公開日 2021年08月26日
更新日 2024年08月02日
【相談内容】 (高知県労働委員会)
自宅でテレワークを定期的に行っていますが、テレワークだと職場とプライベートの区別が付きにくくなるのか、時間外や休日に上司から業務に関する指示がメールで送付され、対応しなくてはいけないと思って対応しますが、時間外労働や休日労働が多くなっています。何か対策はないのでしょうか。
【お答え】
厚生労働省の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」によると、テレワークにおける労働時間管理において使用者には、単に労働時間を管理するだけでなく、長時間労働による健康障害防止を図ることや、労働者のワークライフバランスの確保に配慮することが求められています。また、当然ですが、テレワークの場合でも、使用者が時間外・休日労働をさせる場合には、いわゆる三六協定の締結や割増賃金の支払が必要になります。
これらのことを踏まえて、テレワークにおける長時間労働を防ぐ仕組み作りについて社内で話し合ってみてはいかがでしょうか。テレワークにおける長時間労働を防ぐ手法として、上記ガイドラインでは、次の4点が挙げられていますので、社内で話し合う際に、参考にしてみてください。
(1) メール送付の抑制等
役職者等から時間外、休日又は深夜にメールを送付することの自粛を命ずること等が有
効とされています。
(2) システムへのアクセス制限
テレワークを行う際に、企業等の社内システムに外部のパソコン等からアクセスする形
態をとる場合が多いですが、深夜・休日はアクセスできないように設定することが有効と
されています。
(3) テレワークを行う際の時間外・休日・深夜労働の手続
業務の効率化やワークライフバランスの実現の観点からテレワークの制度を導入する場
合、その趣旨を踏まえ、労使の合意により、時間外等の労働が可能な時間帯や時間数をあ
らかじめ使用者が設定することも有効とされています。
(4) 長時間労働等を行う労働者への注意喚起
テレワークにより長時間労働が生じるおそれのある労働者や、休日・深夜労働が生じた
労働者に対して、使用者が注意喚起を行うことが有効とされています。
なお、上記ガイドラインでは、テレワークを実施している者に対し、時間外、休日又は深夜のメール等に対応しなかったことを理由として不利益な人事評価を行うことは適切とはいえないとされています。
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