公開日 2023年02月03日
更新日 2024年09月27日
梅毒とは ~もう他人事ではありません!~
梅毒は昔の病気というイメージがあるかもしれませんが、ここ数年、患者として報告される人が増えています。
梅毒は、性的な接触(他の人の粘膜や皮膚と直接接触すること)によって感染する性感染症のひとつです。具体的には、性器と性器、性器と肛門、性器と口の接触などで感染します。
県内では近年増加傾向にあり、2021年は過去最高の96例の報告がありました。また、2023年は62例でしたが、2024年は8月末時点で29例と、依然として患者報告数が多い状況です(2024.8.31時点)。
加えて、全国的にも梅毒が急増しています。⇒厚生労働省ホームページ
また、性風俗利用歴・従事歴のある者は2022年で計26例の報告があり、半数は利用歴や従事歴がある状況です。(2023.12.31時点)。
※性風俗従事歴、使用歴がない者の感染も増加しています。
梅毒の症状
感染したあと、経過した期間によって、症状の出現する場所や内容が異なります。また、症状がないこともあり、治療しないでいると病気が進行します。
症状のある方は、泌尿器科・皮膚科・産婦人科などを受診し、治療を受けましょう。
第Ⅰ期: 感染後約3週間
初期には、感染がおきた部位(主に陰部、口唇部、口腔内、肛門等)にしこりができることがあります。また、股の付け根の部分(鼠径部)のリンパ節が腫れることもあります。痛みがないことも多く、治療をしなくても症状は自然に軽快します。
しかし、体内から病原体がいなくなったわけではなく、他の人にうつす可能性もあります。感染した可能性がある場合には、この時期に梅毒の検査が勧められます。
第Ⅱ期: 感染後数か月
治療をしないで3か月以上を経過すると、病原体が血液によって全身に運ばれ、手のひら、足の裏、体全体にうっすらと赤い発疹が出ることがあります。小さなバラの花に似ていることから「バラ疹(ばらしん)」とよばれています。
発疹は治療をしなくても数週間以内に消える場合があり、また、再発を繰り返すこともあります。しかし、抗菌薬で治療しない限り、病原菌である梅毒トレポネーマは体内に残っており、梅毒が治ったわけではありません。
アレルギー、風しん、麻しん等に間違えられることもあります。この時期に適切な治療を受けられなかった場合、数年後に複数の臓器の障害につながることがあります。
提供:猿田皮膚科 猿田隆夫院長
晩期顕性梅毒(感染後数年)
感染後、数年を経過すると、皮膚や筋肉、骨などにゴムのような腫瘍(ゴム腫)が発生することがあります。また、心臓、血管、脳などの複数の臓器に病変が生じ、場合によっては死亡に至ることもあります。
梅毒の感染経路
主な感染経路は、感染部位と粘膜や皮膚の直接の接触です。
具体的には、性器と性器、性器と肛門(アナルセックス)、性器と口の接触(オーラルセックス)ですが、キスでも感染します。
梅毒の予防について
梅毒の予防には性行為の際にコンドームを使用することが有効ですが、症状のある部位によってはコンドームで覆うことができないため、完全に予防できないこともあります。
口に症状があればキスでも感染します。
感染の心配があるときは、検査を受けて、感染しているかどうかを知ることが大切です。感染している場合は、早く治療することにより症状の悪化を防ぎ、またパートナーへの感染を防ぐことができます。
基本情報
病原体 | 梅毒トレポネーマ |
---|---|
潜伏期 | 約1か月(症状が早くでてきたり、遅れて出てきたり個人差があります) |
検査 | 梅毒トレポネーマの検出または血液検査で診断します。検査は感染したと思われる時から4週間以上経過してから受けることが必要です。 |
治療 | 抗菌薬が有効です。菌を死滅させることはできても、臓器などに生じた障害を元に戻すことはできません。早期の治療が大切です。パートナーも検査を受け、感染していたら治療することが重要です。 |
感染経路 | 菌を排出している感染者との粘膜や皮膚の接触を伴うセックスで感染します。妊娠中に感染すると、胎児に感染させる可能性があります。 |
免疫 | 感染した人の血液中には、一定の抗体がありますが、再感染を予防できるわけではありません。適切な予防策(コンドームの使用、パートナーの治療等)が取られていなければ、再び梅毒に感染する可能性があります。 |
保健所での無料検査について
県内の保健所では匿名・無料で梅毒の血液検査を実施しています。
また、梅毒以外にもHIV、クラミジア(高知市保健所を除く)を検査することができます。
保健所名 |
連絡先 |
昼間 |
夜間 |
高知市保健所 |
088-822-0477 |
毎週月曜日 |
第3月曜日 |
安芸福祉保健所 |
0887-34-3177 |
第2・4木曜日 |
第4木曜日 |
中央東福祉保健所 |
0887-52-4594 |
第1・3木曜日 |
第1木曜日 |
中央西福祉保健所 |
0889-22-1249 |
第1・3火曜日 |
第3火曜日 |
須崎福祉保健所 |
0889-42-1875 |
第1・3月曜日 |
第3月曜日 |
幡多福祉保健所 | 0880-34-5120 |
第1・3火曜日 |
第1火曜日 |
※事前に電話での予約が必要です。ただし、高知市保健所の昼間のみ、予約不要です。
啓発資材について
この記事に関するお問い合わせ
所在地: | 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号 | |
電話: | がん・企画担当 | 088-823-9674 |
難病担当 | 088-823-9678 088-823-9684 |
|
感染症担当 | 088-823-9677 | |
新興感染症担当 | 088-823-9092 | |
ファックス: | 088-873-9941 | |
メール: | 130401@ken.pref.kochi.lg.jp |
PDFの閲覧にはAdobe社の無償のソフトウェア「Adobe Acrobat Reader」が必要です。下記のAdobe Acrobat Readerダウンロードページから入手してください。
Adobe Acrobat Readerダウンロード