公開日 2009年07月10日
更新日 2014年03月22日
平成21年度第1回高知県雇用対策本部会議の概要
開催日:平成21年6月15日
■議題
1.雇用・経済情勢について
2.本年度の雇用対策本部の方向性について
3.県民生活を守るための緊急的な対策について
4.更なる雇用対策の実施について
5.高校生の就職支援対策について
資料1−2 [EXCELファイル/99KB]
資料2[その他のファイル/54KB]
資料3[その他のファイル/197KB]
資料4[その他のファイル/47KB]
資料5(5−1[PDFファイル/56KB] 5−2[PDFファイル/49KB] 5−3[PDFファイル/33KB] 5−4[PDFファイル/45KB])
【開会】
副本部長)それでは、第1回雇用対策本部会議を開催します。
知事)本日は、礒部局長を初め、高知労働局の皆様、ご参加いただきありがとうございます。雇用情勢は厳しい状況が続いている。3月の有効求人倍率は、0.39倍、4月は0.40倍と若干改善しているが、極めて低水準で推移している。全国順位は36位となっており、比較的、高知県は踏みとどまっているといえる。ただし、高知県の場合には、影響が遅れて現れる傾向があるので、予断を許さない。あらゆる施策を総動員して、緊急の雇用対策を実施していくことが重要。
産業振興計画は、高知県経済の体質を強化するための施策。あわせて緊急の雇用対策を実施していくことが喫緊の課題。
本日は、情勢交換をした後、それぞれの施策について実効性のある施策とは何なのか議論していきたい。
【議題1】雇用・経済情勢について
高知労働局長)高知県の4月の有効求人倍率は、0.40倍。全国平均は、0.46倍。対前年同月比でみると、全国が0.47ポイント下落するなか、高知県は0.1ポイントの下落にとどまっている。県内の事業主が必死な取組をされているのがわかる。高知県に輸出型産業が少ないこと、県の緊急融資制度や各種助成金等が下支えしているのことも原因の1つではないか。高知労働局で進めている不適切な解雇・雇止めの防止の対策の取組も一定功を奏しているのではないかと考える。今後は、2つの雇用対策基金事業の効果も徐々に出てくるのではないか。
有効求人倍率の全国順位をみると、香川県が1位、徳島県が7位、愛媛県が12位となっている一方、愛知県は15位まで落ちており、一時期とは大きく様変わりしている。
なお、有効求人倍率は、季節的な変動要因が大きいので、季節調整値を使用している。
高知県の新規求人で延びている業種は、「卸売・小売業」、「医療・福祉」、「公務・その他」。特に「公務・その他」は、前月から33.9%の大幅増となっている。
離職者の全体数が増加するなかで、自己都合離職も増えているが、事業主都合離職が大きく増えているのが特徴。
雇止めの人数は、高知県は577人と沖縄についで低い水準。ただ、今後の動向には注意が必要。
高校生の就職は、7月末時点では県内就職を希望する学生が多いが、実際就職するときには県外が多くなる。県内企業の求人時期が遅いこと、県内の優良企業を高校生や親が知らないことなどが原因ではないか。また、県外企業の方が寮等が充実していることも要因となっていると考えられる。県内企業に対して求人の要請活動をしているが、今年度は県内企業の求人は厳しい状況が予想される。
雇用調整助成金は、拡充されており、最大9/10までになっている。是非、活用していただきたい。
労働局の雇用対策としては、日曜日の新聞の折込でも公表した。また、ハローワーク高知が9月24日から移転することとなっている。パワーアップしてオープンする。
やる気と体力がある人に仕事を提供するのは行政の義務。我々も汗をかいていきたい。
副本部長)事務局から、補足で説明します。
事務局)企業倒産件数・負債総額をみると、他県が増加する中で、本県は減少傾向にある。ただ、4年連続負債総額200億円を超えており、予断を許さない。雇止めの状況は、4月から5月にかけて落ち着いているように見えるが、今後も注意が必要。高校生の就職は、2年連続で50%を超え、県外への若者の流出が続いている。
【議題2】本年度の雇用対策本部の方向性について
(事務局から資料2に基づき、本部の方向性について説明。)
・県民の生活を守るための緊急的な対策に全庁一体となって取り組む。
・2つの雇用対策基金事業の有効活用、公共事業の前倒しなどの緊急雇用対策についての意識共有。
・「円滑な就業の促進」についても、様々な取組を継続するとともに、足りないと思うところについては、幹事会で議論し、第2回以降の本部会議で議論していきたい。
知事)労働市場のオープン化は大事。働く場との出会いの場が増えるとともに、労働法規の遵守にもつながる。高知労働局も専門のチームをつくって取り組んでくれている。県としても労働市場のオープン化を図っていくことが重要。
副本部長)労働市場のオープン化について、現在、順次実施している2つの雇用対策基金事業については、ハローワークでの求人を徹底していただきたい。
【議題3】県民生活を守るための緊急的な対策について
事務局)緊急的な対策を、「あったか高知・雇用創出プランの実行」、「雇用基盤の維持・強化」、「離職者等の再就職支援などの強化」の3本柱で整理した。
ふるさと雇用再生特別基金は、総額66億円のうち、当初分の3年間の事業計画で36億円、新規雇用失業者855人。追加分の3年間の事業計画では17億円、新規雇用失業者358人となっている。したがって、残りは13億円程度。産業振興計画の具体化にも使っていただいている。
緊急雇用創出臨時特例基金は、当初計画で232事業、新規雇用失業者1,341人、追加分で18事業、新規雇用失業者96人の計画となっている。
国のH21年度補正予算で、更に35.3億円が追加配分されることとなっている。
出先機関の要望も集約するなどして、できるだけ9月議会等で予算化をし、前倒しで執行をお願いしたい。また、両基金事業の執行にあったっては、ハローワークでの求人を徹底していただきたい。
中小企業の資金繰り対策については、12月、4月と制度の拡充を行ってきた。15年以内の長期の借換えについても、7月補正に予算要求中。
融資実績をみると、H20年度361億円、H21年度95億円とよく活用いただいている。
土木部長)公共事業の前倒し発注等について説明します。
建設業の倒産状況も、全国が増加する中、高知県は減少している。国の補正予算の積極的対応や県の緊急融資などが影響しているのでは。
H21年度の公共事業等の上半期の発注実績は、563億円(91.0%)、対前年度比181億円の増。前倒し発注を徹底した影響で、下半期の発注量が減少するが、国の補正予算を足すとある程度の予算確保が可能と考える。
副本部長)以上、緊急的な対策について説明したが、資料3の「NEW」と記入した施策のうち地域福祉部の施策について説明をしてください。
地域福祉部)
・代替職員の確保による介護職員の研修支援事業・・・福祉介護サービスに従事する職員が研修に出る場合に代替職員を確保するために必要な経費を支援するもの。平均雇用期間3ヶ月とした場合、43名分の雇用で、予算31百万円程度。7月補正に計上する。
・臨時特例つなぎ資金貸付事業・・・住居のない離職者対象。職業訓練や生活保護等の公的給付が開始されるまでの間のつなぎ資金として、保証人なし、無利子で10万円を限度に給付を行うもの。100人分を7月補正に計上する。
・住宅手当緊急特別措置事業・・・2年以内に離職した人対象。住居がない、またはその恐れがある人が対象。収入要件はないが、就職活動を行っていることなどを条件に6ヶ月間家賃を助成。
つなぎ資金貸付事業と住宅手当緊急特別措置事業は、ハローワークとの連携が不可欠。連携しながら対応していきたい。
農業振興部長)労働力不足分野での雇用創出について、農業振興部では、ふるさと雇用再生特別基金を活用し、当初予算で26名の新規雇用を計画。また将来の雇用創出が期待できる、農協が出資する法人設立に向け支援する施策も実施するとともに、設立の促進に向け、積極的に体制を組んで対応していく。
知事)各部局からの施策は、ある程度出揃った。今後は、着実に実効性のある形で執行することが重要。ふるさと雇用再生特別基金事業しかり、緊急雇用創出臨時特例基金事業しかり、1個1個の事業プランを着実に実行していくこと。
労働力不足分野については、福祉や農業など、不足していて大変と言われている。このミスマッチを解消するために必要な施策を実施していくこと。
知事)公共事業については、前倒しをした結果、下半期の発注量が落ちるが、国の補正等がある関係でほぼ前年並みに確保される見込みということか。
土木部長)そのとおり。
【議題4】更なる雇用対策について
(事務局から、資料4に基づき説明。)
・緊急雇用創出臨時特例基金に35.3億円の追加配分がある予定。
・当初配分と同様、県:市町村の配分を1対1とした。
・9月補正はもちろんだが、H22当初予算要望の時には、H23年度事業についても要望を聞いて、県と市町村、市町村間の配分調整するようにして、できる限り前倒しして残額のないように執行していきたい。
本部員)H22年度の当初予算要望時に配分調整をといっておきながら、補正でできるだけ早く執行してほしいというのは矛盾していないか。
副本部長)市町村によっては足りないところと、使い切れないところがあるので、H22の要望の時までに市町村間・県市町村間も含めて、再度調整するということ。
本部員)市町村には、どういう通知をするのか。
副本部長)同じ趣旨で通知する。
本部員)そうすると、市町村が本年度途中でやりたい場合どうすればいいのか。
副本部長)市町村は、追加要望をあげてくることになる。
本部員)H22年度当初予算を待たずに要望を上げることができるということか。
副本部長)そのとおり。
本部員)その辺の主旨がわかりにくい。最終取りまとめはこの時期だが、それまでにやりたいところは先に出してくるようにと明記すべきでは。
本部員)17.65億円について、どんなボリュームで事業を執行していくつもりなのか。7月補正もまだ間に合うが。どうするのか。
副本部長)7月補正では、35.5億円の歳入予算を組む。歳出については、追加で各部から上がってきたものを予算に計上している。
事務局)市町村分については、県の予算上は県からの補助金となる。7月補正で5億円予算要求している。つまりH21年度で総額の約半分を執行していく計画で予算要求している。県分についても、同じく、H21年度で総額の1/2を前倒し執行できるようお願いしていく。
本部員)考え方はいいが、そのメッセージが伝わってこない。
副本部長)そこについては、今後の幹事会等で徹底する。
事務局)また、市町村に対しても庁内に対しても、ブロックごと、部局ごとに説明会を開催するのでその旨周知していく。
知事)ちょっと複雑になっているが、15億円の当初の枠に対する当初事業と当初の枠に対する追加事業があって、そこに35億円の追加枠が今回配分されることとなった。7月議会で予算化できればいいが、まだ5月に決まったばかりなので、7月が無理なら9月補正で対応していくことになる。ただ、確かにわかりにくいところはあるので、わかりやすい形で各部局に周知するように。
【議題5】高校生の就職支援対策について
(事務局から資料5に基づき説明。)
・企業・団体に対する求人、早期求人票の提出要請
昨年度は、商工労働部のみ。本年度は、全部局で実施。
・地域産業担い手人材育成事業(H20年度10校 → H21年度23校)
・ふるさと基金でキャリア教育推進事業も実施。
・この他にも教育委員会で7名の就職アドバイザーを雇用。
・高等学校授業料減免事業等支援臨時特例交付金
副本部長)企業・団体への求人枠の拡大や求人票の早期提出の要請について各部局の協力に感謝します。商工労働部では、昨年度160社程度企業を訪問したが、本年度は既に180社程度訪問した。残り少ない期間ですが、200社を目指して要請していく。
各部局にも要請にご協力いただいたが、訪問の状況について報告してください。
観光振興部)5月20日に観光組合を通じて105社のホテル・旅館等に要請活動を行った。また、各部会や会議でもお願いをした。印象としては、地域によってバラツキがあるのではないかと感じたが、総じて観光業界は頑張っていかなければならないとの意見をいただいた。
農業振興部)農業振興部では、農協や土地改良区を中心に説明した。
教育長)昨年度から、求人票の早期提出に対する要請活動を行っている。実際、効果もあった。途中まではいい状況が続いたが、最終的には県外就職する学生が増えた。
今年度は、県外求人が減少するので県外就職者も減るのではとの意見もあるが、早計ではないか。減ったといっても県外求人のほうがかなり多いし、減ったことによって県外企業の競争率が上がったとしても、高知県から県外へ就職するのは比較的優秀な生徒が多く、厳しい就職戦線を勝ち抜いて県外に就職するのではないかと思う。状況としては、今年度も県外流出が続くのではと懸念する。
文化生活スポーツ部)高等学校授業料減免事業等支援臨時特例交付金については、従来からの授業減免措置の増加分や今回補助要件を新設するものについて、3年間、県が基金を設置して対応するものについての措置。
副本部長)それでは、最後に知事から一言お願いします。
知事)本日は、高知労働局長ありがとうございました。とにかく、各部局とも実施しうるあらゆる事業について知恵を出してもらった。ふるさと雇用再生特別基金や緊急雇用創出臨時特例基金と併せて、新規事業についても、とにかく実効性のある形でスピード感をもって実施していかなければならない。
副本部長)それでは、第1回雇用対策本部会議を終了します。
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