公開日 2024年03月27日
更新日 2023年12月22日
有機農作物による土佐山地域の振興(高知市/高知市ブロック)
1 (一財)夢産地とさやま開発公社の概要
高知市を流れる鏡川の源流域に立地する土佐山地域では、食の安心・安全志向の先駆けとして、平成元年から小規模農家への支援を目的とした有志による活動が始まりました。平成4年には、土づくりによる安心・安全な農産物の生産や鏡川流域の環境保全に取り組むため、『財団法人夢産地とさやま開発公社(※)』が設立され、現在に至るまで「土づくりセンター」を運営しながら、化学肥料や農薬の多用によって地力が減退した土を回復させることで、連作障害の克服や農産物の収量安定化に努めています。
現在、夢産地とさやま開発公社では、①有機農業の原点となる「土づくり」、②環境保全型農業の普及に向けた人材育成、③農業に関わる幅広い連携を進めるための「地域づくり」、④有機農産物の販路拡大の4つの事業を柱として、土佐山地域を元気にするための活動を行っています。
(※平成25年に一般財団法人化。以下、夢産地とさやま開発公社)
2 土佐山地域での「有機の里づくり」
有機農業とは、原則として、化学合成農薬・化学肥料・化学合成資材を使わずに3年以上経過し、堆肥などで土づくりをした農地で行う農業のことをいいます。夢産地とさやま開発公社では、物質の循環機能を生かして、生産性との調和も意識しながら、継続的な農業に取り組んでいます。
平成21年には、有機JAS認証を取得し、「有機無農薬栽培ショウガ」の生産を開始しました。ユズについては、有機栽培だけではなく栽培期間中、農薬不使用で栽培したものも扱っています。また、ユズの苗の栽培・販売も行っており、土佐山地域の生産農家に活用してもらうことで、“土佐山産のユズ”としてブランド化にも力を注いでいます。
また、夢産地とさやま開発公社の「安心・安全な農産物づくり」の考え方に賛同し、公社の扱う堆肥や有機肥料を使用して、農産物を栽培している生産者で『もこもこグループとさやま』というグループも設立しており、現在の会員は約90名となっています。今後も、グループ一体となって「有機の里づくり」に取り組んでいく予定です。
3 これまでの取り組みと今後の展望
夢産地とさやま開発公社では、設立当初から物質の循環機能を活用した土づくりなどを通して、化学肥料や農薬などによる環境負荷を低減した環境保全型農業を行ってきました。具体的には、栽培期間中農薬を使用しないショウガやユズなどを生産したり、有機農業に取り組む生産農家に対して技術支援等を行い、土佐山地域の有機農業の普及促進に取り組んでいます。また、有機農作物を活用したジンジャーエールやゆずスカッシュなど様々な商品の生産販売も行っています。
令和5年度には、地域の農産物や加工品をさらに広く販売していくために、加工施設を改修しました。衛生管理の高度化や増産に対応できる体制の整備を進めることで、より多くの消費者に土佐山の農作物を生かした商品を届けたいと考えています。また、人口減少や高齢化に伴う生産農家の減少という課題に対応するため、地域の農作物やそれらを活用した加工品の販売を強化し、生産農家収入の増加にも継続的に取り組むこととしています。
4 地域支援企画員の活動
高知市地域本部では、「有機農作物による土佐山地域の振興」として地域アクションプランに位置づけ、高知市や関係機関とともに支援を行っています。
令和5年度は産業振興推進総合支援事業費補助金を活用し、加工施設の衛生管理の高度化や増産体制の整備に向けた改修に取り組むなかで、事業計画の実行に向けた支援を行いました。また、今年度から毎月、事業の進捗状況や今後の方針を検討する会議に出席し、事業計画の実行や課題解決に向けて、関係者と連携して支援を行っています。
今後も、夢産地とさやま開発公社をはじめ様々な方と連携して、土佐山地域の活性化を支援したいと考えています。
『夢産地とさやま開発公社』の取り組みについては、ぜひ下記のHPからチェックしてみてください!
この記事に関するお問い合わせ
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