公開日 2024年03月27日
更新日 2024年01月17日
仁淀川町における滞在交流型観光の推進に向けた取り組み(仁淀川町/仁淀川ブロック)
1 「通過型観光」から「滞在型観光」へ
仁淀川町では、山・川・渓谷・桜など豊かな自然に恵まれた景観を生かした観光振興への取り組みとともに、仁淀ブルーの認知度の向上によって観光客数は増加傾向にありました。しかし、令和2年1月以降の新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、国内外の観光需要は大きく落ち込み、その影響が及んだところです。
現在は、感染防止対策を行ったうえでの社会経済活動の正常化や全国旅行支援の実施などにより回復基調にあり、加えて、新型コロナウイルスの流行を受けて旅行者のニーズや動向が変化した結果、自然やアウトドアに対する需要が高まるとともに、コロナ禍における楽しみ方の一つとなっています。
これらを契機にキャンプ場整備や情報発信の強化などに着手し、観光スポットを訪れるだけの「通過型観光」から、地域内消費につながる収益性の高い観光地域づくりを目指す「滞在交流型観光」への転換を図っています。
2 新たなアクティビティ施設の整備
こういった動きのなかで、地元の沢渡茶を栽培する茶農家であり、「茶農家の店あすなろ」を経営する(株)ビバ沢渡から、岩屋川渓谷での吊り橋・ジップラインのアクティビティ施設整備の提案がありました。
仁淀川町を代表する渓谷として、中津渓谷や安居渓谷がありますが、この岩屋川渓谷は奇岩や大きな岩の塊が連なる景観を有しており、いずれの渓谷にも劣らないポテンシャルを持っているものの、町外にはほとんど知られていない秘境となっています。
また、この地域では土佐三大祭りの一つである「秋葉まつり」が開催されており、保存・継承を目的とした「秋葉まつりの里・未来会議」という地域団体が活動しています。特産品には小麦粉とよもぎの生地に餡を入れて焼いた「いりもち」があり、令和5年度からは小さな集落活性化事業費補助金を活用して、地域活性化の取り組みを進めているところです。
魅力発信や、観光客と地元住民が交流できる仕組みをつくり、交流人口・関係人口の増加に向けた地域の相乗効果を図ることを目的に、観光振興推進総合支援事業費補助金を活用した「NIYO FLY(ニヨフラ)」が令和5年8月にオープンしました。吊り橋・ジップラインの体験後には、沢渡茶を味わっていただけます。
3 課題と今後の展望
観光客の周遊性が低く町内消費につながっていない現状からも、飲食や宿泊、特産品や土産販売などの施設が少なく、それらの周遊プランを提案する仕組みがないなど、地域にお金が落ちる仕組みづくりがないことが大きな課題となっています。
NIYO FLY(ニヨフラ)という新たなアクティビティ施設をはじめとしたコンテンツの充実、宿泊施設の整備による宿泊者の受入体制の強化、周遊プランの造成や情報発信など、仁淀川町に少しでも長く滞在していただくための手立てを確実に講じていくことが必要であると考えます。
4 地域支援企画員の活動内容
着任のあいさつで、(株)ビバ沢渡に伺った際に、岸本社長から「観光事業を行いたい」と最初に言われたことが大変記憶に残っています。
茶農家が運営するアクティビティ施設?観光のノウハウは?など、様々な疑問がありましたが、産業振興アドバイザー制度を活用した事業性の検討や周遊計画の策定、補助金における県担当課との調整など、地域支援企画員として様々なサポートに取り組んできたところです。
前述のとおり、令和5年8月にNIYO FLY(ニヨフラ)がオープンし、完成した施設を目にしたときには、微力ながらも貢献できたのではないかと感じました。
他の観光施設も同じですが、完成・オープンして終わりではなく、多くの方々に知っていただく、体験していただくことが重要です。そのためのプロモーションや町内施設との連携など、これからも関係者の皆さまと一緒に、地域支援企画員として全力で支援してまいります。
この記事に関するお問い合わせ
仁淀川町地域支援企画員 電話:0889-35-1082
この記事に関するお問い合わせ
所在地: | 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号 | |
電話: | 企画調整担当 | 088-823-9333 |
成長戦略担当 | 088-823-9049 | |
地域産業担当 | 088-823-9334 | |
ファックス: | 088-823-9255 | |
メール: | 120801@ken.pref.kochi.lg.jp |