公開日 2023年12月28日
更新日 2024年09月02日
日頃から高知県の動物愛護行政につきましてご理解、ご協力をいただきありがとうございます。
近年、高知県においても動物愛護意識の高まりにより、動物愛護ボランティアによる地域猫、TNR活動、保護犬猫譲渡会等が活性化するなか、県としても遺棄等による収容をなくす取り組みと併せて殺処分ゼロを目指しています。
また、「動物の愛護及び管理に関する法律」の改正により、愛護動物の遺棄・虐待に対する罰則の強化やペットショップなどから販売される犬猫へのマイクロチップの装着の義務化や販売事業者や保護ボランティアの飼養環境の基準の明確化がされるなど動物愛護を取り巻く状況は大きく変わってきています。
このような中、本県の動物愛護行政に関して、様々なご意見、ご要望をいただいておりますので、動物愛護の取り組みの現状について述べさせていただきます。
1 収容期限を決めない飼養管理
高知県の現在の収容施設・小動物管理センターは、昭和56年度に野犬収容所として殺処分を前提に設置された施設です。
そのため、個別飼養は難しいですが、平成28年度から収容期限(命の期限)を設けず、犬猫の譲渡の機会を増やすため、収容施設の限界まで飼養しています。
また、これに併せて、収容頭数を増やすため、犬は個別犬舎の導入、係留方法の工夫や保健所の一時係留施設での飼養、猫は譲渡対象用猫舎の建設、収容場所の拡充を行いました。
しかし、施設の限界を越えた飼養が長期化すると、動物の受けるストレスが高くなり、特に犬は喧嘩の多発や世話をする職員への攻撃性が高まる等、収容動物、職員ともに危険な状態となることから、収容限界を超える場合にはやむを得ず殺処分の判断をせざるを得ません。
高知県における動物収容状況について⬅こちらのページでは、高知県小動物管理センター及び保健所での収容状況の現状をお伝えしています。
平成27年度の本県の殺処分数(高知市含む)は、犬103匹、猫1,717匹(収容中死亡含む)でしたが、令和4年度は、犬8匹(うち収容中死亡8)、猫294匹(収容中死亡は10)と大きく減少しました。
これは、収容頭数の減少もありますが、殺処分判断に至った時の譲渡ボランティアの活躍、ボランティアの皆さまによる飼い主のいない猫のTNR活動や、保護犬猫を家族として迎え入れてくださった県民のみなさまのご協力によるものと考えます。
成犬は、平成28年6月以降、県・高知市の登録譲渡ボランティアとその支援団体による引き取りにより殺処分ゼロ(収容中死亡を除く)を継続していますが、猫については、離乳前の子猫が持ち込まれた場合、一部はミルクボランティアの協力をいただいていますが、現状は設備、予算等の理由からやむを得ず大半が殺処分となっています。
今の現状を変えるには、迷子や遺棄、引っ越し等で飼えなくなったなどの理由での収容を一頭でも減らす必要があると考えています。飼うと決めたら、家族の一員として最期のその瞬間まで責任をもって適正飼養に努めてください。飼わないという選択も動物愛護です。
(1)犬の飼養について
本県で収容される犬は、都市部とは異なり血統種又はそのMIX種は稀であり、飼養されていたと推測される人慣れした犬や野犬など、いわゆる雑種が大半です。特に、人と生活をしたことのない犬は、人に怯え、身体に触れられることを極端に恐れることから首輪を付けることも難しい状態で収容されており、人に慣れることから始めなければなりません。
また、猟犬として飼養されていたと推測される犬の場合は、狩猟本能が強く、吠える、反射的なカミツキ行動が見受けられることが多く、そのままの状態では一般家庭には譲渡できません。
このような犬たちに対して小動物管理センター職員は、人馴れ等のトレーニングや散歩が出来るように日々取り組んでいます。
収容犬は、獣医師が定期的に検診を行い、狂犬病予防ワクチンに加えて原則7種以上の混合ワクチンの接種を行う等健康管理に努めています。
(2)負傷猫(成猫)の飼養について
負傷猫は、応急処置後に保護ケージで飼養を行い、譲渡用猫舎への移動については、治癒状況・収容猫の頭数・雌雄、猫同士の相性等により判断のうえ感染症対策ができた個体の飼養管理に使用しています。なお、譲渡用猫舎は、屋内飼養に慣らす目的もありますが、猫舎内で譲渡希望者と猫との相性を確認してもらう目的もあります。
収容猫は、獣医師が検診を行い、原則3種以上の混合ワクチンの接種を行う等健康管理に努めています。
2 高知県が収容した犬及び猫の譲渡について
高知県では、人と動物との調和のとれた共生社会の実現や人と動物の安全の確保の構築を目的とし、高知県が収容した犬及び猫を適正に飼養できると認める新たな飼養者に譲渡するために、「高知県犬及び猫の譲渡実施要領」を策定し平成28年5月より施行しておりますが、令和5年12月、譲渡の促進、活性化を図るため譲渡対象者について、条件を整えていただければ、高知県をのぞく都道府県の皆様にも譲渡を受けていただけるように改正いたしました。また、譲渡事業にご協力いただく登録団体等につきましても、必要条件を満たしていれば高知県をのぞく都道府県の団体等の皆様にも新たに譲渡ボランティァとして高知県の動物の譲渡を受けていただけるように改正いたしました。なお、登録団体等の皆様の飼養管理負担軽減のため、上限はありますが譲渡団体等補助者の配置ができるようになりましたので、ご協力よろしくお願いします。
高知県犬及び猫の譲渡実施要領はこちら⬅申請条件、様式等はこちらのページでご確認ください。
3 保護犬猫への譲渡助成
本県では、県で収容した犬猫を譲渡する際、譲渡希望者(終生飼養者)や譲渡ボランティアへの譲渡後の経済的負担を軽減することで保護犬猫がより譲渡されやすい環境づくりや適正飼養モデルとすること目的に、犬猫ともに不妊去勢手術、検便、マイクロチップ装着に係る費用の助成制度を設けています。
さらに、犬にはフィラリア検査、猫には猫エイズ・白血病検査の費用助成も行っています。(収容中ワクチン未接種の場合はワクチン接種費用も対象)
4 動物愛護センターの設置
中央小動物管理センターは、高知市との共同設置・運営を行っていますが、昭和56年設置のため老朽化が進んでいます。
このため、高知県と高知市は、平成29年度に「こうち動物愛護センター(仮称)基本構想検討委員会」を開催し、平成30年4月基本構想をとりまとめました。
現在、動物愛護センター建設候補地が決定し、センターの共同設置・運営者である高知市と建設に向けて取り組んでいます。
動物愛護センターは、動物愛護の拠点施設として県民のみなさまに親しみ、愛される施設となるよう検討を重ねてまいります。
今後も、本県の動物愛護の取り組みについて、ご理解、ご協力をお願い申し上げます。
この記事に関するお問い合わせ
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医薬連携推進担当 | 088-823-9682 | |
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