公開日 2022年09月06日
【相談内容】 (香川県労働委員会)
メンタルヘルス不調により休職した労働者に対する職場復帰支援のために、「試し出勤制度」を設けている事業所があると聞きました。
「試し出勤制度」の概要や導入に当たっての留意事項について教えてください。
【お答え】
「試し出勤制度」は「リハビリ出勤制度」とも言われ、職場復帰が可能と考えられる程度に回復した労働者が、職場復帰前に、元の職場などに一定期間継続して試験的に出勤するという制度です。この制度を設けることについては、法的な義務付けはなく、すべての事業所が導入しているものではありません。
厚生労働省が作成した「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」では、「試し出勤制度等」として、次の3つの例を示しています。
(1)模擬出勤
勤務時間とほぼ同じ時間帯に模擬的な軽作業を行ったり、図書館等で過ごしたりする。
(2)通勤訓練
自宅から職場の近くまで通勤経路で移動し、職場付近で一定時間を過ごした後に帰宅する。
(3)試し出勤
職場復帰の判断等を目的として、本来の職場等に試験的に一定期間継続して出勤する。
正式な職場復帰の決定前に、こうした制度を設けることで、より早い段階で職場復帰の試みを開始することができ、休職していた労働者の職場復帰への不安を和らげ、労働者自身が実際の職場で自分自身と職場の状況を確認しながら、復帰の準備を行うことができるので、より高い職場復帰率が期待できるとされています。
この制度を導入するに当たっては、この間の処遇や災害が発生した場合の対応、人事労務管理上の位置付け等について、あらかじめ労使間で十分に検討しておくとともに、一定のルールを定めておく必要があるでしょう。なお、作業について使用者が指示を与えたり、作業内容が業務(職務)に当たったりする場合などには、労働基準法等が適用される場合がある(災害が発生した場合は労災保険給付が支給される場合がある)ことや賃金等について合理的な処遇を行うべきことに留意する必要があるとされています。
詳しくは、各都道府県の「産業保健総合支援センター」にお問い合わせください。
※「産業保健総合支援センター」は、厚生労働省所管の独立行政法人 労働者健康安全機構が設置している施設です。
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