「鍋にケンカ売るうまさ「シャモ焼きヤキ」の開発」

公開日 2020年03月26日

令和元年度 地域の皆さんの活動(地域支援企画員からの報告)

南国市の取り組み(物部川ブロック)

 

01物部川地域本部(南国市)

<ごめんシャモ研究会の概要>
 ごめんシャモ研究会(以下、「シャモ研」)は、「南国市を元気にしたい」「子供たちに誇れる街にしたい」という思いから、シャモを使って町おこしを始めようと、南国市の資源(豊富な野菜類、歴史や文化)を盛り込んだ特産品「シャモ鍋」を開発・販売することを目的に結成されました。
 平成21年、70羽のシャモを入手し、シャモ飼育に協力してもらう農家を募って飼育を開始しました。同年秋には、シャモ肉と地元南国市産の野菜をふんだんに使った「シャモ鍋」を開発し、坂本龍馬が最後に食べることが出来なかったという逸話を添えて、鍋の全国大会にあたる「第6回彩りの国全国鍋合戦」に初出場し、初優勝を獲得しました。
 この受賞をきっかけに、地元でもシャモ鍋のニーズが高まり、南国市内の飲食店にシャモを使った料理を提供してもらう「シャモ鍋社中」を組織し、ご当地グルメとしての取り組みを地域一体となって進めています。

<加工品の開発・販売>
 平成24年には、「シャモ鍋セット(シャモ肉、つくね、スープ)」、翌年には「シャモすきやきセット(シャモ肉、シャモつくね、スープ)」の開発・販売を開始し、加工品開発・販売にも取り組んでいます。イベントにも積極的に参加し、土佐の食1グランプリ(優勝)、地域活性たからいち(グランプリ)、全国地場もん大賞(銀賞)などでは、その味だけでなく、ストーリーや地域に根ざした取り組みが高く評価されました。
 一方で、セット販売の鍋とすき焼きは冬季に限定されやすい商品であるという課題がありました。この課題を解決しようと、通年対応の新商品開発が始まりました。

 

02物部川地域本部(南国市)

<鍋よりうまい「シャモ焼きヤキ」!>
 新商品の検討にあたり、シャモ研メンバーから出た意見は「実は、シャモは焼き肉で食べるのが一番美味しいと思う」というものでした。シャモと言えば、鍋のイメージが定着していますが「自分たちが育てた美味しいシャモを、最高の方法で食べてもらいたい」「焼き肉セットが出来たら、自信を持って売り出せる」「シャモの「焼き肉」という食べ方も広げたい」という声が次々にあがり、この思いを商品として形にすることになりました。セットの内容をどうするか、生産や販売の計画はどうするか、適正な価格設定はいくらか、シャモ研の特色やシャモの美味しさを伝えるためにはどのようなパッケージが良いかなど、何度も話し合いと試作を重ね、令和元年5月「シャモ焼きヤキセット」が完成しました。
 今後は、定番商品であるシャモ鍋に「ケンカを売るうまさ」をPRし、「シャモ焼きヤキ」を南国市の新たな特産品として販売を促進していきます。

<今後の展望>
 
シャモ研が生産しているシャモ肉「ごめんケンカシャモ」の一番の特徴は、純血100%であることです。闘鶏で有名なシャモは、大変気性が荒く飼育が非常に難しい鶏です。そのため、現在国内で流通しているシャモのほとんどは、掛け合わせにより飼いやすく改良されたシャモですが、シャモ研では昔ながらの純血100%シャモの美味しさにこだわって飼育しています。また、安全、安心なシャモ肉をお届けできるよう、卵の管理・孵化から、飼育・食鳥処理、販売までを一括管理しています。

03物部川地域本部(南国市)


 難しいとされる飼育は、地域の農家さんや農業高校と連携し、経験を重ねることで安定供給が可能となりました。また、平成29年には食鳥加工センター南国が整備され、自社で加工が出来る体制が整ったことから、トレーサビリティが確立されました。
 今後は、HACCPの認証などで高付加価値化が図られたことを強みとして、ブランド鶏肉としての外商戦略を展開していきたいと考えています。

<地域支援企画員としての関わり>
 シャモ研では、毎月定例会を開催して飼育や経営の状況などの情報を共有しています。定例会には、南国市の担当者、商工会、地域支援企画員も参加し、課題に直面した際には一緒に解決策を考えています。「シャモ焼きヤキ」の開発に当たっては、なぜこの商品を売りたいのか、誰に食べてもらいたいのか、そのためにはどこで・どんな形で販売したら良いのかなど、事業主体であるシャモ研の思いを確認しながら、一緒に検討してきました。また、必要に応じて産業振興アドバイザー制度を活用し、専門的な知識を持った方からの助言も参考にしながら、課題解決に取り組んでいます。
 発足当時からシャモ研が一番大切にしている「南国市を元気にしたい」「子供たちに誇れる街にしたい」という思いを共有しながら、地域の産業として発展できるよう、今後も南国市と連携して支援していきます。

 

【この記事に関するお問い合わせ】
 南国市地域支援企画員 電話:088-864-6320

 

この記事に関するお問い合わせ

高知県 産業振興推進部 産業政策課

所在地: 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号
電話: 企画調整担当 088-823-9333
成長戦略担当 088-823-9049
地域産業担当 088-823-9334
ファックス: 088-823-9255
メール: 120801@ken.pref.kochi.lg.jp
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