公開日 2021年03月28日
令和2年度 地域の皆さんの活動(地域支援企画員からの報告)
土佐清水市の取り組み(幡多ブロック)
【(写真2)グループワークの様子】
【(写真1)竜串地区海中】
<竜串地区の観光について>
土佐清水市の竜串地区は市街地から約8km西方にあり、温暖多雨な気候に育まれた照葉樹林やサンゴや南方系の魚類などが数多く生息する竜串湾がある、自然豊かなところです。冬場でも海水温が16~18℃と高いことから、年間を通じてダイビングが楽しめるなど体験観光が盛んな場所でもあります。
竜串地区では、スノーピーク土佐清水キャンプフィールドや足摺宇和海国立公園「竜串ビジターセンター うみのわ」、足摺海洋館の建て替えなど整備が行われました。しかしながら、それらの施設は竜串地区の西側エリアに集中していたため、海のギャラリーや桜浜海水浴場、民宿、土産店などがある東側エリアを含めた竜串地区全体の活性化計画である「足摺宇和海国立公園竜串エリア利用計画」を策定することとなりました。
令和元年度に地域の事業者や関係者で構成された竜串海洋観光クラスター推進協議会においてアンケート調査や現地調査、グループワークを全5回を行い、地域の意見を集約したエリアの整備・利用計画を策定しました。市ではこの計画に基づいて駐車場、遊歩道などの整備や事業者間で連携したイベントの企画を行っています。地域支援企画員は協議会の発足時から参画し、地域の方と一緒にアイデア出しや現地調査などを行ってきました。
<令和2年度の取り組みと課題>
私が令和2年4月に土佐清水市担当の地域支援企画員として赴任した時には、7月に足摺海洋館SATOUMIのリニューアルオープンが予定されていました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で様々なイベントなどが中止になっており、オープニングイベントが感染症拡大の原因にならないかなど不安な要素が多くありましたが、感染症対策を徹底することで無事に予定通りオープンすることができました。オープニングイベントでは三山ひろしさんをゲストに迎え、オープン初日からお年寄りから子どもまで検温のための待機列ができるほど多くの人に来ていただきました。
コロナ禍ではありましたが、入館者数は順調に増えていき、7ヶ月で15万人を超えるなど年間入場者数は過去最高を記録しています。足摺海洋館SATOUMIのオープンは幡多地域全体の観光客数が増えるなど、土佐清水市だけでなく他地域への影響も非常に大きいものとなったと感じています。
しかし、同時に観光客の飲食の場が少ないなどの課題が浮き彫りとなっています。市は協議会で作成した観光客向けの竜串地区ランチマップを配布していますが、こちらもより利用しやすいように改良をしていきます。地元の食材「カメノテ」を使った昼食の提供を呼びかけるなど地域が一体となった取り組みも進めており、現在は事業者にGoogleマイビジネスの活用を勧めるなど観光客に対して情報発信を促しています。
【(写真3)足摺海洋館SATOUMIオープンセレモニー】
【(写真4)館内の様子】
【(写真5)ウミガメ】
<新たな動き・展望>
竜串地区東エリアの活性化策として、令和2年11月には地域の方や建築士が発端となって海のギャラリーの魅力を発信するイベント「海ギャラChill Out」が初開催されました。
東京大学木質材料学研究室と連携し、四万十ヒノキを使用した遍路小屋の展示や海のギャラリーの建築的な価値をPRするプログラムなどを中心に関係者が企画の段階から一丸となって取り組み、実現に至りました。
イベント準備では、予想以上に重い資材を実行委員をはじめ関係者で協力して運び込み、資材運搬や遍路小屋を建てる時には、中村高等技術学校や宿毛工業高校の生徒も参加し、プロの建築士と一緒に作業を行ってくれました。インパクトドライバーを片手に確実に作業を進める学生達の姿を非常に頼もしく感じたことを覚えています。
イベント開催期間中は、建築に興味のある方を中心に多くの方にご来場いただき、遍路小屋では子どもたちが遊び回るなどとても良いイベントになったと感じています。今年度が初開催でしたが、より良いイベントになるように他地域の取り組みなどを学びながら、今後も継続して開催し、地域を盛り上げていくことを目指しています。
【(写真6)海ギャラChill Out資材搬入】
【(写真7)海ギャラChill 設営スタッフ】
【(写真8)海ギャラChill 設営の様子】
【(写真9)遍路小屋「ほんだまりん」】
【(写真10)遍路小屋「卍」】
【(写真11)イベント当日の様子】
【(写真12)海ギャラChill Out遍路小屋解体作業】
【(写真13)宗田ぶっしー君】
<地域支援企画員の活動内容>
これらの取り組みは幡多地域アクションプラン「竜串地域の観光再生構想の推進」に位置づけており、地域の観光振興を目的に土佐清水市や関係機関などと連携しながら地域への支援を行っています。
具体的には、県の産業振興総合支援事業費補助金や産業振興アドバイザー制度などの支援策の活用を提案し地域の活動の補助を行っています。実際に作業を手伝うことも多く、時には住民の方と一緒に砂浜などの清掃活動を行ったり、時にはイベントのスタッフとして、また時には土佐清水市のゆるキャラ「宗田ぶっしー君」とともにイベントのPRを行うなど地域観光の活性化や情報発信に取り組んでいます。
新型コロナウイルス感染症の拡大によって地域の観光事業には大きな影響がありました。厳しい社会情勢ではありますが、土佐清水市の観光振興のために引き続き地域と連携した活動・支援を行っていきます。
※写真提供
写真1~4 土佐清水市役所観光商工課
写真6~8、11~12 海ギャラChill Out実行委員会
【この記事に関するお問い合わせ】
土佐清水市地域支援企画員 電話:0880-82-0622
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