公開日 2021年07月12日
令和2年度 地域の皆さんの活動(地域支援企画員からの報告)
津野町の取り組み(高幡ブロック)
<地域活動の共通課題>
津野町には、「集落活動センターのモデル」と言われる「森の巣箱」(床鍋地区)があります。
そして、町内には集落活動センターが3箇所(郷地区、白石地区、船戸地区)あり、そのほかにも各所で地域を元気にするための活動がおこなわれています。
私たち地域支援企画員はそういった地域に入らせていただき、イベントやワークショップのお手伝いをするなかで、少しでも取り組みをよくすることができないか、地域活動を長く継続していくためにはどうしたら良いかなど、地域に入りながら一緒に試行錯誤を重ねています。
津野町駐在の地域支援企画員になって5年目、地域や団体の想いや悩みには、共通するものを感じます。
「イベントに出店したいのに、ひとつの地域ではモノ(商品)が少ない」
「売るモノはある(つくれる)のに、販売に行く人がいない」
「もっと地域やイベントをPRしたいけど、PRの仕方がわからない」
「町外からは視察に来てくれるのに、町内の地域団体の人と話す機会がない」
「なんかしたい!けど、人がおらん。」
もちろん、人はいますが、生涯現役で働き続ける津野町。60代はまだまだ若手。
地域活動はどうしてもマンパワーに負担がかかる、そんな現状を目の当たりにします。
この共通課題をどうにか解決にすることができないか、同じ想いの者同士で一緒に考えることはできないか。
地域や役場に相談し、集まる場を持つことにしました。
<津野町まちづくりネットワーク立ち上げに向けた取り組み>
令和2年7月、集落活動センターなど町内の地域団体7団体を集めた「津野町まちづくりに関する意見交換会」を開催しました。
町長や役場職員にもたくさん参加をしていただきましたが、”(役場は)地域が主導で動いているところをサポートする”というスタンスのもと、役場は「聴く」側に。
地域おこし協力隊にも「津野町に着任して3ヶ月、地域の可能性」と題して、日頃感じることを講演していただき、地域支援企画員が中心となり意見交換を進めることとなりました。
意見交換の狙いは、住民同士の対話を通して「今後、地域同士がみずからつながり、自由に活動が生まれる」ようにすることです。
【当日の意見:テーマ「困っちゅう、教えて」】
- 今はなんとか活動を続けているが、高齢化、少子化で10年後がみえない
- イベントをするのに人手が足りない
- コロナ禍でイベントが中止になって寂しい
【当日の意見:テーマ「一緒にやろう」】
- 協力隊が積極的に地域に入ってきてくれている、これを津野町全体でやっていったら、町全体が盛り上がる。
- PRが難しい。田舎の日常生活を発信したい。一元的に情報発信していきたい。
- 地域の動きが弱ってきている、新しい活動に取り組みにくい。
- 地域の枠を超えて「みんなで一緒にやろう」ということはやる気が湧いてくる。他の地区も巻き込んで一緒にやっていきたい。
- 天狗高原で地域のものを販売したい。販売を代行することもできる。
- 各地域でリーダーを育てたい。地域活動を長く続けている「森の巣箱」に引っ張ってもらいたい。
- 津野町の観光の波に乗りたい、なにか一緒にコラボしたい。
- 子供たちも巻き込みたい。
- キャンドルまつりにかわるイベントをやりたい。医療従事者に対するメッセージをキャンドルで伝えるようなイベントができないか。
お互いに地域や取り組みは漠然と知っていても、どういう悩みを持っているか、思いを持っているかといったことを地区を超えて同じテーブルで共有し、つながるきっかけを見出す場となりました。
「7団体が連携していくこと」、「7団体のコーディネーター」、「主軸となる活動」が決まり、同月末には団体「津野町まちづくりネットワークfuu-hot」を発足させました。
スピード感のある活動がここから始まります。
*参加団体(令和2年10月1日現在)
・郷地区/郷地区活性化委員会(集落活動センター奥四万十の郷)
人口 313人、154世帯、高齢化率 53.0%
・白石地区/白石活性化委員会(集落活動センターしらいし)
人口 367人、164世帯、高齢化率 42.5%
・船戸地区/船戸活性化委員会「四万十川源流点」(集落活動センターふなと)
人口 427人、198世帯、高齢化率 46.6%
・床鍋地区/「森の巣箱」運営委員会
人口 78人、38世帯、高齢化率 48.7%
・精華地区/精華ファミリー
人口 1,071人、504世帯、高齢化率 45.4%
・維新の魁虎太郎社中(「吉村虎太郎邸」ガイダンス施設の指定管理者として参加)
・貝ノ川地区/貝ノ川棚田保存会
人口 75人、36世帯、高齢化率 48.0%
<これまでの活動内容>
①コロナ禍でのキャンドルプロジェクト
7月から検討がはじまった「キャンドルプロジェクト」。
全体のテーマを「コロナとたたかうみなさん、ありがとう」に決定し、地域のパワーと協力隊のアイデア、そして役場のバックアップが功を奏し、10月には7地区で順にキャンドルメッセージを点灯させることができました。
また、11月にはキャンドル動画をYouTubeで公開(*)し、公開1ヶ月で1,000回を超える視聴数となっています。
作成した動画は県内約130の医療機関へ届けられ、各機関からお礼の動画やお手紙をいただくなど、大きな反響を得て、地域の活力につながりました。
(画像をクリックしていただくと拡大されます)
*動画は、下のタイトルをクリックいただくとご覧いただけます。(Youtubeのページに飛びます)
コロナ禍でのキャンドルプロジェクト~地域から医療従事者の方へ 感謝の気持ちとエールを届ける~
②合同販売会の開催
さらに、キャンドルイベントが終わった後も休むことなく定例会を開催し、11月の行楽シーズンを狙って、津野町の道の駅「布施が坂」で合同販売会を実施。「3連休のうち、出店できる団体が、出店できるときに」の考え方で開催することで、負担がかかりすぎることなく、お客様との交流を楽しみました。
〈今後の活動〉
現在は「議題はなくても、毎月定例会を必ず開催する」ということで、2月には11回目の定例会を行いました。
そして、10年後の地域のビジョンを描こうと、今、意見交換をしています。
「10年後の津野町の未来」
町内の小学生にも絵や夢を募集し、約260枚の作品が集まりました。
地域の想いに子供たちの夢を乗せて、「10年後の津野町の未来」は完成しそうです。
このビジョンに向かって、「津野町まちづくりネットワーク fuu-hot」は今後もひとつのアイデアを大事に、知恵とチカラを出し合って、笑いながら前に進んでいきます。
〈地域支援企画員の活動について〉
津野町まちづくりネットワークの活動は、どれも前向きで、楽しく、頼もしいものです。
それは、各地区の活動が大きな幹となって、しっかりと根づいているからです。
地域支援企画員は、日頃、地域をまわるなかで聞こえてくる住民のみなさんの「つぶやき(悩みや想い)」を大切に、役場や県にその想いを正確に伝えることを意識して活動しています。
今後も、地域地域の活動が持続できるよう、そして活動の輪が町内全体に広がっていくよう、町内を走り回ります。
【この記事に関するお問い合わせ】
津野町地域支援企画員 電話:0889-55-2126
この記事に関するお問い合わせ
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