公開日 2024年03月27日
更新日 2024年02月21日
「メジカ関連産業の再生に向けた取り組み(土佐清水市/幡多ブロック)」
1 宗田節の概要
土佐清水市では、宗田節の製造が複数の事業者で行われています。
宗田節とはメジカ(ソウダガツオ)を原料とした節で、味や香りが強くコクがあり蕎麦やうどんの「だし」などに欠かせない素材として、プロの料理人に親しまれています。
また、宗田節には疲労回復などに効果があるとされる「タウリン」が鰹節の約3倍含まれるほか、カルシウムや鉄分も豊富に含まれており、栄養価がとても高い食品となっています。土佐清水市の宗田節の生産量は日本一を誇り、市の基幹産業となっています。
●宗田節の製造工程
①釜立て:メジカの大きさを揃え、煮籠に並べます。
②煮熟:大きな釜で約1時間煮立てます。
③セイロ取り:熱湯で肉質を引き締めたあと、身を開き、頭と内臓・中骨を取り除きます。
この作業は機械では対応できないため、すべて職人さんの手作業で行われています。
④培乾:約1週間かけて、しっかり水分を飛ばし香り付けを行います。
⑤天日干:さらに水分を蒸発させるために、天気の良い日に半日ほど天日干しを行います。
●宗田節の商品について
ほぼ全量が業務用として流通していた宗田節ですが、今では、削り節商品やだし醤油、スープブロス(和風だしキューブ)、ラーメンにのせる宗田節オイル、Dashi Pota(和風ポタージュスープ)など宗田節を加工した様々な商品が販売されており、メディアで紹介される機会も増え、多くのファンを獲得しています。
2 メジカ関連産業の課題
宗田節の原料となるメジカは、平成3年度には1万5千トンほどの水揚げがありましたが、年々漁獲量が減り、原魚(メジカ)の確保が大きな課題になるとともに、原価も高騰しており、宗田節関連の事業者には大きな痛手となっています。
また、宗田節は「だし」をとったり料理のトッピングなどさまざまな活用方法がある食品ですが、まだまだ宗田節を知らない方や鰹節と勘違いされている方などが多くいらっしゃり、認知度向上も課題となっています。
そこで、土佐清水市内の宗田節関連事業者、漁協、観光協会、商工会議所で構成された「宗田節をもっと知ってもらいたい委員会」を中心に、行政も協力しながら宗田節の認知度向上、販路拡大、文化継承のために県内外のイベントへ参加するとともに市内での食育活動などに取り組んできました。
3 地域支援企画員の活動内容
メジカ関連産業の再生に関する取り組みは、複数の幡多地域アクションプランに位置付け個別の支援を行うとともに、平成29年には「土佐清水メジカ産業クラスタープロジェクト」として、宗田節の認知度向上や生産拡大、加工品開発と販路拡大、節納屋体験による交流人口の拡大などを目指し、土佐清水市や商工会議所、観光協会など関係機関と連携しながら支援を行ってきました。
その取り組みの1つに「宗田節まつり」があります。宗田節の認知度向上を図るため、平成28年度から毎年開催されており、令和5年度は12月に土佐清水産業祭と同時開催されました。当日、会場では、宗田節でとった「だし」の試飲や販売、削り節体験やパネル展示などが行われ、宗田節の香りが会場に漂い、多くの方で賑わっていました。
【宗田節まつりの様子】 【削り節体験】
日々の活動としては、定期的に事業者さんを訪問し現状や課題、販路拡大の取組状況等についてお聞きして情報を共有しています。必要に応じて、商品開発や施設整備の検討のため産業振興アドバイザーの活用などについて提案するとともに、県の産業振興推進総合支援事業費補助金の申請のための書類作成支援なども行ってきました。
今後も、地域の事業者の皆さまと一緒に、メジカ関連産業の再生を通した土佐清水市の振興に向けて、微力ながら引き続き支援を行っていきたいと思います。
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