公開日 2009年06月12日
更新日 2014年03月16日
平成20年度第1回高知県雇用対策本部の概要
開催日:H20.4.21日
■議題
1雇用情勢等について(高知労働局)
2高校生の県内就職対策
3その他(今年度の本部の運営方針について)
■開会
商工労働部長)高校生の県内就職率が初めて5割を切るなど、県内の雇用情勢は厳しい。それぞれの部局できることを検討する。
1.雇用情勢等について
高知労働局長)・全国の求人倍率が平成14年度から上昇する中、高知県は横ばい。
・最近の状況をみると、全国は求人倍率が落ちてきているが、高知県は若干上がっている。
・有効求人数は9,000人台、有効求職者は約15,000人台と、求職者に対して求人が半分程度しかない。これは、例えば1,000人規模の大企業が6、7社ないとまかなえないほど県内の雇用の総量が芳しくないということ。
・高校生の県内就職率が5割を切ったが、内定率はそれほど落ちていない。こどもにしてみれば内定は順調といえる。就職希望者の減の原因は、ほぼ県内就職希望者の減。
・昨年度、企業団体に求人の早期提出をお願いした。その結果、生徒は県内と県外の求人を見比べて選択できる。今年も早めに出していただくようにお願いしていきたい。
・高知県の場合は、雇用の場の確保が最も大事。
Q&A
知事)県と労働局の連携は重要。密接に連携させてほしい。
・具体的にどのようなミスマッチが発生しているのか。
高知労働局長)職種のミスマッチが一番。特に事務職の求人不足。
・作成中の高知労働局雇用施策実施方針にそういった具体の対策を盛り込めないか。
高知労働局長)資料は、要約版。方針そのものには、そういったことも記入している。
2.高校生の県内就職対策
・幹事長から資料 [EXCELファイル/48KB]に沿って説明。平成4年のいわゆる団塊ジュニアの時と比較すると、高校生の卒業者数、就職者数、就職率ともに大きく落ち込んでいる。その中で平成20年は県外への就職率が52%となった。全国の景気が回復すると県外就職率が高まるのが見て取れる。
県の高校生就職対策は、キャリア教育の推進と就職の支援を関係機関と連携しながらやっている。このように予算化されたものについては、危機感を持って速やかに確実にやっていくとして、これ以外に何かできること、やっていくべきことなどについてご議論いただきたい。
副知事)高校生就職対策で、県外の求人事業所説明会が県内より1ヶ月ほど早くなっている。見直せないか。
・求人情報の早期提出については、商工労働部と教育委員会で連携してできるだけ早く求人の要望をしていきたいし、要望先も拡大していきたい。あわせて、各職員が企業を回るときに企業に対して要請をしていく。
知事)学生が県内企業と接触できる時期が問題。県外の説明会(6月25日)と県内の説明会(7月23日)の関係は変わるのか。
早く調整して変更を検討すること。高知労働局長の話にもあったように、こどもたちの選択肢を広げるといった点からしても前倒しをしていかないといけない。
・前から言われている話だが、先日の工業会の方々と知事との懇談で就職担当の先生が高知の企業のことを知らないところに課題があるのではという話が出た。今でもまだそんな課題があるのか。
・まだあると思う。ただ、一方では県内にも世界に冠たる企業があるといいながらそういう企業の求人はほとんど大卒であって、高校生が就職する県内のいわゆる中小企業の労働環境がどうなのかという問題もある。どちらだけということではなくて、お互いが情報交換しながら足りないところをお互いにアップしていく努力が必要。どうも以前からお互いを非難しあうだけというイメージがある。県内の高校生が欲しいならどうやって周知するか、教育委員会としてはどうやって企業を知るかというようなとことで議論したい。ずっと前からその議論がある。
・昔のテクノピアのような場で、思い切ってお金も出して、室戸から宿毛まで学生や就職担当の先生に来てもらって県内企業を見てもらったらいい。もういい加減そのやり取り(お互いを非難しあうだけのやり取り)からは卒業したい。
知事)インターンシップ推進事業などは、まさにそういった事業だろう。
・これも前からいっていることだが、個別の中小企業では福利厚生面で限界がある。複数の企業で福利厚生環境を整備していくようなことができないか。県の施策として考えていってもいいのでは。
・その話については、協議の場が事務的な話に終始しているのではないかと思う。会議に出てくるメンバーのレベルを上げて話し合っていったらいいのではないか。
・本年度の本部会議は、そういった個別のミスマッチについてきちんと検証するような取組みを重点的にしていきたい。企業や現場の考えを吸い上げて幹事会で十分議論したうえで、本部に上げ、来年度予算に向けてミスマッチ解消にどのような取組みができるかを中心に進めていきたい。
知事)県内の高校生の県内企業就職希望者の有効求人倍率は1.2倍ある。求人が少ないというよりもミスマッチの問題が大きいのではないか。男女別に分けるなどして具体的にどのようなミスマッチが生じているのかを分析してみてるといいかもしれない。
・高校生は、4月時点では県内就職を希望する人が多いが、就職活動をするうちに県外希望が多くなっていくようだ。そういったことを含めて個別に検討したい。
・高卒で就職する全卒業生の16%の人の意識がどこにあるのかが不明。どういう高校生が進学し、就職し、あるいは家にいるのか、そこで就職を希望しているこどもたちのニーズに県内企業がマッチしているのかどうか。
・全国では求人は理系が多い。高知県は、看護・介護などが多い。高知県から進学した学生が就職する先は事務系が多い。そのあたりを分析して高校の編成を考えていく必要もあるかもしれない。特に、介護系や福祉系は、長い目で見たときに県経済の拡大再生産につながっていく産業ではない。
知事)男女別、職種別、もしかしたら地域別も含めての求人倍率を取ってみたら如実に現れてくるのではないか。
・細かいデータはあるようなので整理する。今後は、データの整理をしながら様々なミスマッチを個別に議論していきたい。
3.その他
・資料 [その他のファイル/40KB]に雇用対策本部のイメージを示したが、県の雇用対策は、第1義的には、「働く場の確保・創出」だが、本年度は、全庁を上げて取り組んでいる産業別・地域別の振興計画づくりの中で議論していくとして、雇用対策本部としては重複を避けて、「円滑な就業の促進」(ミスマッチの解消)についてデータを整理して個別に議論していくことを中心としたい。どのようなミスマッチを議論していくかについては、幹事会にかけて整理していきたい。
知事)正直なところ4月の初めの講話でも言ったが、若者の県外流出がどんどん進んでいる今の状況については危機感をもって対応していかなければならない。この現状に慣れてはいけない。とにかく危機感を持って対応することが重要。
雇用対策は、正直なところ1つやれば全てうまくいくといった特効薬はない。ありとあらゆることをやっていかなければならない。
まず根本的な問題としては、雇用と収入を確保すること。これは産業別・地域別振興計画を作っていく中で正面から取り組んでいくこととしている。計画づくりに当たっては雇用の創出という視点に重きをおいて取り組んでいただきたい。
そのうえで、高知県の就職状況について技術的な点も含めてミスマッチがあるのではないか。雇用対策本部では、このようなミスマッチの問題を正面から取り組んでいくこととなる。これについても、1つ2つの課題ではないと思う。平成20年度予算では、とりあえず今考えられる対策を盛り込んだ。これに加えて、随時、有効と考えられる施策を手を打っていくことが必要。先ほどの求人事業所説明会の時期などは速やかに直していくことが必要。そういった施策を7つ、8つと積み重ねていくことでやっとこの状況が改善されるのではないか。各部局で何ができるかをよくよく考えて欲しい。
次回からは、データ分析をしたうえで個別のミスマッチを明らかにし、それに対する対応策をこの場で議論していきたいと思う。とにかく各部局でこの問題は深刻な問題だという認識を持って取り組んでいただきたい。
また、本日は、高知労働局長にご出席いただいたが、雇用対策については全庁上げて取り組んでいきたいと考えているので、今後とも是非、密接な連携をとらせていただきたい。
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