公開日 2022年03月22日
集落活動センターなはりの郷の取り組み(奈半利町/安芸ブロック)
1 集落活動センターなはりの郷の概要
平成28年に開所したなはりの郷では、ふるさと納税返礼品発送業務の受託から生じる手数料収入を活用して、以下の事業に取り組んできました。
しかしながら、令和2年5月に奈半利町がふるさと納税の受付を停止し、収入が激減したことに伴い、経営状況が急激に悪化し、経営改善が喫緊の課題となっていました。
そのため、中山間地域振興アドバイザー制度や産業振興アドバイザー制度などを活用し、現在、経営改善に取り組んでいるところです。
◆物産館・無花果(いちじく)の運営
土佐くろしお鉄道奈半利駅に隣接する物産館・無花果にて、地元野菜を始めとした地場産品や県東部のスイーツ等の販売、イベントの企画運営を行っています。
「気ままsweets甘音」さんのこだわりパウンドケーキをはじめ、店長がセレクトした高知県東部のおすすめスイーツと「sommarlek coffee roaster」さんのコーヒー豆を使ったおいしいコーヒーを販売しています。
店内のスイーツはテイクアウト可能で、イタリア食堂トンノさんの新商品「冷凍ケーキ」は自然解凍でそのままおいしく食べられると好評です。
集落活動センターなはりの郷 物産館「無花果(いちじく)」
安芸郡奈半利町乙1305-6
0887-32-1288
年始以外は営業
8:00~17:00
◆集出荷センターの運営
ふるさと納税返礼品の発送業務や農産物などの通信販売を行っています。
特に、奈半利町の特産品「無花果(いちじく)」は完熟するまで収穫しない「実なり完熟」ばかりで、令和3年、通信販売で生のまま出荷したところ大好評で売り切れ続出となりました。
完熟の風味そのままに、一つ一つ手作業で皮を剥き、カットして真空冷凍した商品も好評です。
通信販売URL:https://www.rakuten.ne.jp/gold/nahari310/
◆海浜センターの運営
マリンレジャー客や教育旅行の受け入れ、サンゴ遊覧船の運航を行っています。
奈半利ふるさと海岸沖には、約70種類の豊富なサンゴや色とりどりの熱帯魚が生息しています。海浜センターでは、そんな美しい海を満喫できるシーカヤックやシュノーケリングなどのマリンアクティビティを提供しています。
海遊びを体験しながら、サンゴを見たり熱帯魚を見たりと、幻想的な海を楽しむことができ、気持ちいい海風を感じながら過ごす時間は、非日常の贅沢なひとときです。
ガイドが丁寧に指導するため、初心者やお子様連れでも安心です。また、シャワーやロッカー室、トイレなどの設備も完備しています。
奈半利町海浜センター
高知県安芸郡奈半利町甲2293-2
TEL 0887-38-5127
営業時間 9:00~17:00
◆農作業の実施(農作業受託、不耕作地解消、施設園芸)
耕起、畦塗り、田植えなど農作業を受託するなど、耕作を支援しています。
不耕作地でいちじく等を栽培し、不耕作地の解消に取り組んでいます。
自社ハウスや町レンタルハウスを活用したナスの施設栽培を行い、収益を上げています。
◆特産品加工販売
物産館に隣接する「奈半利のおかって」などの加工販売施設を活用して地場産品の加工、販売を行っています。
奈半利のおかってでは、地元の農産物を使った手作りのお惣菜やお弁当、パンを販売しており、釜戸で炊いたお米は艶やかで、まろやかな甘みを堪能できます。
運営しているのは、NCL48(奈半利・クッキング・レディース48(気持ちは48歳))の8名です。特にお勧めなのは、「彩り弁当」で、3種(白米、赤飯、五目寿司)のご飯に、奈半利町の野菜をふんだんに使った手作りおかずが5品、デザートに杏仁豆腐いちじくソースがけも付いた600円で販売しています。
奈半利町の「おかって(台所)」として、美味しく素敵なものを奈半利町民や観光客に届けています。
奈半利のおかって
安芸郡奈半利町乙1305-6
0887-38-5548
営業日:木・金・土・日曜日10:00~17:00(なくなり次第終了)
2 経営改善に向けた取り組みの成果等
<成果>
◆①職員自らによる業務改善の意識醸成
令和3年度から開始した月次の予算と実績の管理(以下、「予実管理」)については、産業振興アドバイザーから様々な指導・助言を受け、当初は定例会までに作業が完了しないこともありましたが、回を重ねるにつれ、しっかりと取り組む姿勢が身についてきました。物産館においては、日々の予実管理や分析も開始するなど、職員自らの手で業務改善を行う意識が醸成されつつあります。
◆②イベントによる集客UP
令和3年5月に物産館で実施したイベントには、悪天候にもかかわらず、約500人の方が来場し、イベントを含めた5日間の物産館売り上げが前年度比182%となるなど、イベントの物産館への集客効果が確認できました。
このほか、居住地や男女比などの来場者の属性のほか、店内の客動線や人員配置に関する課題も職員間で確認するなど、今後の事業を検討するうえでも大変有意義なイベントとなりました。
<課題と今後の展望>
◆①人員の不足
物産館は、店長及びパート2名の体制で運営していますが、年始以外定休日なしということもあり、職員の体調不良が続くと臨時休業を余儀なくされるなど、人手不足が懸念されています。
また、海浜センターは、センター長及び地域おこし協力隊1名の計2名体制で運営されていますが、令和4年度からの新規事業としてキャンプサイトの運営を開始することが決まっており、春から夏にかけてのハイシーズンには、こちらも人手不足が懸念されます。
今後に向けて、法人全体でのシフト調整や短期雇用の導入など運営体制の再構築の検討が始まっています。
◆②戦略的広報の難しさ
物産館、海浜センターともにInstagram(インスタグラム)を活用した情報発信を行っているものの、日常業務をこなしながら行っているため、テーマ性を持って戦略的に情報発信するレベルにまでは及んでおらず、イベントの告知や取り組みの効率的な広報につながっていないことが課題となっています。
今後は、県のツイッターなども活用しながら、ターゲットを意識した戦略的な広報に取り組み、新たな利用者確保を進めていく予定です。
3 地域支援企画員の活動内容
地域食材を活用した奈半利町の特産品の開発及び販路拡大、奈半利町の観光施設の誘客強化による交流人口の拡大に向けた各取り組みは、ともに平成26年4月から安芸地域アクションプランに位置づけており、集落活動センターの経営改善と併せて目標達成に向けた支援を行ってきました。
具体的には、令和2年度は、うちんくのビジネス塾(中山間地域振興アドバイザー制度)の活用を提案するとともに、アドバイザーや奈半利町との調整を図ることで、経営改善計画及び事業戦略案の策定につなげました。また、令和3年度は、産業振興アドバイザー(課題解決型)制度を提案するとともに、月1回開催される定例会を含めた協議の場に参加して意見を述べるなど、予実管理や情報共有の定着といった経営改善計画等の実行ならびに経営意識の醸成に向けた支援を行ってきました。
「物産館を高知県東部のセレクトショップにしたい」「海浜センターを高知県東部のマリンアクティビティのメッカにしたい」という集落活動センターなはりの郷の思いを共有し、その実現に向けて、取り組み状況の情報を発信するだけでなく、企画段階から事業に参加するとともに各種支援制度を紹介するなど、今後も引き続き支援していきたいと思います。
【集落活動センターなはりの郷のホームページ等はこちら】
◆なはりの郷
ホームページ:http://www.naharino310.com/
◆奈半利町海浜センター
ホームページ:https://naharikaihin.net/
インスタグラム:https://www.instagram.com/nahari.kaihincenter/
フェイスブック:https://www.facebook.com/nahari.kaihincenter/
◆物産館無花果(いちじく)
フェイスブック:https://www.facebook.com/naharibussnkanichijiku/
インスタグラム:https://www.instagram.com/bussankan.ichijiku/
この記事に関するお問い合わせ
奈半利町地域支援企画員 電話:0887-32-1247
この記事に関するお問い合わせ
所在地: | 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号 | |
電話: | 企画調整担当 | 088-823-9333 |
成長戦略担当 | 088-823-9049 | |
地域産業担当 | 088-823-9334 | |
ファックス: | 088-823-9255 | |
メール: | 120801@ken.pref.kochi.lg.jp |