公開日 2024年03月27日
更新日 2024年02月15日
中土佐町地域ブランドの創出と販売促進(中土佐町/高幡ブロック)
1 取り組みの概要
高幡地域アクションプランNo.17「中土佐町地域ブランドの創出と販売促進」は、企画・ど久礼もん企業組合(以下、「ど久礼もん」)が令和元年から、中土佐町で水揚げされるカツオのブランド化や外商活動による販路拡大、中土佐町の漁師町らしい物語性のある商品やサービスの開発による販売促進に取り組んでいる事業です。
中土佐町久礼は《鰹乃國》と呼ばれ400年以上続く伝統漁法「カツオの一本釣り」で栄えてきました。事業実施主体である「ど久礼もん」は平成19年に中土佐町内で商店を営む4名により設立された企業組合です。《どくれもん》とは高知の方言で「ヘソを曲げた頑固者」という意味があります。「ど久礼もん」の地元・中土佐町久礼の人々は、美味しいカツオを食べるため、一切の妥協をせずこだわり抜く。そんなところから「ど久礼もん」と名付けられました。漁師と販売事業者が共に潤うことで地域の活力を取り戻し「漁業を基盤に一つの共同体として生きていくまち」を作ろうという思いで活動しています。
(カツオ)
2 「ど久礼もん」の取り組み
「ど久礼もん」は以下の4つの事業に取り組んでいます。
(1)鰹乃國水産
久礼の美味しいタタキを全国に届けるため、久礼港に水揚げされた新鮮なカツオを目利きして良いものを選び、港のすぐ横の加工施設で藁焼きタタキに加工しています。加工・発送時にはシャーベット状の氷「スラリーアイス」を使うことで、鮮度を保ったままの発送を実現しています。
(鰹乃國水産加工施設)
(2)地場産品を使った商品開発
カツオをはじめとする地場産品を活用した加工品開発を行っており、商品に「漁師のラー油」「かつおの生姜煮」「俺のタレ」などがあります。
(ど久礼もんの加工品)
(3)市場食堂 ど久礼もん
飲食店部門として久礼大正町市場の入口近くにて「市場食堂ど久礼もん」を運営しており、新鮮なカツオを使った「かつおどんぶり」やスパイスの効いた「なぶらスープカレー」などを提供しています。
(市場食堂 ど久礼もん店舗)
(4)鰹乃國 陣や~藁焼きたたき伝承館~
平成30年7月から、一般客を対象にした藁焼きタタキの体験施設「鰹乃國 陣や~藁焼きたたき伝承館~」を運営しています。学校の遠足や修学旅行など団体客を受け入れ藁焼きタタキの美味しさを伝えています。
(鰹乃国 陣や) (藁焼きタタキづくり)
3 課題と今後の展望
「ど久礼もん」では鮮度にこだわった藁焼きタタキを製造・通販してきましたが、冷蔵のカツオのタタキ商品が中心のため、カツオ漁が休みの1~3月は著しく売上げが落ちる状態にありました。また、冷蔵商品では在庫があまり持てないため、売上げが伸び悩んでいました。
年間を通した在庫の確保と売上げの安定のため、冷凍のタタキの開発を行い、真空パックのタタキをマイナス30℃で急速冷凍(アルコールブライン凍結)することで鮮度を保ったまま冷凍することに成功しました。生(冷蔵)にこだわる地元漁師などからも高評価を得ています。さらに、近年のアニサキスによる食中毒問題から冷凍商品を求める市場のニーズを視野に入れ、冷凍カツオタタキを主軸にすべく令和5年度よりマイナス50℃の極低温冷凍庫を増設しました。今後は製造量を増やしていくためにも、加工のための人材確保が課題となっています。
「ど久礼もん」の冷凍カツオタタキはPR不足によりまだまだ認知度が低く、売上げが少ない状態にあります。新鮮な鰹が水揚げされる鰹乃國ならではの安心・安全・ほんまもんの地元にこだわった冷凍カツオタタキをブランド化し、付加価値を向上させることにより自社WEBサイトなどで新規顧客を開拓し売上げの向上につなげたいと考えています。
(冷凍カツオタタキ) (産業振興アドバイザーによる指導)
4 地域支援企画員の活動内容
この取り組みについては、定期的に地域支援企画員が訪問して情報交換を行いながら、必要に応じて支援事業の紹介や関係部署との連絡調整などにより支援を行ってきました。令和3年度は事業戦略やアクションプランを作成し、令和4年度は状況に応じて見直しを進め、令和5年度は冷凍カツオタタキの付加価値向上と自社WEBサイトの顧客創出について、産業振興アドバイザー派遣などを行いました。派遣にあたっては、事前に「ど久礼もん」側と詳細な打ち合わせを行い、現在の状況や目指す姿、そのために指導してほしい点などを明確にし、ブランド化にあたりど久礼もんの冷凍カツオタタキをどのように位置づけていくか、商品開発の考え方や販売用のWEBサイト開設・運営の注意点・分析方法などについて、スムーズに助言や指導が行われるようサポートしています。
小さなことからでも事業者さんとの関わりを重ねていく中で、信頼してもらえる関係を作っていきたいと考えています。
中土佐町には今回ご紹介した「ど久礼もん」以外にも元気な事業者さんがたくさん活動しており、それぞれが個性を武器に中土佐町を盛り上げようと日々奮戦しています。少しでもその手助けができるよう、これからも支援を続けていきます。
この記事に関するお問い合わせ
中土佐町地域支援企画員 電話:0889-52-2365
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