意味で、根本的な対策ということにはならないのではないか。」「そこを掘り下げて議論しよう。」と、約半年くらい、議論をしてきたところです。
そういう中で作り上げてきた大綱案は、3つの柱からなります。1つは「チーム学校」。「これを、もう一段進めていこう。」「学校の先生方、学校を支えてくださるさまざまな方々にもご協力をいただいて、全体として、チームとして、子ども達を教育していく仕組みを、設けていこうではないか。」そういう話をしています。
学校の先生は、どうしても、若い先生でも、一人ですべてを背負わないといけないという環境もあったりする。しかし、それが、先生同士で、チームを組んで仕事をすることができるようになっていけば、若い先生の指導という点でも有効ではないか。さらには、一人では解決が難しい問題も、学校全体で解決しようとすることで、いろいろと効果も出てくるんじゃないか、という考えです。
そして2つ目は、「非常に厳しい環境にある子ども達が、高知県にはたくさんいるのではないか。」、「そもそも家庭環境の問題などもあって、なかなか勉強に取り組もうというところに至らない、という厳しい状況に置かれている子ども達もいる。」、「こういう子ども達への対策をしっかり講じていくことなくして、ただ『勉強!勉強!』と言ってもだめなんじゃないか。」、そういう厳しい環境に置かれている子ども達への対策の充実強化です。
そして3つ目が、「そういう取組を、是非、学校だけではなくて、地域と協働して行っていくことが大事ではないか。」地域との協働による子育てです。
今、こういう方向で取組を進めさせていただいているところですが、この高岡中学校においては、県内でも真先に「教科のタテ持ち」、いわゆる「チーム学校」の取組を進められている。また、地域との協働による取組を進めておられるということであり、私どもが、今、作りつつある大綱に基づいて、様々な政策展開をしていくにあたって、いろんな意味で、具体的なお知恵をいただける学校であると、今日うかがったところです。
限られた時間ではありますが、ぜひ、皆様から、それぞれの取組について、具体的に教えていただきまして、私どもとして、今後の整理に向かう知恵とさせていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
(司会)
それでは、11名の皆様と知事、教育長との座談会を、これから始めたいと思います。
まず7名の皆様に、それぞれのお立場での取組をご紹介いただきまして、知事との座談会の対話を広げていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
まず最初に、武森教育長から取組のご説明をお願いします。
(武森教育長)
私からは、「チーム学校」として、学校が組織的に機能するために、土佐市が取り組んでいることについて述べさせていただきます。
私は、教育長に就任して3年目を迎えております。就任時から、土佐市教育連盟の行政方針として、校長会や教頭会、園長会といった席で、一貫して申し上げている5つの事柄があります。
それは、学校経営・学級経営におきまして、子ども達が落ち着いて学習に取り組むことのできる体制や学習環境をまず整えるといった観点から、教員にも子ども達にも、徹底して取り組んで欲しいとの思いで、申し上げている内容です。
その1つ目としては、「当たり前のことを当たり前にすること」で、例えば、チャイムは守るとか、教室の掃除とか、下駄箱の整理整頓といったことの習慣づけ。2つ目は「皆で決めたことは皆ですること」。先生方にも子ども達にも、例外は作らず、皆でやってください。3つ目は「ヅメをつけること」。やってきた内容は必ず振り返って、結果に結びついているか、成果を上げているかの確認をしてください。4つ目は「先手必勝であること」で、何事にも、後手後手にまわらずに、先手先手を心掛けて取り組んでいっていただきたい。そして5つ目は「継続は力なり」ということで、継続することの必要性をお話させていただいています。
そうした中で、このことを「土佐市の学びの誓い」としまして、各学校には、運営方針等を作成させておりますが、その内容に基づいて、年度当初の職員会等で、全教員が「気持ちをそろえる」、「指導をそろえる」、「結果をそろえる」といった共通の認識を持って、「チーム学校」として組織的に学校経営・学級運営に取り組むよう、指示をしてきているところです。
次に、子ども達が将来独り立ちし、「生き抜いていく力」を身につける上において、学力は、子ども達の将来の選択肢を広げていく大変重要な力であると考えております。
土佐市の状況としましては、近年、厳しい環境に置かれている子ども達が増加傾向にあり、子ども達への基礎学力の定着を図るため、市内すべての小中学校に、特別支援教育支援員を、合計で20名を配置してきました。さらに今年度は、放課後学習の充実のため、新たに合計16名の放課後学習支援員を配置することができ、基礎学力の向上に努めております。
また、家庭や地域との連携としましては、戸波地区におきまして、「あったか教育推進協議会」を中心にした「あったか教育の推進」、その他の地域におきましても、学校支援地域本部などの取組により、学校と地域が一体となって、子ども達の育成に取り組んでいただいております。
また、不登校の子どもへの対応としましては、従来から配置しております不登校学習支援員やスクールカウンセラー各2名に加えまして、本年度は、スクールソーシャルワーカー2名を、新たに配置することができまして、支援体制の強化等がされる中で、学校への登校もできるといった改善傾向にある子どもが増えてきました。
学校へのその他の支援としましては、図書館支援員の配置、理科支援員の配置、外国語指導助手ALTの配置などにより、子ども達の基礎学力の向上に向けた取組を実施しております。
まだまだ十分な取組とは言えないところがありますが、頑張っていきたいと思います。簡単ではございますが、土佐市の取組についてお話しさせていただきました。
(知事)
どうもありがとうございました。ご多忙なところ申し訳ありません。今日は、授業や教科会、放課後学習の視察や教員の皆様との意見交換等、いろいろと勉強をさせていただきまして、本当に感謝申し上げます。
さっきおっしゃられた「学校支援地域本部」ですが、戸波地区は特にすごいんですね。「あったか教育推進協議会」でしたか。
(武森教育長)
はい。人権教育の一環として、従来から取り組んできております。
(知事)
ありがとうございます。また、よろしくお願いします。
(司会)
それでは、安岡校長先生、よろしくお願いします。
(安岡校長)
私からは、学校を中心とした取組、そして、学校外の教育機関と連携をした取組、そして3点目にPTA活動等をはじめとする各種団体との連携の3つの観点で、「チーム学校」について、話をさせていただいきたいと思います。その後、今年度から取組を始めました、本校の放課後学習について、若干ふれさせていただきます。
それでは、まず「チーム学校」の取組です。
学校内の取組ですが、「5教科タテ持ち」を行うことになりました。このため、必然的に「教科会」を持たざるを得ない状況になっております。この教科会は、それぞれ1年から2年、3年団に所属している教員が、お互いの教科指導について知恵を出し合う場、いわゆる「縦の連携」を図る場と考えております。
それに対して、各学年に所属している教員が、各学年の学年目標の達成や生徒指導上の問題などについて話し合う会を「学年会」と呼んでおります。これを「横の連携」と、私は考えております。
この縦の「教科会」と横の「学年会」を布の生地のように組み合うことが、まず、学校がチームとして機能していく、一つの大きな重要なポイントだと思っています。
それとともに、我々管理職や学年主任等からなる「企画委員会」も開催しておりますし、研究組織としての「キャリア部会」、部活動担当者による「部活動担当者会」といった会議も適宜実施しておりまして、そういういろんな場面で知恵を出し合う取組が、学校内の一つのまとまりとしての「チーム学校」になっていると考えております。
続いて、教育関係組織との連携です。実は、本校の大きな課題として、不登校生徒の問題がございます。この解決や未然防止に向けて、土佐市の教育研究所やスクールカウンセラーの坂﨑先生、そしてSSWの野瀬先生等にも入っていただいて、月に1回程度、「チームやすらぎ」という会合を行っています。その中で、不登校傾向の生徒のことや、残念ながら不登校状況になっている生徒のことを、お互いに情報交換をしながら、「この子に対してどういった対応が必要なのか」、「次回話し合いを開催するまでにどのような対策をとっていくか」などを話し合いまして、それぞれの立場から支援をいただきながら、対応しているところです。
3点目の各種団体との連携です。学校会の組織、例えば、保護者会でありますとか、本校には伝統ある「校友会」という本校の卒業生や本校出身の教職員等で作っている組織がありますので、そういった方々との連携についてご説明させていただきます。例えば、校友会の方々には、毎年、卒業式の時に、その年度に特に活躍した生徒を数名選び、「蜻蛉(あきつ)賞」という表彰させていただいております。その生徒には、卒業式の時に、校友会の会長さんから直々に表彰状を渡していただいています。それが、すごく生徒達の励みになっております。また、本校のスクールバスの購入費用等の資金援助等もしていただいています。
また、土佐市のライオンズクラブ様からは、「ライオンズクエスト」という名前の教員対象の研修等を行っていただいております。
今年4月には、「校内ハローワーク」と称しまして、土佐市に在住の高岡中学校出身の方々や、土佐市内で働いている方々に、本校の講師として入っていただいて、お話をいただいているところです。
最後に、放課後学習の取組ですが、これは、今年から始めまして、今のところ、火曜・水曜・木曜と、帯単位方式で放課後に実施しておいて、その学習内容の中から、金曜日にテストをします。そこで未定着の生徒がいた場合には、月曜日に教科担任が入って、指導をするといった形態をとっております。この放課後学習の取組は、まだ道半ばだと思っています。どういった方法がいいのか、これから、どんどん変えていきたいと思っています。
(知事)
安岡校長先生、今日は1日、お世話になりまして、本当にありがとうございます。
先ほど、教員の皆さんと意見交換をさせていただいたときに、「タテ持ち」について、非常に効果をあげられているお話もいろいろとお聞きし、勉強させていただきまして、ありがとうございました。
まずお聞きしたいのは、放課後学習についてです。県では、「厳しい環境にある子ども達に対する対策」として、「さまざまな環境にある子どもたちが、いろんなかたちで確実に学んでいける場を、学校の放課後につくりたい。」「これを、県内のすべての学校で実施されるようにしていきたい」という思いで取り組んでいます。今日、視察させていただいた放課後学習では、学校以外の方にも入っていただいて、熱心にマル付けをされ、わかるまで補習されるんだそうですね。取組を「素晴らしいな」と思って、拝見させていただきました。
たぶん、他方で、学力が未定着な場合は、過去、蓄積してきた課題があったりして、そんなにすぐには、子ども達がいろんな問題ができるようになるということでもないのだろうと思っています。放課後学習の在り方そのものも、これから不断の改善が必要なんだろうなと、そういう実感を覚えてきています。
放課後学習に熱心に取り組んでおられる中で、「今後、例えばこういう点をもっと改善していったらいいんじゃないか」と思われるところはありませんか。
(安岡校長)
まずは、放課後学習では、やはり、教員が子ども達と向き合う時間を、一定保障しなくてはいけないと思っています。
というのは、中学校では、学習も当然やらなくてはいけないし、それと同時に、部活動等にも多くの教員が入っています。そういった中で、「じゃあ、どんなかたちで『向き合う時間』をつくっていくか」ということについて、学校として意識合わせをしておかなければなりません。
学習内容を質的にも高める対応として、現時点で3つの取組を考えています。①今は約5分の帯タイムの時間を若干増やす。そして、②今は基本的に週1回実施している補習の体制を、週2回体制とか月単位で増やしていく工夫をする。それとともに、③夏休み・冬休み等の長期の休業期間を活用した補習体制を整備します。これは、できるだけ早い時期がいいと考えています。1年生に入ってからすぐ、あるいは1年生の夏季休業期間に徹底してやるとかいった、早期の取組が、その後の3年間に、大きく影響を与えるのではないかと考えています。
(知事)
なるほど。ありがとうございます。
(司会)
それでは、指導教諭の青木先生、よろしくお願いします。
(青木指導教諭)
初任者を担当している立場として、「チーム学校」の取組のうち、本校の特徴的な取組と、指導的教員としての役割について発表させていただきます。
本校は、昨年度より、「総合的な教師力向上のための調査研究指定校」として、「指導教諭を中心とした継続的な校内指導体制のあり方」や「初任者育成のためのOff-JTと関連付けたOJTブログラムの効果的な実施方法」についての研究をしています。
研究を進めていく中で、校内指導体制のもと、学校全体で、初任者を含めた若年教員の育成をしています。本校の特色は、学校ぐるみで研修を行っていることだと思っています。
初任者指導教諭の私だけが初任者指導を行うのではなく、職場内での人的資源を活かして、それぞれの強みを発揮してもらい、研修を行っています。例えば、教頭の須内はキャリアを専門的に勉強していますのでキャリア教育。スクールカウンセラーの坂﨑先生には児童生徒に対する具体的な支援の方法。図書主任の教員には図書資料の活用。養護教諭の教員には緊急時の対応などについて。学年団の教員らには、学級経営のいろいろな工夫についてなど、いろんな教員や先生方がいろんな角度から、初任者や若年教員に対して支援でき、関わってもらうことができることが、本校の一番大きな強みではないかと思っております。
私自身が心掛けていることは、初任者個々の1年後の姿を、私自身がはっきりと持つということ。それを持ったうえで、「指導すべきことは、粘り強く指導し続ける」ことを念頭において支援しています。
具体的には、①年間の研修計画の立案と提案。②初任者の教科担当教諭への支援。それから③学びやすい雰囲気づくり。そして、④指導すべきことはタイムリーに指導する。決して甘やかさないということ。また、⑤土佐市は学校だけではなく、外部機関の研修も大変充実しております。センターや事務所の研修以外にも、教育委員会が、土佐市独自に初任者研修を実施してくれていますので、そういった学ぶ機会を逃さない。そういった機会には、初任者だけでなく、若年教員も一緒に参加させる、ということが、私自身の役割ではないかなと思っています。
ただ、今は、指定を受けて、その研究の実践を意識してやっていますが、この指定が終わった後も、これから増えていく初任者や若年教諭に対して、そういった研修を、円滑に進めていけるようなシステムを構築していくことが、今後の課題ではないかと思っています。
隣は、昨年、初任者として赴任して、高い志を持って研修に取り組み、本校の核となっている井上です。今日は、この会に、一緒に参加させていただいております。
(知事)
ありがとうございました。井上さんも、是非お願いします。
(井上)
私は、講師経験を8年経て、昨年度、本校に着任しました。たくさんの同僚教員に支えてもらっておりますが、特に指導教諭である青木先生から、様々な部分でアドバイスをもらい、支えてもらっていることが、自分の成長に大きく影響をしています。
初任者であった昨年度の反省から、今年度は、生徒への寄り添い方を自分の中でも変え、学級経営、授業、生徒指導、部活動などに取り組んでおります。
何が大きく変わったかと言いますと、自分の中で「生徒の話を聞くゆとりをつくる」ことができたと感じております。また、今年度は、体育主任を任され、大変なことも正直ありますが、その分、自分としてもやりがいを感じております。1年間の中でも大きい行事である体育祭を無事運営できたことは、一つ、自分の中でも自信となりました。しかし、まだまだ、自分も未熟な部分がたくさんありますので、日々、向上心をもって、今後も成長し続けていきたいと考えております。
(知事)
ありがとうございました。
青木先生、先ほど「例えば教頭先生はキャリア教育をいろいろと研究してこられた。スクールカウンセラーの皆さんにも子どもの支援の仕方について。それから、図書主任の皆さんには、図書館をどうやって使って行くべきなのかについて。それぞれの強みを活かして学校ぐるみで教員の育成をする」というお話をされていましたが、「タテ持ち」以外でも、こういう研修機会を設けられているんですか。例えば、図書主任の方やスクールカウンセラーの方にも入っていただいて、一緒に研修するような場を設けているんですか。
(青木指導教諭)
教科以外のことは、それぞれの教員から、実体験に基づいて、的確な指導をしてもらうようにしています。
(知事)
それは、Off-JTとしてやられるんですか。
(青木指導教諭)
OJTです。学校内で行う指導は、すべてOJTと位置付けて実施します。
指導役の教員に時間をとってもらい、校内での初任者と若年教員を集めて開催します。全体で一緒にやる機会もありますが、その場合、一般的な研修内容になってしまいますので、初任者等が初めて経験することなどに関しては、やはり個別に、初任者と2年次とか講師とかを集めて開催します。
(知事)
なるほど。
これから、若い先生が急激に増えてくることになりますから、「その若い先生方にどうやって力量を付けていただくようにしていくか」というのは大きな課題ですね。
常に思うのは、Off-JTとOJTと両方がたぶん必要なんですが、学校では、どうしても、OJTが効きにくいんじゃないかと心配していて、「OJTがしっかり機能する組織づくりにするためにはどうすればいいか」、「それが先生の力量アップにつながって教育力向上につながるのではないか」ということを、ずっと追究してきているところです。教科については、「タテ持ち」がOJTを機能させるための一つの手段だと思うんですが、教科以外についてのOJTについても、それぞれの先生が「研修したことが実践されているかどうか」を、日々、見守っていく体制で、意図的に取り組まれているわけですね。
あと、もう一点お伺いします。「外部の研修機会を逃さない」とおっしゃいましたが、外部の研修機会というのは、結構充実していますか。
(青木指導教諭)
例えば、ライオンズクラブの「ライオンズクエスト研修」を今年度から行っています。
採用者数が増えて、小・中学校の初任教員と一緒に集まる機会がなかったんですが、今年度からは、土佐市の初任者研修を何回か設けていただいて、小学校の教員と接する機会もできました。研修テーマも、一番最初は、土佐市教育委員会の学校教育課長さんから「土佐市に赴任した初任者に期待すること」や「土佐市の教育の現状」といったお話をしていただきました。
(知事)
学校外の先生方とも一緒に、研修などをされているわけですね。
もう一点。これから、「チーム学校」の取組を進めていくにあたって、たぶん、高知県で大きな課題になると思っていますのは、小規模校が多いことです。例えば、「学年に1つしかクラスがないから、そもそも『タテ持ち』も何もない」という場合があるかもしれません。そういう小規模校の先生方に対するOJTを機能させていこうとした時に、どういうやり方をしたらいいと思いますか。
例えば、この高岡中学校に来てもらって、一緒に研修を受けてもらうとか、一緒に放課後の学習支援を一緒にやってもらうとか、そういうこともあるかもしれません。もしくは教科会に参加するとかも考えられます。そこをどう思われますか。
(青木指導教諭)
これは、昨年度実施したことですが、隣の中学校が数学担当者が1名で、同じ教科の教員がいないということで、また、本校の初任者の教員も、若い教員同士であれば、やはり言いやすいこともあり、同じ悩みを共有する機会にもなるということで、一緒に教科会のような会を設けて、授業研究を行ってきました。こういった取組は、教科に限らず、できる研修は一緒にやっていけばいいんじゃないかと思います。
(矢野教育研究所長)
土佐市教育研究所です。土佐市内には、「統一教科部会」、「学年別部会」、それから「課題別部会」という部会がありまして、統一教科部会は年間4回、学年別・課題別部会は(4月と1月に)年間2回開催しています。学年部・課題別会はそれぞれの学年で、統一教科部会はそれぞれの教科ごとに、テーマに沿って研修をしています。
高岡中学校でこの「チーム学校」が進めば、研究所のこのような取組についても、核となって、リードしていってもらえるものと考えております。
(知事)
「チーム学校」により、教科会などのOJTで貯めたノウハウが、そういうかたちで、教育研究所で実施されるOff-JTの研究会でも生きてくることになるんでしょうね。それをきっかけとして、例えば高岡中学校の教科会に、月に1、2回くらいでも参加してもらうとかいった展開もあり得るでしょうか。
(矢野教育研究所長)
それは、距離的にも可能だと思います。
(知事)
福井県などでは、基本的に学校の規模が概ね揃っているから、すべての学校で「タテ持ち」などを導入することができる。一方、高知県の場合は、どうやって中山間の小規模校を巻き込んだかたちで「チーム学校」をやっていくかを、これから「高知方式」として研究開発をしなければいけないと思います。また、今後、先生方のいろんなお知恵を賜れればと思います。よろしくお願いします。
井上先生、頑張ってください。ありがとうございます。
(司会)
それでは、続きまして、放課後学習支援員の中村さんにお願いいたします。
(中村放課後学習支援員)
私からは、放課後学習の取組状況と今後の課題、それから、改善していきたいこと、この3点に分けて報告させていただきます。
高岡中学校では、火曜日から金曜日の放課後、5分程度の小テストを行っております。その上で、金曜日は、火曜日から金曜日の3日間のテスト内容についての確認テストをします。この確認テストに合格できなかった生徒に対して、月曜日の放課後に1~2時間程度の復習を行っております。
確認テストを含め、火曜日から金曜日のテストの採点を、私達、放課後学習支援員がしています。採点終了後には、「それぞれの生徒がどの問題を間違えていたか」「何番の問題でつまずきが多かったのか」が一目でわかるように、名簿形式のチェックリストを作成します。そして最後に、採点が終了した答案用紙とチェックリストを、各教科主任の先生方に渡すという流れです。以上が、主な私達の放課後支援員の仕事内容です。
取り組む中で、課題がいろいろとありまして、私達には、教科に対する専門知識がないので、それぞれの解答が用意されている正答例のとおりでなければ、「正解にしていいのか、間違っているのか」が、すぐに判断がつかない場合があり、少し採点でつまずくこともあります。
それから、生徒達の解答用紙を見ていると、いろんな言い回しとか表現で書かれており、答えは1つでないので、「それはそれで正解なのか、間違いなのか」を、とっさに判断がつかなくて、「やはり専門知識がないと難しいな」と思うことがあります。解答用紙を添削して返してあげることが理想ですが、専門知識も時間も、かなり必要となるため、難しいのが現状です。
今後、改善していきたいこととしまして、私達は、基本的に採点をしているだけの状態で、生徒と直接関わることはありませんが、「採点をしてそれで終わり」とするのではなく、また、「ただ何番が間違えていた」を報告するのではなくて、「それぞれの問題にどのような間違いがあったのか」といった情報を、先生方に報告できればと思っています。
例えば、今週は社会科の小テストに取り組んでいますが、多い誤答例なども、先生方へ報告しています。
先生方は、教科を「タテ持ち」しているので、たくさんの学年、いろんなクラスの解答用紙1枚1枚見返してくださっていますが、いろんな解答用紙を見た自分としては、さらに学習支援につながるような報告をしていきたいと思っております。
それから、放課後学習支援員として採点を担っているわけですが、このことが先生方の負担を少しでも減らして、先生方が生徒と向き合える保障につながっていればいいなと思っております。
(知事)
先ほど、マル付けしておられる様子を、初めて拝見させていただいたんですが、あんなにたくさんあったら大変でしょうね。
(中村放課後学習支援員)
そうですね。でも、答えは覚えてきます。
(知事)
あれだけ枚数あって、しかも、チェックリストをつけないといけない。チェックリストをつけていただくというのは、先生方にとっては大きいでしょうね。
(中村放課後学習支援員)
そうですね。リストは、各教科の先生に「どこが弱いか」がひと目でわかるように心掛けて作っています。
(知事)
先ほど、子ども達が小テストをしているところを、その間近で見ていたんです。「奥羽山脈」から始まる地理のテストでしたが、空欄になっている問題が同じで、「やはり同じところができていないなあ」と思って、拝見していました。
先ほど、「専門知識が・・・」とおっしゃられましたけど、もしかしたら、問題を作る時にも、例えば、論述系の問題は盛り込みにくいとか、少し採点しにくいという事案もあるかもしれませんね。
(中村放課後学習支援員)
例えば、理科では作図で、そのように感じます。光の屈折の作図の場合では、本来、見えない部分なので、例えば「点線で記入しなければいけないところを実線で描いている回答は○なのか×なのか」という判断などもあります。
(知事)
「マルを付けていただいている皆さんに、採点の基準などを、どこまでわかっていていただくか」ということですね。「これは〇なのか☓なのか△なのか」、もしくは「どういう視点で指導していったらいいのか」という基準を、先生方から皆さんに教えていただいたら、本当はありがたいんでしょうね。
先生方と、そのようなコミュニケーションをされたりすることはあるんですか。
(中村放課後学習支援員)
やはり採点する前にします。答えは1つじゃないこともあるので、「こういう言い回しは大丈夫か」とか、前もって聞ける範囲で聞いてはおりますが、予想だにしていない答えがあったりもします。
(知事)
さっきも、リアス式の地形を「ざっくり」と書いた解答がありました。「かわいらしいな」と思いました。
1年目、2年目、3年目と、先生方と一緒に学習支援をしていただく中で、だんだんノウハウを蓄えていかれることになるのでしょうか。
(中村放課後学習支援員)
そうですね。高岡中学校では、今後、その子ども達の実態に合わせて、補習を週2回とか月単位で増やしていく計画ですので、それに対応できるように、私達も、先生方の負担の軽減に少しでもなればと思って、「今後、どのように対応していこうかな」と、いろいろ考えています。
(知事)
なるほど。大変お世話になりまして、ありがとうございます。
もし、先生方や放課後学習支援員の皆様方に、学校毎に、例えば「これから、こういう問題・傾向・かたちで帯タイムのテストを出していくんだけれども、これについては、こういう狙いがあって、採点や分析では、こういうところに気をつけてもらいたい」とかいった情報共有をしていくためには、研修の機会などがあると有益だと思いますか。
(中村放課後学習支援員)
思います。
(知事)
放課後学習支援員さんのあり方を、新年度からいろいろ工夫もしてみようと思っていまして、例えば、授業からずっと学習支援に入っていただけるようにするとか、いろいろ改善点を考えていこうと思っています。放課後学習への支援は、27年度から、全県で本格的にスタートしたんですけど、まだ少し改善途上で、いろいろなご意見をうかがいながら改善していきます。貴重なお話をありがとうございます。
(司会)
それでは、教室以外の対応でもご苦労はあると思います。スクールソーシャルワーカーの野瀬さん、よろしくお願いします。
(野瀬SSW)
スクールソーシャルワーカー、通称「SSW」と呼ばれています。
私は、2学期から、週に1回、1日ないし1日半というかたちで勤務させていただいています。私も教員をしていましたので、高岡中学校のことは、大体わかっておりました。また、退職してから外部コーチをやっていまして、生徒の状況も、大体わかっていたつもりなんですけど、学校に入ってこの仕事をする中で、子ども達の生活環境が実に様々であることを実感しました。
子どもと付き合っていて、「こんなことを子ども達は悩んでいるのか」ということを、つくづく感じます。やはり、「子ども達と十分話をし、信頼関係を築いて初めて、この仕事ができるんじゃないか」と感じています。
それと同時に、家庭訪問をした時に一番思うのは、家庭環境の厳しさです。すぐ近くにテレビがある。ゲームがある。状況はいろいろ違うんですけど、「この状況でこの子は本当に学習できるのかな」という印象を受ける家庭もございます。しっかりとした家庭の子どももいるんですが、机にいながら、学習に向く気がない・向かない子どもも多くいます。
そのようなこともありまして、自分としても、子ども達に、「どのように勉強をするのか」「なぜ勉強をするのか」とかいうことも話をするんです。そして、学校に帰って、担任の先生や不登校担当の先生と、その生徒や家庭への対応について話し合います。
担任の先生方は、週1回・2回、その家庭に連絡や訪問したり、十分、手は尽くしてくれているんですけど、なかなか、こちらのほうを向いてくれないことも多いのが現状です。
今、土佐市には、SSWが2人いるんですけど、来年度からは新たに2人増え、今は週1回ですけど、週3回出勤できるという体制に充実されるようです。そうなると、もう少し、いろんな子ども達の対応ができるんじゃないかと思います。
ただ、一つ感じているのは、「個で動く」と非常にきついということです。やはり学校の担任やSSW、地域の民生委員、福祉事務所のメンバーなどで、「その子どもの環境を考えるチームワーク」といいますか、「チームで動く」ことが大切だということです。やはり、チームで動かないと、なかなか対応が難しいところがあります。
(知事)
厳しい環境にある子ども達の対策というのは、大きく言うと「放課後でしっかり学習できる環境をつくりましょう」というのが1つで、さらに、「そもそもその家庭環境が抱える諸問題について、どれだけ寄り添って、いろんなかたちで解決をしていくことができるか。」という問題があって、これは言うは易く、簡単なことじゃないと、本当に思います。高知県は、経済的にも本当に厳しくて、そういう背景の中で、非常に厳しい家庭環境にある子ども達がいますから。
今回、この問題にも、いろんなかたちで対応を強化したい。特に乳幼児期においては、できる限り、保護者の皆さん方のバックアップを強化したい。また、母子保健の取組と児童福祉の取組とができるだけ連携してバックアップできるようにして、だんだん成長するにしたがって、学校などでの子ども本人に対するバックアップを強化していくという方向で、取組を進めていきたいと思っています。
そのようなことで、例えば、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーも、さらに大幅に増員をしていきます。一人一人に、しっかり時間をかけて寄り添っていかないといけないので、恐縮ですが、ますます多くの方に、取組へのご協力をお願いしていかなければならないと思っています。
おっしゃられたように、「チームとして対応していく」ことが非常に重要なんだと思います。そのチームとして対応していくにあたって、今、「こういうところが、今一つボトルネックになっている」といった課題はありますか。
(野瀬SSW)
やはり、環境や対応の仕方の違う、いろんな方々と、チームとして話をすることによって、それぞれの家庭に、いろんなアプローチができやすくなるんじゃないかと思います。その対応に関しても、一方向だけからじゃなくて、いろんな方面から、いろいろな応援もできる「家庭の応援隊」といいますか、そんな体制が必要ではないかな、という気がします。
(知事)
民生委員さんや児童委員さんとは連携をとられたりしますか。
(野瀬SSW)
連絡はよくとりますが、民生委員さんにしても、いろんなタイプの方がおられます。協力姿勢にも違いがあります。地域を一番知っているのは民生委員ですので、その人の力をうまく借りていかないといけないと思います。
(知事)
要保護児童対策連絡協議会などでは、一緒にお話をされたりしますか。個別のケースごとに、いろいろ話をしますか。
(野瀬SSW)
連絡協議会などには、もう一人のSSWが主に関わっており、個別の協議もやっています。「協議会全体で、どういう方向で進めていくか」という話もしているようです。私も、その者の話を聞いたり、「あ、こんな動きをしているのか」という情報交換はやっています。
(知事)
できるだけ、皆で、チームとなって動けるようなプラットホームをつくらなければならないですね。そのあたりの仕組みについては、少し工夫をします。
(司会)
続きまして、ご自身のお子様を通して、高岡中学校の頑張り、それから教職員の頑張りを見守っていただいています、保護者の市原さんに、お話をしていただきます。
(市原さん)
「チーム学校」を支える家庭、地域ということで、まず、家庭の意識の向上と環境が一番大事であると考えます。PTA活動を通じて、少しでも多くの保護者が共通の認識を持てるように、行事への参加を呼びかけたり、広報誌などで活動を紹介したりしています。
やはり、生徒の意欲を高めることが大切だと思います。夢や目標をもって学ぶことができるように、今年度は、PTA会員の提案で、(TBS系で放送されたスポーツバラエティ「SASUKE」で完全制覇を成し遂げた)「サスケ君」こと森本裕介さんをお迎えして、生徒や保護者に、「PDCAサイクルを活用して目標達成に向けて取り組む方法」について、講演をいただきました。
また、須内教頭先生の提案で開催した「校内ハローワーク」により、将来や働くことについての生徒達の興味や関心が一層向上したように感じます。
私自身、「目標にする大人」とか「憧れる大人」が必要だと考えていますので、それとも合致した取組になり、非常によかったと思います。
生徒の考えや思い、生徒会とPTAとが一緒に取り組むことができる活動を検討するために、今年初めて、PTAと生徒会の意見交換も開催しました。今後も継続して、生徒との距離をより近いものにできればと思っています。
また、「厳しい環境にある子ども達への支援」なんですが、やはり、親の貧困の連鎖、親の経済力と学力の比例が問題点と感じます。放課後や長期休暇で、先生や学習支援員さんによる補習等を行っていただければ、塾などに通わせることができない家庭の生徒や、家庭で学習しづらい生徒にも、力がついてくるんじゃないかなと思います。
また、この取組を進めるためには、学びを支援する人材も重要になってくると思いますので、放課後こども総合プランの人材とも併せて、ご検討いただければと思います。
部活動を指導する先生が補習を行えば、部活動のほうは手薄になってきます。また、「部活顧問はブラック残業だ」と言うお話も聞きます。特に運動部を指導する先生の負担は大きいと感じております。部活動の指導を教職員以外が行えれば、負担も軽減できると思いますし、また、学力向上に力を注げるかもしれません。例えば、地域総合型スポーツクラブやスポーツ推進員さんを中心に充実・活用させていただいて、特に専門性の高い指導者を確保していただければ、学力・体力面の相乗の効果があらわれるのではないかと考えています。
(知事)
「部活の指導員さんについては、外から専門家においでいただいて」というご提案ですね。「野球経験のない先生が野球の監督をするんじゃなくて、野球経験のある人に来てもらって教えてもらうことができれば、その先生も、子どもに向き合う時間が増えるでしょうし、また、子ども達も、もっと野球が上手になれるかもしれませんね。」ということも考え、外部の専門家の方々の力も借りていこうとするのが、たぶん「チーム学校」の考え方なのかな、と思っております。
一定、予算はかかるんですが、「やはり、知・徳・体それぞれにおいて、何とか全国最下位クラスを脱却して、将来に夢を持てる教育環境にしていきたい。」「そのためには、お金もかけなきゃならん。」「県民の皆さんもご理解いただけるんじゃないか」と、そう思うんです。ぜひ、そういう方向で取り組んでいきたいと思います。
保護者の皆さんから、例えば、野球経験のある人とか、バドミントン経験のある人とか、テニス経験のある人とかを募って、いろいろご指導をいただけたりできるものでしょうか。少し、現役の保護者の方は難しいでしょうか。保護者OBだったらあり得ますか。
(市原さん)
やはり、勤め人が多いので、平日は、なかなか、部活動の指導はできないと思います。また、志を持ってやってくださっている方は、結構、小学校で野球とかバスケットボールなどを、子どもたちに指導されていますので。
(知事)
それぞれの競技で、指導できる専門家を連れて来るほうがいいでしょうかね。しかし、そういう人材は取り合いになって、なかなか大変なんでしょうね。
「校内ハローワーク」という取組は、保護者の皆さんに来ていただいて、いろいろ仕事のお話をしていただくんですか。
(市原さん)
そうです。土佐市在住の方やお勤めの方に、たくさん来ていただきました。土佐市長も来ていただきました。
講師になってもらって、「今、勉強していることが将来の仕事につながるんだ」という気づきに結びつける、いろんなお話をいただきました。来年度も開催すると思いますので、知事にお越しいただければ、「将来、知事になりたい」という子どもも、出てくるかもしれません。いかがでしょうか。
(知事)
「なぜ勉強するのか」というあたりを、子ども達にわかってもらって、心に火をつけてもらえるようになればいいんでしょうね。そのためにも、そういう取組というのは、「勉強したことはこう役に立つ」みたいなことが実感としてわかる点で、有益なんでしょうね。
(司会)
取組の発表の最後です。日々、子ども達の心のケアに努められています、スクールカウンセラーの坂﨑さん。お願いします。
(坂﨑SC)
高知県は、教育困難の県として知られていますが、スクールカウンセラーの配置については、かなり先進の取組をされていて、普通は1週間に1回、2週間に1回くらいの勤務が当たり前なんですが、高岡中学校には、大体毎日、勤務させていただいて、週1回では見られない子どもの様子を見ることができています。先生方とも連携がとりやすく、すぐに子ども達の情報を共有できる環境にあるので、高岡中学校は、そういうところが強みなんだと思います。
ただ、活動としては、カウンセリングが主なんですけれども、先生方から求められる対応はかなり多様です。例えば「学級に入って学級の状態を見てほしい」、「学級の中で騒がしい子ども達がいるので、その子がどういう状態なのかを教えてほしい」とか、なかなか多様な対応が求められます。子ども達と話したり、保護者と話したりする中で、一番感じるのは、「誰からも認められていない」という思いがすごく強いです。承認感の欠如は、子どもだけではなく、その子どもの親も一緒です。
カウンセリングに来られて、いざ話してみると、「自分の育て方が間違ってなくてよかった」とかいう発言がかなり多いです。親も「『この方法でいい』ということを誰にも認めてもらえていない」という思いの中で、子どもと関わっているんだなと感じています。
先ほど、知事から「『チーム学校』としての対応のネックになる部分は何か」というお尋ねがあったんですが、私自身が感じるのは、それは恐らく、「その核となる先生方が忙しすぎる」、「先生方自身がその軸になるような余裕がない」という要因が、すごく強いのかなと思います。
いくらスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが家庭訪問をしたとしても、結局、その子達が登校する場所は学級で、スクールカウンセラーの部屋に登校するわけではないです。その時に、学校の先生が軸となって迎え入れるような状況がないと、子ども達は帰れません。
そこで、「『チーム学校』の対応として、先生がその軸となれるのか」ということが大きな課題となっていると思います。周りが動きすぎると、先生として・担任としての軸が薄れていきますし、周りが動かないと、先生の負担が大き過ぎるという両面があるので、そのバランスが大事なのかと思います。
やはり、軸になるのは、担任であったり、その子の周りにいる先生であったりするのが基本だと思うのですが、現在の先生方の日々の勤務を見ていると、それぞれの先生に「軸となる」対応を求めていくのは、非常に厳しい状況かと思います。もっと先生が関われば、解決する問題も多いかも知れないですけど、「そんなことを多忙な先生方に言うことはできない」と感じるところです。
子どもと先生との対話ができれば、解決できることはたくさんあると思います。それだけで解決できることのほうが多いのかなと思うんですけど、そういう対応が、物理的に厳しい環境にあるのかなと思っています。
(知事)
なぜ、先生は「子どもと物理的に話しをすることもできないほど忙しい」と思いますか。
(司会)
まだ発言されていない須内教頭先生、いかがですか。
(須内教頭)
多忙化の議論では、よく「子どもとの関わり方」とか「学級担任の業務増」とかが俎上にあがりますが、私達の学校では、「それでも子ども達と関わりを持とう」と、業間の時間には、教員は廊下に居たり、教室に居たりというふうに努力をしています。
教科会や部活動など、いろんな業務があったり、たまに生徒指導の問題も起こったりといったことも、その要因にあろうかとは思います。
(知事)
先生の限られた時間の中で「どちらに重きを置いていくようにするか。」ということですね。「できる限り、子ども達の学習とか、心の問題とかに重きを置けるようにしていく。」「そういう時間をできるだけ取れるようにして、その他のところは、可能な限り、地域の皆さん等に助けていただくことができる、いろんな『チーム』としての環境を整えていく」ということが必要となっているのだと思うんです。
その「チーム学校」の目指す方向性の一つにも、「その極度の多忙感や子どもに向き合う時間を確保できない状況を何とか解消したい。」「そのためにも、学校外の方のお力も借りていきたい」というところがあるのだと思います。
坂﨑先生にお聞きしたいのですが、「時間がとれない」多忙という要因ではなく、例えば、若い先生などが、向き合った事案の困難さに苦労しておられる状況はないですか。
(坂﨑SC)
相談では、発達障害の問題がかなり多いです。不登校の中にも、やっぱり、発達障害の問題がかなり関わっているので、実際、「子どもに向き合えば、それでいいか」といったら、そうではなくて、一般的な向き合い方では、発達障害の子ども達には向き合えることができなかったりするので、力量と言いますか、技術とか知識は、やはり、必要なのかなと思います。
(知事)
たぶん、先生方はいろいろ研修も受けておられるでしょうけど、困難な事案もだんだん増えてくる中においては、Off-JTとOJTとの両方が必要かとも思うんですが、例えば、スクールカウンセラーの皆さん方に先生になってもらって、OJTをしてもらうなんてことも大事かと思いますが、いかがでしょうか。
(須内教頭)
スクールカウンセラーやSSWの先生には、長期研修などの場面で、講師をやってくださったりとか、私の所属する土佐市の教頭会にも参加くださり、研修やアドバイスなどを多くいただいています。
(知事)
Off-JTはわかるんですが、OJTにはなっていないんですね。なるほど。
いや、実は、坂﨑先生のようなご意見を聞くことが多くて、私も、やっぱり、「子どもに向き合う時間がない」という状況が一つの課題だと思います。
それから、家庭の問題について、例えば「20代になられたばかりの先生に、40代の家庭のいろんな難しい問題などを『一人でさばけ』と言われても、それは大変ですよ」というような話を聞いて、「それはそうだろうな」と思うこともありました。そのような難しい問題などに向き合うためにも、「チーム制が必要だな」と強く思うんです。
そういう点について、どうしていけばいいか。例えば、校長先生や教頭先生など経験豊かな方に若い先生をご指導いただくとともに、スクールカウンセラーの先生方から、専門的な知識について、日々、教えていただくことの組合せのような対応が大切になっていくんだろうと思います。
そこのところは、今のところ、「タテ持ち」のように少しクリアに答えが見えているわけではないと思うんですが、今後の大きな課題と思うんです。もし、お知恵があったら教えていただきたい。
(坂﨑SC)
「子どもと向き合う」というのは、心の余裕から生まれてくるものだと思います。特に、中規模から大規模の学校では、先生方に多忙感というものがありすぎて、やはり、心から子どもと向き合おうとする余裕がないのが現状だと思うんです。
(安岡校長)
先ほどの生徒指導上の問題などへの「チームとしての対応」についてですが、実は、本校においても、例えば、担任が家庭訪問に一人で行った際に、いろいろなトラブルになったり、それから、生徒指導上で生徒にいろんな事情を聞く時に、教員が単独で聞いてしまって、そこでトラブルになったりというようなケースがございました。
その反省などから、今は、家庭訪問に行く際にも、生徒に対応する際にも、できるだけ複数以上を原則として、今、対応しています。
(知事)
多忙感で余裕がないというのは、なかなか難しい問題です。
「チーム全体として、その多忙感などを、どうやって解消していくか」、「子どもさん自身に向き合う時間を、どうやって増やせるようにしていくのか」は課題ですね。
ちなみに、「高知県の学校の先生の数が少ないのか」といったら、そうじゃないんですよ。全国でも一番多いんですよ。そういう意味では、数だけで言えば、本来は、向き合う余裕があるはず。しかしながら、そうでないのは何なのかというと、たぶん、高岡中学校のように、「チーム制をしっかり機能させていく」ことが大事なんじゃないのかなと、今、私達は仮説をもっています。
そういう意味において、数は多いにも関わらず、先生方が、もう一段、ふれあう時間をつくることができてない現状には、やはり、組織としてシステマティックな問題があるんじゃないかという問題意識を、今、持っています。教科の問題について、若い先生に力をつけさせようという意味において、「タテ持ち」は一つの方法だろうと思うんですが、学習支援だけじゃなくて、本当に厳しい家庭にも寄り添う対応において、どうやって、システマティックな対応ができるような仕組みをつくるかという課題は、私どもが、平成28年度に、もう一段研究しないといけない課題だと思うんです。また、いろいろと教えていただければと思います。是非、お願いします。
門田先生、いかがですか。
(門田教育委員長)
子どもを取り巻く環境は、すごく多様化していると思います。だから、学校がチームで取り組むことは、これから非常に大事になってくると思います。また、学校の関係者と保護者の方、そして地域の方が一つになって、それぞれの立場で、それぞれの専門性を活かしながら、子ども達を見守り育てていくチームづくりも、本当に大事になってくると思います。
土佐市は、そういう意味では、地域の方の協力を多くいただいておりまして、例えば小学校では、スクールガードの方が登下校の見守りをしてくださったり、学校の木がすごく伸びた時には、地域の方が伐採してくれたりとかご協力をいただいております。そういう意味からも、やはり、チームとして、すべてを考えていかなければ、一人では、もう対応できない状態だと思います。
今日、「タテ持ち」のことが話題になりましたので、「タテ持ち」で考えてみますと、私は、二つのことで、すごく期待をしております。一つは、若年教員がこれからすごく増えますが、そのような若年教員への研修が、勤務校でできるということです。勤務校で、日々の授業の中で課題と感じた時に、先輩からリアルタイムで具体的な助言が受けられることは、非常に効果が大きいと思いますので、ぜひぜひ、充実していってほしいと思います。
それとともに、小規模校の取組に、どう絡ませていくかという課題についてですが、やはり、全体として高まるには、地域地域で、「チームをどういうふうに組んでいくか」を考えていかなければならないと思っています。
それから、もう一つのメリットは、教員がそれぞれの職責を果たして、ベクトルを合わせて指導にあたることは、学校がチームとして高まっていくことであると思います。このことは、一教員の指導力ではなくて、チームとしての指導力を高めますので、教員の異動がありましても、その指導が継続できるところが、すごく大きいと思います。
例えば、今までは、何かに優れた教員がいれば、その教員がいる間は、それがすごく盛んになりますが、いなくなったら、その取組が少し衰退していくことがありました。やはり、チームで取り組むことで、その指導が継続できるところが一番大きいと考えています。
と申しますのは、私が6年生を担任した時に、四則計算が十分にできない男の子がいました。「これはいかん」と思いまして、休み時間などに、九九とか繰り上がりの計算とか、指導をしたんです。そうしたら、6年生ですので、ちょっと手を足すとわかるようになる。わかるようになったら面白くなるので、「先生、算数しよう」って、すぐ言ってくる子でした。
その子は、体育はすごく得意でしたが、最初の頃は、気持ちも荒れていますので、ルール破りがたくさんありました。しかし、算数がわかるようになるとともに、授業中は集中して聞くようになり、そして、仲間と一緒に活動ができるようになってきました。
その子が、卒業式の時に、私のところに来まして、「先生、握手しよう」と言うんです。そして、握手をしながら、「先生、もう1年、6年生があったら良かった」と言ったんです。その時に、本当にすごく考えさせられました。「1年からきちんと積み上げた指導ができていれば、この子の人生も変わったかもしれない」というようなことも考えさせられて、積み上げの効く指導、学力をつけていくことの重要さを、すごく実感したわけです。
だから、土佐市は、土佐市指定の研究発表会があるように、研究には全体で取り組むようにしています。やはり、子ども達の学年に応じた学力保障をしていくことがすごく大事だと思います。
やはり、その時に思ったんですが、「私達は子どもと関わる時に、担任をしたとか教科をもった1~2年ではなくて、子どもの人生を担っているんだ。すごく責任のある仕事だ」と思いました。だから、教育はすごく大事です。是非、よろしくお願いします。
(知事)
どうもありがとうございました。
それでは、少しお時間もオーバーしてきましたけれど、皆さんから、この際に、というお話があればお願いします。
(野瀬SSW)
やはり、先生の気持ちに余裕がないと、子どもにもなかなか向き合うことができないと考えます。そのためには、どうしたらいいのか。
まず、「この子どもはこういうタイプである」、あるいは「こんなところが欠点である」、「こんなところは長所である」と、クラス担任が、いかに早く、そのクラスの生徒の長所や欠点を知るのか。そこからスタートしないと難しいと思うんです。
それには、自分の目だけではなくて、多くの先生の話をいろいろ聞いて、総合して、それぞれの子どもを評価していく。こういうことをしていけば、先生方の目が、もっと、子ども一人一人に向くんではないかと思います。
私が教員をしていた時は、若い先生には「子どもと目を合わせよう」、「話をしなさい」と指導をしていました。そうすると、先生自身にだんだん余裕が出てきます。わからなければ、余計に不安になってきます。不安が不安を生みます。ですので、まず、一人の子どもを見る。次はこの子ども。次はこの子どもと。そうしていくと、だんだんクラス全体の様子やそれぞれの子どものことがわかってくるわけです。先生方には、そのような向き合い方から始めていただいたらいいと思います。
それともう一つ。若い先生がこれから増えてきます。ある時、飲み会で、ベテランの先生に、「おい、すまんけど、若い連中を教えてやってくれや」と言ったことがあります。ベテランから若手に「こんな時はどうだ」と、話をしていくことによって、若い先生も、だんだん周りが分かっていき、いろんな対応の仕方も分かってくる。これが、先生として余裕を持たす一つの方法じゃないかなと思います。
(知事)
お子さんに向き合う時も、先生一人だけの目で見るというのは大変でしょうね。特に若い頃に、いろんな人の見方を教えてもらうことで、多様な見方もできるようになって、子どもと向き合う力というのが、だんだんついてくることになるんでしょうね。
(野瀬SSW)
それが、若い先生の次の力になっていくと思うんです。それを積み上げていくことによって、本当の教員になっていくんじゃないかなという気がします。
(知事)
「教科プラスアルファで、チーム制を、より発揮できるようにするために、どのような方法が効果的か」というところの研究を、もう一段します。是非、いろいろお知恵も下さい。ありがとうございました。
それと、「継続的に」ということも大事だと思いますので、少なくとも、現行の教育大綱でバンと打ち出したら、その教育大綱のもとに、コミットメントして、しっかり推進し続けていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
今日はどうもありがとうございました。
今日、会場にも、たくさん傍聴においでいただいておりまして、どうもありがとうございました。この機会に、ご質問やご意見がありましたらお願いします。
(傍聴者A)
私のいる戸波地区は、「戸波地区あったか推進協議会」という組織がありまして、その中で、市長や教育長に、「戸波小・中学校を、9年制のエレメンタリースクールにしてみませんか」という投げ掛けをしたことがあります。そうしたら、「補助金が来んなるきのう」という話をされまして、「いや、補助金より校長の退職金のほうが多いがやないが」と言った話もありました。
そこで、一つの提案として、仮に9年制のエレメンタリースクールになったとして、校長と教頭、専任教頭を置くことで、ある程度の人件費の圧縮はできると思いますし、他方面から、俯瞰の目をもって、学校の充実や子ども達の成長にも、より一層、目を向けていただきたいなと思いました。
(知事)
たぶん、その議論をしていた時から少し時代が移ってきて、今、9年制でも、一定応援させていただく制度も設けられています。例えば高知市では、そういう学校がつくられて運営されていて、「4・3・2」、①4年生までの4年間と、②その次の3年間と、③最後の2年間を区別した教育もできるようになっています。今の話も、地域の皆さんや教育委員会で話をしていただいて、「やる」という話になったら、県としては応援します。
(傍聴者B)
土佐市教育委員会は、SC、SSWの取組について、非常に頑張っていただいています。子どもを取り巻く貧困問題があるので、環境は厳しいと思います。でも、県単位で、SSWをもっと増やしていただき、SCは中学校区に1人くらいに増やしていただくことは、高知県の子ども達、ひいては日本にとって、非常に大事な取組だと思っております。
発達障害の方も多い中で、学校現場では、SSWが子ども一人に対応するために、長い時間が必要になっております。だから、4人でも、きっと足らないんじゃないかなと思っております。県単位で、このことを考えていただけますように、心からお願いしておきます。
(知事)
おっしゃるとおりだと思います。
それで、厳しい環境にある子ども達への対策の中で、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーをとにかく増員しないといけないと、そういう思いです。スクールソーシャルワーカーを、現在の69人から来年度は79人まで増やす。それから、スクールカウンセラーも、たぶん、何十人も増やします。そうやって増やしていって、さらに配置する学校も増やしていきます。
実は、もう一つ、心の教育センターに、特に専門的なスクールソーシャルワーカーとスクールカウンセラーを新たに配置して、各学校のスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーをバックアップできる仕組みをつくっていきたいと思っています。予算上は、そういうかたちにします。それが実際に動き始めるのには、もう少し時間かかるかもしれませんが、大いに増員していきます。
(板原土佐市長)
尾﨑知事、田村教育長、今日は本当にありがとうございました。
私達も、教員委員などとともに、総合教育会議で協議をしています。現場の声は、そこで聞くぐらいでしたので、今日は非常に参考になったと思います。
特に感じたのは、「チーム学校」の取組によって、教職員の多忙感を解消まではならなくても、改善していけるのではないか、また、教職員のストレスをある程度解消することによって、子ども達と向き合う時間や余裕を生みだしていけるのではないか、大変良い取組となっているんじゃないかと感じました。
バランスのお話もございました。私も、予算に関わる立場として非常に悩ましいんですが、支援に携わる方をどんどん増やしていくと、人件費がすごく増えてきます。そのような検討においては、「それが、どの程度まで必要なのか」といったバランスの問題も出てくると思います。また、若年教員の育成も重要な課題です。
そういった取組を進めながらも、教職員の多忙感を和らげていく対応も必要だと思うので、目をそらさずに、一生懸命、頑張っていきたいと感じました。
是非、県のご指導、ご支援たまわりますように、よろしくお願いを申し上げたいと思います。本当に今日はありがとうございました。
(知事)
「先生方が非常に多忙なこと」、「子どもに向き合う時間が不足しているということ」、「これをどう解決していくか」ということは大事な課題だろうと、本当に思いました。「物理的に時間がない」という問題もあるとは思うんですが、しんどい事を一人で引き受けてしまったら、それは、ますますしんどくて、精神的に余裕もなくなるでしょうから、うまくチーム化することで、時間の使い方をより効率化して、さらに、「しんどいことも皆で分かち合う。」、特に「先輩が助けてくれるから乗り切れることができる」というかたちでの「チーム学校」化に、さらに「教科のタテ持ち」の取組も含めて、もう一段進化をさせていかなければならないと思っています。
私どもも、まだ検討途上のところがあるんですけど、もう一段、さらに考えていきますので、いろいろ、お知恵も賜れればと思います。今後ともどうぞよろしくお願いします。
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