公開日 2024年01月31日
生態や特徴
もともとユーラシア大陸に生息するカワラバトが飼い慣らされたもので、日本には奈良時代に持ち込まれ、伝書鳩として飼育されていたものが野生化したものであると言われています。
主に木の実や植物の種など植物性のものを食べ、気候や餌等の条件が整えば年に何回でも繁殖します。
体型や大きさは30から35cmくらいでキジバトとほぼ同じですが、体色はキジバトが明るい茶褐色であるのに対し、ドバトは基本的に灰色ですが白色に近いものから黒っぽいものまで個体差があります。
崖や断崖に営巣する習性から、マンションやビルなどの高いところを休憩場所やねぐらとすることが多いです。
被害状況
都市部では住宅や施設等へのフン等による被害など生活環境への影響が、郊外などでは田畑の耕作物への被害が見られます。
被害対策
1.ハトにエサを与えない
ドバトはもともと繁殖力が高い鳥ですが、人が餌付けをすることなどによって栄養状態がよくなることにより、繁殖力がさらに高まり、個体数が大幅に増加します。
その結果、増えすぎたドバトが周囲の住民の方々の生活環境に悪い影響を及ぼしています。
都市部の公園などでハトに餌やりをしている方がいますが、餌やりはやめましょう。
ハトが増えすぎることは、ハトのためにも人間のためにもなりません。
環境省では、「エサをあげないで!」と題したパンフレットを作成しており、その内容はインターネットからもごらんいただけます。
http://www.env.go.jp/nature/choju/docs/docs5-2a/index.html
2.ハトを近寄らせない
(1)繰り返し追い払う
自宅がマンションの場合で、ベランダ等にハトを見かけた時は、何度でも徹底的に追い払います。原始的なようですが、とにかくハトを見るたびに追い払いをします。そのうちにハトも自分にとって居心地の悪い場所だと気づくのか、来なくなることも多いようです。
実際に、県庁3階にある県鳥獣対策課の前のバルコニーにもドバトが頻繁に来ていました。木の小枝をくわえてきて巣作りをするようなこともありましたし、糞による汚れも目立っていましたが、見かけるたびにドバトを追い払い、小枝を処分して周囲を掃除したりすることを繰り返すうち、ドバトはほとんど来なくなりました。
(2)市販の防除グッズ等を利用する
- 忌避グッズの利用
目玉状の模様が印刷してある風船や忌避剤、磁力を利用した忌避商品などが市販されています。 - 網等で物理的に遮断する
ベランダに網・ネット等をして物理的に遮断します。 - テグスを張る
マンションのベランダの手すりにハトが留まっていることがありますが、これは、崖や断崖に営巣する習性によるもので、ベランダの中に入るような場合でも、一旦手すりに留まって周囲を窺ってから中へ入ることが多いようです。
したがって、手すりに留まることを防げば、マンションのベランダにおける被害を防ぐことのできる確率は高まります。
手すりの上の全周に手すりの上面に平行にテグスを張って効果をあげている事例などがあります。また、同様に手すりに取り付けるタイプの忌避商品も市販されています。
3.ハトを捕獲する
ハトをはじめとする野生の鳥獣は、許可等がないと捕獲することはできません。また、ドバトは「非狩猟鳥獣」として狩猟による捕獲は禁止されています。
ただし、生活環境への影響や農作物の被害がある場合には、市町村の捕獲許可を得て、檻などによる捕獲をすることができる場合があります。
なお、許可を受けるには狩猟免許を受けることが必要であるなど一定の要件がありますし、専門の業者に依頼する場合には金銭面での負担も発生します。
したがって、前項の「ハトを近寄らせない」対策を行ってみて、それでもだめな場合に捕獲による対策を検討することになります。
捕獲許可については、お住まいの市町村の鳥獣対策担当課にお問い合わせください。
県民のみなさまへ
生態系は、自然界で得られる量の餌で生息数のバランスをうまく保つようにできあがっています。 ですから、ドバトをはじめとする野生鳥獣に対しては餌を与えるのではなく、このバランスを保つことが野生の鳥獣と人とが共生するために必要なことなのです。
自然界で獲得できる以上の餌が豊富にあると、特定の生きものだけが増え、生きもののバランスが崩れたり、抵抗力が落ち、病気になったりします。
また、人の食物を与えると次第に人を恐れなくなり、餌場に近い場所にねぐらを構えるようになります。
その結果、人がわざわざ被害を呼び寄せた状態になるなどの問題となり、餌を与える人だけでなく、付近の住民の方にも被害が拡大したり、その原因となる生きものを捕らえ、処分しなければならなくなり、結果「餌付け」は人とその餌をもらいに来る動物の双方を不幸にしてしまいます。
ドバトをはじめとする野生鳥獣に対する餌付けや餌やりはお控えくださるよう、県民のみなさまのご理解とご協力をお願いします。
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