令和5年度 地域の皆さんの活動(地域支援企画員からの報告)

公開日 2024年03月27日

更新日 2024年01月05日

四万十川源流点がある船戸地区「集落活動センターふなと」の取り組み(津野町/高幡ブロック)

1 津野町船戸地区の概要

  船戸地区は、令和5年4月1日時点で人口401人、高齢化率50.4%、9集落で構成されています。津野町のちょうど真ん中辺りに位置しており、四万十川源流点や義堂・絶海の生誕地、追合の滝、稲葉洞など地域資源が豊富な地区です。地区の中心には、津野町産のほうじ茶を使用した満天の星大福で有名な「満天の星本社・加工所」や、令和3年7月に移転リニューアルした宿泊施設「遊山四万十 せいらんの里」、そして地域活動の拠点である「集落活動センターふなと」があります。

2 集落活動センターふなとの取り組み

 平成22年月の船戸小学校の廃校を機に、地域住民が地区の活性化に向けて取り組みをはじめ、平成26年3月に活動母体である船戸活性化委員会「四万十川源流点」を設立しました。船戸地区の魅力を伝えるために、美しい茶畑の景観を満喫し、茶摘み体験や新茶の釜炒り体験ができる「茶畑ウォーキング」や、地域の宝である四万十川源流点を生かした「四万十川源流点ウォーキング」といった地域内外との交流イベントなどを実施してきました。

 平成31年4月には「集落活動センターふなと」を開所し、これまで行っていた交流イベントのほか、豆腐や豆腐の加工品の製造販売、生活支援サービス、安心・安全サポート、景観保全など新たな活動を展開し、地域住民が一体となってさらなる地域の活性化に取り組んでいます。

   豆腐商品 【左から、おつまみ豆富、田舎豆富、おからパウダー】

3 これまでの取り組みと今後の展望

 集落活動センターの運営における課題の1つが、運営資金の確保です。集落活動センターふなとには2名の集落支援員が常駐しており、施設の維持管理にかかる費用をどのように確保していくか、日々試行錯誤しながらセンターを運営しています。「ちょっとでも稼ごう!」そんな前向きな気持ちではじめたのが、地域の草花を生かしたモノづくりの取り組みです。

集マルシェ

 


 元々ドライフラワーづくりが趣味だった集落支援員が、地域の花でつくったドライフラワーを「ふるさとえいもん集マルシェ」で販売すると、あっという間に完売。もっと本格的に技術を学びたい、もっと色々な地域の植物を活用できないか、そんな想いをつなげるため令和4年度に中山間地域振興アドバイザー事業を活用しました。

 アドバイザー事業では、①これまで独学で取り組んできたドライフラワーづくりのスキルアップ、②季節ごとに地域で採れる植物についての知識を深める、③アレンジメントのバリエーションやディスプレイの幅を広げることを目標に取り組みました。

 まずは、アドバイザーと実際に地域に出て草花を探すところからスタート。地域の身近にある草花を採って来て、スワッグやリース作り、四季折々の行事に合わせたアレンジメントを教わることができました。

 アドバイザー事業を通して、アレンジメントのスキルアップはもちろん、身近に生えている植物がアレンジを加えることで商品として生まれ変わること、そして自分たちが暮らす地域の資源の豊かさに改めて気づくことができました。

     草花リース  【地域の草花で作ったリース】


 ふるさとえいもん集マルシェや町内の道の駅などでの販売活動のほかに、体験づくりにも取り組みました。津野町では令和3年から、地域ならではの体験が期間内に町内の至るところで開催される体験キャンペーン「つのつねづね」を実施しています。集落活動センターふなとでは、令和5年8月~9月に開催した「つのつねづね#4」において、ヤシ科の植物であるシュロの葉でハエタタキとカゴ編み体験の受入れを実施しました。本番の体験受入れ前に、高幡地域本部のブロック会で地域支援企画員によるモニター体験を行いました。モニター体験では編み方を伝えるのが難しく、予定していた時間内に終わらない人もいたため、本番では編み方の順番を拡大した絵を示すことで分かりやすく改善を行いました。

 シュロのかご  【シュロの葉で作ったカゴ】


 これら以外にも、津野町の特産である茶の木を使ったスワッグ、クリスマスリース、しめ縄、雛祭りのアレンジメントなど、地域の身近な植物を季節ごとに楽しみながら取り組みを続けています。そして、今後もさらにバリエーションの幅を広げていくことが期待できます。

       【スワッグとススキのフクロウ】        【ひな祭りのアレンジメント】

 フクロウ    ひな祭り 

4 地域支援企画員として

 地域支援企画員として集落活動センターの運営に関わっていく中で、地域と一緒に考え、実行できるように支えていくことを目標としていました。課題は何か、どう解決していくかという視点を持つことももちろん重要ですが、主役である地域の方々が楽しく活動を続けられることも大切です。

 「地域に埋もれている身近で魅力的な資源に気づき、地域と共に資源の磨き上げを行うこと」、「今ある地域の資源を生かし、その地域に行かないと体験できない体験づくり」に直接携われることは、地域支援企画員ならではの仕事ではないでしょうか。

 これからも、津野町の魅力ある資源や活動が継続・発展していくように今後も一緒になって幅広い支援をしていきたいと思います。

この記事に関するお問い合わせ

津野町地域支援企画員 電話:0889-55-2126

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所在地: 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号
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