黒川 輝雄

公開日 2025年02月27日

黒川輝雄

長年にわたり土佐塩焼工法による石灰製造に従事し、土佐漆喰の原料となる地灰の製造に携わってきました。

その日の天候を勘案しながら、投入する石灰石のサイズ、配置、コークスの量により、窯の焼成温度や燃焼箇所をコントロールし、良質な地灰を生産する高い技能を持っています。生産された土佐漆喰は皇居大手門に採用されるなど、高い評価を得ています。

◆技のみどころ <こだわり>
 土佐漆喰の原料である地灰(じばい)は塩焼工法で石灰石を焼成することで作られます。土佐の伝統的な石灰焼成技術である塩焼工法は少量の塩を添加し焼成することで不純物の少ない石灰ができるのですが、土佐漆喰の原料は添加する塩の量を増やして焼成します。塩の量を増やすことで通常よりも細やかな焼成温度のコントロールが必要になるのですが、それを計器類に頼ることなく、長年の経験則によりコントロールします。その時の気温や湿度、石灰石の状態によって焼成具合は異なりますので、通常の塩焼工法よりも難易度の高い技術が求められます。

◆「夢」 <挑戦・目標>
 品質に妥協することなく日々の作業を積み重ねることで、高品質な土佐漆喰が製造されます。全国各地の一般住宅はもちろん歴史的建造物などに使用されたとき、大変うれしく思いますし、やりがいを感じる瞬間です。高知県が誇る伝統的建材である土佐漆喰がさらに広く普及し、全国で土佐漆喰の建造物ができていくことが私の目標であり、実現できるよう更なる高品質化に挑戦していきたいと思います。

◆「ひとこと」
 私の勤める会社は令和6年11月で130周年を迎えました。これからさらに150年、200年と土佐漆喰の原料製造技術を伝承していけるよう後継者の育成にも全力を注ぎたいと思います。

◆これから「ものづくり」の道に進もうとする方へ
 私はこの職に就いて20年以上になります。その間、先輩方から教えを乞う一方で、様々な失敗を繰り返しながら今日に至っております。失敗を恐れず、挑戦し、失敗したときにはその原因を徹底的に追及していけば、必ずものづくりの道は開けます。様々なものづくりの分野でそれぞれのやりがいを見出して頑張ってください。

 

後継者育成 土中釜修理の様子

土佐漆喰は漆喰の中でも最高級の品質。

後世に伝えるべく、後継者の育成に力を注いでいます。

土中窯の修理も自分で行います。

 

この記事に関するお問い合わせ

高知県 商工労働部 雇用労働政策課

所在地: 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号
電話: 労政担当 088-823-9763
能力開発担当 088-823-9765
働き方改革担当 088-823-9764
就業支援担当 088-823-9766
ファックス: 088-823-9277
メール: 151301@ken.pref.kochi.lg.jp
Topへ