公開日 2024年05月31日
近年、熱中症による死亡者数が1,000人を超えるような深刻な状況が続いています。そのため、国は中期的な目標(2030年)として、熱中症死亡者数を現状から半減させることを目指しています。
それでは、高知県の熱中症の状況はどうなっているでしょうか。
高知県の熱中症搬送者の状況は?
高知県の熱中症による人口10万人当たりの搬送者数は、2022年では全国7位、2021年から過去5年間でも3位から13位であり、非常に高い状況が続いています。
また、実際の搬送者数も全国と同様に増加傾向であり、2023年には526人となっています。
高知県の熱中症搬送者数(2008~2023)
熱中症の搬送者数は、65歳以上が過半数を占めています。また、全国では熱中症による死亡者は大半が高齢者です。高齢の方は暑さを感じにくいため、よりこまめにまた、時間を決めて水分補給を行うなど対策していきましょう。
高知県の熱中症搬送者と死亡者数(2013~2022年)
地域別の熱中症搬送者数の状況は?
県内の地域別(消防区域別)に10万人当たりの熱中症搬送者数を見てみると、嶺北(本山町、大豊町、土佐町、大川村)や仁淀(いの町、日高村)、室戸(室戸市、東洋町)、南国(南国市)が多くなっています。
搬送者数の多い地域にお住まいの方は、特に気をつけましょう。
高知県内の熱中症搬送者数分布状況(10万人当たり)(2013~2022)
「国土数値情報(行政区域データ)」(国土交通省)
(https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-N03-v3_0.html)を加工して作成
熱中症の発生場所は?
県内の発生場所は「住居」が最も高く、搬送者が多い地域ほど「住居」の割合が高い傾向にあります。
このことは、熱中症対策は屋外だけではなく、室内でも必要なことを裏付けています。
暑い日は、積極的にエアコンを利用して部屋の温度を下げましょう。
高知県全域の搬送場所割合(2017~2022)
暑さ指数と熱中症搬送者数の関係は?
暑さ指数(WBGT)は、熱中症予防を目的に作られた指標です。暑さ指数と熱中症搬送者数とどのような関係があるでしょうか。
下図を見ると、暑さ指数が高くなるにつれて、熱中症搬送リスクが高くなること、特に暑さ指数が約29を超えると急激に熱中症搬送者数が増加していることがわかります。
県内各地の暑さ指数はこちらから見ることできます。
暑さ指数を参考にして、熱中症を予防しましょう。
日ごとの各日最高暑さ指数と熱中症搬送者数(2011~2022)
暑熱順化とは?
暑熱順化とは、体が暑さに慣れることです。
暑熱順化ができていると、体温調節がうまくできるので熱中症になりにくくなりますが、暑さに慣れていない梅雨明けの頃には、特に注意が必要です。
高知県でも6月は9月よりも暑さ指数は低いですが、熱中症搬送者数は多くなっています。
暑くなる前から運動などで汗をかき、暑熱順化を促して、暑さに備えましょう。
高知県の月別平均暑さ指数と熱中症搬送者数(2013~2022)
熱中症を予防しよう!
熱中症は予防できます。
次のことを参考にして、熱中症対策をしっかり行いましょう。
・こまめに水分補給を行う。
・暑い日は積極的にエアコンを利用する。
・暑さ指数を参考にする。
・暑くなる前から運動などで汗をかいて、暑熱順化で暑さに備える。
・涼しい服装や帽子の着用を心がける。
・適宜に休息をとる。
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